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昔は「Trados さん、頑張って!」とお祈りしながら訳文生成していませんでしたか? 今も、たまにそんな気分になるときがあります。Trados って本当にわからないことばかりです。特に、日本語の情報は少ないですよね。いくら翻訳者とはいえ、日本語の情報が欲しいのです。Trados ユーザーの方々といろいろ情報交換できたらと思っています。




2021年07月28日

Trados Live を使ってみました

Trados Studio 2021 の目玉機能の 1 つである Trados Live を使ってみました。これは「クラウド サービスとして提供される Trados」とでもいえばよいでしょうか。ブラウザー上でさまざまな機能が提供されるので、デスクトップに Trados をインストールしなくても、どこでも自由に、シームレスに作業ができるという、とってもすばらしそうなものです。

Trados Live は、翻訳者向けのツールというわけではなく、デスクトップの Trados と同様、翻訳を依頼する翻訳会社から、翻訳者、レビュアー、場合によってはソース クライアントまで、あらゆる人が使うツールです。翻訳者向けには「Trados Live Essential」という名前で Trados Live の一部の機能が提供されます。Trados Live Essential については、Trados Studio 2021 のフリーランス エディションに 1 年間の無料サブスクリプションが付いているので、今回私はこの無料サブスクリプションを使用して試してみました。

当初、私が予想していたのは Memsource のようなシステムです。翻訳会社から受け取ったファイルを、ブラウザーでもデスクトップでも作業できたらちょっと便利かなと期待していました。が、実際はそうしたことはできませんでした。

パッケージとして受け取ったファイルをクラウドで開くことはできない


82_2.png


私は翻訳会社さんからパッケージを受け取って作業をすることが多いので、まずはそのファイルをブラウザー版のエディターで開いてみようと思いました。しかし、[クラウドで開く] コマンドはグレーアウトされていて使えませんでした。なぜだろうと思いながら少し調べていたら、コミュニティにこんな投稿がありました。

 Working on Packages in SDL Trados Live

この投稿によると、パッケージとして受け取ったファイルをクラウドで開くことはできないそうです。つまり、従来のパッケージとして受け取ったファイルはデスクトップでしか作業できず、ちょっとだけブラウザー版のエディターで作業してみよう、ということはできません。えぇっと、これができないのであれば、私の現状、Trados Live を使う機会はほとんどないことになります。ただ、この投稿の中には「この機能は high priority だ」というコメントもあるので、そのうちできるようになるかもしれません。


最初から「クラウド プロジェクト」として作成する必要がある


では、ブラウザー版のエディターでファイルを開くにはどうすればよいかというと、最初からクラウド用にプロジェクトを作成する必要があります。下図のように、[新しいプロジェクト] にはローカル プロジェクトとクラウド プロジェクトの 2 つのコマンドが用意されています。


82_4.png



「ローカル プロジェクト」はこれまでの通常のプロジェクトです。ローカル プロジェクトとして作成したプロジェクトはクラウドでは開けません。「クラウド プロジェクト」が Trados Live で使用できるプロジェクトです。クラウド プロジェクトとして作成したプロジェクトは、作成後に [クラウドで開く] を使ってクラウドで開くことができます。また、クラウドで作業した後にデスクトップに戻すこともできます。

つまり、クラウド プロジェクトはクラウドとデスクトップを自由に行き来させられますが、ローカル プロジェクトはデスクトップから一切動かせません。この 2 つのプロジェクトは別物と考える必要があるようです。実際、プロジェクトを新規作成するときの設定項目は、クラウドかローカルかでまったく違っています。


クラウド プロジェクトの作成 (2 ページ目)
82_3.png


現在のところ、私がお付き合いしている翻訳会社さんの中に Trados Live のクラウド プロジェクトを使っているところはなさそうです。今後 Trados Live が翻訳会社に浸透してくれば、翻訳会社さんからクラウド プロジェクトが送られてくるようになるかもしれません。そうなれば、Memsource のように、デスクトップで作業したり、ブラウザーで作業したりということが可能になると思います。ただ、クラウド プロジェクトは、翻訳者が操作できる部分がローカル プロジェクト以上に制限されていそうなので、私個人的には、ローカル プロジェクトが続いてくれることを願っています。


ブラウザー版のエディターで使ってみたかった機能


さて、今回は無料ということもあって Trados Live を使ってみましたが、私はブラウザー版のエディターをそれほど使いたいと思っているわけではありません。私にとっての Trados の魅力は、機能満載すぎなデスクトップ アプリと、それをさらに強化できるプラグインの数々なので、これらが使えなくなるブラウザー版エディターを日常的に使うようになる日は当分来ないだろうと考えています。

ただ、それでもブラウザー版のエディターで使ってみたい機能が 2 つありました。1 つは原文と訳文が上下に並ぶレイアウトです。

82_5.png


[表示] > [水平] と選択すると、上図のように原文と訳文が上下に表示されます。これは、デスクトップ エディターではできないレイアウトです。普通の文章だったら原文と訳文が別々にずらっと続けて並ぶ「垂直」の方が作業しやすいですが、前後関係のない短い分節が続く UI の翻訳などは「水平」の方が見やすいことがあります。


もう 1 つはプレビュー機能です。デスクトップ エディターのプレビュー機能はどうも使いにくいので、ブラウザーで簡単にプレビューできるなら嬉しいなあと期待していました。


82_6.png


上図は単純な Word ファイルですが、デスクトップよりは軽快な動きに感じられました。ただ、プレビュー画面を分離したり、入力画面とプレビュー画面の表示割合を変更したりすることはできなそうでした (境界線をドラッグできそうで、できない ... ) ので、その辺りは少し不便です。


今回は以上です。本当は Trados Live の使い方をもう少し詳しく調べようと思っていたのですが、最初にパッケージをクラウドで開けないとわかった時点で、私のやる気はなくなってしまいました。無料サブスクリプションの期間中にもし何か機会があったら、もう少し使ってみようと思います。




  





2021/10/30 更新情報

2021年06月30日

生成後の訳文にコメントを挿入しない

以前の記事で、Trados 上のコメントを訳文生成後のファイルに挿入する機能を紹介しました。そのときに、挿入するかどうかを設定するオプションがないような書き方をしていましたが、すみません、設定がありました。設定を変えることで、Trados 上のコメントを訳文に挿入しないようにすることができます。

設定の場所は、[プロジェクトの設定] > [ファイルの種類] です。まさか、こんなところにこの設定があるとは思いませんでした。下図は、Word ファイルの設定ですが、PowerPoint や Excel などにも同様の設定があります。


