新規記事の投稿を行うことで、非表示にすることが可能です。
2022年05月23日
デュアル ディスプレイでの作業
私は普段からデュアル ディスプレイで翻訳作業をしています。3 画面、4 画面と増やした方が便利かもしれませんが、物理的な制限から、私は 2 画面です。今回は、この 2 画面で Trados をどのように使って翻訳とチェックの作業をしているのかを紹介します。

2 つのディスプレイは 1 つの机の上に置いています。キーボードをメイン画面寄りに置き、顔を正面に向けたときはほぼメイン画面、少し右を向くとサブ画面という形になるようにしています。
私は、最初に翻訳をするときと、いったん訳し終わってからチェックをするときで各画面に表示する内容を変えます。ひと手間かかりますが、それぞれの作業に合わせて画面表示を調整した方が便利です。また、翻訳する文書の種類によっても表示を調整します。Word ファイルなら通常は縦長ですが、PowerPoint は横長ですし、HTML ファイルや XML ファイルは簡単には表示ができないこともあります。Trados にはもちろんプレビュー機能がありますが、なかなかうまく動作してくれないので多少の工夫も必要です。
メイン画面に Trados
最初に翻訳をするときは、メイン画面に Trados、サブ画面に原文と訳文を表示します。サブ画面には、辞書やブラウザーなどの参考資料も表示します。2 画面の環境では参考資料などが表示しきれず、どうしてもウィンドウの切り替えが多くなるので、ディスプレイの数を増やせるなら増やした方がいいかもしれません。

Trados 内のレイアウト
Trados 内の各ペインなどのレイアウトはかなり自由に変更できます。ペインのタイトル部分をドラッグすると、配置可能な場所を示すガイドが表示されるので、それに合わせて移動します。
各ペインは Trados 本体のウィンドウから外に出して別ウィンドウとして表示することもできます。大きく表示したいプレビュー ペインなどは、本体のウィンドウから切り離して別ウィンドウとして表示した方が見やすくなります。ただ、ウィンドウを切り離しても 1 つのアプリケーションであることに変わりはないので、1 つのウィンドウをクリックすると、Trados のすべてのウィンドウがアクティブになり前面に表示されます。
不要なペインは非表示にできます。ペインの右上端の × アイコンをクリックすれば、そのペインは非表示になります。非表示にしてしまっても、リボンの [表示] タブから選択すれば再度表示できます。また、同じ [表示] タブにある [ウィンドウのレイアウトを元に戻す] をクリックすれば、全体の表示が初期設定に戻ります。変な風に変更しても元に戻せるので、安心していろいろお試しください。
私は、下図のように、自分が使わないペインやアイコンは消し、訳文を入力する部分がなるべく広くなるようにしています。また、用語認識とフラグメント一致は常に表示される場所に移動し、縦長に表示します。用語ベースを使わないプロジェクトのときは、用語認識ペインは非表示にします。

用語認識とフラグメント一致のペインを切り離してサブ画面に表示していたこともありましたが、今は元に戻しました。この 2 つのペインを外に出した方が訳文を入力する部分は広くなりますが、用語を見落とすリスクがどうしても高くなる気がします。
メイン画面に原文と訳文
さて、一応最後まで翻訳をしてチェックをしようというときは、メイン画面に原文と訳文を表示し、Trados はサブ画面に移動します。メイン画面に Trados を置いておくと、チェックをしているはずなのに気づくと Trados のウィンドウばかり見ていたという状態になりがちなので、最も目に入りやすいメイン画面に原文と訳文を置きます。
また、訳文だけでなく、必ず原文も目に入りやすいところに置きます。チェックをしているときは、当然ながら訳文に注意が向くので、原文がすぐ目の届くところにないと、これも、気づくと訳文しか読んでいなかったという状態になりがちです。PowerPoint などの横長ページで原文と訳文を 1 画面内に表示するのが難しい場合は、原文をメイン画面に、訳文をサブ画面に表示します。訳文は嫌でも見るので、やや見にくい方に置いておいても大丈夫です。

