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ケイティを捕まえて

 今回は、全く別のアルバムを取り上げようと思っていたのですが、Obinさんの記事を読んだところ、やみくもにあるアルバムが聴き返したくなり、急きょ頭に浮かんだCDを引っ張り出してきました。
 それは、Albert Kingの"Lovejoy"です。

 これを初めて聴いた当時、私は、Albertの"I'll Play The Blues For You"に痺れまくっていて、こういうメロウなブルースがもっと聴きたいと渇望し、第二の"I'll Play〜"を求めてこのアルバムを手に取ったのでした。

Lovejoy
Albert King

1. Honky Tonk Women (M.Jagger, K.Richards) *
2. Bay Area Blues (Donald "Duck" Dunn, Don Nix) *
3. Corrina, Corrina (Don Nix) **
4. She Caught the Katy (And Left Me a Mule to Ride) (Taji Mahal, Yank Rachell) **
5. For the Love of a Woman (Don Nix) *
6. Lovejoy, Ill. (Don Nix) **
7. Everybody Wants to Go to Heaven (Don Nix) *
8. Going Back to Iuka (Don Nix) **
9. Like a Road Leading Home (Don Nix, Dan Penn) **

 このアルバムは、Staxから71年にリリースされたもので、アルバム"I'll Play The Blues For You"のひとつ前のアルバムにあたります。

 "I'll Play〜"が、Bar-Kaysをバックに、メンフィスで録音されたのに対して、こちらは、Don Nixの制作により、ハリウッドとマッスル・ショールズで、それぞれ個性的なメンツを集めて録音されました。
 セッションの概略は以下のとおりです。

Produced and arrenged by Don Nix
Albert King : all guitar, vocals
Track1,2,5,7(*)
Recorded at Skyhill Studio, Hollywood
Jim Keltner : Drums
Donald "Duck" Dunn : Bass
Jesse Ed Davis : Guitar
John Gallie : Keyboards
Sanford Konikoff : Percussion
Jeanie Greene : Back Ground Vocals
Mount Zion Singers : Back Ground Vocals
Track3,4,6,8,9(**)
Recorded at Muscle Shoals Sound Studio, Muscle Shoals, Alabama
Roger Hawkins : Drums
David Hood : Bass
Tippy Armstrong : Rhythm Guitar
Wayne Perkins : Rhythm Guitar
Barry Beckett : Keyboards
Jeanie Greene : Back Ground Vocals
Mount Zion Singers : Back Ground Vocals

 私は、Bar-Kaysというのは、あまり感心しないのですが、"I'll Play〜"でのセッションは、眼が洗われるような思いで聴き、彼らとAlbertの間に起こった不思議な化学反応に驚いたものでした。

 "Breaking Up Somebody's Home"、"Answer To The Laundromat Blues"、"Do't Burn Down The Bridge"など、名曲、名演を多数含む名盤だと思いました。

 「誰かの家庭を壊さずにいられない気分」だと歌う怨念の歌、"Breaking Up Somebody's Home"は、女性に歌ってほしいダークな名曲ですね。
 やはりAnn Peebles盤でしょうか。

 その後、メロウなブルースに対する考えが少し変化しましたが、それでも、"I'll Play〜"は、大好きなアルバムです。

 対して、"Lovejoy"のセッションは、"I'll Play〜"の面影を探しつつ聴き、それが満足に叶えられないと知ると、今度は"Born Under A Bad Sign"の緊張感はどこへ行った? といらだちと戸惑いを覚えた記憶があります。

 当時、私の耳には、ふたつのセッションの違いなど全く分かっていませんでした。
 正直、今意識して聴いても、それほど重要な違いが感じられません。

 特に、マッスル・ショールズ録音に信仰に近い憧れがあるせいか、点数が辛くなってしまいます。
 今回、久しぶりに意識して聴いた私の印象は、ハリウッド・セッションの方が好みかも知れません。
 まあ、どちらのメンツも、Albertに遠慮している可能性はあります。

 肝心のブルースは、今一消化不良な気もしましたが、意外にも唯一のバラードが良いです。
 ラストに入っている、Dan PennとDon Nixの作品、"Like a Road Leading Home"が、アルバムの掉尾を飾るにふさわしい感動の1曲に仕上がっています。
 控えめながら、教会風のバック・コーラスも素晴らしく、荘厳な雰囲気を醸し出しています。
 この曲は、誰かサザン・ソウル・シンガーはやっているのでしょうか? 

 さて、話を冒頭へと戻したいと思います。
 なぜこのアルバムを聴き返したくなったのか、と言いますと、"She Caught the Katy (And Left Me a Mule to Ride) "が入っていたからです。

 私は、この曲のBlues Brothersのバージョンが大好きです。
 まあ、映画のシーンとオーバーラップして、より深い印象が形作られているのでしょうが、とにかく好きです。

 冒頭、刑務所から出所したばかりの兄(又は兄貴分?)ジェイクを、迎えに来た弟(分?)エルウッドが、廃車落ちの中古パトカーで、フリーウェイを飛ばすシーン、「ンチャッ、ンチャッ」というイントロが聴こえてくると、もう心臓がばくばくしてきます。
 最高のアレンジであり、絵に最高にマッチした音楽だと思います。
 好きです。

 思わず熱くなりました。
 ただ、残念ながら、Albertのバージョンは、さほど印象に残るものではありません。
 まあ、映画のシーンに重ねあわせた思い出には、勝負できないですよね。

 このアルバムに強い印象を持っているのは、Albertのバージョンを初めて聴いたとき、「これって、聴いたことがある。なんだっけ」とそわそわして、やがて回答に到達した時の快感が、体に染みついて残っているからだと思います。

 そして、曲の作者がTajiだと気づかせてくれる、きっかけとなったことも大きいです。
 私が、Tajiの"The Natch'l Blues"を聴いたのは、それからまもなくのことでした。

 どうも、今回は、Albert Kingのアルバムについて書こうと思ったのに、Blues Brothersに触れたため、ぶれまくってしまいました。
 映画"Blues Brothers"は、私の永遠のフェイヴァリットです。

 2010年が近づいていたころ、私は、"Blues Brothers 2010"が創られるべきだと回りの人に訴えて、無視されたことを思い出しました。


 追記
 Obinさんが、Yank Rachellについて触れられていますが、この曲が、"She Caught the Katy"と"Left Me a Mule to Ride"という、二つの曲が合わさったものだという大胆な仮説はいかがでしょうか?
 例えば、どちらかがYank Rachellのレパートリーだとか?
 You Left Me a Mule to Rideってなしですか。
 ちなみに、Muleはロバのことで、Bill Monroe(Jimmie Rodgers)のMule Skinner Bluesを思い出します。

 それと、彼女に捕まるKatyというのは車の略称でしょうか?
 でもすぐに思いつくキャデラックは、Caddyですよね。
 普通に女性の名前かも知れないですが、それってつまんないです。
 あるいは、車ではなく、列車のことかも知れません。

 Chuck Berryの"You Can't Catch Me"を連想しながら、思いつくまま書いてしまうのでした。


AlbertのShe Caught The Katy and Left Me Mule to Rideです。




こんなの見つけました。
Big Joe WilliamsのShe Left Me a Mule to Rideです。




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