81_1.png


さて、なぜ今頃になってこの設定の存在に気付いたかというと、最近、生成される訳文にコメントが挿入されてこないことが多くなったからです。おかしいと思って調べていたら、ナレッジベースに以下の記事を見つけました。

Comments added in the target segment are not stored in the target file

この記事よると、Trados Studio 2021 SR1 CU5 から既定の設定が変わったそうです。今までは上図の [〜訳文文書に保持する] チェックボックスがオンでしたが、これが既定でオフになりました。つまり、既定でコメントは訳文に挿入されないことになりました。

既定の設定が変わった理由は、「コメントを保持したくないユーザーの方が多い」ということのようですが、もっともです。私も、コメントのない訳文が欲しいケースの方が多いです。


今回は以上です。ちなみに、Trados の現在の最新バージョンは、上記の CU5 からさらに 1 つ進み、CU6 です。私は、先日、この CU6 にしました。まめに更新した方がいいんですかね。どうですかね、Trados さん。



  


2021年06月17日

最近の Trados のワナ

ここ最近、次から次へと Trados のワナにひっかかっておりました。そんな中から、今回は私がなんとか抜け出せたものを 3 つ紹介します。

 ・QA Checker の「単語リスト」に単語を登録できない
 ・メモリがヒットしてこない
 ・翻訳ファイルが突然開けなくなった
 

QA Checker の「単語リスト」に単語を登録できない

問題

Trados Studio 2021 にアップグレードしたときの記事でも少し書きましたが、アップグレード後から、QA Checker の「単語リスト」に単語を登録できなくなりました。リストに単語を入力した後、[OK] ボタンを押しても画面が反応せず、[キャンセル] ボタンを押す以外の操作ができませんでした。仕方なく [キャンセル] ボタンを押して画面を閉じると、入力した単語は「キャンセル」されるらしく、次に開いたときには消えています。

原因

Trados Studio 2021 から、入力された単語にルール違反がないかチェックする機能が追加されていたようです。単語リストを編集して、[OK] ボタンを押すとこのチェックが実行されるらしく、ルール違反があるとエラーが表示され、それを解決するまで [OK] ボタンは押せません。

解決方法

単語リストを上から下までスクロールして、下図のように赤い三角形でエラーが表示されていないか確認します。エラーが表示されていたら、メッセージに従って 1 つ 1 つ解決します。


80_1.png

上図は、[正しくない語形] に全角の空白を指定していた例です。全角の空白をチェックしたかったら、「単語リスト」ではなく、[分節の検証] > [禁止文字がないかチェックする] に設定した方がよさそうです。


80_2.png

上図は、「あつい」という同じ単語を3回入力していた例です。同じ単語を複数回入力することはできなくなったようです。


エラーは完全に消す

80_3.png

エラーを解決するには、赤い三角形をいったん完全に消す必要があります。上図のように、1 つを残して、ほかの 2 つを削除しても、赤い三角形が表示されている限り「解決した」ことにはなりません。いったん 3 つの「あつい」をすべて削除してから、改めて「あつい」を登録します。


要注意なのは、旧バージョンからの設定ファイルを編集した場合

さて、そもそもなぜこんなエラーのある状態になってしまったかというと、旧バージョンでエクスポートしておいた設定ファイルを 2021 にインポートしたからです。QA Checker の設定は [QA Checker のプロファイル] からファイルとしてエクスポート、インポートすることができます。旧バージョンには今回問題となったチェック機能はなく、上図のような単語リストでも正常に機能していました。その設定ファイルをエクスポートして、2021 にインポートしたら、チェック機能にひっかかってしまったということです。また、エラーのある設定ファイルもインポートしただけなら、そのまま正常に機能します。インポートした後に、手動で単語リストを編集すると、エラーが発生します。

 

メモリがヒットしてこない

問題

翻訳会社さんから受け取ったパッケージで、大量のメモリが設定されているにもかかわらず、メモリがヒットしてきませんでした。[訳語検索] ではヒットするのですが、[翻訳結果] にはヒットしてきません。

原因

メモリの検索設定が原因でした。[プロジェクトの設定] > [言語ペア] > [<特定の言語ペア>] > [検索] で以下のような設定になっていました。

一致率の最小値: 80%
最大ヒット数: 1


80_4.png


なぜ翻訳会社さんがこんな設定をしてきたのかは不明ですが、この設定では、80% 以上の一致率のものしかヒットしないですし、しかも 1 つしかヒットしません。

解決方法

上記の設定を変更したら、メモリはヒットしてくるようになりました。わかってしまえば、簡単です。しかし、この解決方法にたどり着くのが大変でした。

プロジェクトの設定では、「言語ペア」に気を付ける必要があります。「すべての言語ペア」の設定より、「特定の言語ペア」の設定の方が優先されます。


80_5.png


おそらく、多言語を扱うための設定だと思いますが、設定画面は「すべての言語ペア」と「特定の言語ペア」の 2 つに分かれています。[翻訳メモリと自動翻訳] という項目は両方にあり、どちらからも設定できます。

通常は、「すべての言語ペア」で設定を変えると、自動的に「特定の言語ペア」の方も設定が変わります。つまり、「すべての言語ペア」 -> 「特定の言語ペア」の伝播が行われるのですが、この伝播は「特定の言語ペア」が既定設定の場合に限るようです。よく考えてみれば、当然の動作です。「特定の言語ペア」に特定の設定をしていたのに、「すべての言語ペア」の設定で上書きされてしまったら、それは困ります。

今回のパッケージでは、丁寧に「特定の言語ペア」で設定がされていたので、「すべての言語ペア」で設定を変えても、問題は解決しませんでした。その後、「特定の言語ペア」で設定を変えて、ようやく解決しました。(気付くまでに、何か月かかっただろう。)

 

翻訳ファイルが突然開けなくなった

問題

翻訳会社さんからのパッケージで、サーバー メモリが設定され、HTML ファイルの翻訳をするプロジェクトでした。パッケージを開いた直後に確認をしたとき翻訳ファイルは正常に開けましたが、その後、突然開けなくなりました。まさに「何もしてないのに壊れた」という感じでした。

原因

Trados なら「何もしてないのに壊れた」もありそうですが、よく考えたら、何もしてなくはありませんでした。プロジェクトの設定でメモリの順番を変えていました。1 番上に設定されていたサーバー メモリを 2 番目に下げ、1 番上には自分で作成したローカルのメモリを追加しました。サーバー メモリが関係しているので詳しくはわかりませんが、おそらく順番を変えたことが原因です。

