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77年のロイ・ヘッド

 70年代半ばというのは、Huey P. Meauxがここぞとビジネスに励んだ時期のようです。
 Freddy Fenderで成功したのが75年頃で、今やらなきゃいつやるんだということだったのでしょう。
 今回は、Huey Meauxの制作で77年にリリースされたRoy Headのアルバムを聴きました。


Rock n' Roll My Soul
Roy Head

Side One
1. Driving Wheel (Roosevelt Sykes)
2. How Do You Think I Can Live With Somebody (Thomas, McRee, Thomas)
3. Steal Away (77-105)
4. Mama Mama (Simon Reyes)
5. Trying To Reach My Goal (Thomas, McRee, Thomas)
Side Two
1. Reachin' Out (77-106)
2. Bring It Home To Jerome (77-107)
3. Don't What To Make It Too Funky (77-108)
4. I Was Born A Free Man (Joe Pipps)
5. Double Your Satisfaction (Thomas, McRee, Thomas)

 今回のRoy Headは、初オリジナルLPではないと思いますが、シングル・オンリーだった人が、この時期にMeauxの手によってLPを作った例は少なくないように思います。

 Meauxが、自分の趣味でアーティストを取り上げLPを量産出来た、ある意味いい時代だったのかも知れません。

 とはいえ、中央の音楽シーンは、(パブ・ロック〜)パンクの時期だったり、あるいはディスコの時代だったりして、時間に忘れられた音楽をやっている人たちにとっても、少なからず下界の影響はあったのでした。

 ニューオリンズR&Bの女声シンガー、Shirley & LeeのShirley Goodmanがディスコ曲を出していたりしていた時期なのでした。

 さて、本盤は、LP用の吹き込みだと思いますが、いつもながらテキサスのおおらかさ(悪く言えばいい加減さ)が出たアルバムです。

 収録曲では、Side Oneの"Driving Wheel"、"Mama Mama"、Side Twoの" Bring It Home To Jerome"が、60年代にシングル・リリースしていた曲の新録音だと思います。

 最初は、いい話からしましょう。
 "Mama Mama"は、初めて聴いたときから大好きな曲で、ここでの70年代バージョンもかっこいいです。
 60年代のシングルでは、P-vine盤CD収録バージョンのボーカルがオフ気味なのが不満でした。

 私は、作者のSimon Reyesの45sを探しているのですが、まだ入手できていません。
 せめて、音だけでも聴きたいものです。

 さて、本盤のサウンドは、少し疑問が残る内容になっています。
 基本的に、Mickey Moodyを中心とした、いつものシュガーヒル・スタジオのハウス・ミュージシャンがバックを務めていると思うのですが、今回は、ギターが「?」です。

 よく言えば実験的、悪く言えば「何だこれ」の世界です。
 アバンギャルドなのか、単にチープなのか判然としない、変てこな(私の主観です)エフェクト音が気にならずにはいられません。
 全体的に、曲の組立はブルージーなサウンドですので、このギターはJoey Longでしょうか?

 冒頭の"Driving Wheel"からして、間奏はもちろん、歌のオブリや主旋律の背後でも(必要のない)アバンギャルド・トーンが鳴っています。
 オーバー・プロデュースと思うのは私だけではないはずです。

 かっこよさでは、ラストの" Double Your Satisfaction"をあげたいです。
 アップ・ビートの曲で、デルバート・マクリントンが好きそうなタイプの曲です。
 この曲も、音的には若干やりすぎ感がないとはいえませんが、ここではカッコいいリズム・リフと、メロの良さが勝っています。
 特にリズム・リフがよくて、こういう気持ちいいグルーヴは、Roy Headにぴったりですね。

 この曲の作者は、Tomas, McRee, Thomasとなっていますが、本盤には他にも"How Do You Think I Can Live With Somebody"、"Trying To Reach My Goal"がこのトリオの作品です。

 実は、この中の一人、ThomasがGene Thomasだという話があって、私は半信半疑に思っています。
 Gene Thomasは、あまり共作をするイメージではないですね。

 あまり馴染みのない方のために補足しますと、Gene Thomasは、Doug Sahmほか多くのシンガーがカバーした名曲、"Sometimes"の作者です。
 私が、より多くのことが知りたいと、ここ数年間、ずっと関心を持ち続けているのが、Gene ThomasとBuck Rogersです。 

 さて、いい加減な方の話もしましょう。
 Side Oneの"Steal Away"は、同名異曲もあるでしょうが、普通ならジミー・ヒューズのブルージーな代表曲を連想します。

 多くのシンガーがやっている曲をRoy Headがどう料理するのか、お手並み拝見というところです。
 しかし、曲が始まるとすぐに「あれっ」となります。
 これは、完全に別の曲で、Clarence Carterの名作、"Slip Away"なのでした。

 この誤りは、作者クレジットが変だとか、ボ・ディドリーの"Bring It Home To Jerome"の題名が微妙に違うなんてことが、些細なことに思えてきまます。
 誤植なんでしょうが、このあたりがテキサスなのかなあ、と思ってしまいます。
 出来自体はかなりよくて楽しめるので、ケアレス・ミスが残念です。

 アルバム全体としては、やはり変にいじりすぎず、もっと素直にやったほうがよかったかなと思います。
 とはいえ、聴きものと言える曲もあり、ファンなら持っていたい1枚です。




Treat Her Right by Roy Head









シンディ・ウォーカー20選

 これは、予想外にしっとりとしたアルバムでした。
 Bob Wills & The Texas Playboysの最後期のリード・ボーカリストだった、Leon Rauschが、Cindy Walkerの楽曲を歌ったアルバムです。

 Cindy Walkerは、ホンキートンク・カントリーの最も重要な女性ソングライターの一人で、多くのシンガーに曲を提供していますが、何と言ってもBob Willsのレパートリーへの貢献度が高い人です。



Close To You
A 20 Song
Salute To The Music Of Cindy Walker Vol.1
Leon Rausch

1. Close To You
2. That Would Sure Go Good
3. In The Misty Moonlight
4. Hotline
5. The Little Blue Bonnet Bar
6. Ruidoso
7. You Don't Know Me
8. You're From Texas
9. I'm A Music Man
10. Bubbles In My Beer
11. Inseparable From My Heart
12. The Day You Left Me
13. I Don't Care
14. Tucumacari Woman
15. Take Me In Your Arms And Hold Me
16. Don't Be Ashamed Of Your Age
17. The Heebee Jeebee Blues
18. China Doll
19. Two Glasses, Joe
20. On Silver Wings To San Antone

 Cindy Walkerは、初期には自らシンガーとして録音していますが、私の聴いた限りでは、ソングライターとしての方が才能があった人だと思います。

 本盤は、90年代の終わり頃にリリースされたと思われ、バンドには、元Texas Playboysの残党たちが参加しているのではないかと思います。
 実質的には、Leon RauschとTommy Allsupを中心に組まれたプロジェクトのようです。