Trados 内のレイアウト
Trados 内のレイアウトも翻訳時とは少し違うものにします。フラグメント一致は、翻訳時には便利ですが、一度訳文を確定してメモリに登録した後は検索が行われなくなります。この状態でペインを表示していてもスペースの無駄なので、非表示にしてしまいます。
訳文の文字サイズも変更します。これは、改行位置を変えるためです。改行があると、スペースの有無がわかりにくいですし、無意識のうちにそこを区切りと感じてしまうので、読点を入れるかどうかの判断に影響することがあります。私は、チェック時は文字サイズを小さくして、1 行になるべく多くの文字が表示されるようにします。
以前にお話を聞いたことのある翻訳者さんは、チェック時には文字を大きくするとおっしゃっていました。自分の好みや文書の種類によってどちらでもいいと思いますが、とにかく「改行位置が変わる」ようにします。文字サイズを変えにくいときは、ペインの幅を変えるだけでも改行位置が変わります (もちろん、フラグメント一致を非表示にした時点で、エディター部分の幅は変わっています)。

Trados のエディター内での表示調整として、私は、空白文字の表示/非表示と、タグ表示モードの切り替えをショートカット キーに設定して使用しています。翻訳でも、チェックでも、必要に応じて随時切り替えながら作業します。
空白文字の表示/非表示
ショートカット キーの設定: [ファイル] > [オプション] > [ショートカット キー] > [エディタ] > [空白文字の表示]
リボン: [ホーム] > [書式]
設定画面: [ファイル] > [オプション] > [エディタ] > [空白文字の表示]
「空白文字の表示」という設定で、スペースはもちろん、改行、タブなどの記号も表示されます。ただ、スペースを示すポチっとした黒い点は、英語のピリオドや日本語の中黒との見間違えが起こりやすいです。また、改行が表示されている状態とされていない状態では、訳文を読んだときの印象が少し変わってくるような気がします。常に表示する、または常に非表示にするということではなく、切り替えながら作業するのがよいかと思います。
タグ表示モード
ショートカット キーの設定: [ファイル] > [オプション] > [ショートカット キー] > [エディタ] > [タグ表示モードの変更]
リボン: [表示] > [オプション]
設定画面: おそらく、なし
タグ表示モードも切り替えながら作業するのが便利です。タグの中身まで確認したいときはありますが、普段は邪魔なのであまり目立たない表示にしています。[タグ ID] という表示にすると、タグが番号で表示されます。UI や製品名など、同じタグで中身が違う場合は、タグ ID の表示が便利です。
最後に、難題を少しだけ取り上げます。ここまで「訳文を表示する」とさらっと書いてきましたが、実は訳文を表示するのはなかなか大変です。Trados には訳文のプレビュー機能がいくつかありますが、どれも一長一短あり、あまり便利ではありません。詳しくは、以前の記事、「訳文の表示」を使ってみる、「訳文のみで保存」を使ってみる、意外と使える「印刷プレビュー」を参考にしてください。
Office 文書なら「訳文の表示」
Word、PowerPoint、Excel などの Office 文書なら、「訳文の表示」機能を使うことで、Trados とは別に Word、PowerPoint、Excel など元々のアプリケーションで訳文を表示できます。ショートカット キーの Ctrl+Shift+P で簡単に表示できます。
HTML ファイルなら「訳文のみで保存」
HTML ファイルなら、訳文をファイルとして保存し、ブラウザーで表示するのが便利です。スタイルシートや画像が含まれている場合はひと手間かかりますが、それでもブラウザーでの表示はとても手軽です。訳文をファイルとして保存するには、[ファイル] > [別名 (訳文のみ) で保存] と選択するか、ショートカット キーの Shift+F12 を使います。
XML ファイルなら「プレビュー」
XML ファイルなら、Trados 内のプレビュー ペインでの表示が簡単です。リアルタイム プレビューにすれば、現在編集中の分節をハイライトすることもできます。プレビュー ペインは、XML ファイル以外にももちろん使用できますが、私の経験上、XML ファイル以外ではあまりうまく機能しません。私のパソコン環境の問題かもしれませんが、Trados のエディターの動きが遅くなったり、カーソルが消えたりします。XML ファイルのときだけは、こうした不可解な動作もなく、正常に機能します。
最終手段は「印刷プレビュー」
場合によっては、上記のいずれもうまく機能しないことがあります。そんなときは、最終手段として「印刷プレビュー」を使います。エディター上に表示されている原文と訳文をブラウザーで表示することができます。マッチ率による色分けや、タグの表示もできます。ショートカット キーは Ctrl+P です。
今回は以上です。私は、現在のデュアル ディスプレイ環境をとても気に入っていますが、3 画面、4 画面も少し憧れます。でも、自分の今の部屋では難しいし、しばらくは現状のままになりそうです。
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2 つのディスプレイは 1 つの机の上に置いています。キーボードをメイン画面寄りに置き、顔を正面に向けたときはほぼメイン画面、少し右を向くとサブ画面という形になるようにしています。
私は、最初に翻訳をするときと、いったん訳し終わってからチェックをするときで各画面に表示する内容を変えます。ひと手間かかりますが、それぞれの作業に合わせて画面表示を調整した方が便利です。また、翻訳する文書の種類によっても表示を調整します。Word ファイルなら通常は縦長ですが、PowerPoint は横長ですし、HTML ファイルや XML ファイルは簡単には表示ができないこともあります。Trados にはもちろんプレビュー機能がありますが、なかなかうまく動作してくれないので多少の工夫も必要です。
翻訳をするとき
メイン画面に Trados
最初に翻訳をするときは、メイン画面に Trados、サブ画面に原文と訳文を表示します。サブ画面には、辞書やブラウザーなどの参考資料も表示します。2 画面の環境では参考資料などが表示しきれず、どうしてもウィンドウの切り替えが多くなるので、ディスプレイの数を増やせるなら増やした方がいいかもしれません。

