今回は、今の自分が2m×4mのシンプルなウッドデッキをハードウッドのウリンを材料として製作する場合をシミュレーションしてみた。
▼3m×4mの場合▼
▼セランガンバツー2×4mの場合▼
前回は細かな手順なども書いたので記事を小分けにしていたのだけれど、今回はウッドデッキDIYに必要な設計、作業手順、材料、材料費などを網羅的になるべくボリュームを抑えて見易くまとめてみたい。
1 材料
今回のウッドデッキの材料として想定するのは全てハードウッドの中でもイペと並び高耐久と言われるウリン。
このブログでも紹介したように、色々なハードウッドがあり、コスト面から考えるとセランガンバツーもいいと思っているけれど、街中で見ていると、やっぱりウリンは美しいなぁ、と最近強く思っているので、というのがウリンを選ぶ理由。
ただし、さすがにウリンは高額になるので、実際は見えない部分の材料を安いハードウッドにするなど工夫するのがオススメ。
基礎などに安いハードウッドを使うのは、肝心な部分に高耐久のものを使わない本末転倒な印象があるかもしれないけれど、土に直接埋めるとか、特に水気の多い土地などでない限り、日光に晒される表面部分などに比べれば劣化速度は遅いと思われるので、問題ないと思っている。
買うのはネット通販が断然便利。
そもそも、全部ウリンで作ると、家が朽ち果てても、ウッドデッキだけ残るようなことになる気がするし。
(今回想定するウリンの規格と数量。価格はリーベのHPより。一時は価格が横並びになっていたけれど、2018年1月現在、HPで比較したところ、リーベが最安と思われる。送料も明瞭、キャンペーンも多く頭一つ抜けた印象。)
◆束柱:70mm角 400mm(※)×20本=8m
※束柱の長さは床面の地上高さに左右されるため想定
8,043円(税込)/4m×2=16,086円
◆床板:厚30mm×幅105mm×長2m 37本
2,585円/本×37=95,645円
◆根太:厚20mm×幅105mm×長2m 8本
1,723円/本×8本=13,784円
◆大引:厚20mm×幅105mm×長2m 5本
1,723円/本×5本=8,615円
◆ウリン代合計 134,130円(税込)
◆送料 312kg×50円=15,605円
◆合計 149,735円
これに加えてウリンなどのハードウッドを使ったウッドデッキDIYに欠かすことのできない材料が堅木用ステンレスビス錐込隊長。
これは本当に騙されたと思って使ってみたほうがいいと思う。作業効率が違いすぎる。
・約3500円(300本入)×2=約7000円
※お店によって違う。リーベが最安水準と思われ、3200円程度。
2 作業手順と設計内容
※写真は床板の向きがこの記事の設計図と異なり横方向になる。
(1)最初に作る一辺の束柱3本を置く。
ウッドデッキの基礎となる束柱は通常、束石、コンクリートブロックなどに置いて設置する。
ウッドデッキを作り始めの段階では束石に束柱をしっかり固定しないとフラフラグラグラして、作業が進めにくいけれど、後にこの束柱上には重たいハードウッドのウッドデッキが乗って、しっかりと据え置かれるので、本来的にはガッチリ固定する必要はない(作業上止まっていて欲しいだけ)。
ただ、最初に置くこの束柱3本は横に並んだ3本だけで根太を付けた状態で自立する必要があるので、羽子板付束石(実勢価格の記事)などを使ってある程度ガッチリ固定しておくことが必要になる。
(2)最初に作る一辺に根太を取り付ける。
基本的には最終的に床板の上面が来る高さから、ウッドデッキ最上部の床板の厚み(30mm)と束石の高さを差し引いた長さが束柱の長さ(高さ)となるのだけれど、根太を設置する際に水平を微調整するには根太の上端が束柱の上端から2センチ程度は飛び出した状態の方がやりやすい。(調整シロになってくれる)
根太はいきなり束柱にビス止めするのではなく、まずは一本の根太を2つのクランプを使って2本の束柱に仮止めして、根太が水平になるように何度かクランプを緩めて根太をズラしながら調整し、根太がほぼ水平になったら束柱にビス止めする。
その後、もう一本を最初の一本に合せて仮止めして、また水平を調整してビス止め、という要領で進めると簡単。
※写真は床板の向きの関係で一番最初に大引きを固定している様子。
「ほぼ水平」なんていい加減に感じるかも知れないけど、小さな水平器を使って、反りやたわみのある木材を組み立てるので、パソコンの中の画像調整のように100%の水平なんてあり得ないし、ウッドデッキごとき、そんなに精密じゃなくても、できるだけ水平になるようにすれば十分立派なに出来上がる。
とはいえ、最初の根太はウッドデッキ全体の水平の基準となる肝心な部分なので他より慎重にやる必要はある。
(3)残りの3辺を作る。
まずはウッドデッキの対辺の角の一か所の束柱を設置。
次にその束柱と、最初に設置した束柱の一本とを大引きで繋げる。
分りにくいけれど、大引きは、根太をその下で支える構造材。