メモリの順番を変えるのがなぜダメかというと、プロジェクトに複数のメモリがある場合、1 番上のメモリの設定が優先される仕様になっているからです。メモリには「言語リソース」という設定があり、ここに分節規則 (コロンの後で分節を区切るか、などの設定) を始め、わりと重要な設定が含まれています。1 番上のメモリに設定されている言語リソースが使われるので、別のメモリを 1 番上に設定すると、言語リソースの設定が変わってしまうことになります。

80_6.png


今回は、サーバー メモリなので設定の中身を見ることはできませんでしたが、上図のように [分節規則] が 「カスタム」になっていました (上図は実際のサーバー メモリのスクリーンショットではありません)。サーバー メモリを 2 番目に移動してしまったことで、カスタムの分節規則が使われなくなり、翻訳ファイルが開けなくなった、ということだと推測しています。(すみません、あくまで推測です。分節規則が変わったからといって、すべてのファイルが開けなくなるわけではありません。)

解決方法

メモリの順番を元に戻しました。当初設定されていたとおり、サーバー メモリを 1 番上に戻したら、翻訳ファイルを無事に開くことができました。


「変数リスト」を使いたかった

私がメモリの順番を変えたのも、やはり言語リソースの設定を変えたかったからです。サーバー メモリの場合、この辺りの設定は翻訳者側で変更することができません。じゃ、自分でメモリを作ってそこに設定したらいいんじゃないかと思ったわけです。で、何を設定したかったかというと「変数リスト」です。

[言語リソース] > [変数リスト] と選択すると、下図のような画面が表示されます。ここに、訳文でも原文と同じ単語をそのまま使いたいものを設定します。よくあるのは、英語のまま使う製品名などです。


80_7.png


変数リストに設定しておくと、下図のように Trados が自動で認識し、ほかの認識済みトークンと同じように青線が引かれます。青線が引かれていれば、Ctrl+Alt+下矢印などのショートカット キーを使って訳文に入力することができます。


80_8.png


結局、今回は、サーバー メモリの設定は翻訳者は変えられない、自分のメモリを作成して設定することもできない、ということで変数リストの使用はあきらめました。代替の方法として思い付くのは、用語ベースへの登録か、フラグメント一致で見つかるのを待つか、くらいですね。


今回は以上です。どれもこれもなかなか大変なワナでした。特に、最後の翻訳ファイルが開けなくなる問題は致命的だったので、もう少しで翻訳会社さんに連絡してしまうところでした。本当に「何もしてない」か、よく考えるようにしましょう (-> 自分)。



  


2021年04月29日

CAT ツール比較:次の分節に進む

先日、またまた緊急事態宣言が出されてしまいました。去年の宣言のときに、桜は来年も咲く、連休は来年もやってくると言われていたような気がします。もちろん桜は咲いたし、連休もやってきますが、こんな状況とは思っていませんでした。

こんな日々ですが、CAT ツール比較の第 2 弾をしてみたいと思います (第 1 弾は繰り返しの自動入力についてでした)。このところ Trados と Memsource ばかりで memoQ を使う機会がなかったのですが、ようやくその機会が訪れたので、この 3 つのツールを比較してみます。

今回注目するのは「次の分節に進む」機能です。どのツールでも、入力して、次の分節に進んで、入力して、次の分節に進んで、と作業していくわけですが、この「次の分節に進む」という操作がなかなか面倒です。なぜなら、次の分節として期待する分節が状況によって違うからです。まっさらな新規翻訳ならすぐ下の分節が「次の分節」ですが、そんな仕事ばかりではありません。ロックされた分節が交じっていることもあれば、改訂翻訳で半分以上が 100% マッチのこともあります。また、自分でいったん訳してすべての分節を確定した後に、チェック作業としてファイルの先頭から見直していくこともあります。

いろいろな状況があるので、そのときどきに応じて自分で設定を変更する必要があります。ツールごとに細かい機能や名称は異なりますが、何を「次の分節」とするかは、たいてい次のような条件で決まります。

 ・ロック
 ・マッチ率
 ・確定済みかどうか
 ・自分で変更を加えたかどうか

ロックされている分節はスキップしたい、未確定の分節に移動したいなど、1 つの条件で決められることもありますが、複数の条件を組み合わせて考えなければならないこともあります。未確定だけれどもロックされている、100% マッチだけれども手を加えた、99% マッチだけれどもそのまま確定したなどなど、可能性のある組み合わせはさまざまです。

また「次の分節に進む」動作を発生させるタイミングも考えます。普通に翻訳をしているときなら、現在の分節を確定すると同時に次の分節に進むことを期待しますが、翻訳後のチェック時なら、確定しなくても次の分節に移動してくれる方が便利です。この辺りはツールによって考え方が異なり、次の分節に進む動作が確定処理の中に含まれる場合と、「ジャンプ」というような名称の独立した機能が実装されている場合があります。

さらに、フィルターと組み合わせて使うことも考えます。上に挙げた 4 つの条件は、多くの場合フィルターの条件としても使用できます。フィルターをかけて分節を非表示にすることに不都合がなければ、次の分節に進む機能を使うのではなく、フィルターで希望の分節だけを表示するという手もあります。

では、ここから各ツールの設定を見ていきます。まず Trados ですが、これは便利なところと、そうでないところがあります。Memsource は、ほかの機能と同様、ごくシンプルな作りになっています。最も充実しているのが memoQ ですが、これはこれでかなり複雑です。



Trados ― 確定時の動作は便利だが、ジャンプ機能は使いにくい



・確定時の動作: 3 種類の確定操作から毎回選ぶ
・ジャンプ機能: Ctrl+G で設定、Ctrl+J で移動
        Ctrl+下矢印で次の分節に移動、Ctrl+上矢印で前の分節に移動



確定時の動作は、変更はできないが、便利!