Trados 内のレイアウト
Trados 内の各ペインなどのレイアウトはかなり自由に変更できます。ペインのタイトル部分をドラッグすると、配置可能な場所を示すガイドが表示されるので、それに合わせて移動します。
各ペインは Trados 本体のウィンドウから外に出して別ウィンドウとして表示することもできます。大きく表示したいプレビュー ペインなどは、本体のウィンドウから切り離して別ウィンドウとして表示した方が見やすくなります。ただ、ウィンドウを切り離しても 1 つのアプリケーションであることに変わりはないので、1 つのウィンドウをクリックすると、Trados のすべてのウィンドウがアクティブになり前面に表示されます。
不要なペインは非表示にできます。ペインの右上端の × アイコンをクリックすれば、そのペインは非表示になります。非表示にしてしまっても、リボンの [表示] タブから選択すれば再度表示できます。また、同じ [表示] タブにある [ウィンドウのレイアウトを元に戻す] をクリックすれば、全体の表示が初期設定に戻ります。変な風に変更しても元に戻せるので、安心していろいろお試しください。
私は、下図のように、自分が使わないペインやアイコンは消し、訳文を入力する部分がなるべく広くなるようにしています。また、用語認識とフラグメント一致は常に表示される場所に移動し、縦長に表示します。用語ベースを使わないプロジェクトのときは、用語認識ペインは非表示にします。

用語認識とフラグメント一致のペインを切り離してサブ画面に表示していたこともありましたが、今は元に戻しました。この 2 つのペインを外に出した方が訳文を入力する部分は広くなりますが、用語を見落とすリスクがどうしても高くなる気がします。
チェックをするとき
メイン画面に原文と訳文
さて、一応最後まで翻訳をしてチェックをしようというときは、メイン画面に原文と訳文を表示し、Trados はサブ画面に移動します。メイン画面に Trados を置いておくと、チェックをしているはずなのに気づくと Trados のウィンドウばかり見ていたという状態になりがちなので、最も目に入りやすいメイン画面に原文と訳文を置きます。
また、訳文だけでなく、必ず原文も目に入りやすいところに置きます。チェックをしているときは、当然ながら訳文に注意が向くので、原文がすぐ目の届くところにないと、これも、気づくと訳文しか読んでいなかったという状態になりがちです。PowerPoint などの横長ページで原文と訳文を 1 画面内に表示するのが難しい場合は、原文をメイン画面に、訳文をサブ画面に表示します。訳文は嫌でも見るので、やや見にくい方に置いておいても大丈夫です。

Trados 内のレイアウト
Trados 内のレイアウトも翻訳時とは少し違うものにします。フラグメント一致は、翻訳時には便利ですが、一度訳文を確定してメモリに登録した後は検索が行われなくなります。この状態でペインを表示していてもスペースの無駄なので、非表示にしてしまいます。
訳文の文字サイズも変更します。これは、改行位置を変えるためです。改行があると、スペースの有無がわかりにくいですし、無意識のうちにそこを区切りと感じてしまうので、読点を入れるかどうかの判断に影響することがあります。私は、チェック時は文字サイズを小さくして、1 行になるべく多くの文字が表示されるようにします。
以前にお話を聞いたことのある翻訳者さんは、チェック時には文字を大きくするとおっしゃっていました。自分の好みや文書の種類によってどちらでもいいと思いますが、とにかく「改行位置が変わる」ようにします。文字サイズを変えにくいときは、ペインの幅を変えるだけでも改行位置が変わります (もちろん、フラグメント一致を非表示にした時点で、エディター部分の幅は変わっています)。

