原因はショートカット キーの競合でした。わかってしまえば、なんてことはないよくある問題です。Trados には字幕翻訳用に Studio Subtitling というプラグインがあります。これの映像を操作するショートカット キーが既定でテンキーに割り当てられていました。ショートカット キーは [ファイル] > [オプション] > [エディタ] > [ショートカット キー] で確認できます。
私がこのプラグインをインストールしたのは随分前だったので、すっかり存在を忘れていました。先日、久しぶり (たぶん、1 年ぶりくらい) にこのプラグインを使う案件があり、ショートカット キー何だったかなぁと思って見てみたら、上図の設定になっていたので「これか!!!」と一人で思わず叫んでしまいました。
このショートカット キーはそのまま使う
このショートカット キーの設定を変更すればテンキーからの入力はできるようになりますが、全部の設定を変えるのは少し面倒です。また、映像の再生を操作するものなので、キーを 2 つも 3 つも同時押しするより、1 つのキーで操作できる方が断然便利です。というわけで、Studio Subtitling を使うときは、テンキーからの入力はあきらめ、このショートカット キーをそのまま使うことにしました。
使わないときはプラグインを無効にする
で、ショートカット キーの設定を残したまま競合を回避するにはどうするかというと、プラグインを無効にします。メニューの [アドイン] > [プラグイン] から、プラグインは個別に有効/無効を切り替えられます (切り替えには Trados の再起動が必要です)。
Studio Subtitling を無効にすればショートカット キーの設定も無効になるので、競合もなくなり、正常にテンキーから数字を入力できるようになります。有効/無効の切り替えは少し手間ですが、ショートカット キーを設定し直すよりは少ない手間で済みます。まあ、Studio Subtitling を有効にするとまた競合が発生しますが、これは仕方ないのであきらめます。
日本語入力のときのショートカット キー
今回の字幕案件は英日翻訳だったので、IME で日本語入力をオンにしている時間が長くなりました。実は、日本語入力をオンにしている場合、この Studio Subtitling のショートカット キーは機能しません。キーをタイプしても確定前の状態だとショートカット キーとして認識されないようです。
ちなみに、この日本語入力がオンのときにショートカット キーが効かない現象は Studio Subtitling に限ったものではなく、他のプラグインでも (あるいは Trados 以外のアプリケーションでも) 発生することがあります。おそらく、プラグインの開発時に IME のことなどあまり考えられていないのではないかと思います。英訳の場合は英語を入力するのであまり問題になりませんが、和訳の場合は困ることが結構あります。
ただ、テンキーに限っては、解決策があります。私は ATOK を使っているので ATOK での方法になりますが、以下のような設定があります。
[確定文字で入力する] チェックボックスをオンにしておくと、日本語入力がオンになっている状態でもテンキーからの入力は確定した状態で入力され、ショートカット キーとして認識されます。
今回は以上です。私がショートカット キーの競合になかなか気付けなかったのは、Trados の使用頻度が全体的に落ちてきていることも原因かもしれません。あまり使わないので原因に考えが及ばないし、問題があってもとりあえず放っておくことになりがちです。いやいや、それでも今のところ Trados 以上に便利なツールはないと思っているので、Trados さん、なんとか頑張ってください。