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溢れよわが涙、と酔いどれは言った

 Freddy Fenderのメジャー・ヒット・アルバムを聴きます。
 このアルバムは、74年にAbc Dotからリリースされ、カントリー・チャートでNo.1となり、フレディ・フェンダーをトップ・アーティストへと導きました。

 シングル・カットされた"Before The Next Teardrop Falls"と"Wasted Days And Wasted Nights"は、ともにカントリー・チャートの1位となり、"Before The Next Teardrop Falls"は、ポップ・チャートでもNo.1ヒットを記録しました。
 フレディ・フェンダーが栄光の頂点にたった時期です。

 
Before The Next Teardrop Falls
Freddy Fender

Side 1
1. Roses Are Red (P.Evans, A.Bryon)
2. I'm Not A Fool Anymore (Robert Thibodeaux)
3. Please Don't Tell Me How The Story Ends (Kris Kristofferson)
4. You Can't Get Here From There (Glenn Barber)
5. I Love My Rancho Grande (Baldemar Huenta)
6. Wasted Days And Wasted Nights (Bardemar Huenta, Wayne Duncan)
Side 2
1. I Almost Called Your Name (Mergalet Lewis, Myra Smith)
2. Before The Next Teardrop Falls (V.Keith, B.Peters)
3. Wild Side Of Life (W.Warren, A.Carter)
4. After The Fire Is Gone (L.E.White)
5. Then You Can Tell Me Goodbye (John D.Loudermilk)

 このアルバムは、Freddy Fenderの1stアルバムですが、既にフレディのパブリック・イメージそのままの選曲になっていて、興味深いです。
 メキシカン・アメンカン・ルーツに根差した音楽と、ルイジアナの文化に根差した音楽への愛情に溢れたアルバムになっています。

 全編にわたり、フレディの素晴らしい泣きのバラードが聴きものです。 

 まず、"Roses Are Red"でスタートします。
 いい曲です。
 原曲は古いポピュラー・ソングだと思われ、多数のカバーがあると思いますが、ポップス・ファン、オールディーズ・ファンには、ボビー・ヴィントン盤ですね。

 ボビー・ヴィントンは、ナチュラル・ビブラートの声が魅力的な、胸キュン・ポップス・シンガーです。
 ヴィントンといえば、何と言っても"Mr.Lonely"ですね。

 映画「グロウイング・アップ」のラストで、傷心の主人公ベンジーが泣きながら歩く背景に流れていたのが印象的でした。
 "Rose Are Red"は、"Blue Velvet"とともに、"Mr.Lonely"に次ぐヴィントンの代表曲だと思います。

 "I'm Not A Fool Anymore"は、スワンプ・ポップ・クラシックのひとつで、ダグ・サームもオーギー・マイヤースもやっている名作です。

 T.K.Hulinという、ケイジャン系シンガーのヒットが原曲です。
 作者のRobert Thibodeauxという人は、T.K.フリン(という表記でいいんでしょうか?)の高校時代の教師らしいです。

 フリンがこの曲でヒットを出した時、彼はまだ20歳の若さでした。 
 フリンには、同じ作者が書いた、"Graduation Night"というヒット曲もあり、フレディ・フェンダーは、78年の"Swamp Gold"というアルバムでカバーしています。
 
 "You Can't Get Here From There"は、私は知らない曲ですが、作者のGlenn Barber盤が、ヒューイ・モーのレーベルから出ているようです。
 
 "I Love My Rancho Grande"と"Wasted Days And Wasted Nights"の2曲にクレジットされている、Bardemar Huentaは、フレディ・フェンダーの本名です。
 "I Love My Rancho Grande"は、てっきりトラッドだと思っていましたが、どうでしょう。
 トラッドをフレディがアレンジしたというのが正解では…。

 "Wasted Days And Wasted Nights"の共作者、Wayne Duncanは、初期のフレディを録音した、Duncan Recordsのオーナーだったはず…。 
 この曲のオリジナル録音は、59年にリリースされています。

 B面のトップ、"I Almost Called Your Name"は、今回、SSSインターのコンピ、"Shake What You Brought"に、Johnny Soulというシンガーのディープ・ソウル盤が収録されていることに気が付きました。

 多分、Jeannie C.Rileyのカントリー・ヒットで広まった曲だと思います。
 ジーニー・C・ライリーは、ロレッタ・リンや、パッツィ・クラインと関連の深い女性カントリー・シンガーだったと思います。

 私の記憶に誤りがなければ、映画「歌え! ロレッタ愛のために」では、ロレッタ・リンを支える同僚(先輩?)歌手として重要な役割を果たしていました。

 "Before The Next Teardrop Falls"は、言うまでもなく、フレディの代表曲のひとつです。
 スペイン語とのバイリンガルで歌われる名曲ですね。
 サビでコーラスを付けているのは、フレディ自身による多重録音でしょうか。

 ディープ・ソウルでは、Big John Hamilton盤がありました。
 LPではPヴァイン盤に収録されていましたが、CDではサンデイズド盤に入っていたはず…。
 と思うのですが、無念にも発見できません。
 すぐに見つかったソウルスケイプ盤には未収録でした。

 カントリーでは、ドリー・パートン盤がありました。
 これは、ドリーのフェイヴァリットを集めたカバー集、"Treasures"に収められていて、ドリーの意外な選曲に驚いたことを思い出します。 

 "Wild Side Of Life"は、ウエスタン・スイングのハンク・トンプソン盤が原曲だと思いますが、もともとは、カーター・ファミリーの"I'm Thinking Tonight Of My Blue Eyes"のメロディを借りた曲です。
 作者のひとり、A.Carterは、もちろんA.P.Carterのことです。

 "After The Fire Is Gone"は、ロレッタ・リンとコンウェイ・トウィッティの一連のデュエット・ヒットのひとつが原曲だと思われます。

 ロレッタ・リンは、いいですね。
 私は、彼女の"You Ain't Woman Enough To Take My Man"(あたいの男に手を出すなんて百年早い)が大好きです。
 
 最後に、"Then You Can Tell Me Goodbye"は、誰かのディープ・ソウル・バージョンを聴いた記憶があるのですが、思い出せません。
 ベティ・スワン盤があるようですが、記憶にあるのは男性シンガーです。
 記憶違いでしょうか?
  
 このアルバムは、マニアックに走る寸前で踏みとどまり、一般的なカントリー・ファンにも聴きやすく仕上げられた、フレディの泣きの名唱がたっぷりと聴ける、名アルバムだと改めて思いました。



Wasted Days And Wasted Nightsです。




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