便利なショートカット キー
Trados のエディター内での表示調整として、私は、空白文字の表示/非表示と、タグ表示モードの切り替えをショートカット キーに設定して使用しています。翻訳でも、チェックでも、必要に応じて随時切り替えながら作業します。
空白文字の表示/非表示
ショートカット キーの設定: [ファイル] > [オプション] > [ショートカット キー] > [エディタ] > [空白文字の表示]
リボン: [ホーム] > [書式]
設定画面: [ファイル] > [オプション] > [エディタ] > [空白文字の表示]
「空白文字の表示」という設定で、スペースはもちろん、改行、タブなどの記号も表示されます。ただ、スペースを示すポチっとした黒い点は、英語のピリオドや日本語の中黒との見間違えが起こりやすいです。また、改行が表示されている状態とされていない状態では、訳文を読んだときの印象が少し変わってくるような気がします。常に表示する、または常に非表示にするということではなく、切り替えながら作業するのがよいかと思います。
タグ表示モード
ショートカット キーの設定: [ファイル] > [オプション] > [ショートカット キー] > [エディタ] > [タグ表示モードの変更]
リボン: [表示] > [オプション]
設定画面: おそらく、なし
タグ表示モードも切り替えながら作業するのが便利です。タグの中身まで確認したいときはありますが、普段は邪魔なのであまり目立たない表示にしています。[タグ ID] という表示にすると、タグが番号で表示されます。UI や製品名など、同じタグで中身が違う場合は、タグ ID の表示が便利です。
訳文のプレビュー
最後に、難題を少しだけ取り上げます。ここまで「訳文を表示する」とさらっと書いてきましたが、実は訳文を表示するのはなかなか大変です。Trados には訳文のプレビュー機能がいくつかありますが、どれも一長一短あり、あまり便利ではありません。詳しくは、以前の記事、「訳文の表示」を使ってみる、「訳文のみで保存」を使ってみる、意外と使える「印刷プレビュー」を参考にしてください。
Office 文書なら「訳文の表示」
Word、PowerPoint、Excel などの Office 文書なら、「訳文の表示」機能を使うことで、Trados とは別に Word、PowerPoint、Excel など元々のアプリケーションで訳文を表示できます。ショートカット キーの Ctrl+Shift+P で簡単に表示できます。
HTML ファイルなら「訳文のみで保存」
HTML ファイルなら、訳文をファイルとして保存し、ブラウザーで表示するのが便利です。スタイルシートや画像が含まれている場合はひと手間かかりますが、それでもブラウザーでの表示はとても手軽です。訳文をファイルとして保存するには、[ファイル] > [別名 (訳文のみ) で保存] と選択するか、ショートカット キーの Shift+F12 を使います。
XML ファイルなら「プレビュー」
XML ファイルなら、Trados 内のプレビュー ペインでの表示が簡単です。リアルタイム プレビューにすれば、現在編集中の分節をハイライトすることもできます。プレビュー ペインは、XML ファイル以外にももちろん使用できますが、私の経験上、XML ファイル以外ではあまりうまく機能しません。私のパソコン環境の問題かもしれませんが、Trados のエディターの動きが遅くなったり、カーソルが消えたりします。XML ファイルのときだけは、こうした不可解な動作もなく、正常に機能します。
最終手段は「印刷プレビュー」
場合によっては、上記のいずれもうまく機能しないことがあります。そんなときは、最終手段として「印刷プレビュー」を使います。エディター上に表示されている原文と訳文をブラウザーで表示することができます。マッチ率による色分けや、タグの表示もできます。ショートカット キーは Ctrl+P です。
今回は以上です。私は、現在のデュアル ディスプレイ環境をとても気に入っていますが、3 画面、4 画面も少し憧れます。でも、自分の今の部屋では難しいし、しばらくは現状のままになりそうです。
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2022年05月05日
ファイル ビューをカスタマイズする
先日、Trados から変なエラーが表示されるようになってしまったので、Trados のインストール環境をクリーンな状態に戻してくれるアプリ Trados Freshstart を使いました。これでエラーは解決しましたが、いろいろな設定が初期化され、再設定にだいぶ手間を取られました。忘れている設定も多かったので、今回は自分の備忘録も兼ねてファイル ビューの設定をまとめておきたいと思います。
まずは、左側のメニューで [サブフォルダを含める] チェックボックスをオンにします。これをオンにしないと、フォルダごとにしかファイルを表示できないので不便です。プロジェクトはいくつかのフォルダで階層構造になっていることもあるので、全ファイルを一気に一覧したいときはこのチェックボックスをオンにします。
たとえば、下図のプロジェクトには「Chapter1」と「Chapter2」というサブフォルダがあります。[サブフォルダを含める] チェックボックスがオフのままの場合、これらのサブフォルダ内のファイルはそのフォルダを選択しない限り一覧に表示されてきません。
■ [サブフォルダを含める] をオフにしたまま

