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昔は「Trados さん、頑張って!」とお祈りしながら訳文生成していませんでしたか? 今も、たまにそんな気分になるときがあります。Trados って本当にわからないことばかりです。特に、日本語の情報は少ないですよね。いくら翻訳者とはいえ、日本語の情報が欲しいのです。Trados ユーザーの方々といろいろ情報交換できたらと思っています。




2018年09月05日

Trados の情報はどこで見つける?


Trados に関する情報、皆さんはどこで見つけていますか? 今回は、私が参考にしているサイトなどを紹介したいと思います。

何か特定のエラーについて調べたいときは、エラー メッセージ (日本語ではなくて、英語ね) を Google で検索するか、SDL のナレッジベース を探してみます。

特定のエラーではなく、なんとなく便利な方法はないかなあ、と思っているときは、以下のサイトがお勧めです。どちらも、Trados について Google で検索するとすぐにヒットしてくるので、この業界ではかなり有名ですね。




さてさて、これ以外に私が参考にしているサイトは、以下のような感じです。



SDL Trados の公式ブログ ― 「土田さん」による日本語の記事

公式ブログでお勧めなのは、「土田さん」による日本語の記事です。それ以外の記事は、営業的な要素が強く、個人翻訳者の日々の作業にはあまり役立ちません。

さて、この日本語の記事ですが、単純に SDL 社のウェブサイトにアクセスして、目につくメニューからブログのページに移動しても表示されてこないことが多いです。表示言語を日本語にしたり、あちこち行ったり来たりしていると、そのうちに表示されてきます。

面倒なので、こちらのリンク https://blog.sdltrados.com/jp/ に直接アクセスすることをお勧めします。


SDL コミュニティ ― Translation Productivity の SDL Trados Studio

SDL コミュニティにはいろいろ情報がありそうなのですが、あまりに雑多なので、有効な情報を見つけるのはなかなか難しいかもしれません。

そんな中でもお勧めなのは Translation Productivity グループの SDL Trados Studio フォーラムです。ここは、以前に SDL 社の何かのセミナーで紹介してもらったのですが、とりあえず、SDL Trados Studio に関することなら何でも質問してよいようです。しかも「日本語で OK!」とのことでした。

SDL コミュニティは、各グループの中にいくつかのフォーラムがあるという構成ですが、Trados Studio やその周辺ツールの使い方などなら「Translation Productivity」グループが役立ちます。全体的には英語での書き込みが多いですが、日本語のものもいくつかあります。で、ここでも回答をくださっているのは、上記のブログの「土田さん」が多いです。感謝です!

コミュニティは、閲覧は自由ですが、書き込みを行うには少し手続きが必要です。
 SDL アカウントを作って、
 SDL コミュニティに Sign in し、
 対象のグループに Join します。

SDL アカウントは、製品を購入するときに使ったものがあればそれをそのまま使えます。購入していない場合は新しく作ることもできます。アカウントさえあれば、製品を購入していなくても、コミュニティへの参加は可能なようです。

さて、Translation Productivity グループの SDL Trados Studio フォーラムにたどり着くのもなかなか面倒です。以下のように移動するか、こちらのリンク https://community.sdl.com/product-groups/translationproductivity/f/90 をどうぞ。

コミュニティ2.png



翻訳支援ツールマスター講座 ― スタッフブログ「いただいたご質問とご相談」

こちらは、各種翻訳支援ツールの通信講座を提供している会社のサイトです。この講座をお勧めするわけではないのですが、 「いただいたご質問とご相談」というブログ記事がときおりアップされます。営業的な内容もありますが、役立つ情報もあります。

26-3.png


multifarious

英語のサイト (https://multifarious.filkin.com/) です。ひとつひとつの記事が長く、初心者にとっては少し難易度高めです。頑張って読みましょう!!

26-4.png


SDL Trados Studio The Manual

こちらも英語のサイト (http://tradosstudiomanual.com/?page_id=18) です。トップのメニューから「Blog」を選ぶとブログ記事が表示されます。いろいろ細かい情報があり参考になります。ただ、あまり頻繁には更新されないようです。

26-8.PNG


今回は以上です。私のブログの記事も、いくつかは上記で紹介したサイトを参考にしています。単純に検索しても雑多なサイトがヒットしてくるだけなので、有用な情報にたどり着くのはなかなか難しいです。