 ギター、フィドル、ラップ・スチール、ドブロ、ピアノ、アコースティック・ベース、ドラムス、トランペット、トロンボーン、クラヴィネットからなる編成です。
 ビッグ・バンド編成ですが、エレキ・ギターのロッキン・ソロといった、ネオ・スイングに定番の見せ場はなく、とてもおしゃれな大人のサウンドに仕上がっています。

 ホーン陣も基本はミュート・サウンドで、ブリブリのブロウなど一切なく、小粋なフレーズがおしゃれ度に貢献しています。
 最近、活字媒体であまり見かけなくなりましたが、少し前に話題になった、アコースティック・スイングを思わせるサウンドです。

 Bob Willsの音楽は、徹底したダンス・ミュージックでしたが、彼は自らの音楽をウエスタン・スイングとは呼ばす、しばしばカントリー・ジャズと呼んでいました。
 本盤では、ジャズの楽曲こそやっていませんが、その落ち着いたたたずまいは、ジャジーな雰囲気も感じます。

 Asleep At The Wheelのリーダー、Ray Bensonが、ソロ作でジャジーなボーカル・アルバムを作ったことを思い出します。
 ちなみに、Asleepつながりで言いますと、本盤にはゲストの一人として、初期のAsleepの女声ボーカリスト、Chris O'Connellが、コーラスで参加しています。

 さて、中身を聴いていきましょう。
 ざっと曲目を眺めて、驚きました。
 ほとんど知っている曲がありません。

 Bob Willsの楽曲の作者として、しばしば名前を見かけたはずなのですが、ここに収録されている曲で、すぐに思いつくのは、"You're From Texas"、"Bubbles In My Beer"くらいです。

 このあたりは、MGM時代のBobのレパートリーでしょうか。
 だとすれば、40年代ですね。
 そして、"You Don't Know Me"は、よく知っている曲ですが、これはBob Willsでしたっけ?

 馴染み深い曲ばかりと思っていたので、改めて確認したこのラインナップは驚きです。
 こんなにも未知の曲ばかりとは…。
 でも、もしかすると、過去に聴いてあまり印象に残っていなかっただけで、聴いた曲があるのかも知れません。

 本盤は、私に眼を洗うような清々しい感覚を与えてくれました。
 とにかく、優れた作品がたくさん入っています。
 (あえて1曲だけあげるとすると、美しくも軽妙なワルツ、"China Doll"が最高です。)

 今回私は、Cindy Walkerには、私の知らない素晴らしい曲が、まだまだたくさんあることを知って、心から嬉しくなりました。
 本盤で新たにお気に入りとなった曲たちは、じっくりとオリジナルを探したいと思いだしています。

 Cindy Walkerのトリビュート・アルバムは、Willie Nelsonも作っていて、そちらは、実質的にはBob Willsのレパートリー中心の作品集でした。
 Cindy Walker集の名を借りた、アナザー・Bob Wills名作選とでもいうべき作品集に仕上がっていたのです。
 近年のWillieの仕事では、特に好きな1枚です。 

 ともかく、本盤は良いです。
 ただ、若い人たちには、のどかなサウンドがもどかしいかも知れません。
 ロック・ファンには、毒もなく、攻撃性のかけらも感じられないないことに、退屈される方もいることと思います。
 しかし、私も10代から20代初めには、レアなロカビリーばかり探して聴いていたものでした。

 そんな私が、今ではいっぱしのおじさんになって、日向ぼっこソング好きになっています。
 (私は、Kinksのお昼寝ものやティータイム・ソングが大好きです。)

 曲調が攻撃的でないからといって、刺激がないわけではありません。
 私は、本盤を聴いて、心豊かな気持ちにさせられました。

 ウエスタン・スイングに関心がある方には、ぜひ推薦したい1枚です。
 ただし、Asleepのように、ジャンプやブギはやっていません。
 私は、Bob WillsとLouie Jordanは、同じコインの裏表だと思っていますが、ここで聴けるのは、オールド・タイムの要素が勝ったサウンドです。

 なお、本盤は、Vol.1となっていますが、Vol.2が出たのかどうか私は知りません。
 Leon Rauschは、近年、Asleep At The Wheelとの共演盤を作って、元気な歌声を披露してくれました。
 当然、そちらも推薦盤です。

 就寝前に、寝床に文庫本を持ち込んで、好きな文章を追いながら、流しっぱなしにしたい、そんな音楽です。



It's A Good Day by Leon Rausch and Asleep At The Wheel




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スワンプ少年の帰郷

 少し前に聴いたアルバムが気に入ったので、もう1枚聴くことにしました。
 Swamp PopシンガーのWayne Foretです。

 本盤のジャケには、近影と63年ころの写真が並べてコラージュされています。
 この人は、60年代にデビューして、シングルを出していたのでしょうか?
 定番のコンピでは見かけませんが、最近関心を持っています。

 

Let's Do It Again
Wayne Foret 

1. Part Of Me (Clanton)
2. Come Into My Heart (Price)
3. One In A Million (Ram)
4. No No (Domino)
5. Juanita (Willis)
6. Diana (Anca)
7. Don't Cry No More (Foret)
8. Baby Workout (Wilson)
9. Time Will Tell (Beasley)
10. Where Did You Stay Last Night (Domino)
11. Let's Go, Let's Go, Let's Go (Ballard)
12. Born To Be A Loser (Donley)
13. Dream Walking (Domino)
14. Baby Please Come Home (Price)
15. Wonderin' (Penniman)

 Foretという姓では、以前にRyan ForetというSwamp Popシンガーを取り上げたことがありました。
 他にも、やはりSwamp Popシンガーで、Aaron Foretという人がいます。

 確認したわけではありませんが、おそらくは血縁関係はないと思われます。
 あるいは、ケイジャン系ではよくある姓なのかも知れません。

 良く似た姓の"Forest"が、何となく自然に英語圏風と感じるのに対して、Foretは、「フォレー」とか「フォーレ」などと読みたくなるフランス系の香りするような気がします。

 Ryan Foretは、その後2枚のアルバムを聴きましたが、私の好みでは、こちらのWayne Foretが方が好きです。

 Ryanが、イナタイ中にも若干コンテンポラリーな雰囲気が感じられるのに対して、Wayneは、とことんイナタく、さらに選曲が渋いのが私好みなのでした。

 ただ、本盤には、「えっ」と思う曲が混じっています。
 ポール・アンカの「ダイアナ」です。
 この曲は、本国での評価はどうなんでしょう。

 私の感覚では、ベタなオールディーズを代表する1曲です。
 カラオケの懐メロ英語曲の定番でもあります。

 この手垢のついた、何とももっさりした作りの曲は、あまりいい印象がありません。
 そう思うのは、有名すぎるからかもしれません。

 ポール・アンカでは、あえて言うなら、私は"Put Your Head On My Shoulder"が好きです。
 「あなたの肩に頬うめて」という(誤訳の)邦題が秀逸でした。