■ [サブフォルダを含める] をオンにする

ただし、[サブフォルダを含める] をオンにしてファイルを表示すると、全ファイルが同じレベルで一覧されるのでフォルダの階層構造がわかりにくくなります。これについての対処方法は、後で説明します。
ファイルの一覧に表示される項目などはリボンの [レイアウト] タブから変更できます。状況に応じて既定のレイアウトが自動で選択されますが、自分の目的に合わせて変更することも可能です。私が普段よく使うのは「ファイルの詳細のレイアウト」です。

いろいろなレイアウトが既定で用意されていますが、実は、どれもこれもあまり使い勝手がよくありません。でも、大丈夫です。この既定のレイアウトはカスタマイズできます。また、自分でまったく新しいレイアウトを作成することもできます。
カスタマイズする場合は、項目名 (見出し行) のどこかを右クリックしてメニューを表示します。そのメニューから、表示したい項目を選択するか、[カスタマイズ] を選択して細かい設定を行います。また、項目名を直にドラッグ アンド ドロップして表示列を移動することもできます。
新しいレイアウトを作成する場合は、上図に示したレイアウト選択用のドロップダウンで、一番下にある <新しいレイアウト> を選択します。下図のような設定画面が表示されるので、[ビュー名] に新しいレイアウトの名前を入力し、後は、表示したい項目を選択していきます。

以下に、私がよく使用する項目を紹介します。
[全般] > [パス]
まず、ファイル一覧の先頭 (左端) にパスを表示します。[サブフォルダを含める] オプションを有効にしていると全ファイルが同じレベルで一覧されてしまいますが、先頭にパスを表示して、パスの値で並び替えをしておけば、フォルダの階層構造がわかりやすくなります。 さらに、[グループ化条件] に「パス」を選択すると、ファイルがフォルダごとにグループ化されます。フォルダが重要な意味を持つプロジェクトでは、グループ化の表示にしておくと視覚的にわかりやすくなり便利です。
■ 左端にパスを表示し、パスの値で並び替えをしておく

■ さらに、パスでグループ化することもできる

[全般] > [ファイルの種類の識別子] と [使用目的]
自分でプロジェクトを作成するのではなく、翻訳会社からパッケージとしてファイルを受け取る場合でも、原文の「ファイルの種類」を知っておくことは大切です。QuickInsert の設定や、生成した訳文ファイルにコメントを含めるかの設定など、「ファイルの種類」にはよく使う設定がいくつか含まれています。また、Trados はファイルの種類によってかなり動作が異なるので、何かを他の人に相談したいときなどは、まずファイルの種類を伝えると話がスムーズに進む可能性が高くなります。
ファイルの種類はアイコンで大体わかりますが、わかりにくいケースもあります。たとえば、Office 文書はバージョンによってファイルの種類が異なりますし、Excel には、訳文を併記するスタイル用に専用の種類が用意されています。正確な「ファイルの種類」を特定するには、ファイルの種類の識別子を確認する必要があります。この識別子をたよりに、[プロジェクトの設定] > [ファイルの種類] で該当するファイルの種類を見つけます。
ファイルの種類とあわせて「使用目的」も念のため表示しておきます。ごくまれにですが、パッケージには使用目的が「翻訳対象」ではなく「リファレンス」となっているファイルが含まれていることがあります。これは、参考資料として使ってください、という意味なので、そのファイルの翻訳は不要です。
[確認] > [進行状況]
これは、ステータスが確定済みになっている分節の文字数 (単語数) の割合です。どれくらい作業が進んでいるかの目安になります。
[確認] という分類の中には他にもいくつか項目がありますが、この分類の項目の値はエディターで作業を進めるにつれてどんどんと更新されていきます。一方、[解析] という分類の中にある「100%」などの項目は、一括タスクの「ファイルの解析」を実行しないと更新されません。エディターで作業を進めても、100% の値は増えないので注意してください。

