2011年04月21日
セシリト・リンドは秘密の名前
75年リリースのFreddy Fenderの2枚目のスタジオ録音盤です。
(この前に刑務所ライヴがあるようです。未聴です。)
当時は、これがオリジナル・アルバムであることを意識していませんでした。
そしてもちろん、将来にわたって、オリジナル・アルバムがCD化(ストレート・リイシュー)されないことも、当然ながら知るよしもなかったのでした。
入手しておいて良かったです。
Side A
1. Secret Love (Sammy Fain, Paul Francis Webster)
2. Loving Cajun Style (Meaux)
3. Take Your Time (Weldon Dean Parks)
4. I Can't Put My Arms Around a Memory (N. Martin)
5. Cielito Lindo Is My Lady (Fender)
6. Begging to You (Marty Robbins)
Side B
1. What'd I Say (Ray Charles)
2. (How Much Is) That Doggie In The Window? (Bobby Merrill)
3. Teardrops in My Heart (Vaughan Horton)
4. You Came in the Winter of My Life (Fender)
5. I'm Not Through Loving You Yet (Conway Twitty, L. E. White)
6. Goodbye Clothes (J. Riley)
今作も、ヒューイ・モー制作、シュガーヒル・スタジオ録音で、基本的に1stと同じようなつくりになっています。
相変わらず、フレディの泣きのボーカルが素晴らしいです。
やはり気になるのは、選曲ですね。
前作に引き続き、コンウェイ・トウィッティとロレッタ・リンのデュオ・ソングがチョイスされています。
B5の"I'm Not Through Loving You Yet"がそれです。
これは、ヒューイ・モーの趣味でしょうか?
それとも、フレディの意思でしょうか?
おそらくは、両方だと思います。
今作のハイライトは、A1の"Secret Love"です。
後々まで、フレディが長く歌い継ぐ代表曲のひとつになります。
原曲は、ドリス・デイらしいですが、私は未聴です。
ドリス・デイと言う人は、美空ひばりさんみたいに、主演映画で歌う人ではなかったですか。
例えばドリス・デイが、歌うカウガールに扮した西部劇映画の主題歌という想像はどうでしょう。
女性を主人公にした西部劇って、なかったですか?
「アニーよ銃をとれ」とか、「カラミティ・ジェーン」とか…。
ほとんど妄想のレベルで書いてます。
モー作となっている"Loving Cajun Style"は、モーがプロデュースしたシンガーがかなり歌っているんではないでしょうか。
私は、オリジネイターを知りませんが、クラレンス・フロッグマン・ヘンリー盤は聴いています。
ヘンリー盤は、ゆったりとたニューオリンズR&Bだったと記憶していますが、ここでのフレディ盤は、ウキウキするようなリズム・ナンバーに仕上がっています。
この二人でいいますと、私は、明るくポップなフレディ盤が好きです。
"Take Your Time"は、やはりモー制作によるロイ・ヘッド盤があったと思います。
聴き比べていませんが、優しいカントリー・バラードで、ロイ盤のアレンジが気になってきました。
"I Can't Put My Arms Around a Memory"もまた、美しいメロディを持ったバラードで、好きな曲のひとつです。
ここでは、おそらくコーラス隊の一人、Tracey Balinという女性がデュエットしていると思います。
原曲は不明ですが、コンウェイ&ロレッタのような男女デュオの曲かも知れません。
マリンバの響きが効果的に使われています。
今作も、フレディの自作がいい感じです。
"Cielito Lindo Is My Lady"は、スパニッシュの香り一杯のリズミックなワルツです。
「アイ、アイ、ア、ヤイ…」という囃し言葉がトロピカルな異国情緒を醸し出しています。
もうひとつの自作曲、B4の"You Came in the Winter of My Life"も、いかにもフレディらしい泣きのバラードで、ドラマチックなつくりも良いです。
こういうのをやっている限り、スリルはないですが、ファン向けには最強ですね。