 中学生でもわかるレベルですから、これは確信犯かも知れません。
 つまり、「ぼくの肩でおやすみ」みたいなことだと思いますが、視点を変えて女性目線のタイトルにしたわけです。
 たとえマジで誤訳だとしても、洋画や洋楽の昔の邦題には、センス優先のものがあって好きです。

 さて、本盤は、Jimmy Clantonの"Part Of Me"で始まるのがおしゃれです。
 この曲は、59年の米AceのLP盤、"Just A Dream"の収録曲です。

 基本的に、"Just A Dream"タイプの曲で、ニューオリンズR&Bのテイストがファンにはたまりません。
 Jimmyは、ティーン・アイドルですが、自作名義の曲の多くは優れたR&Bテイストが感じられて良いです。

 Fars Dominoを3曲、Lloyd Priceを2曲やっています。
 このあたりの人選は王道ですが、選曲はひねっています。
 Fatsの3曲は、いずれも有名曲ではないと思います。
 "Dream Walking"は、シングルでさえないかも知れません。

 Lloyd Priceも傑作が数ある人ですが、Fatsに比べれば絶対数が少ないので分かりやすいです。
 ただ、"Baby Please Come Home"は、私は未聴でした。
 この人は、スペシャルティ時代の"Lawdy Miss Clawdy"がR&B史に残る記念碑的作品で、初期には同タイプの曲をいくつか作っていました。

 "Lawdy Miss Clawdy"は、私は、Swingin' Blue Jeans盤が好きです。
 他にも、"Stagger Lee"も"Personality"もありますが、レノンが大好きだった"Just Because"は特別な1曲ですね。
 ABC時代の編集盤では、MCAから出された"Greatest Hits"が選曲も音もいいのでお奨めです。

 もうかなり前のCDで、今なら曲数も多い最新リマスター盤があると思いますが、私はヴィンテージ感のないジャケながら、気に入っています。
 ちなみに、リイシューの制作は、Rhinoの仕事で有名なBill InglotとDan Herschです。

 Little Richardの"Wonderin'"が、これまた珍しいチョイスで面白いです。
 Richardは、シャウト系ばかりでなく、じっくり歌うものもいいので、久しぶりに原曲が聴きたくなりました。

 そして、嬉しい選曲が、Chuck Willisの"Juanita"です。
 この曲は、Willisのオリジナルより、私は、Charlie Rich盤がかなり好きです。
 サビで、「ファニーーイタ」と情感たっぶりに歌う、Charlieの声の出し方が最高でした。

 今作では、Clyde McPhattarをやっていませんが、この人にはぴたりとはまるので、またやってほしいものです。


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 追記

 ここ数日、たまりにたまったDVDをまとめて観たので、少しぼーっとしています。
 かなり観たのですが、まだ視界に入る棚にあるものだけで、未視聴のものが50本はあります。

 ほとんどが、邦画や海外ドラマなんですが、平積みされているものの中には、音楽関係があって、ざっとみたところ、10数本のコレクターズDVDがありました。

 熱くなって買ったのですが、マイ・ブームが少し冷めたんですね。
 こちらも、観なきゃ…。
 オフィシャルのフィールグッドも買って手元にきたことで安心して、まだ見てないし…。









至宝の五重奏団 彼方へ

 今回は、前回の続きです。
 実は、San Antonio Recordsから、もう1枚、Sonet音源を収録したCDが出されていたのでした。
 リリースは、やはり10年となっています。


 
Sir Douglas Quintet and Beyond Texas Gold

1. Medley : Dynamite Woman / Mendocino (Doug Sahm)
2. Nothing But The Blues (Doug Sahm, Max Longmire)
3. Hangin' On By A Thread (Doug Sahm)
4. Old Habits Die Hard (Doug Sahm)
5. Revolutionary Ways (Doug Sahm)
6. You're Gonna Miss Me (Roky Ericksson)
7. Down On The Border (Doug Sahm)
8. Tomorrow Just Might Change (Louie Ortega)
9. Let's Don't Waste A Minute (Doug Sahm)
10. One More Time (Louie Ortega)
11. Sugar Bee (Eddie Shuler)
12. County Line (Louie Ortega)
13. Down In Mexico (Juan Renendez)
14. Sugar Blue (Augie Meyers)
15. Just Like A Woman (Bob Dylan)
16. Deep In The Heart Of Texas (Swander, Hershay)
17. Big Mamou (Arr, by Garrett, Sahm, Taylor)
18. She's About A Mover (Doug Sahm)
19. Is Anybody Going To San Antone (David Kirby, Glenn Martin)

 本盤も、しっかりしたつくりのブックレットが入っていて、やはり長文のライナーと、収録曲の出典に関するデータが記載されています。

 今回は、元のアルバムの録音データ、セッション・メンバーまで記載されていて、オフィシャル感はいや増しています。

 英文ライナーは、前半はDoug Sahmのバイオの概略、後半は各収録曲に関するコメントという構成になっているようです。
 内容が気にならないわけではないですが、ちょっと根性が足りなくて、まだ読めていません。

 ライナーの終わりに短い謝辞がありますが、英語圏以外と思われる姓が記されていて、やはりスウェーデン盤ではないか、という疑念が甦ってきました。

 さて、今回も、収録曲を元のアルバム毎に並べ替えてみました。
 以下のとおりです。

80' : Hell Of A Spell (Takoma TAK-7075)
2. Nothing But The Blues
3. Hangin' On By A Thread

81' : Border Wave (Takoma TAK-7088)
4. Old Habits Die Hard
5. Revolutionary Ways
6. You're Gonna Miss Me
7. Down On The Border

82' : Quintessence (Sonet SNTF-881)
8. Tomorrow Just Might Change

82' : Still Growin' / Augie Meyers with Doug Sahm(Sonet SNTF 883)
13. Down In Mexico
16. Deep In The Heart Of Texas

83' : Live Texas Tornado (Takoma TAK-7095)
1. Dynamite Woman / Mendocino
18. She's About A Mover
19. Is Anybody Going To San Antone

83' ; Midnight Sun (Sonet SNTF-897)
9. Let's Don't Waste A Minute
10. One More Time
11. Sugar Bee

84' : August In New York  / Augie Meyers (Sonet SNTF-910)
14. Sugar Blue

85' : Love Ya Europa (Sonet SNTF-936)
12. County Line

89' : Return Of The Formerly Brothers (Stony Plain SPCD 1104)
15. Just Like A Woman
17. Big Mamou

 今回の選曲では、Augieのソロ・アルバムからもチョイスされています。
 また、Louie Ortegaの作品が3曲も選ばれているのが、大きな特徴でしょう。

 Louie Ortegaのバンド、Loue and the Loversは、CCRに影響を受けたカントリー・ロック系のバンドでした。
 彼らの唯一のアルバム、"Rise"は、Doug Sahmがプロデュースしています。
 