最後に、ファイル一覧の下に表示されるタブについても少しだけ説明しておきます。ここには、リボンの [情報] タブで選択した情報が表示されます。表示した各ペインのレイアウトは、Trados の他の画面と同様、ドラッグ アンド ドロップで自由に変更できます。

[ファイルの詳細] タブ
一覧上で選択したファイルの詳細情報が表示されます。ここで注目するのは「最終変更日」です。各ファイルの最終変更日はここにしか表示されません。上部の一覧の項目としては表示できないので、最終変更日順に並べ替える、といった操作はできません。
最終変更日で並べ替えることができないのは、大量のファイルがあるときなどはとても不便です。一応、Ideas にリクエストは出ているので、もしよければ投票をお願いします。
[ステータス情報] タブと [解析結果] タブ
[ステータス情報] タブは一覧に表示する項目の分類でいえば [確認] に、[解析結果] タブは [解析] に相当します。ですので、[ステータス情報] はエディターで作業を進めるにつれて更新されますが、[解析結果] は解析を行わない限り更新されません。メモリとの一致も含めて作業の進捗を知りたいときは、一括タスクで解析を実行してから [解析結果] タブを確認します。
今回は以上です。ファイル ビューは頻繁に使う画面なので、面倒がらずに自分の使い方に合わせてカスタマイズすることをお勧めします。
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サブフォルダを含める
まずは、左側のメニューで [サブフォルダを含める] チェックボックスをオンにします。これをオンにしないと、フォルダごとにしかファイルを表示できないので不便です。プロジェクトはいくつかのフォルダで階層構造になっていることもあるので、全ファイルを一気に一覧したいときはこのチェックボックスをオンにします。
たとえば、下図のプロジェクトには「Chapter1」と「Chapter2」というサブフォルダがあります。[サブフォルダを含める] チェックボックスがオフのままの場合、これらのサブフォルダ内のファイルはそのフォルダを選択しない限り一覧に表示されてきません。
■ [サブフォルダを含める] をオフにしたまま

■ [サブフォルダを含める] をオンにする

ただし、[サブフォルダを含める] をオンにしてファイルを表示すると、全ファイルが同じレベルで一覧されるのでフォルダの階層構造がわかりにくくなります。これについての対処方法は、後で説明します。
ファイル一覧のレイアウトを選択する
ファイルの一覧に表示される項目などはリボンの [レイアウト] タブから変更できます。状況に応じて既定のレイアウトが自動で選択されますが、自分の目的に合わせて変更することも可能です。私が普段よく使うのは「ファイルの詳細のレイアウト」です。

レイアウトを自分用に変更する
いろいろなレイアウトが既定で用意されていますが、実は、どれもこれもあまり使い勝手がよくありません。でも、大丈夫です。この既定のレイアウトはカスタマイズできます。また、自分でまったく新しいレイアウトを作成することもできます。
カスタマイズする場合は、項目名 (見出し行) のどこかを右クリックしてメニューを表示します。そのメニューから、表示したい項目を選択するか、[カスタマイズ] を選択して細かい設定を行います。また、項目名を直にドラッグ アンド ドロップして表示列を移動することもできます。
新しいレイアウトを作成する場合は、上図に示したレイアウト選択用のドロップダウンで、一番下にある <新しいレイアウト> を選択します。下図のような設定画面が表示されるので、[ビュー名] に新しいレイアウトの名前を入力し、後は、表示したい項目を選択していきます。

以下に、私がよく使用する項目を紹介します。
[全般] > [パス]
まず、ファイル一覧の先頭 (左端) にパスを表示します。[サブフォルダを含める] オプションを有効にしていると全ファイルが同じレベルで一覧されてしまいますが、先頭にパスを表示して、パスの値で並び替えをしておけば、フォルダの階層構造がわかりやすくなります。 さらに、[グループ化条件] に「パス」を選択すると、ファイルがフォルダごとにグループ化されます。フォルダが重要な意味を持つプロジェクトでは、グループ化の表示にしておくと視覚的にわかりやすくなり便利です。
■ 左端にパスを表示し、パスの値で並び替えをしておく