A面ラストの"Begging to You"は、邦題「あなたにすがって」というマーティ・ロビンスの曲です。
マーティは、若手のころ、プロデューサーらから、ミスター・ティアドロップと呼ばれていたカントリー・シンガーでした。
フレディと合わせて、二大涙腺シンガーというのはどうでしょう。
(ただし、マーティはこの呼称を嫌っていたらしいです。)
B1の" What'd I Say"は、もちろんレイ・チャールズのカバーですが、この曲は有名すぎて、手垢まみれの感じがします。
ここでは、フィドルが耳に残るアレンジになっていて、変化球を投げている努力は買いましょう。
"(How Much Is) That Doggie In The Window?"は、53年のパティ・ペイジ盤が原曲のようですが、やはり未聴です。
パティ・ペイジといえば、ダブル・トラックのボーカルが最高でした。
これは、ビートルズに影響を与えたんじゃないでしょうか。
もちろん、代表曲は「テネシー・ワルツ」ですね。
似たようなパターンの「チェンジング・パートナーズ」もいい曲でした。
パティ・ペイジは、近年(といってもかなり前ですが)、「テネシー・ワルツ」のセルフ・カバーと「ブラン・ニュー・テネシー・ワルツ」のカバーを収録したアルバムをリリースしていました。
(音を確認したかったのですが、例によって行方不明です…。)
ザ・バンド、ジェシ・ウインチェスターのファンは要チェックですね。
"Teardrop in My Heart"は、50年代のカウボーイ・ソング・グループ、サンズ・オブ・パイオニアがオリジネイターではないかと思います。
彼らの音楽は、カウボーイ・ソングでいいんでしようか。
それとも、西部のセイクレッド・ソングでしょうか。
フレディ盤は、単純にポップなラヴ・ソングに聴こえます。
1stの成功を受けて、すかさず録音した1枚だと思いますが、ますます快調なアルバムだと思います。
関連記事はこちら
溢れよわが涙、と酔いどれは言った
ビバ、ラス・ヴェガス
愛してないなら、なぜそっとしておいてくれない
エル・ビー・バップ・キッドの逆襲
魂の兄弟、フレディ・フェンダー
バルドマール・ウエンタ、サン・ベニート生まれ
フレディ・フェンダー、沼地で金鉱を披露する
涙のしずく、そのままに
(この前に刑務所ライヴがあるようです。未聴です。)
当時は、これがオリジナル・アルバムであることを意識していませんでした。
そしてもちろん、将来にわたって、オリジナル・アルバムがCD化(ストレート・リイシュー)されないことも、当然ながら知るよしもなかったのでした。
入手しておいて良かったです。
Are You Ready For Freddy?
Freddy Fender
Freddy Fender
Side A
1. Secret Love (Sammy Fain, Paul Francis Webster)
2. Loving Cajun Style (Meaux)
3. Take Your Time (Weldon Dean Parks)
4. I Can't Put My Arms Around a Memory (N. Martin)
5. Cielito Lindo Is My Lady (Fender)
6. Begging to You (Marty Robbins)
Side B
1. What'd I Say (Ray Charles)
2. (How Much Is) That Doggie In The Window? (Bobby Merrill)
3. Teardrops in My Heart (Vaughan Horton)
4. You Came in the Winter of My Life (Fender)
5. I'm Not Through Loving You Yet (Conway Twitty, L. E. White)
6. Goodbye Clothes (J. Riley)
今作も、ヒューイ・モー制作、シュガーヒル・スタジオ録音で、基本的に1stと同じようなつくりになっています。
相変わらず、フレディの泣きのボーカルが素晴らしいです。
やはり気になるのは、選曲ですね。
前作に引き続き、コンウェイ・トウィッティとロレッタ・リンのデュオ・ソングがチョイスされています。
B5の"I'm Not Through Loving You Yet"がそれです。
これは、ヒューイ・モーの趣味でしょうか?
それとも、フレディの意思でしょうか?
