2011年06月01日
ロカビリー星雲
私は、ビートルズを入り口に50年代のロックンロールやロカビリー、リズム&ブルース、ガール・グループなどを聴くようになりました。
中でも、当時、輸入盤店でかっこいいジャケットのロカビリーのアルバムを探すのが楽しみでした。
コンピで好きだったのは、英Charlyのサン・レコードのリイシューですね。
アナログ時代の英Charlyのジャケ・デザインはかっこよかったと思います。
1. Wait For The Light To Shine : Town Hall Party (F.Rose)
2. The Sun Keeps Shining : The Everly Brothers (D.Everly, J.Orgon)
3. Rockin With Red : Little Jimmy Dikens (W.Perryman)
4. That's All Right : Marty Robbins (A.Crudup)
5. Honky Tonk Hardwood Floor : Johnny Horton (E.Hazelwood, S.Harell, T.Atchison)
6. Party : The Collins Kids (J.M.Robinson)
7. Did We Have A Party : Billy Brown (B.Brown)
8. Pink Pedal Pushers : Carl Perkins (C.Perkins)
9. Pointed Toe Shoes : Carl Perkins (C.Perkins)
10. Mary Ann : Link Wray (R.Charles)
11. Raw Hide : Link Wray (M.Gray, F.Wray)
12. Bluebirds Over The Mountain : Ersel Hickey (E.Hickey, M.Corda)
13. Cut Across Shorty : Carl Smith (M.Wilkins, W.Walker)
14. Milk Cow Blues : Scotty Moore (K.Arnold)
15. Mystery Train : Bob Luman (H.Parker, S.Phillips)
16. Honey Don't : Mac Curtis (C.Perkins)
17. State Of Confusion : Carl Perkins (C.Perkins)
18. I Will Rock And Roll With You : Johnny Cash (J.R.Cash)
19. Sorry Charlie : Carl Perkins (C.Perkins)
20. Break Up : Allan Rich (C.Rich)
21. Lawdy Miss Clawdy : Mickey Gilley (L.Price)
22. Big Boss Man : Charlie Rich (A.Smith, L.Dixson)
23. No Headstone On My Grave : Charlie Rich (C.Rich)
24. I Feel Like Going Home : Charlie Rich (C.Rich)
このCDは、コロンビア系列のロカビリーのコンピで、もともとは2枚組LPで出されていたものです。
私は、続編も含めてLPで持っていたはずですが、例によって所在不明です。
本CDは、バックインレイの表記によると81年発売となっていますが、若干疑問があります。
なぜなら、米国でCDが広く普及するようになったのは、普通は80年代半ば以降だと言われているからです。
81年というのは、このソフトのLPとCDが併発された時期だとしても、感覚としては少し早いように思います。
また、発売元がCBSになっているのが時代を感じます。
この時期より少しあと、ソニーは、88年にCBSレコードを買収し、翌89年にはコロンビア・ビクチャーズを買収しました。
当時は、ロックフェラー・センターの買収と併せ、ジャパン・マネーがアメリカの魂を買い叩いているとして、米国民の嘆きと反感をかっていました。
中国マネーが、虎視眈々と日本の不動産を狙っている昨今、隔世の感を禁じえません。
さて、本作で、今回私が注目したいトラックは、次のとおりです。
1. Wait For The Light To Shine : Town Hall Party
6. Party : The Collins Kids
11. Raw Hide : Link Wray
14. Milk Cow Blues : Scotty Moore
15. Mystery Train : Bob Luman
24. I Feel Like Going Home : Charlie Rich
私が、Town Hall Partyのことを知ったのは、いつごろだったでしょう。
Bear FamilyのDVDで知ったのでした。
それまでは、バンド名なのかなと、ぼんやりと考えていたのでした。
熊家族によって、Town Hall Partyが米国のTV番組であることを知りました。
"Wait For The Light To Shine"は、番組のテーマかも知れず、数人の男女がボーカルをとっています。
この番組のホストは、Tex RitterとJohnny"Hot Rod Lincoln"Bondで、主要キャストとして、Collins Kidsや師匠のJoe Maphisがいたようですので、彼ら全員によるパフォーマンスなのかも知れません。
ただ、ブルーグラス風のイントロで始まるのが、まだ少し気になるところではあります。
ちびっこロカビリー姉弟、Collins Kidsは、Bear FamilyからTown Hall Party出演時の単独DVDが出て、私も買いました。
姉のローリー・コリンズが42年生まれ、弟のラリーが2つ下ですので、当時は二人ともローティーンだったわけです。
"Party"は、ワンダ・ジャクソンで知られる"Let's Have a Party"です。
Link Wrayは、レイ・チャールズの"Mary Ann"をやっているのが注目ですが、曲の仕上がりのインパクトとしては"Raw Hide"が勝っています。
ヘビーなギター・サウンドが、今聴いても凶悪です。
一人無人の野を行く兵法者の趣きを感じます。
Scotty Mooreの"Milk Cow Blues"と、Bob Lumanの"Mystery Train"は、ともにギターが聴きものですが、"Mystery Train"の革新的なプレイが凄く圧勝でしょう。
この時期のポブ・ルーマンの伴奏をしていたのは、James Burtonでした。
かっこよすぎます。
私は、ずっと疑問に思っていることがあるのですが、ジェイムズ・バートンが、デイル・ホーキンスの「スージーQ」のギターを弾いたというのは本当なのでしょうか?