2018年08月07日

「訳文の表示」を使ってみる

前回に引き続き、訳文を確認する方法を考えてみます。今回は「訳文の表示」です。


25-3.png



「訳文の表示」は、[ファイル] > [印刷 & 表示] > [表示方法] > [訳文の <外部プログラム名>] と選択するか、ショートカット キーの Ctrl+Shift+P を使うことで実行できます。<外部プログラム名> には、Word や PowerPoint といった本来のプログラムの名前が表示されます。HTML ファイルの場合は「Web ブラウザ」と表示されます。

「訳文の表示」は、簡単に言うと、訳文を Trados ではなく本来のプログラムで表示してくれる機能です。「表示」という名前のとおり、訳文ファイルの「生成」よりは、表示するだけの「プレビュー」に近い機能です。手軽に使用できて比較的完成形に近い表示を得られるので、訳文を確認する方法としては最も出番の多い機能かと思います。


25-2.png


私のこれまでの経験から言うと、

  HTMLファイル以外なら「訳文の表示」がかなり便利

です。スタイルシートを適用する HTML ファイルを除いて、ほとんどの文書に便利に機能します。HTML ファイルの場合はスタイルシートが適用されないので完成形に近いとは言えませんが (スタイルシートを適用する HTML ファイルについては、前の記事 「訳文のみで保存」を使ってみる をご覧ください)、Office 文書であれば完成形とほぼ変わらない*1 表示を見ることができます。私は、レイアウトを確認する必要のある Word、PowerPoint、Excel などのときに C「訳文の表示」をよく使います。その理由を以下に説明したいと思います。

ワンアクションで訳文を表示できる

C「訳文の表示」では、ショーカット キー Ctrl+Shift+P を押すだけで自動的に Office などの外部プログラムが立ち上がり訳文が表示されます。もちろん、バイリンガル ファイルを開いたままの状態で実行できます。

@〜B の機能は、訳文ファイルを生成することが主目的であり、訳文を見るには、生成して表示するという 2 段階のアクションが必要になります。また、既存のファイルを開いたままだと Trados からファイルを上書きできないので、ファイルを閉じておくという操作も必要になります。これに対して C「訳文の表示」は、前回に表示したファイルを開いていても、そのまま実行できます。Trados が自動でファイルを開き直すか、別ファイルとして新しい訳文を開いてくれます。


外部プログラムで自由に操作できる

C「訳文の表示」では、ファイルが外部プログラムで表示されるので、フォントを変える、レイアウトを調整する、といった操作を自由に行うことができます。

訳文を表示するという点でほぼ同じ機能を持つ D「プレビュー」では、訳文が Trados 内のプレビュー ウィンドウに表示されるため、フォントやレイアウトの調整などはほとんどできません。原文のフォントやレイアウトのままでは読みにくいこともあるので、こうした操作は自由にできる方が便利です。


Trados のエディタに影響しない

繰り返しになりますが、C「訳文の表示」では、Trados から独立した外部プログラムで訳文が表示されます。このため、Trados のエディタに影響が及ぶことがありません。この点が D「プレビュー」と大きく異なります。

D「プレビュー」は、基本的には Trados のプレビュー ウィンドウに訳文が表示されます。分節を確定するごとに表示が更新される「リアルタイム プレビュー」なども可能で、プレビューの表示と Trados のエディタがかなり密接に連動しています。しかし、このために、Trados のエディタでは動きが遅くなったり、カーソルが勝手に動いたり (あるいは、消えたり) といったことがしばしば起こります。

C「訳文の表示」で表示されるファイルは Trados のエディタとの連動がないので、Trados のエディタの動きが不安定になる心配がありません。*2


Trados のエディタと連動しない

さて、「連動しない」のは安定性の面からすると良いことですが、やはり、使い勝手の面から考えると少々不便です。

Trados のエディタでどこを編集していても、C「訳文の表示」で表示されるファイルは先頭(または、原文でのカーソルの位置)に戻ります。大きなファイルの場合は、編集していた箇所を探すのにひと手間かかります。もちろん、リアルタイム プレビューなどの機能もないので、表示を更新したいときは再度 Ctrl+Shift+P を押す必要があります。そして、Ctrl+Shift+P を押すと、前のファイルを閉じて新しいファイルを作り直す、という処理が行われるようでかなり時間がかかります。


「訳文生成」ができないときは使えない

C「訳文の表示」は、最初に述べたとおり、Office 文書にとても便利なのですが、Office 文書の場合は「訳文生成」ができないケースがたまに (頻繁に?) あります。Trados や Office のバージョン、ファイルの特性など何かしらの理由はあるのでしょうが、とにかく「訳文生成」できないファイルは C「訳文の表示」でも訳文を表示できません。その場合は D「プレビュー」もできない可能性が高いので、あきらめて E「印刷プレビュー」を使うか、脳内でレイアウトを再現するか、ということになります。



