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イシドロ・ロペス、ハンクを歌う

 Freddy Fenderが好きで、彼の仕事を追っかけていると、時折り「おっ」と驚くCDやレコードに出会うことがあります。
 このCDも、見つけたときは、かなり驚きました。


Cantan Country
Freddy Fender & Isidro Lopez

1. Your Cheating Heart (Hank Williams)
2. Jambalaya (Hank Williams)  
3. There'll Be No Teardrops Tonight (Hank Williams) 
4. You Win Again (Hank Williams)
5. I Can't Halp It (Hank Williams) 
6. Honky Tonk Blues (Hank Williams) 
7. Hey Good Lookin' (Hank Williams) 
8. Kaw-Liga (Hank Williams, Fred Rose)  
9. Cold Cold Heart (Hank Williams)
10. I'm So Lonesome I Could Cry (Hank Williams) 

 私が持っているCDのバックインレイには、06年Hacienda Recordsからのリリースとなっていますが、どうも初出は95年ころのようです。

 Freddy Fenderは、37年生まれですから、95年当時は58歳です。
 そして、Isidro Lopezは、29年生まれですので、95年当時は66歳になります。

 私が、Isdro Lopezの名前を知ったのは、それほど前のことではありません。

 テキサス、ルイジアナ音楽大好きバンド、Larry Lange & his Lonely Knightsの最近作、"San Antonio Serenade"のライナーで、Larry Langeが「南テキサス音楽の二人の巨人」と持ち上げていたが、Oscar MartinezとIsidro Lopezでした。

 ラリー・レインジは、二人のことを「ともに有名なソングライターであり、アレンジャー、オルケスタ・リーダー」であると紹介しています。
 "San Antonio Serenado"では、Isidro Lopezの曲を2曲とりあげていました。


 さて、本アルバムですが、素材はご覧のとおり、ハンク・ウイリアムス集です。
 ですので、とりたてて特筆することはありませんが、音はよくあるシンセを使ったチープなものではなく、生音を生かし、うまくプロデュースされた作品だと思います。

 収録曲は、数あるハンク・ソングの中でも、とりわけ有名曲中心の選曲になっています。
 私が馴染みがない曲は、3曲目の"There'll Be No Teardrops Tonight"だけです。

 ここで、本作の収録曲を、リード・シンガーと言語で整理したいと思います。
 以下の通りです。

Freddy FenderとIsidro Lopezの共演
1. Your Cheating Heart (Hank Williams) Lopez(スペイン語)、Fender(英語、スペイン語)
4. You Win Again (Hank Williams) Fender(英語)、Lopez(スペイン語)
7. Hey Good Lookin' (Hank Williams) Fender(英語)、Lopez(スペイン語)
10. I'm So Lonesome I Could Cry (Hank Williams) Lopez(スペイン語)、Fender(英語)

Freddy Fenderのソロ
2. Jambalaya (Hank Williams) 英語
5. I Can't Halp It (Hank Williams) スペイン語、サビ英語
6. Honky Tonk Blues (Hank Williams) 英語
9. Cold Cold Heart (Hank Williams) スペイン語

Isidro Lopezのソロ
3. There'll Be No Teardrops Tonight (Hank Williams) スペイン語
8. Kaw-Liga (Hank Williams, Fred Rose) スペイン語

 二人の共演ですが、ユニゾンやハーモニーでのコーラスはないように思えます。
 共演曲は、それぞれパートを分担して、交互に歌うスタイルです。

 このあたり、本当に同じスタジオで一緒に録音したのか、確信が持ちにくい要因ではあります。
 
 フレディ・フェンダーは、英語とスペイン語を使い分けて歌っています。
 対して、Isidro Lopezは、スペイン語オンリーです。
 私は、何度か、Lopezはメキシコのミュージシャンかと思ったものでした。

 ここでは、彼のソロ曲、"Kaw-Liga"に注目したいと思います。
 カウライジャは、恋に破れた木彫りの人形が、孤独な気持ちを訴える歌です。

 この曲は、カバーも多いと思いますが、私のお奨めは、黒人カントリー・シンガーのCharlie Pride盤です。

 チャーリー盤は、ブルー・ラヴ・ソングを美声で軽快に歌い飛ばしていました。
 ちなみに、チャーリー・プライドは、ダグ・サームのレパートリー、"Is Anybody Goin To San Antone"のオリジネイターとしても知られています。

 Isidro Loezは、歌詞こそスペイン語ですが、その歌唱はくせのない普通のカントリー・スタイルで、Freddyと比較すると、渋めの男性的なボーカルだと感じます。
 

 Isidro Lopezは、29年テキサス生まれ、テハーノ音楽のパイオニアの一人と呼ばれているようです。
 ニックネームをEl Indioといい、バンドリーダー、サックスプレイヤーであり、56年に自身のバンドを結成し、70年代には半引退状態となっていたようです。

 95年ころに録音したのなら、Freddyの働きかけがあったのかも知れません。
 04年に75歳で天に召されました。

 2年後の06年、後を追うように、Freddy Fenderが69歳で天に召されました。


Isidro Lopez "Media Vida"




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