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2023年08月28日
私が遭遇している問題いろいろ
このブログの記事を書くときは、何か少しでも役立つ情報を含めたいと考え、バグや不具合を取り上げるときも、なるべく解決方法や回避手段を一緒に書くようにしてきました。ただ、すみません、このところ私用でいろいろありあまり時間が取れないので、今回は私が遭遇したことのある問題をとりあえず羅列してみたいと思います。
本来なら少し調査をしてから記事を書くところですが、今回はほとんど何も調べたりしていません。私の環境特有のものも含まれているかと思いますが、もし「同じような問題が発生する!」とか、「こうやったら直った!」などの情報がありましたら共有してもらえると嬉しいです。
ライセンスのアクティベーション画面で、ショートカット キーを使ってライセンス キーを貼り付けられない
ライセンス キーを貼り付けるときにキーボードの Ctrl+V は機能せず、貼り付けのアイコンをマウスでクリックする必要があります。マウス操作をしなければならないのは、私にとっては非常に面倒です。
スペル チェッカーに MS Word を選択できない
MS Word を選択するとエラーになるので、仕方なく既定の Hunspell を使っています。MS Word の方が精度が良さそうな気がするので MS Word に切り替えたいのですが、それができません。
Trados をいったん閉じて、Word も開いているファイルをすべて閉じて、その後で改めて Trados を起動すると、MS Word を選択できることが (たまに) あります。
変更履歴をオンにして作業しているときに、エディターがよく強制終了する
メッセージも何もなく画面が消えてしまうことがあります。特に、Shift+F3 で大文字小文字の変換をしたときに画面が消えることが多い気がします。ただ、Shift+F3 を押したときは裏に「分節を挿入できません」というメッセージが表示されていることがあります。
変更履歴をオンにして作業しているときに、文字列を選択してコメントを追加できない
分節全体に対するコメントは追加できますが、分節内の文字列に対してのコメントは追加できないことが多いです。
Quick Insert で、ショートカット キーが Ctrl+Shift+0 に割り当てられると機能しない
これは以前の記事「QuickInsert を設定するときに注意したいこと」でも紹介しました。もうかなり長期間この状態が続いている気がします。1 回登録して、Ctrl+Shift+0 が割り当てられたら、それはそのままにしてもう一度登録します。面倒です。
Word ファイルをプレビューした後、プレビューのファイルを閉じるときに「Normal.dot が 〜〜」というメッセージが表示されてウィンドウをすぐに閉じられない
これは Word のマクロを設定しているのが原因だと思います。自分で設定するマクロを Normal.dot 以外に登録すればいいのではないか、と思ってはいるのですが、今のところ放置しています。
Trados の画面を最大化しても、画面下部の文字数などの数字が完全に表示されない
Trados を起動した直後は画面右下の数字が半分くらいしか表示されません。いったん画面の大きさを手動で変えて、改めて最大化すると完全に表示されるようになります。
テンキーから数字の入力ができない
現在のところ、私にとって最大の問題はこれかもしれないです。Trados 上でテンキーからの入力ができない場合でも、他のアプリに画面を切り替えると正常に入力ができるので、NumLock とかの問題ではないと思うのですがよくわかりません。
ちなみに、数字が入力できないだけで、テンキーの Enter キーなどは機能します。これがまたやっかいで、数字を入力して Enter キーを押したつもりが、Enter キーだけが押された状態になります。
プロジェクトの設定画面で、画面の遷移がものすごく遅くなるときがある
どういうときに遅くなるのかなどはわからないのですが、とにかく、ものすごく遅くて待ちきれないときがあります。
ファイル リスト画面で、「ステータス情報」タブの数字を単語数と文字数で切り替えられない
日英翻訳の場合は基準が単語数ではなく文字数になるので、ステータスなども文字数で表示してほしいのですが、これを切り替えるドロップダウン リストが表示されません。いったん別のタブを表示してから戻ってくると、このドロップダウン リストが表示されます。
リアルタイム プレビューを使うと、Trados のエディター上のカーソルが消えてしまう
バージョン 2022 でプレビューは改善されているらしいのですが、本当でしょうか 。(私が試した限りは改善されていないようでした。)
カーソルが消えてしまった場合は、Ctrl+0 を押すとカーソルが訳文欄に復活します。復活はしますが、いちいち面倒くさくてやってられません。
プラグインの MSWord Grammer Checker が遅すぎて使えない
ある会社さんに MSWord Grammer Checker を使って検証を行うように指示されたのですが、検証にかかる時間がとても長くなります。大きなファイルになると、まあ、待っていられません。
プラグインの SDLXLIFF Compare を使うと、エディター画面に移っても、このプラグインの残像が表示される
SDLXLIFF Compare を使った後、エディター上にこのプラグインの操作画面が表示されてしまい、たまたまその部分をクリックしたりすると、そのクリックがプラグインに対して効いてしまいます。ただ、しばらくするとこの現象はなくなる気がします。
以上です。何か解決したり詳細がわかったりしたら、また改めて記事を書きたいと思います。こんなにいろいろあっても Trados を使い続けている状態はどうなんだろうと思わなくもないですが、たぶん、まだしばらくは使い続けてしまう気がします。

