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ヒッチハイカーズ・ブルース

 私は、コンテンポラリーなブルースを聴く機会があまりありません。
 嫌いというわけではありませんが、積極的に聴くこともないです。 
 まあ、それがヒット曲なら、広く聴かれている理由があるとは思いますし、聴けば気に入るかも知れません。
 でもどうせ聴くなら、流行りものとかとは関係なく、ルーツをがっつり感じる古いスタイルが好きです。

 そんな私が、今回の主人公、Mighty Mo Rodgersを聴くことになったのは、どういう巡りあわせでしょう。
 その音楽性は、初めて聴いた私の耳には、とてもスムースでソフィスティケイトされたものだと感じました。

 しかし、彼は、必ずしも安定したメジャーとは言い切れず、事実近年はインディーズで活動しているようです。
 とはいえ、本盤のコンセプトが私の興味を惹くことがなければ、出会うことはなかったでしょう。  

 本盤は、アメ車の象徴、キャデラックをとばし、ウエストコーストからイーストコーストまで、ルート66の道程をめぐる旅を米国音楽の探訪になぞらえる内容になっています。
 (…と私は解釈して関心を惹かれ、入手しました。)

 本盤は11年にリリースされた、Mighty Mo Rodgersの最新作です。


Cadillac Jack
Mighty Mo Rodgers

1. Cadillac Jack Says "Bring the Fishtail Back" (Mighty Mo Rodgers)
2. Black Coffee and Cigarettes (Mighty Mo Rodgers)
3. Boogie To My Baby (Mighty Mo Rodgers)
4. Cadillac Ranch (American Stonehenge) (Mighty Mo Rodgers)
5. Motor City Blues (Mighty Mo Rodgers)
6. See America First (Mighty Mo Rodgers)
7. Tell Me Why (Mighty Mo Rodgers)
8. The Freddy Fender Song (Mighty Mo Rodgers)
9. God In My Car (Mighty Mo Rodgers)
10. Hitchhiker's Blues (Mighty Mo Rodgers)
11. My Blues, My Car and My Woman (Mighty Mo Rodgers)
12. West Coast Blues (Mighty Mo Rodgers)
13. Slow Dance With Me (Mighty Mo Rodgers)
14. Lights of America (Jan Eglen, Mighty Mo Rodgers)

 Mighty Mo Rodgersは、魅力的な声を持つシンガー、キーボーディストで、そのバンドの演奏はとてもソウルフルです。

 写真から感じる風貌は貫禄たっぷりで、経験値の高いベテランのブラック・アーティストだろうと思いました。
 しかし仮に、何の予備知識もなしにその歌声を聴いたなら、「もしかするとソウルフルな白人シンガーという可能性もあるかな」とふと思ったかも知れません。
 なぜなら、ブルージーでソウルフルですが、ロック以降の音楽だと感じるからです。

 彼が黒人であることを知ったうえで連想したのは、ロバート・クレイでした。
 そう思って聴きかえすと、ファンキーでメロウなビートに共通性を感じます。

 本盤の収録曲はすべて自作で、その音楽はブルージーです。
 ただ、いわゆるブルースマンとは少し違った肌触りを感じました。
 マイナー・ブルース調の曲が多くあり、それが売りだと思いますし、間奏のソロはブルースそのものだったりしますが、多くはブルース形式ではなく、ブルース・バラードとでも呼びたい音楽です。



 本盤の参加メンバーは以下のとおりです。

Mighty Mo Rodgers : vocals, keyboad
Burleigh Drummond : drums, percussion
Will MacGregor : bass on track1 to 11,13
Kevin Longden : guitar on track1 to 11,13
Dick Aven : saxophone, flute on track9,10,11,12
John Davis : dobro on track11
Mary Harris : strings on track2, keyboad on track6
Steve Guillory : guitar on track12,14
Albie Burks : bass on track12,14
Jan Edlen : oercussion on track14
Jim Gibson : guitar on track12
Nick Senelli : accordion on track8
Darryl Dunmore : harp on track5
Tollak Ollestad : harp on track3

 ソウルフルな歌声が素晴らしいです。

 特に、熱を帯びた声がハスキーになるところが魅力的で、サザン・ソウルのシンガーを連想せずにはいられません。
 ロバート・クレイのほかでは、例えば、リトル・ミルトンとか、ブルーズン・ソウル系の人を思い出します。

 本盤は、素晴らしくブルージーでソウルフルなバラードが次々に展開していくアルバムです。
 そんな中、"Motor City Blues"は、ブルース・ハープ入りで、雰囲気たっぷりに進行する、本盤では珍しくブルースそのものといった曲です。
 ただ白人の演奏なら、ブルース・ロックと呼んだかも知れません。
 (どうも、みかけに囚われがちです。)

 本盤は優れた曲が多く収録されていますが、いかんせん同じような曲が多いという印象を持ちます。
 そんな中、はっきりと言える聴きものは次の2曲です。

7. Tell Me Why
8. The Freddy Fender Song

 "Tell Me Why"は、鍵盤奏者であるMighty Mo Rodgersらしく、Jerry Lee Lewisを引き合いに、あのころのロックンロールの楽しさをハネるピアノに乗せて歌い飛ばす曲で、歌詞がいまいち理解できませんが、とりあえず「訳けを聞かせて」と繰り返しあおり続けます。
 曲中では、Chuck Berry、Fats Domino、Roy Orbison、Little Richard、John Lee Hooker、B. B. Kingの名前が次々と織り込まれています。

 "The Freddy Fender Song"は、クルージング中、ラジオから流れてきたFreddy Fenderの歌を聴いた主人公が、かつて人生のひと時を共に過ごした女性の想い出を振り返る曲です。
 曲中では、Freddyの代表曲、"Before The Next Teardrop Fall"と"You'll Lose A Good Thing"のタイトルが、歌詞の中にもじって盛り込まれています。
 曲調は、アコーディオンこそ控えめに入りますが、予期していたFreddyっぽさはさほどでもありません。
 最初は少し残念なアレンジかと思いましたが、何度も聴くうちに、イントロだけでぐっとくるお気に入り曲になりました。
 今はかなり良いバラードだと思っています。

 この人は、モダン・ブルース・ファンには聴かれている人なんでしょうか。
 もともとのリスナー層が知りたいものです。

 いずれにしても、ブルースからロックンロールへの道筋をたどる旅の試みは抗いがたい魅力に溢れていて、この人には、更に深く、オール・アメリカン・ミュージックの探求者となってほしいと感じました。




Cadillac Jack by Mighty Mo Rodgers





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