Trados では、確定時の動作が下図のように決まっています。何を「次の分節」とするのかをあらかじめ設定しておくのではなく、確定の操作によってその都度移動先を決めます。私はこの方法をとても便利に感じています。これができるのは Trados だけで、ほかの 2 つのツールは、どこに移動するのかをあらかじめ設定しておく必要があり、移動先を確定時にその都度変えることはできません。

77_1.png

1 つ目の「未確定分節」は、ロックされていなくて未確定の分節です。未確定のステータスのままロックされている分節はスキップされます。2 つ目の「次の分節」は、ロックされていない次の分節です。確定済みかどうかにかかわらず、ロックされていない分節に移動します。3 つ目の「次の分節に移動しない」は、そのままの意味で、確定をしてもカーソルが現在の分節にとどまります。

この 3 種類の操作は決められていて、設定で変更することはできません。これ以外の分節に移動したいときは、確定操作ではなく「ジャンプ」機能を使います。


ジャンプ機能は使いにくい

ジャンプ機能は、はっきり言って、使いにくいです。操作方法としては、Ctrl+G で設定画面を表示し、Ctrl+J で次へ次へと進みます。

48_3.PNG

設定画面では、「カテゴリ」と「ステータス」で上記のような設定ができます。ただ、「カテゴリ」と「ステータス」の両方の条件を同時に設定することはできません。また、ここにはロックの条件がないので、ロックされている分節をスキップすることもできません。

さらに、高度な表示フィルタにはある「Interactive」の条件もありません。「Interactive」は、自分が変更を加えた分節を表示できる条件です。これは、厳密に考えるとよくわからない条件なんですが、大まかにいうと、新規で訳文を入力した分節か、メモリからの訳文を編集した分節です。ですので、この条件があれば、100% マッチをそのまま使って自分では手を加えていない分節を除外できます。


「次の分節に移動」と「前の分節に移動」のショートカット キーがある

ジャンプ機能は使いにくいですが、それとは別に分節を移動するショートカット キーが用意されています。Ctrl+下矢印で次の分節に移動、Ctrl+上矢印で前の分節に移動です。実際のショートカット キーの設定は [ファイル] > [オプション] > [ショートカット キー] > [エディタ] で「次の分節に移動」と「前の分節に移動」を確認してください。

このショートカット キーの移動先は、ロックされていなくて未確定の分節です (移動先を設定で変えることはできません)。一番上の分節にカーソルを置いて Ctrl+下矢印を押してもカーソルが動かなければ、すべての分節を確定済みということになります。また、「前の分節に移動」するショートカット キーがあるのは Trados だけです。まあ、確定済みの分節には飛ばないので、あまり使い途はありません。

というわけで、Trados のジャンプ機能はあまり便利ではありませんが、それに変わるショートカット キーは一応用意されています。で、そうしたジャンプ機能を潔く削ってしまっているのが Memsource です。



Memsource ― とってもシンプル



・確定時の動作: あらかじめ設定しておく ([設定] > [CAT] > [セグメントを確定したら、以下へジャンプ])
・ジャンプ機能: なし (Ctrl+G でセグメント番号を指定してジャンプはできる)



確定時の動作を変更できる

Memsource は、Trados と違い、確定する操作は Ctrl+Enter のみです。確定時にその都度移動先を選ぶのではなく、あらかじめどの分節に進むのかを設定しておきます。(ちなみに、Enter キーを単独で押すと、現在の分節は確定せずそのままで、ロックや確定に関係なくすぐ下の分節に移動します。)

77_2.png

 次のセグメント: ロックに関係なく、すぐ下の分節に移動
 次の未確定セグメント: ロックされていなくて、未確定の分節
 次の確定済セグメント: ロックされていなくて、確定済みの分節
 次の前段階のワークフローステップ〜: 前段階の人が確定した分節 (??)

「次」といっても Trados とは条件が微妙に違います。1 つ目のオプションはロックされている分節をスキップしません。2 つ目と 3 つ目のオプションはロックされている分節をスキップします。よく使うのは 2 つ目と 3 つ目のオプションで、翻訳作業時は [次の未確定セグメント] で未確定の分節へと移動し、すべて確定した後のチェック時は [次の確定済セグメント] を使って確定済みの分節に移動していきます。最後の [次の前段階のワークフローステップ〜] は、私はあまり使いませんが、翻訳者とレビュアーが異なる場合に、翻訳者が確定した分節を、レビュアーがチェックするというような用途と思われます。


ジャンプ機能はない

Memsource の場合、確定時の動作以外で次の分節に移動するようなジャンプ機能はありません。かろうじて、[ツール] > [セグメントを指定して移動] という機能はありますが、これはセグメント番号を指定できるだけです。

Memsource は、全体的にそうですが、とてもシンプルです。で、反対にとても複雑なのが memoQ です。



memoQ ― 最も充実しているが、複雑



・確定時の動作: あらかじめ設定しておく
       ([編集] > [次へ移動] > [設定]
        > [次のセグメントへ移動] > [自動でジャンプ] > [確定後自動的に次へ進む] )
・ジャンプ機能: [編集] > [次へ移動]、[設定]



確定時の動作は、ジャンプ機能の一部として設定

memoQ は、Memsource とは対照的に、ジャンプ機能がとても充実しています。確定時の動作もジャンプ機能の一部として設定します。

77_6.png

[編集] > [次へ移動] > [設定] で上図のような設定画面を表示します。ここで、[自動でジャンプ] の [確定後自動的に次へ進む] チェックボックスをオンにすると、確定時に自動的に次の分節に進みます。「次の分節」をどこにするかは、この [一般的なフィルタ] タブと、[状況]、[変更と競合]、[コメントとタグ] の各タブで設定します。


ジャンプ機能には適切な設定が必要

おそらく、きちんと設定を理解して使えば、相当に複雑なファイルでも希望どおりの動きを実現できると思います。設定を確定するボタンも、[OK] ボタンと [記憶する] ボタンの 2 種類が 4 つのタブすべてに配置されています。2 種類のボタンがあることによって、普段はこういう動作だけど、今回だけはこう動作して、という設定ができるのだと思いますが、すみません、正直にいってよくわかりません。私はもっぱら [記憶する] ボタンを使っています。

[状況] タブでは、ロックされていなくて未確定の分節を設定できます。適切な [行の状況] と [ロック解除されている行のみ] を選択します。

77_4.png


[変更と競合] タブでは、自分が変更を加えたかどうかを条件にできます。[挿入されたマッチが編集されています] チェックボックスをオンにすると、メモリからの訳文に編集を行った分節にジャンプします。

77_5.png



ツールの比較は以上です。最後に、ここまで長々と書いておいて今さらですが、私は、ツールの「次の分節に進む」機能に頼りすぎないようにしています。100% マッチとはいっても、どのメモリとのマッチなのかわからないですし、変更を加えたかどうかも、どの時点からの変更なのかがツールの想定と自分の想定とで違うかもしれません。自分で設定をするときは、間違っても必要な分節をスキップしてしまうことがないように、どちらかといえば多くの分節がヒットしてくる安全な設定を使うようにしています。

CAT ツールは、全般的に、上から順に 1 回で訳文を確定することを前提とした作りになっていると思います。しかし実際の作業では、現在の分節を確定した後に数行前の分節に戻ったり、最後まで確定した後に最初から見直したり、自分で独自に使っているメモリがあったり、何か失敗してメモリを当て直したり、といろいろなことをしています。順番が前後することもあれば、何回も書き直すこともありますが、そうした操作は CAT ツールにとっては想定外のものだと考えておくのが安全かもしれないです。ああ、ホントに CAT ツール面倒だわ(;。;)