本来なら少し調査をしてから記事を書くところですが、今回はほとんど何も調べたりしていません。私の環境特有のものも含まれているかと思いますが、もし「同じような問題が発生する!」とか、「こうやったら直った!」などの情報がありましたら共有してもらえると嬉しいです。
ライセンスのアクティベーション画面で、ショートカット キーを使ってライセンス キーを貼り付けられない
ライセンス キーを貼り付けるときにキーボードの Ctrl+V は機能せず、貼り付けのアイコンをマウスでクリックする必要があります。マウス操作をしなければならないのは、私にとっては非常に面倒です。
スペル チェッカーに MS Word を選択できない
MS Word を選択するとエラーになるので、仕方なく既定の Hunspell を使っています。MS Word の方が精度が良さそうな気がするので MS Word に切り替えたいのですが、それができません。
Trados をいったん閉じて、Word も開いているファイルをすべて閉じて、その後で改めて Trados を起動すると、MS Word を選択できることが (たまに) あります。
変更履歴をオンにして作業しているときに、エディターがよく強制終了する
メッセージも何もなく画面が消えてしまうことがあります。特に、Shift+F3 で大文字小文字の変換をしたときに画面が消えることが多い気がします。ただ、Shift+F3 を押したときは裏に「分節を挿入できません」というメッセージが表示されていることがあります。
変更履歴をオンにして作業しているときに、文字列を選択してコメントを追加できない
分節全体に対するコメントは追加できますが、分節内の文字列に対してのコメントは追加できないことが多いです。
Quick Insert で、ショートカット キーが Ctrl+Shift+0 に割り当てられると機能しない
これは以前の記事「QuickInsert を設定するときに注意したいこと」でも紹介しました。もうかなり長期間この状態が続いている気がします。1 回登録して、Ctrl+Shift+0 が割り当てられたら、それはそのままにしてもう一度登録します。面倒です。
Word ファイルをプレビューした後、プレビューのファイルを閉じるときに「Normal.dot が 〜〜」というメッセージが表示されてウィンドウをすぐに閉じられない
これは Word のマクロを設定しているのが原因だと思います。自分で設定するマクロを Normal.dot 以外に登録すればいいのではないか、と思ってはいるのですが、今のところ放置しています。
Trados の画面を最大化しても、画面下部の文字数などの数字が完全に表示されない
Trados を起動した直後は画面右下の数字が半分くらいしか表示されません。いったん画面の大きさを手動で変えて、改めて最大化すると完全に表示されるようになります。
テンキーから数字の入力ができない
現在のところ、私にとって最大の問題はこれかもしれないです。Trados 上でテンキーからの入力ができない場合でも、他のアプリに画面を切り替えると正常に入力ができるので、NumLock とかの問題ではないと思うのですがよくわかりません。
ちなみに、数字が入力できないだけで、テンキーの Enter キーなどは機能します。これがまたやっかいで、数字を入力して Enter キーを押したつもりが、Enter キーだけが押された状態になります。
プロジェクトの設定画面で、画面の遷移がものすごく遅くなるときがある
どういうときに遅くなるのかなどはわからないのですが、とにかく、ものすごく遅くて待ちきれないときがあります。
ファイル リスト画面で、「ステータス情報」タブの数字を単語数と文字数で切り替えられない
日英翻訳の場合は基準が単語数ではなく文字数になるので、ステータスなども文字数で表示してほしいのですが、これを切り替えるドロップダウン リストが表示されません。いったん別のタブを表示してから戻ってくると、このドロップダウン リストが表示されます。
リアルタイム プレビューを使うと、Trados のエディター上のカーソルが消えてしまう
バージョン 2022 でプレビューは改善されているらしいのですが、本当でしょうか 。(私が試した限りは改善されていないようでした。)
カーソルが消えてしまった場合は、Ctrl+0 を押すとカーソルが訳文欄に復活します。復活はしますが、いちいち面倒くさくてやってられません。
プラグインの MSWord Grammer Checker が遅すぎて使えない
ある会社さんに MSWord Grammer Checker を使って検証を行うように指示されたのですが、検証にかかる時間がとても長くなります。大きなファイルになると、まあ、待っていられません。
プラグインの SDLXLIFF Compare を使うと、エディター画面に移っても、このプラグインの残像が表示される
SDLXLIFF Compare を使った後、エディター上にこのプラグインの操作画面が表示されてしまい、たまたまその部分をクリックしたりすると、そのクリックがプラグインに対して効いてしまいます。ただ、しばらくするとこの現象はなくなる気がします。
以上です。何か解決したり詳細がわかったりしたら、また改めて記事を書きたいと思います。こんなにいろいろあっても Trados を使い続けている状態はどうなんだろうと思わなくもないですが、たぶん、まだしばらくは使い続けてしまう気がします。