最初の一辺で取り付けた根太の下端に大引きの上端を合わせて、水平に取り付ける。
次は最後の角の束柱を設置。
先ほどと同じ要領で最初の一辺の束柱と大引きで繋ぐ。
そして、今度はここで設置した2本の束柱の中間地点に束柱を設置して、束柱の間を根太で繋ぐ。
(4)内部の根太、大引きを設置する。
次は中央にある束柱を大引きで接続する。
そして、大引き3本に各2本づつの束柱を取り付けていく。多くのウッドデッキの作り方マニュアルではこのあたりの束柱も最初にずらぁーっと並べているけれど、その必要はなくて、このどこに束柱を置いたらいいのか分かった段階で置いていけばいい。この方が作業が圧倒的に簡単。
また束柱の間を根太で接続する。
※建物側の根太はここで付けたものではなく、赤矢印を付けたのが間違い。
そうしたら、また根太の中間地点に束柱を設置する。
そして、各束柱に大引きを設置する。
これでウッドデッキの基礎部分は完成
(5)床板を貼る
最後はウッドデッキDIY最大のお楽しみである床板貼り。
床板はウリンの105mm幅、3mm間隔で貼るとして、この図面は108mmで床板を画いている。
(床板の間隔は好みもあるけれど、3〜5mm程度が良さそう)
床板を貼るときは反り、曲りを矯正しながら、スペーサーを入れて間隔を取りながら貼る。
スペーサーはL字アングルやビスでいいけれど、窮屈なところに入れたスペーサーをビス止めした後に抜き取るのもなかなか力がいるので、ビスにしておくと、ビス止めしているインパクトドライバーを使って素早く抜けるのでオススメ。
ここまで来ると、一刻も早く完成させたくなるけれど、床板の仕上がりはウッドデッキ全体の見栄えを大きく左右するのでグッとこらえて美しく仕上げる。
ウリンの曲がり、反りを強制しながら貼るのはなかなかの力仕事になるけれど、知恵を使って押したり引いたりしながら、貼っていく。
これで完成。
ちなみに、このウッドデッキの図面で使った寸法は、これならいけるんじゃないかと思う寸法にしているけれど、仕上がってみてタワミとかがあれば、適宜根太を追加したり、することで補強可能なので、案ずるより生むが易し、まずはやってみてはどうかと。
▼コスパ抜群のライトアップで遊び心を追加するのもオススメ▼
【このカテゴリーの最新記事】
-
no image
-
no image
-
no image
こんにちは。やはりハードウッドでカットありとなると、丸ノコ、丸ノコ定規は必須ですね。やってみて、うまくいかないところを手直ししながらやっても見積額には遠く及ばないと思えば、気楽に頑張れますよね。応援してます。
なるほど参考になります。やはり丸鋸は用意した方がよさそうですね。先週末ちょっとした棚を作る際にいわゆる普通のノコギリで作ったのですが小口が斜めって小学生の夏休みの工作みたいになってしまいました。嫁からはこんな感じでウッドデッキなんか本当に作れるのか不安がられてしまいました(笑 でも以前ざっとした見積もりで50万オーバーは確実と言われましたので(しかもWRC)自分で頑張ってみるつもりです。また、ちょくちょく寄らせていただきますのでアドバイスよおしくお願いいたします。
初めまして。初めてコメントもらって嬉しいです。ご質問のサイズの件ですが、私の経験では1〜2センチ位長めのものが送られてくるので、短い心配は不要だと思います。むしろ、ぴったりの寸法で作ろうと思うと、端を少しカットする必要があります。
また、注文する量ですが、工期が決まっているとか、急ぎでなければ、必要量だけでよいのではないかと思います。
私はせっかちで、寸法間違えてカットしてしまい、追加購入することもゼロではないですが、ハードウッドは高額なので、足りなくなってからでも良いのではないかと個人的には思います。
ただ、余ったとしても、少し手すりが作りたいとか、床下収納を作りたいとか、勢いがつくこともあると思います。そういう時に余りを使えるので、予備として、一本ずつ位購入しておいてもよいかとは思います。どっちつかずですみませんが、時間、懐事情など勘案してお決めいただければよいと思います。
諦めなければ必ず出来上がります。頑張って下さい。成功を祈ります。
大変ためになる内容で勉強になります。初心者ですがここのブログを見ていると自分にも出来そうな気がしてウッドデッキ自作にチャレンジしてみようと考えております。何度も読み返してはシミュレーションだけしておりますが(笑また、今回のこの記事のサイズのデッキを考えておりましたので大変参考になります。そこで質問なのですが2000mmの長さでジャスト2000mmの木材の購入で大丈夫なのでしょうか?少し長めを購入してカットしてもらうか、サイズ自体を50mm程度短くしたりしないでいいのでしょうか?細かいことなのですが教えていただけると嬉しいです。あと、木材の購入はまとめてでなく小分けに発注しようと考えているのですが、設計図の1割増しくらいの注文にした方がいいのですかね?
突然の質問ですいませんでした。