  




2021年04月08日

同時に複数の画面を開く

先日アップグレードした Trados 2021 は、まあまあ順調に動いているので、今回こそは、その前の記事で予告していた内容を取り上げたいと思います。

Trados の画面は同時に複数開くことができます。これって常識ですか? 私は以前にうっかり開いてしまったことがあり、かなり驚きました。IT のマニュアル風に言えば「1 つまたは複数のインスタンスを同時に実行できる」となりますが、平たく言えば、何かの作業中にもう 1 つ Trados を立ち上げて別の作業をできるということです。

複数立ち上げて別の作業をできると言えば聞こえはいいですが、それは同じファイルを複数の画面で開けてしまうということでもあります。開くときに何の警告もありません。ちょっと恐ろしいです。今回は、いくつか便利な活用方法を紹介しますが、くれぐれも、同じファイルを同時に開くことがないように注意してください。画面は複数でも、翻訳ファイルもメモリも用語集も当然ながら実体は 1 つです。十分注意してご使用ください。


メモリのアップグレード


Trados 2017 以降、しばしばメモリのアップグレードを求められるようになりました。翻訳会社さんからパッケージを受け取ったときもアップグレードが必要になることがあります。警告マークが表示されるので、ついついすぐにボタンをクリックしてしまいますが、アップグレードは、メモリの大きさによっては、相当な時間がかかります。


77_1.png


よく考えずクリックしてから、進行状況バーを見て、あぁ、しまったぁと思うことがよくあります。そんなときは、その画面はそのままにして、もう 1 つ別に Trados を起動します。これで、メモリをアップグレード中でも他の作業を進められます。

アップグレード中は、メモリのファイルが書き換えられている可能性があるのでそのメモリにアクセスするような作業はしないようにします。パッケージを受け取ったばかりだったら、メモリのアップグレードをしている間に、用語集を確認したり翻訳ファイルがそろっているかを確認したりします。もちろん、他のプロジェクトの作業を進めることもできます。


サーバー メモリの参照


最近、サーバー メモリを使う案件が増えてきましたが、サーバー メモリは扱いに少々困ります。Trados のエディタはメモリの検索機能がとても貧弱なため、私はメモリの検索に Xbench を使っています。sdltm ファイルを SDLTMExport アプリで tmx ファイルに変換し、それを Xbench に取り込みます (この辺りの手順は、また別の機会に説明したいと思います)。しかし、サーバー メモリはファイルとしてダウンロードすることができないので、Xbench での参照ができません。


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そこで仕方なく使うのが Trados の [翻訳メモリ] ウィンドウです。ここでは、サーバー メモリでもローカル メモリと同じように検索を行うことができます。翻訳作業中に [エディタ] と [翻訳メモリ] のウィンドウを切り替えるのは面倒ですので、エディタで翻訳ファイルの作業をしつつ、もう 1 つ Trados を立ち上げ、そこで [翻訳メモリ] ウィンドウを開きます。1 つの画面内で切り替えをするより、複数画面を開いた方が便利です。

とはいっても、[翻訳メモリ] ウィンドウでは、1 つのメモリしか検索できないうえ、検索する語句の入力も面倒です。Xbench の便利さには到底及びません。Trados さん、エディタのメモリ検索機能、もう少しなんとかならないですかねぇ。



ファイルのエクスポート


私は、翻訳ファイルのバックアップを取っておくために一括処理の [ファイルのエクスポート] をよく使います。ただ、この処理を行うにはエディタ上のファイルをいったん閉じる必要があり、作業の真っ最中のときなどは面倒に感じる場合もあります。


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そんなときは、エディタを開いて作業している画面とは別にもう 1 つ Trados を立ち上げ、そこにファイル一覧を表示しておきます。こうすることで、エディタ上のファイルは開いたまま、もう 1 つの Trados の方でファイルをエクスポートできます。

この方法は、かなり便利ですが、注意もかなり必要です。 ファイル一覧を表示していると、ついそこからファイルをエディタに開いてしまいそうになります。もし開いてしまうと、2 つの Trados で同じファイルを開くことになるので、とても危険な状態になります。くれぐれも、一方の Trados ではエクスポートを行うだけにし、ファイルを開くことがないように注意してください。


[ファイルのエクスポート] という一括処理はとても便利ですので、ここで少し説明しておきます。この一括処理では、バイリンガル ファイル (.sdlxliff ファイル) と訳文生成したファイルのどちらでもエクスポートでき、さらにエクスポート先を指定することが可能です。実は、バイリンガル ファイルのエクスポートや訳文生成を行う機能は Trados ではいくつか用意されています。その中でも [ファイルのエクスポート] は細かい点でとても便利です。

たとえば、バイリンガル ファイルのエクスポートには、[ファイル] > [高度な保存] > [コピーを別名で保存] も使用できます。しかしこちらは、エディタに開いているファイルをすべて保存しようとします。1 つのファイルを開いているときはどちらの機能を使ってもあまり変わりませんが、たくさんのファイルを開いているときは、[コピーを別名で保存] を使うとすべてのファイルにダイアログボックスが表示されてきます。

また、訳文生成には、当然ながら、一括処理の [訳文の生成] も使用できます。ただ、この機能では訳文をどこに保存するかを指定できず、訳文ファイルは必ずプロジェクトの訳文フォルダー内に生成されます。このため、別の場所に訳文を保存したいときは [ファイルのエクスポート] を使います。(ただし、2 つの機能で生成される訳文が完全に同じかどうかは、わかりません。ちょっと、検証が必要な気もしています。)


今回は以上です。私は意図せず Trados の画面を複数開いてしまったときはちょっと焦りましたが、気を付けてさえいれば複数の画面はとても便利です。何度も言いますが、くれぐれも同じファイルを開かないようにお気を付けください。




  


2021年03月19日

Trados Studio 2021 にアップグレードしました

昨年にライセンスを購入していた SDL Trados Studio 2021 ですが、ようやくアップグレードしました。前回の記事では、次回の記事の内容として他のことを予告していたのですが、すみません、今回は 2021 の紹介とさせてください。予告していた内容は、次回に書きたいと思います。