タグ:MSWord Grammer Checker SDLXLIFF Compare プレビュー リアルタイム プレビュー ステータス情報 Normal.dot トラブルシューティング 変更履歴 コメント
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2023年07月03日
Xbench と TBX ファイル
Trados のメモリや用語ベースの検索機能はかなり貧弱なので、私は Xbench をよく使用しています。Xbench の使用方法については以前に記事を書いていますが、実は、そこで説明した方法ではうまく検索できない用語ベースがあることに今頃になって気付いたので、今回はその対処法などを紹介したいと思います。
前提事項として、私は Xbench の無料版 (バージョン 2.9) を使用しています。有料版だったら、もしかしたら今回の問題は起きないのかもしれないですが、どうでしょう。ちょっと自分では試せないので、何か情報がありましたらぜひご提供ください。
さて、Xbench でうまく検索できないのは、原語と訳語の組み合わせが 1 対 1 でない用語ベースです。このような用語ベース (.sdltb) を Glossary Converter を使って TBX ファイルに変換し、Xbench で検索を行うと、複数の訳語があっても 1 つの訳語しかヒットしてきません。
たとえば、用語ベースで、以下のように interlock に対して「インターロック」と「安全装置」という 2 つの単語が登録されていたとします。

これを単純に TBX ファイルに変換して Xbench に取り込むと、「安全装置」しかヒットしてきません。

ただし、この場合でも TBX ファイルには「インターロック」と「安全装置」の両方が正常に記述されています。つまり、Xbench の検索機能が 1 つしか見つけられないということのようです。
で、どうしたものかと考えた末、今回は、TBX ファイルではなく、タブ区切りファイルを使うことにしました。手順はこんな感じです。
1. Glossary Converter を使って用語ベースを Excel ファイルに変換する
2. Excel でデータを編集し、タブ区切り形式で保存する
では、手順を順番に説明していきましょう。
Glossary Converter での変換方法については、以前の記事「【前編】Xbench を便利に使う」と「【後編】マイクロソフトの用語集を使いたい」も参考にしてください。
まず、[setting] > [General] で 「Excel 2007 Workbook」を選択します。これで、用語ベース (.sdltb ファイル) が Excel ファイルに変換されるようになります。
さらに、[Spreadsheet] タブで [Synonyms in Excel Tables] を設定します。[Multi-line format (one row per synonym)] オプションを選択し、[Repeat source term] チェックボックスをオンにします。これで、複数の用語がある場合は複数の行が作成され、それぞれの行に原語が記述されるようになります。([Column/Language name] は空白のままでも大丈夫です。設定が必要な場合には、変換の実行時にプロンプトが表示されてきます。)