 ストレート・リイシュー盤も、Bear Familyのコンプリート集も、今なら手に入ると思うので、未入手の方はあるうちにどうぞ。

 ちなみに、"Tomorrow Just Might Change"は、Louie & Lovers時代にオリジナル録音がなされています。
 また、"County Line"は、94年のDougのアルバム、"Day Dreaming at Midnight"で再度録音されています。

 Dougの没後、すでに10年以上経過し、Doug人脈の現状が気になるところです。
 Louie Ortegaは、新生Texas Tornadosに参加していたはずです。

 Augieは、健康問題があると言われながらも、Dylanとのセッションを始め、最も精力的な活動が伝えられています。
 
 その他のお馴染みのメンツでは、テナー・サックスのRocky Moralesが、Freddy Fenderと同じく、06年に天に召されていたらしく残念です。



Tomorrow Just Might Change by Louie and the Lovers (72')



Summertime Blues by Louie Ortega (08')



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 Sir Douglas Quintetの80年代のSonet音源は、一部を除いてCD化されていません。
 これは、Doug Sahmファンとしては憤懣やるかたない事実で、いつも心の底でくすぶり続けている不満です。

 1年ほど前、Sonet音源の編集盤、"Scandinavian Years"の存在を知ったときは、狂喜乱舞したものでした。

 当該CDは、当初北欧圏のみで出されたと思われ、その後EU圏内で流通し始めたようですが、TVスポットまで作られたにも関わらず、私たちが入手できるようになるまでに相当の期間を要したのでした。

 今回ご紹介するCDが、同様の流れとなるかは不明ですが、今のところ、EU圏を中心に流通しているようで、なかなか私たちの眼に触れる機会は少ないようです。



The San Antonio Hipster
Doug Sahm

1. Golly Gee (Sunny Ozuna)
2. Anymore (Don Robey)
3. Who Were You Thinking Of ? (Paul Gauvin, Cathie Pelletier, James Glasser)
4. Will You Still Love Me Manana (Carole King, Gerry Goffin)
5. Down To Saying Goodbye (Doug Sahm)
6. Got It Bad For You (Doug Sahm)
7. Just A Dream (Jimmy Clanton)
8. Can't Fake It (Doug Sahm)
9. I Keep Wishing For You (Butch Hancock)
10. Wicked Wicked Woman (Unknown)
11. The Things I Used To Do (Eddie Jones)
12. Teardrops On Your Letter (Henry Glover)
13. Walking Slowly (E.C.King)
14. Adios Mexico (Doug Sahm)
15. I'll Take Care Of You (Doug Sahm)
16. Every Breath You Take (Sting)
17. Ain't Into Letting You Go (Doug Sahm)
18. Crazy Crazy Baby (Buck Rogers, Thomas Bryan)
19. This Time (Chips Moman)
20. Tejano (Doug Sahm)
21. Sleep Walk (John Farina, Ann Farina, Santo Farina, Donald Wolf)

 本盤は、10年にSan Antonio Recordsからリリースされたことになっています。
 CD番号は、Lennart P1で、いかにもブートっぽいきれいな番号です。

 しかし、CDのつくりはかなり良く、長文のライナーとちゃんと収録曲の出典を記したブックレットが入っいて、オフィシャルといっていいレベルの仕上がりです。
 その真偽は確認できていませんが、ブートによくある、カラー・コピーで裏が白紙のペラ・ジャケとか、そういったたぐいとは一線を画しています。

 ライナーは英文で、一見とても興味深い内容のように思わせます。
 Doug Sahmが、初めてスウェーデンに足を踏み入れたころのエピソードが記されているようです。

 ただ、ななめ読みした限りでは、筆者とDougの個人的な親交を綴っているのではないかと思われ、それはそれで面白いのですが、小ネタのトリビアの域を出ない気がして、途中で文章を追うのを断念してしまいました。

 本盤は、英文ライナー入りで、San Antone Recordsという名の会社からのリリースですが、スウェーデン盤の可能性もあると思います。
 全編にわたって英文なので、少し自信がないですが…。

 さて、収録曲は多岐にわたっています。
 編集でイメージするのは、ファンがダビングして作ったお気に入りテープみたいな感じです。

 編纂は、Lennart Perssonという人が行っています。
 これって、間違いなく、CD番号のLennart P1の解答ですね。
 やはり、ブートなんでしょうか?
 だとしたら、オフィシャル級のブートだと言ってしまいましょう。
 音もいいです。

 以下に、収録曲をライナーの記載内容を参考に並び替えてみました。
 アルバム番号は、アナログLP盤を優先し、不明なもののみCDの番号を記載しました。

80' : Hell Of A Spell (Takoma TAK-7075)
8. Can't Fake It
11. The Things I Used To Do
14. I'll Take Care Of You
17. Ain't Into Letting You Go

81' : Border Wave (Takoma TAK-7088)
9. I Keep Wishing For You

82' : Quintessence (Sonet SNTF-881)
3. Who Were You Thinking Of ?
5. Down To Saying Goodbye
6. Got It Bad For You
10. Wicked Wicked Woman
14. Adios Mexico

83' : The West Side Sound Rolls Again (Teardrop TD-5000)
1. Golly Gee
13. Walking Slowly
18. Crazy Crazy Baby

83' ; Midnight Sun (Sonet SNTF-897)
19. This Time

84' : Rio Medina (Sonet SNTF-912)
2. Anymore
16. Every Breath You Take
20. Tejano
21. Sleep Walk

85' : Love Ya Europa (Sonet SNTF-936)
7. Just A Dream

87' : Deep In The Heart Of Texas (Zu-Zazz CDZ-2016) Conpilation
4. Will You Still Love Me Manana

89' : Return Of The Formerly Brothers (Stony Plain SPCD 1104)
12. Teardrops On Your Letter

 Sonet音源だけでなく、容易に入手できるTakoma音源や、カナダのStony Plain音源までがコンパイルに含まれています。

 そして、元はKevin Kat Recordsから出された、80年代テキサス・ロックのコンピ、"Deep In The Heart Of Texas"からもチョイスしています。
 うーん、どうもヲタっぽい選曲ですね。

 ちなみに、Doug作と記されている、"I'll Take Care Of You"は、Bobby BlandのDuke時代の有名曲のひとつで、言うまでもなくDougの作品ではありません。
 作者は、Brook Bentonだったと思います。

 それはともかく、Sonet音源の初CD化曲は素直に嬉しいです。
 そして、全体としても、当然ながら内容は悪いはずがありません。

 Sonet音源の、オリジナル仕様でのCD化を熱望します。



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ズズ・ボーリン

 変わった名前のアーティストをご紹介します。
 ZuZu Bollinです。

 T-Bone Walkerの強い影響下にある人で、唯一のオリジナル・アルバム(だと思います)の本盤では、時の流れとは一人関わりがないかのように古いスタイルでやっています。