さて、SDL Trados Studio 2021 はもう SR1 が出ているので、現在のバージョンは以下のとおりです。


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実際に使ってみた感想としては、2019 とほとんど変わらない、というのが一番の印象です。ただ、全体的に少し動きが速くなっているかもしれないです。はっきりとはわからないですが、2019 では upLIFT Match Repair (一致の修正) の動作があまりに遅く、いつもこの機能をオフにしていましたが、2021 ではとりあえずオンにしたまま使えています。この機能は、タグの挿入などにも機能が拡張されているはずなので、しばらくオンにして使ってみようと思っています。この他にも、もちろん、いくつか良くなっているところはあるので紹介したいと思います。


アプリおよびプラグインが統合されました


Trados の大きな強みはアプリやプラグインが豊富にあることなのですが、これの扱いが今までは面倒でした。2021 では、Trados 内から直接インストールできるようになっています。これまでのように、自分で SDL のウェブサイトにアクセスする必要はありません。

[ようこそ] 画面の左側のサイドメニューから [SDL AppStore] をクリックすると、下図のような画面が表示されます。これは、既にいくつかのプラグインをインストールした状態です。


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わざわざ SDL のウェブサイトに行かなくても、この画面からインストールできます。さらに、インストール後に更新がある場合は、Trados 本体の更新と同じように、オレンジ色のマークで通知がされます。かなり、便利です。

ここからインストールできるものは、厳密には 2 種類に分かれます。Trados 本体の外で独立して実行される「アプリ」と、Trados 本体の中に組み込まれて実行される「プラグイン」です。たとえば、以前から何回か紹介している Glossary Converter はアプリです。一方、上図のスクリーンショットに表示されているものはすべてプラグインです。アプリまたはプラグインをインストールすると以下のようなメッセージが表示されます。上段はアプリの場合のメッセージ、下段はプラグインの場合のメッセージです。アプリは、いったん Trados から離れてインストールを行う必要がありますが、それでも、以前より便利です。


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上図のメッセージにあるように、プラグインをインストールしたら Trados を再起動する必要があります。1 つずつ再起動しなくても、いくつかインストールした後にまとめて再起動で大丈夫そうです。で、再起動しようとしたら、以下のような微妙なダイアログボックスが表示されてきました。[再開] ボタンは「再起動」の意味だと思いますが、3 秒くらい悩みました。


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ファイル名を指定できるようになりました


実は、Trados では今まで、特定のプロジェクト内でファイル名を入力してファイルを開くことができませんでした。エディタとしてごく基本的な機能のはずですが、できませんでした。


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2021 では、上図のように、[ファイル] 画面に [ファイル名] という入力ボックスが表示されてきます。ここにファイル名を入力すると、そのファイルを開くことができます。ただ、UI の文言にあるように、この機能は「フィルタ」の一種なので、通常の「ファイルを開く」ダイアログボックスなどとは少し動作が違います。それでも「ファイル名を指定する」という機能としては十分です。

今まで、たとえば Excel のワークシートにファイル名の一覧があって、そこから 1 つのファイルを開きたいときなど、ファイル名をコピペできず、本当に面倒でした。これで、ファイル名をコピペしてファイルを開くことができます。ああ、なんてすばらしい。

  

高度な表示フィルタ 2.0


高度な表示フィルタ 2.0 は 2021 の目玉機能です (たぶん、目立った追加機能はこれくらいしかありません)。2019 では「Community Advanced Display Filter」というプラグインでしたが、これが 2021 では「高度な表示フィルタ 2.0」として本体に組み込まれました。しかも、日本語化されています。

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繰り返しの [固有の出現] もちゃんとあります。「固有の出現」という日本語はよくわからないですが、元の英語は「Unique Occurrences」です。これは、すべての分節を 1 回だけ表示してくれる機能です。つまり、繰り返しでない普通の分節はそのまま表示し、繰り返しの分節は初出のみを表示します。(詳しくは、以前の記事「■プラグイン■ フィルタで繰り返しを除外する」を参照してください。)


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右クリックのメニューも日本語化されていました。こちらの動作については、以前の記事「さらに高度な表示フィルタが便利!」を参照してください。



SDL Trados Live


2021 で忘れてはいけない目玉機能がもう 1 つありました。SDL Trados Live です。が、私はまだ使っていません。SDL Trados Live は 1 年間無料ですが、この無料期間はライセンスをアップグレードしたときから始まるそうなので、なるべく早めに試してみたいと思います。



不具合?? QA Checker の単語リスト


QA Checker の単語リストの登録ができない場合がありました。ただ、できる場合もあったので、今後、要調査です。今回、登録できなかったのは、古いバージョンの設定ファイルをインポートして既にたくさんの単語が登録してある状態で、新たに単語を追加しようとしたときでした。[OK] ボタンが押せず、[キャンセル] ボタンを押して画面を閉じるしかありませんでした。当然、[キャンセル] ボタンを押しているので、単語は登録されません。設定ファイルをインポートしたことが原因でしょうか。よくわからないですが、また後で少し確認したいと思います。



今回は以上です。アップグレードしてから 3 日間作業しましたが、その間、1 回だけエディタが強制終了しました。これは、どうなんでしょう。今までの私の経験からすると、わりといい方なんじゃないかと思っています (^_^;)





  


2021年03月06日

認識済みトークンが不思議な結果に・・・

記事の更新が滞っておりました。コロナウイルスの影響では全然ないのですが、なんだか毎日忙しいです。で、先日、日英翻訳をしていたら、メモリの検索結果が不思議なことになっていました。「ML」という 2 文字の原文に対して、こんなメモリがマッチしてきます。


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おそらく、認識済みトークンの影響です。「ML」という原文が「ML」という訳文になっているので、結果的には、何も困らないんですけどね。困らないんですけど、驚きます。


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認識済みトークンは、翻訳メモリの設定によって認識される要素です。以前は、「固定要素」とも呼ばれていました。ここで認識された要素は、QuickPlace 機能 (ショートカット キーは Ctrl+Alt+下矢印または Ctrl+,) で入力できます。ワード数やマッチ率への影響は要検討ですが、入力時の負荷だけを考えれば、たくさん認識してくれた方が助かります。また、今回の原文の「ML」は全角ですが認識されてきました。全角が認識されるということにも、今さらながら驚きました。


プロジェクトの設定では、メモリのペナルティを以下のように設定していました。

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最初に示したメモリの検索結果の図で、大きなプラス記号は「複数の訳文によるペナルティ」、矢印が回っているような記号は「テキスト置換によるペナルティ」がそれぞれ適用されたことを表しています。

認識済みトークンは自動的に置換されますが、「テキスト置換によるペナルティ」を設定しておけば、置換が発生した場合にマッチ率が差し引かれます。どちらのペナルティもゼロに設定した場合は、以下のようなマッチになります。こうなると、もうなんだか意味がわかりません。


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自動ローカリゼーションによるペナルティ」と「テキスト置換によるペナルティ」は既定でゼロに設定されているので注意が必要です。私は、パッケージを開いたら、必ず自分でペナルティを設定するようにしています。


今回は以上です。とりとめのない記事ですみません (広告対策です)。次回は、Trados を同時に複数に立ち上げる話をしたいと思います。また、少し前に Xbench についての質問をいただいたので、Xbench についても何か書けたらと思っています。さらにさらに、QA Distiller が無償になっていることを先日知ったので、こちらのツールも紹介できたらと考えています。ああ、でも、まだ確定申告してないしなぁ (>。<)



  

2021年01月31日

訳文生成できない原因はコメント??