ここまで設定をしたら、Glossary Converter のアプリ上に対象の用語ベース ファイルをドラッグアンドドロップします。これで、元の用語ベースと同じフォルダーに Excel ファイルが作成されます。
作成された Excel ファイルを開いて、Xbench が検索できる形にデータを整えます。手の込んでいる用語ベースの場合は、たいてい、原語と訳語以外に参考情報のフィールドがいくつか設定されています。それらのフィールドは Excel ファイルの列として出力されますが、Xbench は常に A 列を原語、B 列を訳語として検索を行うので、Excel ファイル上でそのように列を並べ変える必要があります。不要な列は削除して構いませんが、参考情報も Xbench で表示したい場合は C 列以降にその情報を残しておきます。

列を整えたら [名前を付けて保存] をしますが、このときに [ファイルの種類] として「テキスト (タブ区切り) (*.txt)」を選択します。これで、Xbench に読み込めるタブ区切りファイルができあがります。
作成したタブ区切りファイル (.txt) を Xbench に「Tab-delimited Text File」として取り込むと、以下のように複数の用語がヒットしてきます。これで完成です。

今回は以上です。1 対 1 でない用語ベースの TBX ファイルをうまく検索できないことになぜ今まで気付かなかったのか、ちょっと恐ろしくなったので確認してみたところ、そんな形式の用語ベースは実はほとんどありませんでした。たいていの場合、Excel ファイルが基にあり、その時点で 1 対 1 になっているか、なっていない場合は Excel ファイル上で編集をして無理やり 1 対 1 にしていました。とはいえ、検索モレを防ぐため、TBX ファイルは 1 対 1 であることを確認してから Xbench に取り込む必要があります。
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前提事項として、私は Xbench の無料版 (バージョン 2.9) を使用しています。有料版だったら、もしかしたら今回の問題は起きないのかもしれないですが、どうでしょう。ちょっと自分では試せないので、何か情報がありましたらぜひご提供ください。
さて、Xbench でうまく検索できないのは、原語と訳語の組み合わせが 1 対 1 でない用語ベースです。このような用語ベース (.sdltb) を Glossary Converter を使って TBX ファイルに変換し、Xbench で検索を行うと、複数の訳語があっても 1 つの訳語しかヒットしてきません。
たとえば、用語ベースで、以下のように interlock に対して「インターロック」と「安全装置」という 2 つの単語が登録されていたとします。

これを単純に TBX ファイルに変換して Xbench に取り込むと、「安全装置」しかヒットしてきません。

ただし、この場合でも TBX ファイルには「インターロック」と「安全装置」の両方が正常に記述されています。つまり、Xbench の検索機能が 1 つしか見つけられないということのようです。
で、どうしたものかと考えた末、今回は、TBX ファイルではなく、タブ区切りファイルを使うことにしました。手順はこんな感じです。
1. Glossary Converter を使って用語ベースを Excel ファイルに変換する
2. Excel でデータを編集し、タブ区切り形式で保存する
では、手順を順番に説明していきましょう。
1. Glossary Converter を使って用語ベースを Excel ファイルに変換する
Glossary Converter での変換方法については、以前の記事「【前編】Xbench を便利に使う」と「【後編】マイクロソフトの用語集を使いたい」も参考にしてください。
まず、[setting] > [General] で 「Excel 2007 Workbook」を選択します。これで、用語ベース (.sdltb ファイル) が Excel ファイルに変換されるようになります。
さらに、[Spreadsheet] タブで [Synonyms in Excel Tables] を設定します。[Multi-line format (one row per synonym)] オプションを選択し、[Repeat source term] チェックボックスをオンにします。これで、複数の用語がある場合は複数の行が作成され、それぞれの行に原語が記述されるようになります。([Column/Language name] は空白のままでも大丈夫です。設定が必要な場合には、変換の実行時にプロンプトが表示されてきます。)