 表面的には、スイング・リバイバルのバンドに近いスタイルですが、この人の場合、あくまで自分のやりたいようにやったらこうなったということでしょう。

 
Texas Bluesman
ZuZu Bollin

1. Big Legs (Gene Phillips)
2. Hey Little Girl (Hill)
3. Blues in the Dark (C. Basie, J. Rushing)
4. Kidney Stew (Blackman, Vinson)
5. Cold, Cold Feeling (J. Robinson)
6. Why Don't You Eat Where You Slept Last Night? (Zu Zu Bollin)
7. Headlight Blues (Zu Zu Bollin)
8. How Do You Want Your Rollin'Done (Zu Zu Bollin)
9. Leary Blues (Percy Mayfield)
10. Rebecca (Joe Turner)
11. Zu's Blues (Zu Zu Bollin)

 ゲイトマウス・ブラウンなどと同時代の人で、50年代にシングルを出していましたが、大きなヒットもなく、人々の記憶から消えるところでしたが、再発見され、このアルバムが創られたのでした。
 89年のことです。

 当初は、Dallas Blues Society Recordsから出され、その後、Antone Recordsから90年に再発されました。
 そのセッション参加メンバーは、次のとおりです。

Produced by Chuck Nevitt & Duke Robillard (except "Hey Little Girl" & "Cold Cold Feeling")
Zu Zu Bollin : guitar, vocals
Duke Robillard : guitar
Sumter Bruton : rhythm guitar
Hash Brown : rhythm guitar ("Big Legs" & "Blues In The Dark")
Doyle Bramhall : drums
Jim Milam : clevinger bass
Craig Simecheck : piano
George Galbreath : trumpet
Mike Strickland : baritone saxophone
Mark Kazanoff : saxophone
Robert Harwell : tenor saxophone
David Fathead Newman : tenor saxophne ("Big Legs" & "Kidney Stew")
Marchell Ivery : tenor saxophone ("Big Legs" & "Rebecca)

 収録曲のうち、2曲のみ別のセッションになっています。

Produced by Derek O'brien & George Rains
"Hey Little Girl" & "Cold Cold Feeling" Sessions
Wayne Bennett : guitar
C-Eorce Rains : drums
Jack Barber : bass ("Hey Little Girl" only)  
John Blondell : bass ("Cold Cold Feeling" only)、trumpet ("Hey Little Girl" only)
Doug Sahm : Piano
Keith Winking : trunpet ("Cold Cold Feeling" only)
Charlie McBurney : trumpet ("Hey Little Girl")
John Mills : baritone saxophone ("Cold Cold Feeling" only)
Rocky Morales : tenor saxophone

 私が、本盤に注目した理由は、もちろんこの2曲のセッションの存在です。
 Doug Sahmがピアノで参加しているのです。

 また、お馴染みのDoug Sahm人脈、ベースのJack Barber、トランペットのCharlie McBurney、テナー・サックスのRockey Moralesの名前が見つけられて頼もしいです。
 ドラムスのC-Eorce Rainsは、おそらくGeorge Rainsの変名だと思われます。 

 そして、ギター・マイスター、Wayne Bennetの名前が光っています。
 Wayne Bennetは、ご存じのとおり、Bobby BlandやJunior Parkerの素晴らしい伴奏で知られている人です。

 さて、ここで思い出されるのは、Doug Sahmの名作ソロ・アルバム、Juke Box Musicです。
 あのアルバムのリリースは、88年でした。
 本盤のリリースが89年ですから、おそらくは録音時期も近いと思われます。

 実際、先のDoug Sahm人脈の3人とWayne Bennetは、Juke Box Musicにも参加しています。
 そして、"Hey Little Girl"は、Doug SahmもJuke Box Musicで取り上げていました。
 このあたりの関係は、いろいろと興味深いです。

 ZuZu Bollinは、まるでロックの洗礼を受けていないかのように、R&B誕生以前の頃のスタイルでやっています。
 私は、ジャンプ系の曲が好きですが、ここでの柔らかでジャジーなスロー・ブルースもまた良いです。

 ジャンプの"Why Don't You Eat Where You Slept Last Night?"は、50年代のZuZu Bollinの代表曲で、元のバージョンは、RhinoのコンピCD、Blues Masters Vol.3で聴くことが出来ます。

 素晴らしいメンツのサポートを受け、再出発したZuZuでしたが、90年に68歳で天に召されました。




Why Don't You Eat Where You Slept Last Night by ZuZu Bollin






スワンプなポップにしてくれ

 この人のアルバムを聴くのは二枚目です。
 現役ばりばりのSwamp Popシンガーです。

 前回聴いたものは、Otis Reddingのカバーを何曲もやっていて、驚いたものでした。
 本盤は、00年にリリースされたもので、例によってオリジナルとカバーをうまく配置した、やはり好アルバムに仕上がっています。


Swamp Pop Soul
Don Rich

1. Lovin' Cajun Style (Huey P. Meaux)
2. Shed So Many Tears (Anderson, Shuler)
3. Juke Box Songs (Tommy McLain)
4. Every Day Is a Holiday (Gamble, Huff)
5. Honky Tonk (Buttler, Doggett, Scott, Shepard)
6. Another Sleepless Night (Greenfield, Sedaka)
7. Little Cajun Girl (Martin, Rodrigue)
8. Let's Try at Love Again (G. D. Aucoin, D. Richard)
9. I Love You (D. Richard)
10. Our Love (Carpenter)
11. Lover's Question (Benton, Williams)
12. Where You Been Baby (Tommy McLain)
13. Groove Me (King)
14. These Arms of Mine (Otis Redding)
15. Keep on Smilin (Anthony, Hall, Hirsch, Ross)
16. The More I Drink (D. Richard)

 作者名にD.Richardとあるのは、Don Richのことです。

 私は、以前この人を取り上げたとき、この人の本名は、Donald Richardか、Richardsonではないか、そしてその後に、フランス系の姓が続くのではないかと推論を書きました。

 これは、Bobby Charlesの本名が、Robert Charles Guidryであるという例から、同様にフランス系の姓が略されているのではないかと考えたからでした。

 しかし、少し調べたところ、この人の名前は、どうやらDon Richardまでで、その後はないようです。

 そして、Donは、通常Donaldの愛称(短縮形)ですが、この人の場合、どうやら正式名もDonらしいです。

 実は、英語圏のファースト・ネームの付け方では、短縮形を正式名としてしまうケースが、さほど珍しくない例としてあるようです。
 このあたりは、名前の短縮形フェチの私としては、少し不満ではあります。

 皆さんも、子供の頃、初めてBobがRobertで、BillがWilliamだと知ったとき、その不規則な変貌に理不尽さを感じるとともに、他にはどんな例があるの、と興味深々となった思い出はないでしょうか。

 私にはあります。
 とりわけ、DickがRichardであることを知ったとき、「なんという規則性のなさだ」と強く思い、そのことをもっと深く知りたいと渇望したのでした。