ブログの更新をしばらくサボっていたら、いつの間にか緊急事態宣言になっているし、さらには期間を延長かなんて言われているし、もう本当に早く収束して欲しいです。


今回は、コメントについてです。最近は、翻訳会社さんから、Excel ファイルなどではなく、Trados 上のコメントを使ってくださいと指示されることが増えてきたように思います。Trados のエディタ上で直接コメントを付けられること自体はとても便利ですが、入力方法は面倒だし、訳文のコピペや編集で変なことになるし、変更履歴との相性は悪いし、一覧で読みにくいし、検索はできないし、というわけで、どんなに好意的に見てもとても使いやすいとは言えません。

以前の記事で、コメントに記録されるユーザー名が Windows のユーザー名になってしまい、自由に設定できないことは説明しました。これは、プラグインで解決できそうなので、まあ良しとします。


が、なんと言っても困るのは、正常に訳文生成できないことがある という問題です。



コメントは訳文生成したファイルに反映される

実は、エディタ上で追加したコメントは、訳文生成されたファイルにも反映されます。Word ファイルはもちろんですが、Excel や PowerPoint でもコメントとして訳文生成されてきます。


■ Trados で Excel ファイルに追加したコメント
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Trados のコメントは普通のテキスト以外にも追加できる

Trados では、普通のテキスト以外にも、さまざま要素を翻訳します。Excel だったら、ワークシート名も訳しますし、Word でも、ハイパーリンクの URL などを訳すことがあります。Office ファイル上で、ワークシート名やハイパーリンクの URL にコメントを追加することはできませんが、Trados では、エディタ上の分節であれば、それが原文ファイルのどんな要素であっても、コメントを追加できてしまいます。

■ 普通のテキスト以外へのコメントの追加
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上図のように普通のテキスト以外に追加したコメントは、訳文生成の処理であっさりと無視され、生成後のファイルには表示されてきません。で、ただ無視されるだけならいいのですが、場合によっては訳文生成が正常に行われないことがあります。訳文生成の処理自体がエラーになってファイルが生成されない場合や、処理は正常に終わってファイルは生成されても中身が壊れている場合などがあります。

訳文生成ができないということは、プレビューもできないということなので、最終的にコメントを削除してから訳文生成すればいいんじゃない、とはなりません。最終的な訳文生成は翻訳会社さんにお任せするとしても、プレビュー機能は翻訳時に頻繁に使います。

さっきまでちゃんとプレビューできていたのに突然できなくなったというときは、普通のテキスト以外の要素にコメントを追加していないか確認してみます。私は、PowerPoint の図っぽいものや、Excel ファイルのフローチャートなどで失敗したことがあります。すみません、具体的に「これは失敗する」とはっきりわかるものはありません。同じように図の中にコメントを追加しても、正常に訳文生成できるときもあります。

コメントを訳文生成したファイルに反映する、というこの機能は実際には便利なんでしょうか。Trados を持っていないお客様に確認したいときには便利かもしれませんが、すべてのコメントが反映されるわけではないので、結局、別ファイルを作るか、手作業で追加するか、となりますよね。訳文生成するときに「コメントを無視する」というオプションがあってもいいと思いますが、ただでさえ不安定な訳文生成の処理に変なオプションを追加したら、ますます不安定になってしまいそうな気もします。


※※※※※ 追記 2021/6/29 ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

すみません、「コメントを無視する」ためのオプションありました。[ファイルの種類] の中でした。詳しくは、こちらの記事「生成後の訳文にコメントを挿入しない」をご参照ください。

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2020年12月20日

依存関係ファイルが見つかりません

パッケージを受け取って開くと、

  依存関係ファイルが見つかりません

というエラーになることがたまにあります。



いろいろな状況があるようですが、私の経験上、最も多い原因は、

  原文ファイルのサイズが 20MB を超えている

ことではないかと思います。



パッケージを作成する方、大きなファイルのときは、

  ファイルの種類 > SDL XLIFF > 全般 > 埋め込みファイルの最大許容量

の設定をご確認ください。




こちらのナレッジベースのページが参考になります。
SDL Trados Studioでパッケージやファイルを開く際に、「依存関係ファイルが見つかりません」というエラーが発生する


もっと、詳しく知りたい方は、こちらもどうぞ。
Wot! No target!!



  

2020年11月20日

ショートカット キーとの苦戦

前回の記事で、空白や改行を表示するためのショートカット キーを紹介しましたが、Trados ではとても多くのショートカット キーが使えます。ほかの CAT ツール、特にブラウザーベースのツールに比べると、かなり充実しているのではないかと思います。ただ、そうは言っても Trados です。設定しても動きが遅いとか、移動はできるがそのまま戻ってこられないとか、そもそも設定がわかりにくいとか、いろいろ問題はあります。Trados の設定は深追いしてもよくわからないことが多いので、だめそうならさっさとあきらめることも大切かなと感じています。

今回は、私がよく使っているショートカット キーをいくつか紹介したいと思います。下記の説明はすべて SDL Trados Studio 2019 SR2 に基づいています。最新バージョンの 2021 では、ショートカット キーが少し改善されているようですので、もしかしたら動きが違うかもしれません。


ショートカット キーの設定

Trados のショートカット キーは、[ファイル] > [オプション] の [ショートカット キー] で設定します。(以前の記事 ショートカット キーの設定 で設定方法を説明していますので、参照してください。)

どんなキーが設定されているかを調べたいときは、この設定画面を表示します。主なキーは最初から設定されていますが、自由に変更することもできます。この後の説明には既定のショートカット キーを記載しているつもりですが、すみません、一部は私が自分で設定したキーになってしまっているかもしれません。もし、ご自身の環境で機能しないときは、アクション名を頼りにこの画面で実際の設定を確認してください。

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  @ 場所を選ぶ
  A アクション名で並べ変える
  B 設定されているキーで並べ変える