おそらくは、両方だと思います。
今作のハイライトは、A1の"Secret Love"です。
後々まで、フレディが長く歌い継ぐ代表曲のひとつになります。
原曲は、ドリス・デイらしいですが、私は未聴です。
ドリス・デイと言う人は、美空ひばりさんみたいに、主演映画で歌う人ではなかったですか。
例えばドリス・デイが、歌うカウガールに扮した西部劇映画の主題歌という想像はどうでしょう。
女性を主人公にした西部劇って、なかったですか?
「アニーよ銃をとれ」とか、「カラミティ・ジェーン」とか…。
ほとんど妄想のレベルで書いてます。
モー作となっている"Loving Cajun Style"は、モーがプロデュースしたシンガーがかなり歌っているんではないでしょうか。
私は、オリジネイターを知りませんが、クラレンス・フロッグマン・ヘンリー盤は聴いています。
ヘンリー盤は、ゆったりとたニューオリンズR&Bだったと記憶していますが、ここでのフレディ盤は、ウキウキするようなリズム・ナンバーに仕上がっています。
この二人でいいますと、私は、明るくポップなフレディ盤が好きです。
"Take Your Time"は、やはりモー制作によるロイ・ヘッド盤があったと思います。
聴き比べていませんが、優しいカントリー・バラードで、ロイ盤のアレンジが気になってきました。
"I Can't Put My Arms Around a Memory"もまた、美しいメロディを持ったバラードで、好きな曲のひとつです。
ここでは、おそらくコーラス隊の一人、Tracey Balinという女性がデュエットしていると思います。
原曲は不明ですが、コンウェイ&ロレッタのような男女デュオの曲かも知れません。
マリンバの響きが効果的に使われています。
今作も、フレディの自作がいい感じです。
"Cielito Lindo Is My Lady"は、スパニッシュの香り一杯のリズミックなワルツです。
「アイ、アイ、ア、ヤイ…」という囃し言葉がトロピカルな異国情緒を醸し出しています。
もうひとつの自作曲、B4の"You Came in the Winter of My Life"も、いかにもフレディらしい泣きのバラードで、ドラマチックなつくりも良いです。
こういうのをやっている限り、スリルはないですが、ファン向けには最強ですね。
A面ラストの"Begging to You"は、邦題「あなたにすがって」というマーティ・ロビンスの曲です。
マーティは、若手のころ、プロデューサーらから、ミスター・ティアドロップと呼ばれていたカントリー・シンガーでした。
フレディと合わせて、二大涙腺シンガーというのはどうでしょう。
(ただし、マーティはこの呼称を嫌っていたらしいです。)
B1の" What'd I Say"は、もちろんレイ・チャールズのカバーですが、この曲は有名すぎて、手垢まみれの感じがします。
ここでは、フィドルが耳に残るアレンジになっていて、変化球を投げている努力は買いましょう。
"(How Much Is) That Doggie In The Window?"は、53年のパティ・ペイジ盤が原曲のようですが、やはり未聴です。
パティ・ペイジといえば、ダブル・トラックのボーカルが最高でした。
これは、ビートルズに影響を与えたんじゃないでしょうか。
もちろん、代表曲は「テネシー・ワルツ」ですね。
似たようなパターンの「チェンジング・パートナーズ」もいい曲でした。
パティ・ペイジは、近年(といってもかなり前ですが)、「テネシー・ワルツ」のセルフ・カバーと「ブラン・ニュー・テネシー・ワルツ」のカバーを収録したアルバムをリリースしていました。
(音を確認したかったのですが、例によって行方不明です…。)
ザ・バンド、ジェシ・ウインチェスターのファンは要チェックですね。
"Teardrop in My Heart"は、50年代のカウボーイ・ソング・グループ、サンズ・オブ・パイオニアがオリジネイターではないかと思います。
彼らの音楽は、カウボーイ・ソングでいいんでしようか。
それとも、西部のセイクレッド・ソングでしょうか。
フレディ盤は、単純にポップなラヴ・ソングに聴こえます。
1stの成功を受けて、すかさず録音した1枚だと思いますが、ますます快調なアルバムだと思います。
Secret Loveです。
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愛してないなら、なぜそっとしておいてくれない
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