 さて、収録されている曲は、テキサス、ルイジアナ系の音楽が好きな人なら、嫌いであるはずがないレパートリーばかりだと思います。

 この人は、実はオリジナルも良くて、いいソング・ライターだと思います。
 自作曲は、主としてカントリー・ソウル風の傾向が強いように感じました。

 冒頭の1曲は、Huey Meauxの作品でスタートします。
 Freddy Fenderもやっていますが、調べれば、Meauxがプロデュースしたアーティストはかなりの頻度でやっているかも知れません。
 クラレンス・フロッグマン・ヘンリーもやっていました。

 曲のクレジットはMeauxですが、私はこの曲はJimmy Donley作ではないかと思っています。
 その真偽は不明で、取り立てて根拠があるわけではないですが、私はDonleyの作品は、いくつかMeaux名義になっているものがあるのではないかと考えています。

 本盤の特徴として、眼についたのが、Tommy McLainの作品を2作カバーしていることです。
 私は、最近Tommy McLainがマイ・ブームのため、余計に気になります。
 ここでの"Juke Box Songs"の解釈は、オリジナルのTommy盤よりいいかも知れません。

 同様に、Swamp Popのクラシックとしては、Gene Kingの"Little Cajun Girl"がナイス・カバーです。
 この曲の原曲は、お馴染みの英Aceの名コンピ、"Louisiana Saturday Nioght"や、近年のコンピでは、同じく英Aceの"The Early Jin Singles"で聴くことが出来ます。

 そして、やはりR&Bやソウルのカバーが嬉しいです。
 Bill Doggettの"Honky Tonk"は、人気曲ですね。
 オルガンのリフに魅力があります。

 古いR&Bでは、"Lover's Question"が嬉しいです。
 Clyde McPhatterの名作のカバーです。
 私は、この曲はメロディもリズムも大好きです。

 サザン・ソウルでは、本盤でもOtis Reddingをやっていて、なかなかの出来です。
 Otisのカバーは、もはやこの人の売りかも知れません。

 ニューオリンズ・ソウルのヒット、"Groove Me"もそつなくやっています。

 ところで、"Every Day Is a Holiday"は、Gamble, Huff作品となっていますが、「?」です。
 というより、そもそもこの曲は、"Everyday Will Be Like a Holiday"ではないでしょうか?

 "Every Day Is a Holiday"という曲も存在しているようですが(Gamble, Huff作品かどうかは未確認です。)、ここでDonが歌っているのは、間違いなく"Everyday Will Be Like a Holiday"です。

 Williams BellとBooker T. Jonesの共作で、Bellの名唱のひとつです。

 メロディからして間違いないですが、ここでのDonは、"Everyday Goona Be Like a Holiday"と歌っています。

 途中で"Will Be"に変化するかと思いましたが、最後まで"Gonna Be"と繰り返していました。
 まあ、大した違いではないですね。
 少なくとも、"Every Day Is a Holiday"ではないです。

 そして、最後に嬉しいサプライズが待っていました。
 Wet Willieの"Keep on Smilin"をやっているではないですか。
 作者名には、Jimmy Hallの名前も入っています。

 Wet Willieは、最近惚れ直して、聴き返しているサザン・ロック・バンドなので注目です。
 この曲は、Wet Willieの代表曲のひとつですね。
 ロックのカバーは珍しいので、余計に目立ちます。

 オーラスの"The More I Drink"は、Donの作品で、私は、本盤収録の彼の作品では一番好きです。
 得意のカントリー・ソウルですが、ここでは正調ホンキートンクの風味が強く、ウエスタン・スイング調の味付けが私好みです。

 本盤も楽しめたので、さらに別のアルバムも聴きたいです。



Party Time by Don Rich



関連記事はこちら

メイフィス・ソウル・バイユー・スタイル
ジョージア、オンラホマ、フロリダ、テネシー




スープ皿の人生

 メイン・インフルエンスは、Beatlesだと思います。
 とってもポップで、キュートなメロディを書く人です。

 この人は、60s70sロックが大好きな人に違いないと思いました。
 それに加えて、トップ40に入るような、よく出来たヒット曲というものが好きな人かも知れません。



Misadventures In Stereo
Jim Boggia

Side One : My Misadventures
1. Johnnie's Going Down (Boggia)
2. To and Fro (Boggia)
3. No Way Out (Boggia)
4. So (Boggia)
5. Nothing's Changed (Boggia)
Side Two : Other People's Misadventures
6. 8Track (Boggia)
7. Listening to NRBQ (Boggia)
8. Chalk One Up for Albert's Side (Asher)
9. On Your Birthday (Poe)
10. Three Weeks Shy (Boggia)

 このアルバムは、08年にリリースされた3rdアルバムだと思われます。

 Jim Boggiaというのは、アメリカのアーティストだと思いますが、おそらく60s70sのロックやポップス、とりわけ60年代黄金時代のポップなロックに強い共感を持っている人だと思います。

 ビートルズ、ビーチボーイズを始め、サイモン&ガーファンクルやボックストップスも好きらしいです。

 この人は、自作中心のアルバムを作っていますが、ステージでは有名ヒットのカバーをいくつも披露しているようで、YouTubeを検索するといくつも興味深い動画がヒットします。

 ポールやジョンのナンバーはもちろん、ポリスなんかもやっているようです。
 スプリングスティーンの「サンダー・ロード」をマンドリンの弾き語りでやったりもしています。

 このあたりが、私がこの人はよく出来たヒット曲というものが好きなのでは、と思う理由です。
 この人には、別のアルバムの自作曲として、"Bubblegum 45s"という曲があります。

 弾き語りでのぬくもり感が、この人を理解する大きなとっかかりになるのではと思いました。
 ただ、スタジオ盤でのサウンドは、既存のものには単純に例えづらいです。

 コーラスの感じなどからは、中期以降のビートルズを連想させられます。
 実際どうかはともかく、私は、多重録音が好きそうな人だなと想像してしまいます。

 一方で、矛盾するようですが、色々な既存曲を連想させる部分があり、これは、そこかしこに、有名曲の美味しい部分、ポップス・ファン向けのくすぐりが入っているからだと思います。

 さて、私が本盤を知ったのはごく最近ですが、あるいは一部では有名なアイテムかも知れません。
 その理由は、トラック7に入っている、"Listening to NRBQ"という曲の存在です。

 皆さんは、"Pie In The Sky"や"Keep This Love Goin'"は、当然聴かれたことと思います。
 "Join The Crowd"も含め、ここ数か月は、待ち遠しかった贈り物が、相次いで届いた嬉しい時期でした。

 それぞれの受け取り方があると思いますが、今この時期に本盤を聴くのも、一つの機会として面白いのではないかと思います。

 "Listening to NRBQ"は、多分、ある程度の年輪を重ねた夫婦が、「あんなことやこんなんことがあったね」と恋人時代を回想するストーリーではないかと思いながら聴きました。
 様々な思い出のそのこかしこで、NRBQが流れていたということでしょう。

 彼女の誕生日に、片道4時間をかけて、デトロイトでのNRBQのショーに滑り込んだら、テリーがソロを弾き始めた、なんていうフレーズは、ファンにはたまらないくすぐりですね。

