2022年01月30日
アップデートは余裕のあるときに
先日、Trados を 2021 SR2 にアップデートしたのですが、少々手こずりました。一応、手持ちの Trados 案件がすべてなくなってから実行しましたが、今は、そう判断した自分を褒めてあげたいと思っています。Trados は更新があるよとオレンジ色のマークを表示させ、すぐにでも更新しないといけないかのように迫ってきますが、そんな戦略に負けてはいけません。アップデートは、マイナーなものであっても、仕掛かりの仕事がなくなって、時間的にも精神的にも余裕のあるときに行いましょう。
今回は、Trados Studio 2021 の SR1 CU6 から SR2 CU9 (Build 16.2.9.9198) にアップデートしました。Trados のビルド番号は以下のように構成されています。
@ Version: 2021 の場合は 16 です。(ちなみに、2019 は 15 になります。)
A Service Release (SR): 今回は SR 2 です。
B Cumulative Update (CU): 今回は CU 9 です。
今回アップデートをした後、メモリの設定画面が開かなくなりました。原因は WorldServer でした。(詳細は、ナレッジベースのこちらのページを参照してください。) 原因がわかった後の対処方法は簡単でしたが、WorldServer はずいぶん前に使ったきり存在を忘れていたので、この原因にたどりつくまでが大変でした。
Trados の環境をリセットするアプリ Freshstart を試したりしましたが、いっこうに解決せず、かなり悩みました。Freshstart は Trados のブログでも紹介されていますが、私の経験からすると、あまり役立ちません。ショートカット キーなどの設定まで消してしまって面倒なことになった記憶が残っているだけです。アップデートが関係しているだろうなど、原因が少しでも予測されるときは、ナレッジベースで検索をした方が解決策にたどりつける可能性が高いと思います。「とりあえずリセット」ではなく、「まずは検索」してみましょう。
で、まずは検索してみますが、もちろん解決しないこともあります。今回はアップデート後に Word でのスペルチェックができなくなりました。Trados では、スペル チェッカーとして Hunspell と Microsoft Word のどちらかを使用できますが、既定の設定は Hunspell です。私は Word を使うことが多いので、Word に変更しようとしたらエラー メッセージが表示されて変更できませんでした。
検索をしてみると、Word が悪いとか、Microsoft 365 だとだめとか、いやいや 365 でも大丈夫とか、そもそもずっと前から動かないとか、いろいろ見つかりましたが結局よくわかりませんでした。私は、アップデートが原因で失敗するようになったのかと思っていましたが、どうやらそういうわけでもなさそうです。
実は、スペル チェックが失敗していたときは Word ファイルの翻訳をしていたのですが、その後、XML ファイルの翻訳に変わったら、あっさり機能するようになりました。そして、その後、PowerPoint ファイルを作業したらまただめでした。どうも、Office 文書がだめということらしいです。私個人としては、しばらく Trados で Office 文書を扱う予定がないので、すみません、未解決のまま放置です。
SDL が RWS に買収されて以降、いろいろな所から徐々に「SDL」という文字が消えていますが、今回のアップデートで Trados のウィンドウ上部に表示されるタイトルから「SDL」が消えました。
「SDL」の文字が消えて何が問題なのかというと、AutoHotkey のスクリプトです。私は、多数のアプリを開いていても Trados の画面をすぐにアクティブにできるように、AutoHotkey で以下のようなスクリプトを使っていました。
ここに「SDL」と書いてしまっていたので、アップデートの後、Trados の画面がアクティブにならなくなりました。AutoHotkey もそれはそれで問題がたまに発生するので、ウィンドウのタイトルが原因だと気付くまでに少し時間がかかりました。
今回、私が SR2 にアップデートしたのは Live Essential を使ってみたかったからです。これまでは、翻訳会社からもらったパッケージをクラウドに上げることができませんでしたが、SR2 ではこれができるようになっています。
現在、私は 2 台のパソコンに Trados をインストールして使っています。作業中のプロジェクトをクラウドに上げることができれば、2 台のパソコン間でのデータの移動が楽になるのではないかと考えています。ケチケチしてライセンスは Plus にしていないのでアクティベーションは必要ですが、それでも少しは手間が減りそうです。この辺りは、実際に試したら、また記事にしたいと思います。
今回は以上です。Trados さんはアップデートのたびに何かやらかしてくれる気がしますが、仕方がないので、広い心で頑張りましょう。
