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ハーレムのダイスを転がせ

 Doug Sahmの初期の音源(50年代後半から60年代初め)をまとめた"His Early Years"というCDがあります。
 Home Cookingという会社が制作して、95年にCollectables Recordsからリリースされたものです。
 (日本盤も、96年にVividから出ました。)

 その後、Norton Recordsから、同じ時代をさらに掘り下げたCD、"San Antonio Rock - The Harlem Recordings 1957-1961"が00年に出て、その有難みは若干(かなり?)下がりましたが、それでも(辛うじて)"His Early Years"以外ではCD化されていない音源が存在しています。
 その"His Early Years"を編纂したのが、Roy Amesという人でした。

 
Rolling The Dice
The Best Of Harlem Records Of Texas
Volume 1
 
The Lyrics
1. Beating of My Heart
2. I Want to Know
Doug Sahm & The Markays
3. Why Why Why
Doug Sahm & The Pharaohs
4. If You Ever Need Me
The Royal Jesters
5. My Angel of Love
6. Those Dreamy Eyes
Benny Easley
7. Kiss Tomorrow Goodbye
8. You Say You Love Me
The Famous Flames With The Original Sunglows
9. I'm Gonna Try to Live My Life Over
10. So Long My Darling
The Playboys
11. Falling in Love With You
12. Let 'Em Talk
The Satin Kings
13. Mathilda
14. Let's Go, Let's Go
Charlie & The Jives
15. For the Rest of My Life
16. Bobby Socks & Tennis Shoes

 今回のCDは、その姉妹編とも言うべきもので、先のCDと同様、Roy Amesが編纂し、Home Cookingが制作、Collectables Recordsから95年にリリースされたものです。

 テキサスのHarlem Recordsの貴重なシングルをコンパイルした内容になっています。
 (正確には、子会社のSatin、Sable、Fanfareなどの関連レーベルの音源を含んでいます。)

 Harlem Recordsは、59年にE.J.Henkeが立ち上げました。
 Henkeは、当初、メンフィスのSun Recordsや、カリフォルニアのFabor Recordsなどの販促を行うかたわら、自らのレーベルの最初のレコードを作成にこぎつけました。

 それは、The Lyricsによる"Oh Please Love Me"で、テキサスでの成功を受けて、Decca Recordsへリースされ全国的ヒットを記録しました。
 (当該曲は、残念ながら本盤には未収録ですが、2ndシングルの"Beating Of My Heart"が収録されています。)
 Lyricsは、ドリーミーなバラードを得意とする、黒人白人混成のドゥ・ワップ・グループでした。

 別のアルバムで聴いたのですが、"Oh Please Love Me"は、ゆったりとしたテンポの三連曲で、テナー・リード、ベース・シンガー、2ndテナー以下のコーラスが、それぞれ存在を主張しながら進行する、ドリーミーなバラードです。
 (ただ、私の聴く限り、この曲が特別に他の曲より抜きんでているとは思えませんが…。)


 Roy Amesは、ライナーでE.J.Henkeのことを、地元の有望なアーティストを精力的に発掘した、南テキサス・ロックの祖父?(Grandfather of South Texas Rock)である讃えています。

 中でも、Henkeの功績は、Doug Sahm、Rocky Gill And The Bishops、 Rudy And The Reno Bops、Charlie And The Jivesなどを見出したことだとしています。

 ですが、私は、Doug Sahm以外は、誰も知りません。
 どうやら、これらの内の一部は、カルトなテキサス・ガレージ・バンドとして再評価されているらしいです。

 さて、収録曲をいくつか聴いてみましょう。
 まずDoug Sahmですが、ここでの2曲は、いずれも"The Early Years"に収録されているものです。 
 "Why Why Why"は、ロカビリアンのRudy Grayzellや、Jimmie Vaughanのカバーがある、通好みのブルー・バラードです。

 The Royal Jestersは、多分白人マイノリティ系のドゥ・ワップ・グループで、メンバーの変遷のなかでは、10代のJoe Jamaが参加して、リード・ボーカルをとっていた時期がありました。
 本盤収録曲当時のメンバーは、よく分かりません。
 ドリーミーなバラードはもちろん、フランキー・ライモン・スタイルのアップ・ナンバーも得意とする、ある意味、無数にいたに違いないボーカル・グループのひとつです。

 Joe Jamaは、のちにソロで成功するチカーノ・シンガー、ベーシストで、おそらく今でも現役だと思いますが、最近は、カントリー・ゴスペル系の活動をしているかも知れません。

 Benny Easleyは、一聴して、白人か黒人か分かりづらい感じのシンガーです。
 高めの声で、アーリー・ソウル・クラシック、"Kiss Tomorrow Goodbye"を歌っており、好感が持てます。
 また、"You Say You Love Me"は、初期のBobby Bland風のハード・ブルースで、B.B.のようなメリスマを効かせながら、Buddy Guyかと思わせるような、甲高くひっくり返る声で歌っています。

 The Famous Flames With The Original Sunglowsは、その名の通り、Sunny Ozunaの元のバンド、Sunglowsが、James Brownのバック・コーラス、Famous Flamesのバックを務めた曲のようです。
 ここでのFamous Flamesのリード・シンガーは誰でしょう?
 ここでは、ほとんどゴスペル・カルテットといった感じの厚いコール・アンド・レスポンスを聴くことが出来ます。

 The Playboysでは、がらっと雰囲気が変わります。
 これまで本盤は、ドゥ・ワップ・スタイルから、ゴスペル出身丸出しのコーラス隊へ流れていましたが、ここでスタイリッシュなシカゴ風ソウルへバトン・タッチします。
 リード・ボーカルが、時にファルセットを屈指する、まさに、インプレッションズを連想させるスタイルで、この流れで聴くと、なおさら新鮮です。

 続くThe Satin Kingsは、ルイジアナ・クラシックの"Mathilda"、ハンク・バラードの"Let's Go, Let's Go"をやっており、突然、田舎へ戻されたように感じます。
 Satinというのは、関連レーベルの名前と同じですので、Henkeが推していたグループだったのでしょうか。
 青くさいボーカルは味がありますが、パンチ不足気味で、全国ヒットを狙うにはどうかとも思います。
 
 Charlie & The Jivesは、近年再評価されているグループらしいです。
 いわゆるチカーノ好きの甘茶系ソウルではなく、もう少し前のスタイルだと思います。
 ただ、テキサス、ルイジアナ系のグルーヴィーなR&Bをやっており、これもチカーノ趣味ではあります。
 ラストの"Bobby Socks & Tennis Shoes"は、反復リズムを使ったソウル・インスト曲に仕上がっています。

 編者のRoy Amesは、ライナーの締めで、ぜひとも第二集を組みたいと宣言していますが、どうも実現しなかったのではないかと思います。


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