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曲に歴史あり、メキシコへ旅して

 Augie Meyersには、長いキャリアのなかで、同じ曲を複数回吹き込んでいる例があります。
 これまでにも、数曲を紹介してきましたが、今回はこちらの曲を聴いてみたいと思います。
 それは、Down To Mexicoという曲です。

 …と一応はしておきます。
 なぜ一応なのか、それは曲名表記が毎回微妙に違うからです。

 


 例によって、以下に簡単にまとめました。
 リストは、左からリリース年、曲名表記、収録アルバム、作者クレジットです。
 今回は、全てソロ名義のアルバム収録曲です。

73/Down in Mexico/You Ain't Rollin' Your Roll Rite/J.Resendez
82/Down'n Mexico/Still Growin/Juan Renendez
86/Going Down to Mexico/My Main Squeeze/Augie Meyers
96/Down to Mexico/Alive And Well At Lake Taco/Augie Meyers, J.Redendez
06/Go Down to Mexico/My Freeholies Ain't Free Anymore/Augie Meyers
 

 ここまでくると、いっそ見事ですね。
 曲名は、大きく二つに分けられます。
 アタマにGoingまたはGoがつくものと、つかないものです。

 そして当然、作者名が気になったと思います。
 曲名の表記にゆれがあるのは、いつものことですが、今回は作者名までゆれてます。
 自作とクレジットされているのが2曲、共作名義が1曲、他人名義が2曲です。

 しかも、Rで始まる人物名が、これまた微妙に違うのです。
 Resendez、Renendez、Redendez…。
 
 同一人物に間違いないと思いますが、この表記のゆれに大きな理由はなく、恐らくは単純な誤植でしょう。
 ありえそうな名前がどれか、どなたかスペイン語人名に詳しい方のご意見が訊きたいです。
 私の感覚、というか呼びやすさでは、Renendez(レネンデス)でしょうか。

 さて、とにかく曲を聴き返してみたいと思います。

 まず、73年の2ndソロ、You Ain't Rollin' Your Roll Riteに、初めて吹き込まれました。
 この時の曲名表記は、Down in Mexicoです。
 
 陽気なダンス・チューンで、英語とスペイン語の歌詞がちやんぽんで進行する曲です。
 非常にポップで、親しみやすい曲です。
 陽気な囃し言葉が印象に残ります。
 楽器としては、アコーディオン、バホ・セスト、オルガンが耳に残りました。

 次は9年後にリリースされた、82年のStill Growin収録曲です。
 表記は、Down'n Mexicoとわずかに違います。
 こちらのアレンジは、ホーンが入っているのが大きな特徴です。
 テナー・サックスとトランペットの響きが全体の音に厚みを加えています。

 続いて、4年後の86年リリースのMy Main Squeeze収録曲でも、基本アレンジは変わりません。
 この時の曲名表記は、Going Down to Mexicoとなっていて、一見別の曲かと思いますが、聴けばすぐ分かるとおり同じ曲です。
 ホーン・リフとアコーディオンのメロがメインで、バックには、オフ気味にバホ・セストらしきストロークと、時折りベース・ランが聴こえます。
 
 そして、10年後の96年リリースのAlive And Well At Lake Taco収録曲です。
 曲名表記は、Down to Mexicoとなり、元に戻った感じですが、in Mexicoからto Mexicoへと変わっていて、微妙に違います。
 前回も少し触れましたが、86年のMy Main Squeezeと、96年のAlive And Well At Lake Taco収録曲の一部には、どうも似たような雰囲気が感じられます。

 リズム・トラックを使い回しているのでは?
 などと考えてしまうくらい似てたりします。
 今回、聴き比べてやはり同じような感想を持ちました。

 この2曲は、とてもよく似ていて、リズム・トラックもボーカル・トラックも同じように聴こえなくもないです。
 違う点は、96年盤には、アコーディオンがオミットされているか、ないしは音量を下げるミックスになっているという感じです。

 前回からの流れで、私の先入観が入っているかもしれませんが…。
 このあたりは、この2枚をお持ちの方は聴き比べていただき、ご意見がお聞きしたいところです。

 さて、最後に06年リリースのMy Freeholies Ain't Free Anymore収録曲です。
 こちらの曲名表記は、Go Down to Mexicoです。
 86年盤に近い表記になりましたね。

 しかし、ここで「おおっ」という逆転劇が起こります。
 なんとこの曲は、全く別の曲だったのでした。
 うーむ、どうにも人騒がせな展開です。
 ちなみに、こちらはホーンが入っていません。

 これまでの4曲は、アレンジの違いこそあれ、同じ曲であることは間違いありません。
 しかし、この06年のGo Down to Mexicoは、誰が聴いても別のメロディ、別の歌詞です。

 同じような陽気なダンス・チューンですが、はっきりとメロが違い、別の曲であるのは明らかです。
 ただ、歌詞はよく分かりませんが、何となく同じようなことを歌っている気はします。
 
 こちらもアルバムをお持ちの方は聴いていただきたいです。
 
 これまで複数回録音している曲をピックアップして、同じような切り口で聴き返してみましたが、感じたことがあります。

 それは、曲名表記や作者クレジットのゆれは、深い理由はないのではないかということです。
 よくいえば?誤植の見落としであり、悪くいえばいいかげんな仕事だという感想です。
 あまり、細かいことは気にしない土地柄なんでしょうか?

 ちなみに、ライブ録音が残されていて、こちらは06年リリースのSir Douglas QuintetLive From Austin TXのバージョンです。
 録音は、81年です。
 ここでのメンツは、タコマ時代のスタジオ盤に近く、アルヴィン・クロウが入っています。
 そして、ショーン・サームの名前が入っていて、感慨深いです。
 
 曲名表記は、Goin' Down to Mexicoと、うれしくもさらにパターンをひとつ増やしてくれています。
 曲は、最初の4曲の方で、アレンジは最もロックっぽいです。

 この時はホーンがなく、また、キンクスのカバーをやっていた時代でもあり、オルガン入りのギター・バンドという感じです。
 この編成のクインテットもいいなあ、と改めて思いました。

 最後の確認のため、このバージョンを聴いていたら、自然とこのライヴ盤に惹きこまれてしまい、通して終わりまで聴いてしまいました。

 私はやはりダグ・サームが、そして彼の仲間たちの音楽が大好きです。



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