■ さらに、パスでグループ化することもできる

[全般] > [ファイルの種類の識別子] と [使用目的]
自分でプロジェクトを作成するのではなく、翻訳会社からパッケージとしてファイルを受け取る場合でも、原文の「ファイルの種類」を知っておくことは大切です。QuickInsert の設定や、生成した訳文ファイルにコメントを含めるかの設定など、「ファイルの種類」にはよく使う設定がいくつか含まれています。また、Trados はファイルの種類によってかなり動作が異なるので、何かを他の人に相談したいときなどは、まずファイルの種類を伝えると話がスムーズに進む可能性が高くなります。
ファイルの種類はアイコンで大体わかりますが、わかりにくいケースもあります。たとえば、Office 文書はバージョンによってファイルの種類が異なりますし、Excel には、訳文を併記するスタイル用に専用の種類が用意されています。正確な「ファイルの種類」を特定するには、ファイルの種類の識別子を確認する必要があります。この識別子をたよりに、[プロジェクトの設定] > [ファイルの種類] で該当するファイルの種類を見つけます。
ファイルの種類とあわせて「使用目的」も念のため表示しておきます。ごくまれにですが、パッケージには使用目的が「翻訳対象」ではなく「リファレンス」となっているファイルが含まれていることがあります。これは、参考資料として使ってください、という意味なので、そのファイルの翻訳は不要です。
[確認] > [進行状況]
これは、ステータスが確定済みになっている分節の文字数 (単語数) の割合です。どれくらい作業が進んでいるかの目安になります。
[確認] という分類の中には他にもいくつか項目がありますが、この分類の項目の値はエディターで作業を進めるにつれてどんどんと更新されていきます。一方、[解析] という分類の中にある「100%」などの項目は、一括タスクの「ファイルの解析」を実行しないと更新されません。エディターで作業を進めても、100% の値は増えないので注意してください。

ウィンドウ下部のタブ
最後に、ファイル一覧の下に表示されるタブについても少しだけ説明しておきます。ここには、リボンの [情報] タブで選択した情報が表示されます。表示した各ペインのレイアウトは、Trados の他の画面と同様、ドラッグ アンド ドロップで自由に変更できます。

