IT 系の翻訳をしていると、プログラムのソースコードなど原文のまま残さなければならない分節がたまにあります。原文をコピー (Ctrl+Ins) をするだけなので翻訳者としてはお得ですが、後で見直しをしているときに、本当にコピーしたか、コピーした後にうっかり触っていないかと不安になり、結局もう一度 Ctrl+Ins を押してしまうことがよくあります。
こんな不安を解消してくれる機能として、Trados では原文をコピーした分節の色を変えることができます。私はこの機能にまったく気付いていなかったのですが、少し前に Twitter で翻訳会社の方がつぶやいていたので、それをヒントに早速試してみました。
設定の場所は [ファイル] > [オプション] > [色] です。ここで、さまざまな色を設定できます。[翻訳ステータス] の [背景色] に [原文からコピー] というオプションがあるので、これを既定の白から別の色に変更します。私は下図のように薄紫色っぽくしています。
この設定をしておくと、以下のように原文からコピーしたままの分節に色が付くようになります。
薄紫色になっている分節は原文からコピーしたまま一切触っていない分節です。中央あたりの「We have several …」の分節は原文と訳文が同じように見えますが、実は原文からコピーをした後にスペースを入れて削除するという編集を加えたので薄紫色になっていません。
この機能は、原文と訳文が同じかをチェックしているのではなく、「原文からコピー」という操作をしたかどうかで色を付けています。「原文からコピー」の操作をした時点で色が付き、他の操作を行うとその時点で色は消えます。
地味な機能ですがとても便利で、私はかなり助かっています。他にもいろいろな設定で色が変えられるようなので、どうぞお試しください。
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