2010年12月13日
別れたいなんて嘘だ にまつわるお話
今回は、何がきっかけで、長年の疑問が氷解するか分からない、というお話をしたいと思います。
私には、かなり以前から気になっていて、答えを見つけ出せずにいたことがあります。
ときどき思い出しては、調べたりしたのですが、解決しないままでした。
それは、Doug Sahmの10代のときの吹き込み、Satin録音の1曲、Can't Believe You Wanna Leaveに関することです。
この曲は、ニューオリンズR&Bスタイルの曲で、ダグのLPには、作者はPriceと記載されていました。
ダグの10代の録音の中では、サニー・オスナのJust A Mormentとともに、特に好きな曲でしたので、ぜひとも原曲が聴きたいと思いました。
Priceという名前で、私が連想するのは、Lloyd Priceです。
曲調がニューオリンズR&Bならなおさらです。
「この曲は、どこかできいたことがある」と思い、所有するロイド・プライスのアルバムを調べたところ、残念ながら未収録でした。
しかし、「聴いた記憶がある」のです。
私は、やみくもにレコード棚を探ったところ、リトル・リチャードの名盤中の名盤、Here's Little Richardsに収録されていたことに気が付きました。
パズルの最初のピースを見つけたと思いました。
ロイド・プライスは、リトル・リチャードの発掘者のひとりと言っていい人です。
リチャードが、プライスの曲をカバーすることには、何の不思議な点もありません。
リチャード盤は、まさに私が聴きたかったような、素晴らしいエナジーを感じるバージョンです。
あるいは、これがお手本かもしれない、と思いましたが、一方で、原曲に対する興味はさらに増したのでした。
その後、折に触れて、ロイド・プライスの未入手のCDを検索して、収録曲を調べましたが、当該曲が入っているものは見つけられませんでした。
そして、次第にあきらめに近い心理になりつつあったのです。
ところが、あるきっかけで、私をミス・リードしていた思いこみの可能性に、初めて気付いたのです。
それが、前回のジーン・テイラーの記事での私の文章です。
ご覧になっていない方のために、最掲します。
『…Shirley Jeanは、プライス作となっており、曲調が完全にニューオリンズR&Bなので、ロイド・プライスとみていいんでしょう。
いなたい感じが良く出ていて好感がもてます。
間奏で切り込んでくるギターもねちっこくて良いです。
追記
上記のように書きましたが、「あまりにも不用意に書いたなあ」と思い、調べたところ、案の定、間違いでした。
正解は、Big Walter Priceでした。
BIg Walter Priceって、どうもBIg Walter Hortonと混同しちゃうんです。
ハーピストのイメージです。
でも、これを契機に間違えなくなると思います。
BIg Walter Priceは、J,Geils Bandもカバーした、Pack Fair & Squareのオリジネイターで、Crazy Cajun録音もある人です。 (15:10/12/12/2010) 』
さて、追記し終えた私は、ここで久しぶりに、未解決のままの問題を思い出しました。
もちろん、考えたのは、次のようなことです。
「Can't Believe You Wanna Leaveの作者、Priceとは、ロイド・プライスではなく、ビッグ・ウォルター・プライスではないか。
彼もまた、ニューオリンズR&Bスタイルの曲を書く人だ。」
興奮状態となった私は、今までとは違うベクトルで、ネット検索をし、ついに答えに到達しました。
もったいぶる必要はないですので、あっさりと正解を披露します。
Can't Believe You Wanna Leaveの作者は、ロイド・プライスではありませんでした。
そして、驚くべきことに、ビッグ・ウォルター・プライスでもなかったのです。
正しい作者は、Reo Price, R.Pennimanの二人でした。
後ろの名前が略されていたことが、私を悩ませた全ての原因だったのです。
ペニマンが、リトル・リチャードの本名であることは、よく知られています。
Richard Wayne Pennimanです。(このさい、Reo Priceさんが誰なのかはもういいです。)
最初に見つけたピースが、唯一の正しいピースだったのです。
ほかのピースは必要なく、それで完成していたのでした。
私は、初動調査の誤りを確認するため、リトル・リチャードのアルバムを再確認しました。
所有している日本盤には、作者名が記載されていませんでした。
ライナーに記載があったかも知れませんが、紛失したので確認できません。
とはいえ、ダグの盤で、作者がPriceだと分かっていましたので、さほど問題としていなかったのです。
こうして、私の長年の疑問のひとつは、無事解決したのでした。
他人には全く関心がないことでしょうが、私には大きな出来ごとです。
素直にうれしいです。
追伸
先ほど、00年リリースのSan Antonio RockというCDのブックレットをパラパラと見たところ、ヒントになる記述がありました。
改めて、このライナーは貴重な内容が含まれていそうだな、もっと早くこれを読んでいれば、と思いましたが、やはり長い英文は苦手意識が先にたってしまう私なのでした。
関連記事はこちら
心の鍵を開けてくれ
コレクタブルズのつらいお仕事
白夜の国から
ダグ・サームの青春パート2
ダグ・サームの青春
この人だれ? プラス1
ストックホルムで会おう
涙でにじんだ手紙
Hey Baby !