ここまで設定をしたら、Glossary Converter のアプリ上に対象の用語ベース ファイルをドラッグアンドドロップします。これで、元の用語ベースと同じフォルダーに Excel ファイルが作成されます。
2. Excel でデータを編集し、タブ区切り形式で保存する
作成された Excel ファイルを開いて、Xbench が検索できる形にデータを整えます。手の込んでいる用語ベースの場合は、たいてい、原語と訳語以外に参考情報のフィールドがいくつか設定されています。それらのフィールドは Excel ファイルの列として出力されますが、Xbench は常に A 列を原語、B 列を訳語として検索を行うので、Excel ファイル上でそのように列を並べ変える必要があります。不要な列は削除して構いませんが、参考情報も Xbench で表示したい場合は C 列以降にその情報を残しておきます。

列を整えたら [名前を付けて保存] をしますが、このときに [ファイルの種類] として「テキスト (タブ区切り) (*.txt)」を選択します。これで、Xbench に読み込めるタブ区切りファイルができあがります。
作成したタブ区切りファイル (.txt) を Xbench に「Tab-delimited Text File」として取り込むと、以下のように複数の用語がヒットしてきます。これで完成です。

今回は以上です。1 対 1 でない用語ベースの TBX ファイルをうまく検索できないことになぜ今まで気付かなかったのか、ちょっと恐ろしくなったので確認してみたところ、そんな形式の用語ベースは実はほとんどありませんでした。たいていの場合、Excel ファイルが基にあり、その時点で 1 対 1 になっているか、なっていない場合は Excel ファイル上で編集をして無理やり 1 対 1 にしていました。とはいえ、検索モレを防ぐため、TBX ファイルは 1 対 1 であることを確認してから Xbench に取り込む必要があります。
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2023年06月09日
Trados 質問会の補足
久しぶりに Trados の質問会が開催されたので参加してみました。毎回、なんとなくずれた回答もある質問会ですが、参考になる情報がないわけではありません。
この記事では、私の感想と補足事項を簡単にまとめました。以下に挙げた質問のタイトルや内容はあくまで私の解釈です。この私の解釈も、実際にご質問をされた方の真意からずれているかもしれませんが、その辺りはご了承ください。
翻訳、レビュー、リリースというモードごとに画面をカスタマイズできるそうです。私が普段使っている画面のレイアウトは以前の記事「デュアル ディスプレイでの作業」で紹介しているのでご覧ください。
この質問で私が最も気になったのは、質問の内容そのものではなく、SDL の方の「レビューのときはメモリを使っていろいろすることはないでしょうから〜」というような発言です。レビューのときは、メモリをあまり使わないからメモリ ペインは既定で画面下部に表示する仕様なのだそうです。
私は以前から、レビュー モードのときになぜメモリ ペインが画面下部に表示されるのか疑問だったのですが、そもそも開発会社の中でそういう認識だったのですね。そういう認識だったら、もちろんレビュー料金をマッチ率で割り引いたりすることもないですよね? そうですよね。だって、メモリを使わないんですから。(ちなみに、私がなぜこんなことを書いているのかはこちらの記事をお読みください。)
sdlxliff ファイルだけをバックアップしているが、実際に復元するときはどうすればよいのかという質問がありました。
プロジェクトの各ファイルがどこに格納されているかを知るには、プロジェクト ビューで対象のプロジェクトを右クリックし、表示されるメニューから [プロジェクト フォルダを開く] を選択します。これで、プロジェクトが格納されているフォルダーがエクスプローラーで開かれます。