スタイルを確立する前だとしても、あまりにも違いすぎるように感じます。
一方、"Milk Cow Blues"は、ココモ・アーノルドのブルースが原曲だと思いますが、多くのシンガーにカバーされています。
Bob Willsは、"Brain Claudy Blues"のタイトルで録音していて、聴きものです。
その点、エルヴィスの"Milk Cow Blues Boogie"は、残念な出来だったと私は思っています。
ロカビリーなら、エディ・コクラン盤のアレンジが最高でした。
エルヴィス盤もエディ盤も、アレンジのお手本があるのなら知りたいものです。
Carlie Richは大好きなアーティストです。
特にサン時代とハイ時代が好きで、Epic以降はコマーシャル・カントリーっぽいという先入観があるのですが、ここに入っている"I Feel Like Going Home"は素晴らしいです。
その前の"No Headstone On My Grave"も含め、ロカビリーという範疇ではないですね。
"I Feel Like Going Home"は、正にカントリー・ソウルと呼びたい傑作です。
荘厳ささえ感じる伴奏にのせて、チャーリーのソウルフルなボーカルが素晴らしいです。
この曲を収録したCDは所有していないので、ここで聴けるのは嬉しさも倍増です。
なお、マディ・ウォーターズに同名異曲があり、そちらも身震いするほどの傑作です。
本作は、メジャー・レーベルのロカビリー・コンピらしく、カントリーに接近した曲や、ポップなロッカバラードも含まれていますが、他にもJohnny CashやCarl Perkinsなど、聴きものが多くお奨めです。
このあと、第三集までリリースされました。
関連記事はこちら
蘇る銀狼
チャーリー・リッチのこの1枚
中でも、当時、輸入盤店でかっこいいジャケットのロカビリーのアルバムを探すのが楽しみでした。
コンピで好きだったのは、英Charlyのサン・レコードのリイシューですね。
アナログ時代の英Charlyのジャケ・デザインはかっこよかったと思います。
Rockabilly Stars Volume1
1. Wait For The Light To Shine : Town Hall Party (F.Rose)
2. The Sun Keeps Shining : The Everly Brothers (D.Everly, J.Orgon)
3. Rockin With Red : Little Jimmy Dikens (W.Perryman)
4. That's All Right : Marty Robbins (A.Crudup)
5. Honky Tonk Hardwood Floor : Johnny Horton (E.Hazelwood, S.Harell, T.Atchison)
6. Party : The Collins Kids (J.M.Robinson)
7. Did We Have A Party : Billy Brown (B.Brown)
8. Pink Pedal Pushers : Carl Perkins (C.Perkins)
9. Pointed Toe Shoes : Carl Perkins (C.Perkins)
10. Mary Ann : Link Wray (R.Charles)
11. Raw Hide : Link Wray (M.Gray, F.Wray)
12. Bluebirds Over The Mountain : Ersel Hickey (E.Hickey, M.Corda)
13. Cut Across Shorty : Carl Smith (M.Wilkins, W.Walker)
14. Milk Cow Blues : Scotty Moore (K.Arnold)
15. Mystery Train : Bob Luman (H.Parker, S.Phillips)
16. Honey Don't : Mac Curtis (C.Perkins)
17. State Of Confusion : Carl Perkins (C.Perkins)
18. I Will Rock And Roll With You : Johnny Cash (J.R.Cash)
19. Sorry Charlie : Carl Perkins (C.Perkins)
20. Break Up : Allan Rich (C.Rich)
21. Lawdy Miss Clawdy : Mickey Gilley (L.Price)
22. Big Boss Man : Charlie Rich (A.Smith, L.Dixson)
23. No Headstone On My Grave : Charlie Rich (C.Rich)
24. I Feel Like Going Home : Charlie Rich (C.Rich)
このCDは、コロンビア系列のロカビリーのコンピで、もともとは2枚組LPで出されていたものです。
私は、続編も含めてLPで持っていたはずですが、例によって所在不明です。
本CDは、バックインレイの表記によると81年発売となっていますが、若干疑問があります。