 どこがどうとは言えませんが、いかにもNRBQがやっていてもおかしくないと思わせる、甘酸っぱいメロディの響きにぐっときます。


 ところで、本盤はCDですが、アナログLPのように、前後半それぞれに副題が付けられています。
 あるいは、実際にLP盤が出ているのかも知れません。
 ここで気になるのが、そのタイトルてす。
 「ぼくの災難」、「他人の災難」とはどういうことでしょう。

 この曲が、「他人の災難」サイドに入っているのはなぜでしょう。
 あるいは、「他人のやっかいごと」くらいの柔らかいニュアンスかも知れませんが、どう言い換えようとそれでも違和感があります。
 幸せな思い出の曲にはふさわしくないですね。

 もしかしたら、私の解釈違いで、若いころNRBQを一緒に観た女性は妻ではなく、結ばれなかった恋人なのかも知れません。

 妻や子とのおだやかな幸福を手に入れた男性が、ふと振り返り、あるいはたどったかも知れない別の人生への分岐路を、失われた青春を想う歌だったのかも知れません。




Listening to NRBQ by Jim Boggia








ショータイムはナイトタイム

 初めて聴いたバンドをご紹介します。
 録音はオースティンでされていて、おそらくはテキサスのバンドだと思われます。

 ただ、一聴してテキサスと感じさせる要素が少なく、その音楽性はなかなかに多彩で、一筋縄ではいかないと思いました。
 曲ごとに、様々な違った顔を見せてくれるバンドだからです。

 本盤は、11年リリースの新作なのは間違いないですが、何作目なのかとかバンドの詳細は不明です。


Nighttime Problems
The Drakes

1. Summertime
2. To Be With You  
3. Down In Texas   
4. Carny Girl
5. Amarillo Highway  
6. Right Now
7. Nighttime Man
8. I'd Rather Be Blind, Cripple, And Crazy  
9. Qualified
10. Anything You Do
11. Lakehouse Mama  
12. Last Call In Little Rock  
13. Lou-Easy-Ann

 バンドは、ギター2本、ベース、キーボード、ドラムスという5人編成です。
 パーソネルは以下のとおりです。

Matt Giles : guitar, vocals
Michael "Cornbread" Traylor : guitar, vocals
Vincente Rodriguez : drums, percussions, vocals
Ron Flynt : keyboards, guitar
Tom Gillan : bass, vocals

 全体的にアーシーな雰囲気があるのですが、ときにブリティッシュぽかったり、レーナードっぽかたっり、はたまたZ.Z.Topを連想させたりと印象がめまぐるしく変わります。

 特に、前半の導入部では、NRBQを思わせる、小粋でユーモラスなポップ・チューンが見受けられ、こんな感じなのかと思って聴き進めていくと、次第にサザン・ロック風の展開になっていき、驚きます。

 非常に各楽器の輪郭がくっきりと出ているバンドで、豪快な南部風かと思えば、コーラスもさりげなくしっかり入ったおしゃれなポップ曲もあり、既存の色々なバンドを曲ごとに次々と連想してしまいました。

 プロデュースは、ベースのRon Flyntがやっていることから、彼がバンドのカラーに強い影響力を持っているのかもと思います。

 冒頭の" Summertime"は、小粋で時に英国ぽい雰囲気も感じさせる小品です。
 ギターのリフに耳に残る特徴があり、コーラスとハンド・クラップが効果的に使われていて、アーシー系のパブ・ロックを連想させます。

 さらに、KinksやNRBQを思わせる、さりげないユーモアも感じます。
 何より、バンド全体のアンサンブルが素晴らしいです。

 続く"To Be With You"は、キーボードが活躍する、これまた小粋で楽しい雰囲気の曲です。
 ポップでキャッチーなメロを持っていて、やはりギターがいいフレーズを弾いています。
 ボーカルが、控えめにスタートしながらも、途中から男くさくなり、その後の南部的展開をうかがわせる曲です。
 しかし、この曲の段階では、まだ予想しないことでした。 

 "Down In Texas"は、先の2曲とはガラっと雰囲気が変わり、一瞬別のバンドかと思わせるほどです。
 南部志向の強かった、70年代のStonesを連想させる曲です。

 ボーカルのつきはなした歌い方からしてそうで、ミック・ジャガーみたいです。
 何となく聴いたことがあるような曲だと思って聴き進めていましたが、サビになって流石に気づきました。

 これは、Eddie Hintonの作品です。
 Eddie Hintonのバージョンは、アルバム"Playn' Around"で聴くことが出来ます。
 オールマンなどサザン・ロック勢もやっていると思いますが、Decoys盤が私の好みです。
 そして、それ以上に私がよく聴いていたのは、サザン・ソウルのOscar Tony Jr.盤、Don Varner盤などです。

 ここで一気に、やっぱり南部なんだと印象づけられました。
 ジョージアのイメージですね。
 ギターが、これまでのコンパクトで輪郭のはっきりしたフレーズから、引きずるようなルーズな音を聴かせ始めています。

 ところが、事はそのまま進みません。
 "Carny Girl"は、再び最初の2曲に戻ったような、ポップでかわいらしい曲です。
 アコ・ギターのストロークで始まる、NRBQを連想させるような爽やかな胸キュン・ポップスになっています。

 こういった曲では、やはりコーラスが効果的に使われています。
 間奏のギター・ソロが、メロディックでよく歌っていて素晴らしいです。
 私は、John Fogertyのいくつかのオブリガードを連想しました。

 "Amarillo Highway"は、Terry Allenの名作ですね。
 私は、オリジナルも聴きましたが、やはりGarrett, Sahm, Taylor Bandでのバージョンが強く印象に残っている曲です。
 基本的に原曲とあまり変えずにやっていて、ここでもアコ・ギターがいい響きを出しています。
 キーボードの隠し味もよく、ここでもバンドの連携のよさを感じます。

 ここまでは、曲ごとの変化に振り回される構成に驚いたところです。
 以下、次第にサザン・ロック風の展開になっていきます。

 以降で、特に連想させられるのは、レーナード・スキナード、Z.Z.Topなどです。
 やはり、レーナードでしょうか。
 ギターのトーンが、クリアなものからディストーションがかかったスライド風の音中心になっていきます。
 また、リードの背後で鳴っているサイド・ギターが、2本目のリードのように、魅力的なリフを繰り返しています。

 "Nighttime Man"は、曲名から、Hinky Tonk Nighttime Manを連想しました。
 レーナードがカバーした、マール・ハガードの作品ですね。

 そして、"I'd Rather Be Blind, Cripple, And Crazy"です。
 O.V.Wrightですが、渋すぎるチョイスです。
 この選曲から、このバンドにさらに興味がわいてきました。
 曲は、ほぼ原曲どおりにやっています。

 "Qualified"は、レイ・ヴォーンを思わせるヘヴィなブルース・ロックです。
 アルバム"In Step"のころのレイでしょうか。
 ボーカルがレイを連想させるだけでなく、バンドのうねるようなアンサンブルが、まさにそれ風で惹きこまれます。
 一体いくつ抽斗を持っているのかと言いたくなります。