開かれたフォルダーの中に「en-US」や「ja-JP」など、言語ごとのフォルダーがあり、sdlxliff ファイルはその言語ごとのフォルダーの中に格納されています。
私も、毎日の作業では sdlxliff ファイルをバックアップとして保存しています。メモリや何かの設定が壊れてうまくいかないときは、翻訳会社から提供されたパッケージを開きなおし、バックアップしておいた sdlxliff ファイルをそこに上書きします。これで、メモリや設定は最初の状態に戻しつつ、訳文は今まで訳したものを維持できます。
Trados には、訳文生成やプレビューの方法がたくさんあります。プレビューと訳文生成の違いは私も聞きたかったのですが、今回の回答はそこまで詳しいものではありませんでした。
訳文を表示する方法については、以前の記事 「訳文のみで保存」を使ってみる と 「訳文の表示」を使ってみる を参照してください。
少しだけ紹介されていた「エクスポート」機能は出力先などを設定できるのでとても便利です。以前の記事「同時に複数の画面を開く」で簡単に紹介しています。
「コロンで分かれないようにしたい」「括弧内の句点では分かれてほしくない」など、分節規則の設定はなかなか面倒です。設定する場所は、回答で説明されていたとおり、翻訳メモリの [言語リソース] > [分節規則] です。(詳細な設定方法は、すみません、セミナーでの回答のとおり検索してください。)
この分節規則について、私はいつも SDL さんに強調して説明してほしいなあと思っていることがあります。それは「分節規則は原文を取り込む前に設定する必要がある」ことです。つまり、パッケージを渡された翻訳者は設定を変えることができません。翻訳会社がパッケージを作る段階で設定をする必要があります。
また、最近は、機械翻訳が事前に挿入されていることがありますが、括弧内の句点で分割しないという設定がされていないために、文が途中で切れ、機械翻訳がうまく機能していないことがよくあります。何の設定もせずに機械翻訳を適用して、料金は割り引きますねって言ってくる会社さんもあります。いっそのこと、括弧内の句点で分割しない設定を既定にした方がいい気もしますが、だめですかね。
質問文も簡単なものでしたが、回答も「ヘルプを見てください」という簡単なものでした。せっかく質問しているのだから、もう少し答えてあげてもいいんじゃないかと感じたので翻訳者の立場から少し補足します。
ロックをする一番の目的は、おそらく「作業対象外であることを示す」ことです。翻訳会社さんとの仕事の場合、ロックされている分節は基本的に作業をしないので料金が発生しません。つまり、ロックの有無は料金に直接かかわります。このため、翻訳者側でロックをかけたり、解除したりすることは原則禁止です。
さらに、ロックをかけているのが、翻訳会社ではなく、その先のソース クライアントである場合もあります。その場合、翻訳会社もロック部分については料金をもらっていない可能性があるので、それを翻訳者が勝手に変えてしまったら大変なことになります。誤訳だろうと、なんだろうと、ロックされている部分に勝手に触れるのは厳禁です。
また、逆に、ロックされていないのに作業対象外ということも原則ありません。100% マッチを作業対象外とするなら、その分節はロックされた状態でファイルを渡されるのが通常です。私は、作業対象外にもかかわらずロックされていない場合は、必ず作業前にコーディネーターさんに確認するようにしています。
これは「高度な表示フィルタ」の右クリック コマンドです。詳しくは「2021 で新しくなった表示フィルタ」を参照してください。
上記の記事でも説明していますが、この右クリック コマンドにはショートカット キーを割り当てられます。私は Phrase と同じ動作になるように「選択フィルタ」に Ctrl+Shift+F を割り当てています。また、フィルターの解除は Ctrl+Alt+F6 で可能です。(かなり便利です。)
今回の回答ではエディター上で 1 色ならハイライトを付けられるとのことでした。そんな機能があったかどうか私の記憶ではよくわかりませんが、ひとまず、紹介されていたプラグイン Wordlight をインストールしてみました。これも、ショートカット キーを設定すればとても便利そうです。