なぜなら、米国でCDが広く普及するようになったのは、普通は80年代半ば以降だと言われているからです。
81年というのは、このソフトのLPとCDが併発された時期だとしても、感覚としては少し早いように思います。
また、発売元がCBSになっているのが時代を感じます。
この時期より少しあと、ソニーは、88年にCBSレコードを買収し、翌89年にはコロンビア・ビクチャーズを買収しました。
当時は、ロックフェラー・センターの買収と併せ、ジャパン・マネーがアメリカの魂を買い叩いているとして、米国民の嘆きと反感をかっていました。
中国マネーが、虎視眈々と日本の不動産を狙っている昨今、隔世の感を禁じえません。
さて、本作で、今回私が注目したいトラックは、次のとおりです。
1. Wait For The Light To Shine : Town Hall Party
6. Party : The Collins Kids
11. Raw Hide : Link Wray
14. Milk Cow Blues : Scotty Moore
15. Mystery Train : Bob Luman
24. I Feel Like Going Home : Charlie Rich
私が、Town Hall Partyのことを知ったのは、いつごろだったでしょう。
Bear FamilyのDVDで知ったのでした。
それまでは、バンド名なのかなと、ぼんやりと考えていたのでした。
熊家族によって、Town Hall Partyが米国のTV番組であることを知りました。
"Wait For The Light To Shine"は、番組のテーマかも知れず、数人の男女がボーカルをとっています。
この番組のホストは、Tex RitterとJohnny"Hot Rod Lincoln"Bondで、主要キャストとして、Collins Kidsや師匠のJoe Maphisがいたようですので、彼ら全員によるパフォーマンスなのかも知れません。
ただ、ブルーグラス風のイントロで始まるのが、まだ少し気になるところではあります。
ちびっこロカビリー姉弟、Collins Kidsは、Bear FamilyからTown Hall Party出演時の単独DVDが出て、私も買いました。
姉のローリー・コリンズが42年生まれ、弟のラリーが2つ下ですので、当時は二人ともローティーンだったわけです。
"Party"は、ワンダ・ジャクソンで知られる"Let's Have a Party"です。
Link Wrayは、レイ・チャールズの"Mary Ann"をやっているのが注目ですが、曲の仕上がりのインパクトとしては"Raw Hide"が勝っています。
ヘビーなギター・サウンドが、今聴いても凶悪です。
一人無人の野を行く兵法者の趣きを感じます。
Scotty Mooreの"Milk Cow Blues"と、Bob Lumanの"Mystery Train"は、ともにギターが聴きものですが、"Mystery Train"の革新的なプレイが凄く圧勝でしょう。
この時期のポブ・ルーマンの伴奏をしていたのは、James Burtonでした。
かっこよすぎます。
私は、ずっと疑問に思っていることがあるのですが、ジェイムズ・バートンが、デイル・ホーキンスの「スージーQ」のギターを弾いたというのは本当なのでしょうか?
スタイルを確立する前だとしても、あまりにも違いすぎるように感じます。
一方、"Milk Cow Blues"は、ココモ・アーノルドのブルースが原曲だと思いますが、多くのシンガーにカバーされています。
Bob Willsは、"Brain Claudy Blues"のタイトルで録音していて、聴きものです。
その点、エルヴィスの"Milk Cow Blues Boogie"は、残念な出来だったと私は思っています。
ロカビリーなら、エディ・コクラン盤のアレンジが最高でした。
エルヴィス盤もエディ盤も、アレンジのお手本があるのなら知りたいものです。
Carlie Richは大好きなアーティストです。
特にサン時代とハイ時代が好きで、Epic以降はコマーシャル・カントリーっぽいという先入観があるのですが、ここに入っている"I Feel Like Going Home"は素晴らしいです。
その前の"No Headstone On My Grave"も含め、ロカビリーという範疇ではないですね。
"I Feel Like Going Home"は、正にカントリー・ソウルと呼びたい傑作です。
荘厳ささえ感じる伴奏にのせて、チャーリーのソウルフルなボーカルが素晴らしいです。
この曲を収録したCDは所有していないので、ここで聴けるのは嬉しさも倍増です。
なお、マディ・ウォーターズに同名異曲があり、そちらも身震いするほどの傑作です。
本作は、メジャー・レーベルのロカビリー・コンピらしく、カントリーに接近した曲や、ポップなロッカバラードも含まれていますが、他にもJohnny CashやCarl Perkinsなど、聴きものが多くお奨めです。
このあと、第三集までリリースされました。
Charlie RichのI Feel Like Goin Homeです。
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