この画面では、上記のような操作ができます。アクション名は短くてわかりにくいですが、マウスでポイントするとヒントが表示されるので、それも参考にしてください。



Trados 内の画面を移動する: Ctrl+Tab
(アクション名:すべてのビュー > 次のビュー)

エディタで Ctrl+Tab キーを押すと、次のようなダイアログ ボックスが表示されます。一覧から、移動したい画面を選択して移動します。このダイアログ ボックスは、Windows の Alt+Tab と似たような動作になります。Ctrl キーを押しながら Tab キーを押して選択してください。


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私がよく移動するのは、訳語検索ウィンドウとフラグメント一致ウィンドウです。選択したウィンドウに移動して、そこに表示されている文言をコピーし、Ctrl+Tab キーを再び押してエディタ ウィンドウに戻ってきます。

ただし、訳語検索ウィンドウとの行き来はとても時間がかかります。マウスで移動した方が速いんじゃないかと思うくらいです。また、フラグメント一致ウィンドウは、いったん移動したら、そこで Ctrl+Tab キーを押しても戻ってこられません。フラグメント一致ウィンドウ上で Ctrl+Tab キー押すと、そのウィンドウ内で選択されている項目が切り替わります。エディタに戻るには、Ctrl+Alt+M キーを押して、選択されている文言をエディタに挿入するしかありません。



メモリの複数の一致間を移動する: Alt+PageUp と Alt+PageDown
(アクション名: エディタ > TM ウィンドウ > 前の一致結果の選択/次の一致結果の選択)


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複数のメモリが一致してきたときに Alt+PageUp キーまたは Alt+PageDown キーを押すと、選択している項目を切り替えられます。上図では、1 番上の一致が選択されていますが、この状態で、Alt+PageDown キーを押すと 2 番目の一致が選択され、その訳文がエディタに挿入されます。

このショートカット キーを私がよく使う理由は、どのメモリからの一致なのかを知りたいからです。翻訳結果ウィンドウでは、選択している一致の詳細情報が下部に表示されます。上図では、English-Japanese という名前のメモリで、2020 年 11 月 18 日に、TranslatorB さんが登録したものだということがわかります。ウィンドウ上で選択しない限りこの詳細情報は確認できないので、Alt+PageUp キーと Alt+PageDown キーを使って、複数ある一致を順番に選択して詳細情報を確認します。

実は、この動作は、Ctrl+<数字> キーを押しても同じです。たとえば、Ctrl+3 キーを押せば、いきなり 3 番目の一致を選択できます。



書式タグを一気に削除する: Ctrl+Alt+Space
(アクション名: エディタ > すべての書式設定のクリア)


PowerPoint などの翻訳では、書式タグがたくさんありすぎて文がよくわからないときがあります。そのようなときは、Ctrl+Alt+Space キーを押すと、すべての書式タグを一気に削除できます。


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1 番下の分節のように、タグ以外の本来の文だけが残るので、この状態で訳文を入力します。その後、Ctrl+Alt+Down キーなどを使って、書式タグを訳文の適当な場所に挿入していきます。まあ、どんなにショートカット キーを使っても、タグの処理は面倒です。



タグの表示モードを切り替える: Ctrl+Alt+D
(アクション名: エディタ > タグ表示モードの変更)


タグが多いときに便利なショートカット キーがもうひとつあります。タグの表示モードの切り替えです。タグは、内容を全部表示するととても長くなることがあるので、私は普段は 3 段階あるモードのうちの真ん中のモードを使っています。タグの内容を確認しなければならなくなったときだけ、Ctrl+Alt+D キーを押してモードを切り替えます。確認が終わったら、再度 Ctrl+Alt+D キーを押して、元のモードに戻して作業を続けます。



表示フィルタを解除する: Ctrl+Alt+F6
(アクション名: エディタ > フィルタのリセット)


表示フィルタを使うことは多いと思いますが、Ctrl+Alt+F6 キーを押すと設定していたフィルタを解除できます。表示フィルタは 3 種類あります (以前の記事 さらに高度な表示フィルタが便利! を参照してください) が、どのフィルタでもこのキーで解除できます。


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表示フィルタに関するショートカット キーはいくつか設定されていますが、私が試した限り、あまり便利には機能しません。Ctrl+F6 キーで上図の表示フィルタの入力ボックスに移動することはできますが、その後、何か操作しようとするとマウスが必要になることが多く、どうもうまくいきません。

表示フィルタは、前述の記事で説明している Community Advanced Display Filter をインストールして、右クリックのメニューを使うのが便利です。右クリックでフィルタを設定して、不要になったら Ctrl+Alt+F6 キーで解除します。それ以外のフィルタを使いたいときは、残念ながらマウス操作になります。



バイリンガル ファイルを別名で保存する: (おそらく) 既定での設定なし
(アクション名: エディタ > コピーを別名で保存)

[ファイル] > [高度な保存] > [コピーを別名で保存] で行う操作のショートカット キーです。この操作は、バイリンガル ファイル (.sdlxliff ファイル) を別名で保存してくれます。作業中のバイリンガル ファイルをちょっとバックアップしておきたいときなどに便利です。


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私は、バイリンガル ファイルの保存には、一括タスクの [ファイルのエクスポート] を使うことが多いですが、これを使うにはエディタをいったん閉じる必要があります。一方、[コピーを別名で保存] 操作は、エディタを閉じる必要がないので手軽に使えます。

ただし、この操作は [別名 (訳文のみ) で保存] と同じ動きになります。エディタに複数のファイルを開いていた場合、カーソルの位置にかかわらず、先頭のファイルから全部保存しようとするので、多数のファイルを開いているときはあまり便利ではありません。([別名 (訳文のみ) で保存] の動作については、以前の記事 「訳文のみで保存」を使ってみる で説明していますので、参照してください。)



今回紹介するショートカット キーは以上です。ショートカット キーはうまく使えば便利ですが、覚えるまでがひと苦労です。私は、キーボードとは別にプログラマブル テンキーを使っていて、ここにショートカット キーを設定しています。


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このテンキーをキーボードの左側に置いて、キーボードの延長のようにして使っています。今使っているサンワサプライ製のものは、ちょっと古いですし、機能も単純ですが、わりと重宝しています。以前には、ゲーマー向けのプログラマブル キーボードを使っていたこともありましたが、設定が複雑で、AutoHotkey なども使うと、もうわけがわからなくなってしまい、断念しました (;。;) ちなみに、写真に写っている白いキャップのものはヘルメット用のシリコン オイルです。キーボードのキーがキシキシするようになってしまったので、ちょっとつけてみたら動きがよくなりました。