[ファイルの詳細] タブ
一覧上で選択したファイルの詳細情報が表示されます。ここで注目するのは「最終変更日」です。各ファイルの最終変更日はここにしか表示されません。上部の一覧の項目としては表示できないので、最終変更日順に並べ替える、といった操作はできません。
最終変更日で並べ替えることができないのは、大量のファイルがあるときなどはとても不便です。一応、Ideas にリクエストは出ているので、もしよければ投票をお願いします。
[ステータス情報] タブと [解析結果] タブ
[ステータス情報] タブは一覧に表示する項目の分類でいえば [確認] に、[解析結果] タブは [解析] に相当します。ですので、[ステータス情報] はエディターで作業を進めるにつれて更新されますが、[解析結果] は解析を行わない限り更新されません。メモリとの一致も含めて作業の進捗を知りたいときは、一括タスクで解析を実行してから [解析結果] タブを確認します。
今回は以上です。ファイル ビューは頻繁に使う画面なので、面倒がらずに自分の使い方に合わせてカスタマイズすることをお勧めします。
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2022年03月28日
どうしても訳文生成できないとき
ここ最近、100MB 近くある Word ファイルが複数含まれるプロジェクトを作業していてだいぶ困ったことになっていました。突然、訳文生成ができなくなり、プレビューもできなくなりました。作業当初からメモリ不足のエラーが頻発し不安定ではあったのですが、訳文生成やプレビューができないのは致命的です。
訳文生成できないといっても、訳文生成のプロセス自体はエラーもなく完了します。ただ、生成されたファイルを Word で開くと、ファイルが壊れているというエラーが表示され、修復するオプションを選んでも空白のファイルが表示されるだけでした。
タグのエラーはないし、コメントも入れていないし、表示フィルターのハイライトも使っていません。いろいろ考えているうちに、前にも巨大な PowerPoint ファイルで訳文生成できないことがあったのを思い出し、そこで試してみた方法が、
プロジェクトを新しく作成して、新しいファイルで作業し直す
です。これで、いったんは訳文生成できるようになりました。作業し直すといっても、すべて入力し直すわけではありません。既訳をメモリに保存し、新しいファイルにそのメモリを当て直します。多少の手間はかかりますが、訳文生成できないのであれば仕方ありません。
しかし、これでも「いったん」解決しただけで、しばらく作業を続けているとまた訳文生成ができなくなりました。その後、さらにプロジェクトを作り直してみたり、正常に訳文生成できていたときのバイリンガル ファイルをバックアップから戻してみたり、原文のバイリンガル ファイルも一緒に戻してみたり、といろいろ試しているうちに、1 つの法則に気づきました。
訳文生成が 1 回失敗すると、もう二度と正常な生成はできない
です。新しいプロジェクトを作成した後、1 回でも訳文生成が失敗すると、その後はバックアップからファイルを戻しても、メモリを当て直しても、何をしても、もう二度と訳文生成はできません。プレビューもできなくなります。しかし、これは裏を返せば、
「訳文生成」さえしなければ、プレビューはできる
ということでした。プロジェクトを作成した後、一括タスクの「訳文生成」は使わず、「訳文の表示」([ファイル] > [印刷 & 表示] > [表示方法]、Ctrl+Shift+P)のみを使うようにします。「訳文の表示」では Word で訳文ファイルが表示されるので、そこで [名前を付けて保存] をすれば訳文生成と結果的には同じになります。
「訳文の表示」機能は、Trados 画面内のプレビュー画面から表示するプレビューとは別の機能です。詳しくは、こちらの記事「訳文の表示を使ってみる」も参考にしてください。「訳文の表示」と「訳文生成」は別機能なので、細かいところまで見ると作成されるファイルには違いがあるかもしれません。が、今回は次善策として使いました。
今回は以上です。なぜ訳文生成できないのか根本的な原因はわからないままですが、自分の納品ファイルが作成できたところであきらめました。訳文生成できない問題は本当に困ります。ただ、ここに書いた「訳文生成が 1 回失敗すると、その後は二度と成功しない」という現象は、今回のプロジェクトに限った現象です。私の経験からすると、巨大な Office 文書に特有の現象かと思いますが、実際のところはよくわかりません。普通は、訳文生成が失敗しても、エラーを解消して再挑戦すれば、正常に処理できるはずです。(たぶんね。)
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訳文生成できないといっても、訳文生成のプロセス自体はエラーもなく完了します。ただ、生成されたファイルを Word で開くと、ファイルが壊れているというエラーが表示され、修復するオプションを選んでも空白のファイルが表示されるだけでした。
タグのエラーはないし、コメントも入れていないし、表示フィルターのハイライトも使っていません。いろいろ考えているうちに、前にも巨大な PowerPoint ファイルで訳文生成できないことがあったのを思い出し、そこで試してみた方法が、
プロジェクトを新しく作成して、新しいファイルで作業し直す
です。これで、いったんは訳文生成できるようになりました。作業し直すといっても、すべて入力し直すわけではありません。既訳をメモリに保存し、新しいファイルにそのメモリを当て直します。多少の手間はかかりますが、訳文生成できないのであれば仕方ありません。
しかし、これでも「いったん」解決しただけで、しばらく作業を続けているとまた訳文生成ができなくなりました。その後、さらにプロジェクトを作り直してみたり、正常に訳文生成できていたときのバイリンガル ファイルをバックアップから戻してみたり、原文のバイリンガル ファイルも一緒に戻してみたり、といろいろ試しているうちに、1 つの法則に気づきました。
訳文生成が 1 回失敗すると、もう二度と正常な生成はできない
です。新しいプロジェクトを作成した後、1 回でも訳文生成が失敗すると、その後はバックアップからファイルを戻しても、メモリを当て直しても、何をしても、もう二度と訳文生成はできません。プレビューもできなくなります。しかし、これは裏を返せば、
「訳文生成」さえしなければ、プレビューはできる
ということでした。プロジェクトを作成した後、一括タスクの「訳文生成」は使わず、「訳文の表示」([ファイル] > [印刷 & 表示] > [表示方法]、Ctrl+Shift+P)のみを使うようにします。「訳文の表示」では Word で訳文ファイルが表示されるので、そこで [名前を付けて保存] をすれば訳文生成と結果的には同じになります。
「訳文の表示」機能は、Trados 画面内のプレビュー画面から表示するプレビューとは別の機能です。詳しくは、こちらの記事「訳文の表示を使ってみる」も参考にしてください。「訳文の表示」と「訳文生成」は別機能なので、細かいところまで見ると作成されるファイルには違いがあるかもしれません。が、今回は次善策として使いました。
今回は以上です。なぜ訳文生成できないのか根本的な原因はわからないままですが、自分の納品ファイルが作成できたところであきらめました。訳文生成できない問題は本当に困ります。ただ、ここに書いた「訳文生成が 1 回失敗すると、その後は二度と成功しない」という現象は、今回のプロジェクトに限った現象です。私の経験からすると、巨大な Office 文書に特有の現象かと思いますが、実際のところはよくわかりません。普通は、訳文生成が失敗しても、エラーを解消して再挑戦すれば、正常に処理できるはずです。(たぶんね。)
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