ショートカット キーの設定画面には「Highlight Word」という同じ名前のアクションが 2 つ表示されています。実際に設定してみたところ、上のアクションでは色の選択画面が表示されました。下のアクションでは、色の選択画面は表示されず、そのままハイライトを付けることができました。
「用語ベースの単語数に制限はありますか」という質問に対して「登録数に制限はありません」という回答がされていましたが、私は、この質問は用語ベース内の用語 1 つ 1 つの長さに制限はあるのか、という意味だったのではないかと思いました。
以前、翻訳会社から提供されたパッケージで UI 文言がメモリに登録されていたことがあり、私は「メモリでは短い用語がヒットしないので用語ベースに登録してもらえませんか」とお願いしたことがあります。そのときに翻訳会社さんから返ってきた答えが「エラー メッセージなどの長い文も入っているので、用語ベースではうまくヒットしない可能性があります」というものでした。結局、翻訳会社さんが「調査します」と言っている間にそのプロジェクトは終了し、それっきりでした。
確かに、用語ベースに長い文を入れるとどうなるのかちょっと不安です。ちゃんとヒットしてくるでしょうか。実際、エラー メッセージなど、ある程度の長さを持つ文がヒットしてくることはあるので、おそらく大丈夫だろうと個人的には考えています。その辺りのことをこの質問の答えでは期待していました。
なお、用語認識の設定などについては「用語ベースの設定」もどうぞ参考にしてください。
まだまだ質問はたくさんありましたが、今回はここまでとします。この質問会で話題に上った中で私も欲しいと思った機能は、エディター上でフォントを指定する機能と、繰り返しの適用時に訳文を修正できる機能です。「Ideas に投稿してください」と何回か言われていましたが、実装されるまでの道のりは長そうです。
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この記事では、私の感想と補足事項を簡単にまとめました。以下に挙げた質問のタイトルや内容はあくまで私の解釈です。この私の解釈も、実際にご質問をされた方の真意からずれているかもしれませんが、その辺りはご了承ください。
画面のカスタマイズ
翻訳、レビュー、リリースというモードごとに画面をカスタマイズできるそうです。私が普段使っている画面のレイアウトは以前の記事「デュアル ディスプレイでの作業」で紹介しているのでご覧ください。
この質問で私が最も気になったのは、質問の内容そのものではなく、SDL の方の「レビューのときはメモリを使っていろいろすることはないでしょうから〜」というような発言です。レビューのときは、メモリをあまり使わないからメモリ ペインは既定で画面下部に表示する仕様なのだそうです。
私は以前から、レビュー モードのときになぜメモリ ペインが画面下部に表示されるのか疑問だったのですが、そもそも開発会社の中でそういう認識だったのですね。そういう認識だったら、もちろんレビュー料金をマッチ率で割り引いたりすることもないですよね? そうですよね。だって、メモリを使わないんですから。(ちなみに、私がなぜこんなことを書いているのかはこちらの記事をお読みください。)
プロジェクトの構成とバックアップからの復元方法
sdlxliff ファイルだけをバックアップしているが、実際に復元するときはどうすればよいのかという質問がありました。
プロジェクトの各ファイルがどこに格納されているかを知るには、プロジェクト ビューで対象のプロジェクトを右クリックし、表示されるメニューから [プロジェクト フォルダを開く] を選択します。これで、プロジェクトが格納されているフォルダーがエクスプローラーで開かれます。