今回は以上ですが、私が Office 文書を訳しているときは、たいてい以下のようなことを繰り返しています。

 D「プレビュー」を使ってみる
  ↓
 エディタの動きがおかしくなる
  ↓
 C「訳文の表示」を使う
  ↓
 いちいち更新するのが面倒になる
  ↓
 また D「プレビュー」を使ってみる
  ↓
 やっぱりエディタが動かない …

小さいファイルのときはそうでもないですが、大きなファイルになると、C「訳文の表示」と D「プレビュー」のどちらを使ってもうまく行かない!ということが多いです (私の環境が悪いのでしょうかね〜)。


注記 *1: 「訳文の生成」、「エクスポート」、「訳文のみで保存」は、いずれを使ってもほぼ同じ訳文ファイルが生成されます。「訳文の表示」と「プレレビュー」も、ファイルは生成されませんが、ほぼ同じ訳文が表示されると思います。ただ、厳密には違う点があるかもしれません。最近になってからは詳しくは検証していないのですが、少し前には、確定していない空白分節の処理や、各種スペースと改行文字の処理などに違いがあったような記憶があります。

注記 *2: 「心配ありません」としましたが、実は、Trados 自体が落ちてしまうことがあります。詳しくは、Trados のエディタが落ちる! をご覧ください。ただ、これはかなり限られた条件で起きる現象だったようで、私自身、最近はこの現象に遭遇していません。何かの update で直ったのか、原文ファイルに問題があったのか、原因はよくわかりません。心配な方は「バイリンガル ファイルを保存してから訳文を表示する」ことをお勧めします。(私も、一応、そうしています。)




2018年07月26日

「訳文のみで保存」を使ってみる

Trados で訳文を表示する方法として、以前に印刷プレビューについてを書きましたが、今回は「訳文のみで保存」に注目したいと思います。


24_1.png


Trados には、下の図に示すように、訳文を表示する方法がいくつかあります。ツールを使っているから品質が悪いなどと言われないようにするためにも、できるだけ完成形に近い形で訳文全体を確認することが大切です。


24_2.png


B「訳文のみで保存」は、[ファイル] > [別名 (訳文のみ) で保存] と選択するか、ショートカット キーの Shift+F12 を使うことで実行できます。機能的には @「訳文の生成」や A「エクスポート」とほぼ同じで*1、バイリンガル ファイルから訳文ファイルが生成されます。一時的な内部ファイルが生成される C「訳文の表示」以下の方法と異なり、B「訳文のみで保存」では、「保存」という名前のとおり、Trados の外に通常のファイルとして訳文が保存されます。

私のこれまでの経験から言うと、

「訳文のみで保存」は、階層構造になっていない少数の HTML ファイルをさっと表示したいときに最適

です。いろいろ試してみたのですが、私は、スタイルシートを適用してブラウザーで表示する HTML ファイルに「訳文のみで保存」をよく使います。その理由を、以下に説明したいと思います。

エディタ内のバイリンガル ファイルを閉じる必要がない

上図に挙げた方法のうち、バイリンガル ファイルを開いたままの状態で実行できるのは、B「訳文のみ保存」と、それ以下の C〜E です。つまり、B「訳文のみで保存」は、バイリンガル ファイルを開いたままの状態で実行できる方法の中では、最も完成形に近い表示を見ることができます。

翻訳作業の途中でさっと訳文を見たいときは、バイリンガル ファイルを閉じずに表示できる方法が便利です。

スタイルシートや画像ファイルを適用できる

B「訳文のみで保存」のもう 1 つの特徴は、独立した外部ファイルとして訳文ファイルを生成できることです。バイリンガル ファイルを閉じずに実行できる方法の中でこれが可能なのは B「訳文のみで保存」だけです。外部ファイルとして訳文を保存することで、HTML ファイルの場合、スタイルシートの適用や画像の表示が可能になります。

HTML ファイルの翻訳では、翻訳会社さんから提供される原文構造に、翻訳対象の HTML ファイルだけではなく、スタイルシート、画像、スクリプトなどが含まれていることがあります。その場合は、それらのファイルをそのまま訳文フォルダーにコピーして、訳文でもスタイルシートや画像のリンクが機能するようにするのがお勧めです。