今回は、Trados Studio 2021 の SR1 CU6 から SR2 CU9 (Build 16.2.9.9198) にアップデートしました。Trados のビルド番号は以下のように構成されています。
@ Version: 2021 の場合は 16 です。(ちなみに、2019 は 15 になります。)
A Service Release (SR): 今回は SR 2 です。
B Cumulative Update (CU): 今回は CU 9 です。
失敗の原因は WorldServer のコンポーネントだった
今回アップデートをした後、メモリの設定画面が開かなくなりました。原因は WorldServer でした。(詳細は、ナレッジベースのこちらのページを参照してください。) 原因がわかった後の対処方法は簡単でしたが、WorldServer はずいぶん前に使ったきり存在を忘れていたので、この原因にたどりつくまでが大変でした。
Trados の環境をリセットするアプリ Freshstart を試したりしましたが、いっこうに解決せず、かなり悩みました。Freshstart は Trados のブログでも紹介されていますが、私の経験からすると、あまり役立ちません。ショートカット キーなどの設定まで消してしまって面倒なことになった記憶が残っているだけです。アップデートが関係しているだろうなど、原因が少しでも予測されるときは、ナレッジベースで検索をした方が解決策にたどりつける可能性が高いと思います。「とりあえずリセット」ではなく、「まずは検索」してみましょう。
Word のスペル チェックが機能しない
で、まずは検索してみますが、もちろん解決しないこともあります。今回はアップデート後に Word でのスペルチェックができなくなりました。Trados では、スペル チェッカーとして Hunspell と Microsoft Word のどちらかを使用できますが、既定の設定は Hunspell です。私は Word を使うことが多いので、Word に変更しようとしたらエラー メッセージが表示されて変更できませんでした。
検索をしてみると、Word が悪いとか、Microsoft 365 だとだめとか、いやいや 365 でも大丈夫とか、そもそもずっと前から動かないとか、いろいろ見つかりましたが結局よくわかりませんでした。私は、アップデートが原因で失敗するようになったのかと思っていましたが、どうやらそういうわけでもなさそうです。
実は、スペル チェックが失敗していたときは Word ファイルの翻訳をしていたのですが、その後、XML ファイルの翻訳に変わったら、あっさり機能するようになりました。そして、その後、PowerPoint ファイルを作業したらまただめでした。どうも、Office 文書がだめということらしいです。私個人としては、しばらく Trados で Office 文書を扱う予定がないので、すみません、未解決のまま放置です。
ウィンドウのタイトルが変わっていた
SDL が RWS に買収されて以降、いろいろな所から徐々に「SDL」という文字が消えていますが、今回のアップデートで Trados のウィンドウ上部に表示されるタイトルから「SDL」が消えました。
「SDL」の文字が消えて何が問題なのかというと、AutoHotkey のスクリプトです。私は、多数のアプリを開いていても Trados の画面をすぐにアクティブにできるように、AutoHotkey で以下のようなスクリプトを使っていました。
WinActivate, SDL Trados Studio
ここに「SDL」と書いてしまっていたので、アップデートの後、Trados の画面がアクティブにならなくなりました。AutoHotkey もそれはそれで問題がたまに発生するので、ウィンドウのタイトルが原因だと気付くまでに少し時間がかかりました。
Live Essential はこれから
今回、私が SR2 にアップデートしたのは Live Essential を使ってみたかったからです。これまでは、翻訳会社からもらったパッケージをクラウドに上げることができませんでしたが、SR2 ではこれができるようになっています。
現在、私は 2 台のパソコンに Trados をインストールして使っています。作業中のプロジェクトをクラウドに上げることができれば、2 台のパソコン間でのデータの移動が楽になるのではないかと考えています。ケチケチしてライセンスは Plus にしていないのでアクティベーションは必要ですが、それでも少しは手間が減りそうです。この辺りは、実際に試したら、また記事にしたいと思います。
今回は以上です。Trados さんはアップデートのたびに何かやらかしてくれる気がしますが、仕方がないので、広い心で頑張りましょう。
タグ:2021 SR2 バージョン RWS SDL AutoHotKey Hunspell スペル チェック Service Release CU 更新 Cumulative Update アップデート トラブルシューティング Word クラウド Live WorldServer
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