心の声が叫んでる
ジーン・トーマスを探して
アラモ砦の夢
ウイリー・ネルソンにダグ・サームの隠し味
私には、かなり以前から気になっていて、答えを見つけ出せずにいたことがあります。
ときどき思い出しては、調べたりしたのですが、解決しないままでした。
それは、Doug Sahmの10代のときの吹き込み、Satin録音の1曲、Can't Believe You Wanna Leaveに関することです。
この曲は、ニューオリンズR&Bスタイルの曲で、ダグのLPには、作者はPriceと記載されていました。
ダグの10代の録音の中では、サニー・オスナのJust A Mormentとともに、特に好きな曲でしたので、ぜひとも原曲が聴きたいと思いました。
Priceという名前で、私が連想するのは、Lloyd Priceです。
曲調がニューオリンズR&Bならなおさらです。
「この曲は、どこかできいたことがある」と思い、所有するロイド・プライスのアルバムを調べたところ、残念ながら未収録でした。
しかし、「聴いた記憶がある」のです。
私は、やみくもにレコード棚を探ったところ、リトル・リチャードの名盤中の名盤、Here's Little Richardsに収録されていたことに気が付きました。
パズルの最初のピースを見つけたと思いました。
ロイド・プライスは、リトル・リチャードの発掘者のひとりと言っていい人です。
リチャードが、プライスの曲をカバーすることには、何の不思議な点もありません。
リチャード盤は、まさに私が聴きたかったような、素晴らしいエナジーを感じるバージョンです。
あるいは、これがお手本かもしれない、と思いましたが、一方で、原曲に対する興味はさらに増したのでした。
その後、折に触れて、ロイド・プライスの未入手のCDを検索して、収録曲を調べましたが、当該曲が入っているものは見つけられませんでした。
そして、次第にあきらめに近い心理になりつつあったのです。
ところが、あるきっかけで、私をミス・リードしていた思いこみの可能性に、初めて気付いたのです。
それが、前回のジーン・テイラーの記事での私の文章です。
ご覧になっていない方のために、最掲します。
『…Shirley Jeanは、プライス作となっており、曲調が完全にニューオリンズR&Bなので、ロイド・プライスとみていいんでしょう。
いなたい感じが良く出ていて好感がもてます。
間奏で切り込んでくるギターもねちっこくて良いです。
追記
上記のように書きましたが、「あまりにも不用意に書いたなあ」と思い、調べたところ、案の定、間違いでした。
正解は、Big Walter Priceでした。
BIg Walter Priceって、どうもBIg Walter Hortonと混同しちゃうんです。
ハーピストのイメージです。
でも、これを契機に間違えなくなると思います。
BIg Walter Priceは、J,Geils Bandもカバーした、Pack Fair & Squareのオリジネイターで、Crazy Cajun録音もある人です。 (15:10/12/12/2010) 』
さて、追記し終えた私は、ここで久しぶりに、未解決のままの問題を思い出しました。
もちろん、考えたのは、次のようなことです。
「Can't Believe You Wanna Leaveの作者、Priceとは、ロイド・プライスではなく、ビッグ・ウォルター・プライスではないか。
彼もまた、ニューオリンズR&Bスタイルの曲を書く人だ。」
興奮状態となった私は、今までとは違うベクトルで、ネット検索をし、ついに答えに到達しました。
もったいぶる必要はないですので、あっさりと正解を披露します。
Can't Believe You Wanna Leaveの作者は、ロイド・プライスではありませんでした。
そして、驚くべきことに、ビッグ・ウォルター・プライスでもなかったのです。
何と、正解は、リトル・リチャードだったのです !!
正しい作者は、Reo Price, R.Pennimanの二人でした。
後ろの名前が略されていたことが、私を悩ませた全ての原因だったのです。
ペニマンが、リトル・リチャードの本名であることは、よく知られています。
Richard Wayne Pennimanです。(このさい、Reo Priceさんが誰なのかはもういいです。)
最初に見つけたピースが、唯一の正しいピースだったのです。
ほかのピースは必要なく、それで完成していたのでした。
私は、初動調査の誤りを確認するため、リトル・リチャードのアルバムを再確認しました。
所有している日本盤には、作者名が記載されていませんでした。
ライナーに記載があったかも知れませんが、紛失したので確認できません。
とはいえ、ダグの盤で、作者がPriceだと分かっていましたので、さほど問題としていなかったのです。
こうして、私の長年の疑問のひとつは、無事解決したのでした。
他人には全く関心がないことでしょうが、私には大きな出来ごとです。
素直にうれしいです。
追伸
先ほど、00年リリースのSan Antonio RockというCDのブックレットをパラパラと見たところ、ヒントになる記述がありました。
改めて、このライナーは貴重な内容が含まれていそうだな、もっと早くこれを読んでいれば、と思いましたが、やはり長い英文は苦手意識が先にたってしまう私なのでした。
Can't Believe You Wanna Leave by Doug Sahm
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