たとえば、下の図のように、翻訳対象の HTML ファイルを含むフォルダー「Chapter1」と「Chapter2」のほかに、スタイルシートの「css」、画像の「images」、スクリプトの「scripts」があるとします。このような場合は、翻訳対象外の各フォルダーを Trados プロジェクトの訳文フォルダー (日英の場合なら「en-US」フォルダー) に階層構造を維持するように気を付けてコピーします。これで、訳文にもスタイルシートが適用され、画像も表示されるようになります。

24_3.png

Trados のプロジェクト フォルダーに余計なファイルを入れて大丈夫なの?と不安に思うかもしれませんが、まったく問題ありません。Trados はバイリンガル ファイルを使うだけなので、ほかに何か入っていても特に影響はありません。返却パッケージを作っても、余計なファイルが含まれるようなことはありません。

C〜E の方法では、残念ながら独立した訳文ファイルが生成されません。そのため、スタイルシートなどの適用ができません。C「訳文の表示」では、外部プログラム (ブラウザー) で表示できるファイルが生成されますが、あくまで Trados 内の一時ファイルという位置付けのようで、保存場所のパスが一定ではないため、スタイルシートなどを前もってコピーしておくという上記のような細工ができません。スタイルシートなどを適用するには、やはり @〜B のいずれかで、Trados の外に訳文ファイルを生成する必要があります。

生成された訳文ファイルを閉じる必要がない

B「訳文のみで保存」で生成されるファイルは、上に述べたとおり Trados から独立した通常のファイルなので、基本的には既存のファイルがあったら保存を行う前にそのファイルを閉じておく必要があります。たとえば、Word や Excel でファイルを開いたままだと Trados からはそのファイルを上書きできません。

しかし、HTML ファイルならその煩わしさがありません。ブラウザーでファイルを表示していても、ソースの HTML ファイルはそのまま上書きすることができますよね!これはブラウザーで表示する HTML ファイルならではの利点です。

HTML ファイルの翻訳では、Trados のエディタで訳文を入力して、Shift+F12 で「訳文のみで保存」を実行、ブラウザーに切り替えて F5 で更新、これで最新の訳文を確認できます。この方法はかなり便利です。

保存先と上書きしてよいかを毎回尋ねられる

さて、ここまでなら B「訳文のみで保存」が完璧に思えますが、そこは Trados です。そうは問屋が卸しません。

HTML ファイルのプロジェクトでは小さなファイルが数十個以上も含まれることが珍しくありません。そんなときに便利なのは、複数のファイルを一気に開く機能ですよね (私はこの機能をよく使います)。 あまりたくさん開くとエディタの反応が悪くなる気がするので、恐る恐るではありますが、できるだけたくさんのファイルを一気に開くようにしています。こうして複数のファイルを開いている状態で B「訳文のみで保存」を実行すると 1 つ 1 つのファイルについて保存先を尋ねられます。既存のファイルがある場合には上書きの確認もしてきます。

10 ファイルもあるともう限界です。B「訳文のみで保存」はエディタ内でカーソルがどこにあっても最初のファイルからすべて保存しようとするので、すべてのファイルについてダイアログボックスが表示されます。デフォルトそのままで OK だとしても、そうたくさんは耐えられません。

すべて同じ場所に保存しようとする

複数のファイルを開いているときの問題はもう 1 つあります。それは、階層構造になっているファイルを開いている場合です。HTML ファイルのプロジェクトでは、いくつかのフォルダーにファイルが分かれていることがよくありますが、B「訳文のみで保存」のデフォルトの保存先は、エディタ内に開かれている最初のファイルのパスです。別のフォルダーにあるファイルを保存する場合でも、とにかく最初のファイルのパスがデフォルトの保存先として表示されてきます。手動でパスを変えればいいのですが、もちろん、そんな面倒なことはできません。

24_4.png

エディタに複数のファイルを開くときにフォルダーごとに開くことでこの問題は解決できますが、フォルダーがたくさんあるともうお手上げです。


今回は以上です。いろいろ書いていたら長文になってしまいました。簡単にまとめると、「訳文のみで保存」は
 ・ブラウザーで表示する HTML ファイルに便利、
 ・ただし複数ファイルをまとめて開いているときには使えない、
という感じです。次回は、office 文書に便利な「訳文の表示」を取り上げたいと思います。

注記 *1: 「訳文の生成」、「エクスポート」、「訳文のみで保存」は、いずれを使ってもほぼ同じ訳文ファイルが生成されます。ただ、厳密には違う点があるかもしれません。最近になってからは詳しくは検証していないのですが、少し前には、確定していない空白分節の処理や、各種スペースと改行文字の処理などに違いがあったような記憶があります。(すみません、そのあたりの細かいことはすっかり翻訳会社さんにお任せです。)