開かれたフォルダーの中に「en-US」や「ja-JP」など、言語ごとのフォルダーがあり、sdlxliff ファイルはその言語ごとのフォルダーの中に格納されています。
私も、毎日の作業では sdlxliff ファイルをバックアップとして保存しています。メモリや何かの設定が壊れてうまくいかないときは、翻訳会社から提供されたパッケージを開きなおし、バックアップしておいた sdlxliff ファイルをそこに上書きします。これで、メモリや設定は最初の状態に戻しつつ、訳文は今まで訳したものを維持できます。
訳文生成の方法、プレビューと訳文生成の違い
Trados には、訳文生成やプレビューの方法がたくさんあります。プレビューと訳文生成の違いは私も聞きたかったのですが、今回の回答はそこまで詳しいものではありませんでした。
訳文を表示する方法については、以前の記事 「訳文のみで保存」を使ってみる と 「訳文の表示」を使ってみる を参照してください。
少しだけ紹介されていた「エクスポート」機能は出力先などを設定できるのでとても便利です。以前の記事「同時に複数の画面を開く」で簡単に紹介しています。
セグメンテーション (分節規則)
「コロンで分かれないようにしたい」「括弧内の句点では分かれてほしくない」など、分節規則の設定はなかなか面倒です。設定する場所は、回答で説明されていたとおり、翻訳メモリの [言語リソース] > [分節規則] です。(詳細な設定方法は、すみません、セミナーでの回答のとおり検索してください。)
この分節規則について、私はいつも SDL さんに強調して説明してほしいなあと思っていることがあります。それは「分節規則は原文を取り込む前に設定する必要がある」ことです。つまり、パッケージを渡された翻訳者は設定を変えることができません。翻訳会社がパッケージを作る段階で設定をする必要があります。
また、最近は、機械翻訳が事前に挿入されていることがありますが、括弧内の句点で分割しないという設定がされていないために、文が途中で切れ、機械翻訳がうまく機能していないことがよくあります。何の設定もせずに機械翻訳を適用して、料金は割り引きますねって言ってくる会社さんもあります。いっそのこと、括弧内の句点で分割しない設定を既定にした方がいい気もしますが、だめですかね。
「分節のロック」の用途
質問文も簡単なものでしたが、回答も「ヘルプを見てください」という簡単なものでした。せっかく質問しているのだから、もう少し答えてあげてもいいんじゃないかと感じたので翻訳者の立場から少し補足します。
ロックをする一番の目的は、おそらく「作業対象外であることを示す」ことです。翻訳会社さんとの仕事の場合、ロックされている分節は基本的に作業をしないので料金が発生しません。つまり、ロックの有無は料金に直接かかわります。このため、翻訳者側でロックをかけたり、解除したりすることは原則禁止です。
さらに、ロックをかけているのが、翻訳会社ではなく、その先のソース クライアントである場合もあります。その場合、翻訳会社もロック部分については料金をもらっていない可能性があるので、それを翻訳者が勝手に変えてしまったら大変なことになります。誤訳だろうと、なんだろうと、ロックされている部分に勝手に触れるのは厳禁です。
また、逆に、ロックされていないのに作業対象外ということも原則ありません。100% マッチを作業対象外とするなら、その分節はロックされた状態でファイルを渡されるのが通常です。私は、作業対象外にもかかわらずロックされていない場合は、必ず作業前にコーディネーターさんに確認するようにしています。
右クリックの「選択フィルタ」「原文フィルタ」「訳文フィルタ」
これは「高度な表示フィルタ」の右クリック コマンドです。詳しくは「2021 で新しくなった表示フィルタ」を参照してください。
上記の記事でも説明していますが、この右クリック コマンドにはショートカット キーを割り当てられます。私は Phrase と同じ動作になるように「選択フィルタ」に Ctrl+Shift+F を割り当てています。また、フィルターの解除は Ctrl+Alt+F6 で可能です。(かなり便利です。)
ハイライト
今回の回答ではエディター上で 1 色ならハイライトを付けられるとのことでした。そんな機能があったかどうか私の記憶ではよくわかりませんが、ひとまず、紹介されていたプラグイン Wordlight をインストールしてみました。これも、ショートカット キーを設定すればとても便利そうです。

ショートカット キーの設定画面には「Highlight Word」という同じ名前のアクションが 2 つ表示されています。実際に設定してみたところ、上のアクションでは色の選択画面が表示されました。下のアクションでは、色の選択画面は表示されず、そのままハイライトを付けることができました。
用語ベースの単語数
「用語ベースの単語数に制限はありますか」という質問に対して「登録数に制限はありません」という回答がされていましたが、私は、この質問は用語ベース内の用語 1 つ 1 つの長さに制限はあるのか、という意味だったのではないかと思いました。
以前、翻訳会社から提供されたパッケージで UI 文言がメモリに登録されていたことがあり、私は「メモリでは短い用語がヒットしないので用語ベースに登録してもらえませんか」とお願いしたことがあります。そのときに翻訳会社さんから返ってきた答えが「エラー メッセージなどの長い文も入っているので、用語ベースではうまくヒットしない可能性があります」というものでした。結局、翻訳会社さんが「調査します」と言っている間にそのプロジェクトは終了し、それっきりでした。
確かに、用語ベースに長い文を入れるとどうなるのかちょっと不安です。ちゃんとヒットしてくるでしょうか。実際、エラー メッセージなど、ある程度の長さを持つ文がヒットしてくることはあるので、おそらく大丈夫だろうと個人的には考えています。その辺りのことをこの質問の答えでは期待していました。
なお、用語認識の設定などについては「用語ベースの設定」もどうぞ参考にしてください。
まだまだ質問はたくさんありましたが、今回はここまでとします。この質問会で話題に上った中で私も欲しいと思った機能は、エディター上でフォントを指定する機能と、繰り返しの適用時に訳文を修正できる機能です。「Ideas に投稿してください」と何回か言われていましたが、実装されるまでの道のりは長そうです。
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