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うたたね運転の旅立ち

 今回は、あまりにもイケてないジャケットのアルバムです。
これでも、73年リリースなのでした。

 Asleep At The Wheelの1stアルバムです。
 Asleep At The Wheelは、Bob Willsが好きでたまらない、ボーカル、ギターのRay Bensonと、スチール・ギターのLuckey Oceans、そしてボーカル、ドラムス、ギター(?)のLeroy Prestonを中心として、69年頃結成されました。

 彼らにバンド結成への勇気を与え、お手本の一つとなったのは、Commander Cody And His Lost Planet Airmenだと思います。


Comin' Right At Ya
Asleep At The Wheel

Side One
1. Take Me Back To Tulsa (Ray Vo.)
2. Daddy's Advice (Leroy Vo.)
3. Before You Stopped Loving Me (Chris Vo.)
4. Drivin' Nails In My Coffin (Ray Vo.)
5. I'll Never Get Out Of This World Alive (Leroy Vo.)
6. Space Buggy (Chris Vo.)

Side Two
1. Cherokee Boogie (Ray Vo.)
2. Hillbilly Nut (Leroy Vo.)
3. Your Down Home Is Uptown (Chris Vo.)
4. I'm The Fool Who (Told You To Go) (Ray、Chris Vo.)
5. I've Been Everywhere (Leroy Vo.)
6. The Son Shines Down On Me (Chris Vo.)

 この1stアルバムのメンバーは、先の3人に加えて、紅一点の、ボーカルとギター、Chris O'Connellと、ビアノのFloyd Domino、ベースのGene Dobkinからなる6人編成です。
 さらに、ゲストとして、元テキサス・プレイボーイズのJohnny Gimble、元ロスト・プラネット・エアメンのAndy Stein、そして腕利きセッションメン(らしい)Buddy Spicherの豪華トリプル・フィドラーが参加しています。
 Andy Steinは、サックスもOKの人ですが、このアルバムではフィドルでのみ参加のようです。

 現在では、完全にRay Bensonのバンドという感じになっていますが、このころは、まだ体制が確立していず、むしろLeroy Prestonが、はばを効かせていたように感じます。

 全12曲のうち、2、3、6、8、9、10の6曲が、彼単独、もしくは共作の作品です。
そして、驚くべきことに、Rayが一人で作った曲は、1曲もないのでした。

 リード・ボーカルで、リード・ギターというのが、Rayの強みのはずですが、このアルバムでは、かなり民主的な曲の振り分けになっていて、曲名のあとのカッコ書きが、その曲でリード・ボーカルを取っているシンガーです。
 やはり、ソングライターの発言力はかなり強いと感じます。

 Bob Wills and His Texas Playboysへの強い憧憬から、出発したと思われる、このバンドですが、この1stでやっているWillsナンバーは、冒頭のTake Me Back To Tulsaだけです。
 この曲では、Rayの掛け声をきっかけに、3人のフイドラーのソロ回しがあり、短いですが、聴きものです。
 この曲は、その後何度も吹き込まれることになります。

 Leroy Prestonの曲は、決して不出来なものではないですが、残念ながら、傑出した魅力にあふれているとまでは言えません。
 その後の彼の位置を既に暗示しているように思います。

 その他のカヴァー曲では、I'll Never Get Out Of This World Aliveが、ハンク・ウイリアムス・ナンバーで、Cherokee Boogieが、ムーン・マリカンの曲です。
 ムーン・マリカンは、ジェリー・リー・ルイスにも影響を与えた、ヒルビリー・ピアニストです。

 他では、原曲を知らないんですが、I've Been Everywhereが良い曲です。
これも、ピアノが印象的なので、ピアニストの曲かも知れません。

 全体的に、ボーカルは、やはりRayのジェントルなバリトン・リードが傑出しており、また、Chrisのパンチの効いた歌声が、よいアクセントになっていて魅力的だと思います。
 サウンド志向としては、まだジャンプや、ブギに目覚めていない感じですが、そこへたどりつくのは必然なのでした。
 私は、Bob WillsLouis Jordanは、同じコインの両面だと考えています。

 このあと、何度もメンバー・チェンジを繰り返しながら、現在に至るまで、ウエスタン・スイングの王者として、テキサス・カントリーをリードしていく、長い旅の出発点となった1枚なのでした。





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