 "Lakehouse Mama"は、再びレイナードを思わせる曲です。
 ここでは、ボーカルがロニー・ヴァン・ザントみたいです。
 曲は小粋なブギで、J.J.ケイル風のせわしないリズムにのせ、軽快に展開します。
 よく弾むピアノも効いています。

 "Last Call In Little Rock"は、少し曲調が変わって、デトロイトかフィラデルフィアのロック・バンドのような、ダンス・ロックです。
 私は、Tommy Conwellを連想しました。(久しぶりに聴きたいです。)
 といっても、覚えている人は少ないですかね。
 では、Romanticsあたりならいかがでしょう?
 ますます分かりませんか。

 ラストの"Lou-Easy-Ann"は、ルイージ・アンと聴こえます。
 ヘヴィかつレイジーな南部ロックです。
 ラストということで、改めて振り返りますと、アルバム前半とは、全く別のバンドであるかのような、この激しいスタイルの振れ幅に驚くばかりです。

 そして、結論として、とても惹きつけられました。
 次が聴きたくなるバンドです。
 このバンドが内包する「混沌」は、「雑食性」とも違う、何か不思議な魅力を感じます。

 もう少し、バンドの情報が知りたいところです。






マーゴはルイジアンナ

 これはいいです。
 1曲目が始まってすぐに気に入りました。
 女性Swamp Popシンガー(?)、Margo Whiteの78年リリースのアルバムです。

 スタイルは、ブルージーなR&Bですが、しばしばSwamp Popのコンピで名前を見かける人です。
 完全にシングルの人だと思っていましたので、まさか、フル・アルバムがあるとは知りませんでした。
 このアルバムは、最近海外サイトで入手したアナログLP盤です。


I've Got A Right To Lose My Mind
Margo White

Side One
1. I'm A Lover Not A Fighter (J.D.Miller)
2. Why Do I Cry (Margo White)
3. Over You (77-87)
4. Nighbor Nighbor (Huey P.Meaux)
5. Sometimes (Gene Thomas)
Side Two
1. Pick Me Up On Your Way Down (77-88)
2. Win My Love And Break My Heart (Margo White)
3. I've Got A Right To Lose My Mind (Huey P.Meaux)
4. If Only You Were Here (Margo White)

 選曲をご覧いただければ、何となく想像がつかれるかと思いますが、Huey Meaux制作のCrazy Cajun盤です。

 75年から79年頃というのは、やはりFreddy Fenderの成功のせいでしょうか、60年代にシングル・オンリーだった人たちが、Huey MeauxのプロデュースでLPを出す機会を得ている例がいくつかあるようです。

 Margo Whiteという女性シンガーは、黒人だと思いますが、しばしばSwamp Popのコンピに顔を出す人です。

 制作者のHuey Meauxからの連想でいきますと、Barbara Lynnの好敵手とでも呼びたいです。
 あるいは、Irma Thomasのライバルでもいいです。
 (褒めすぎですか?)

 この人は、本盤には未収録ですが、Bobby Blandのカバー、"I'm Not Ashamed"が素晴らしい出来でした。
 当該曲は、コンピに収録される頻度が高い気がします。
 明らかに、ブルージーな曲を得意とする人ですね。

 冒頭の" I'm A Lover Not A Fighter"からして、たちまちその世界に引きこまれます。
 人を惹きつける魅力を持ったシンガーです。
 Lazy Lesterのアップのルイジアナ・ブルースを、軽快なテンポながら貫禄たっぷりなボーカルでやっています。

 続く、彼女の自作、"Why Do I Cry"がこれまた良いです。
 雰囲気たっぷりのブルージー・バラードで、ギターソロも素晴らしいです。
 このギターは、Mickey Moodyでしょうか、あるいはJoey Longかも…。

 このカッコよさは、ルイジアナのEtta Jamesとでも呼びましょうか。

 ところで、A面に1曲、B面に1曲、作者クレジットが"77-87"となっている曲があります。
 これは、どういう意味でしょう?
 この表記は、原文のママです。

 A3の"Over You"は、ニューオリンズR&Bに同名のヒット曲があった気がしますが、すぐに思い出せません。
 また、B1の"Pick Me Up On Your Way Down"は、ホンキートンク・カントリーに同名の曲があったと思います。
 でも、控えめながら、ニューオリンズR&B風のホーン・アレンジで料理されていて、これも珍品だと思います。
 カントリー・ソウルの秀作だと思います。

 なかなかに、バラエティに富んでいて、楽しませてくれます。
 2曲とも、まだパブリック・ドメイン(著作権期限切れ)ではないと思うので、作者名を伏せたクレジットは謎です。

 A4の"Nighbor Nighbor"は、Jimmy Hughesのフェイム録音が代表でしょうが、私は、ロックでは、Dr.Feelgood盤も好きです。
 4代目ギタリスト、Gordon Russellが好きだという人って、少数派でしょうか。

 続く"Sometimes"が、何とも素晴らしいつくりに仕上がっています。
 この曲のカバーは数々あると思いますが、初めて聴く雰囲気です。
 伴奏のオルガンこそ、教会風といいたいところですが、切れ込んでくるギターが悪魔のようなブルージーなフレーズを連発していて、聖邪ないまぜの妖しい魅力にはまります。

 このギターは、やはりJoey Longでは?
 ブルージーなサザン・ソウル・スタイルでやった、"Sometimes"は他に例がないと思います。
 ぜひとも、Gene Thomasの感想が聴きたいものです。

 終盤の残る3曲も、まったくだれることなく、最後まで良い緊張感のもと、歌唱伴奏とも素晴らしい仕上がりです。

 アルバム・タイトル曲の" I've Got A Right To Lose My Mind"がまた良くて、メロウなサックスに、キュートな女性コーラスが、力強くよく通るリード・ボーカルを際立たせていて効果的です。

 ラストの"If Only You Were Here"も同様に良いです。
 ガール・ポップ的な曲調に、Margoの姉御肌のボーカルが、意外にもチャーミングで、これはカントリー・ソウル風の明るい雰囲気に仕上がっています。
 この曲などは、Irma Thomasを連想する歌いくちです。

 最初から最後まで、予想以上に良い印象を強く感じたアルバムでした。
 他にアルバムがあるのか分かりませんが、もっと聴いてみたいシンガーです。



If Only You Were Here by Margo White




関連記事はこちら

スワンプ・ポップ・ア・ラ・カルト
サンキュー・ボビー



 追記
 Margo Whiteのシングル盤の写真を見ると、自作曲のクレジットがM.Wrightとなっているものがあるようです。
 本名は、Margalet Wrightでしょうか?
 そこで気になるのが、ニューオリンズ出身の女性ブルース・シンガー、Marva Wrightです。
 Marvaというのは、Marvalousからきた愛称のようですので、気になます。
 




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