安く簡単にDIYでマンションのベランダやバルコニーなどにベランダデッキを作りたいならこんな感じでもいいかも、という提案。
このブログは、あちこちで、まるでDIYでは無理、みたいに紹介されているハードウッドを使ったウッドデッキ作りを紹介したくて始めたもの。
なぜ、ハードウッド一辺倒になっているかというと、ハードウッドは、硬くて加工するのは少し手間がかかるけれど、その反面、耐久性があって、一度作れば多分何十年もそのまま使うことができるから、どうせ一度作るのならば、もう二度と作らないでいいように、しっかり作っておいたほうがいいのではないか、と考えているから。
ベランダ、テラス、バルコニーのウッドデッキだって、基本的にはハードウッドで作ったほうがいいと思っている。
でも、よくよく考えてみると以下のような条件の人にとっては、ハードウッドのベランダデッキは向いていない、というかオーバースペックかもしれない。
・賃貸マンションですぐに引っ越す可能性がある。
・分譲マンションだがいずれ売却して戸建に住もうと思っている。
・そこまで本格的でなくていいから、とりあえず、ウッドデッキ仕様にしてみたい。
・腐る腐るっていうけど、木はそんな簡単に腐らないだろう、材木屋の陰謀だ、と思っている。
・ハードウッドの加工は大変だと聞いているので、断固拒否
そうであれば、何も高耐久のハードウッドでなくても、数年間使用できれば御の字という感じのウッドデッキの作り方だって考えてみてもいいような気がする。
きっと、こういうある意味力の抜けた作り方はプロは教えてくれないだろうし。
そんなわけで、自分が2〜3年もてばいいから、格安でウッドデッキバルコニーを作りたい、という気持ちになって考えてみた。
ちなみに、デッキパネルを使ったベランダデッキづくりは自分がやったことがないので、ここでは採用していないけれど、もちろんそれも選択肢になると思う。
ただ、かえって大変じゃないかなぁ・・・とは思っている。
少なくとも、ハードウッドでないソフトウッドのデッキパネルだけは本当にやめといたほうがいいと思う。最初はいいけど、すぐにゴミになって後悔することになるはず。
〇 材料
◆木材
・種類:SPF材
・サイズ:基礎(根太)部分は2×4(ツーバイフォー)
床板は2×6(ツーバイシックス)
SPF材よりは耐久性があり、香りのいいウエスタンレッドシダー(ソフトウッド)も、規格はSPF材と同じ。
在庫が豊富なリーベなどのネット通販で気軽に買えるので、お勧めしたい。
※ツーバイフォーというと、ハウスメーカーか何かと思う人もいる(?自分だけ?)と思うが、これは木材の寸法の規格のこと。38mmX 89mm×長さ、の木材。ほかにツーバイシックス38mmX140mm×長さ、などがある。
※SPF材というのは、「(S)スプルース・えぞ松」、「(P)パイン・松」、「(F)ファー・もみ」の3種類の樹種を使用した木材で、頭文字をとったもの。耐久性は低いので、数年の仕様であっても塗装は必須。
◆ビス(ネジ)
・ステンレスビス(65mm〜80mm) 〔商品リンク〕
ハードウッドを使う場合には、錐込体長という硬木用ビスを断然推奨するし、ここでもそれを使用したほうが間違いなく作業できていいと思うけれど、「安く」ということを優先すると、「ステンレス」であればよしとする。
ステンレスですらないビスは、解体時に錆びてボロボロになって厄介なことになるので、やめたほうがいいと思う。
ビスの長さは教科書的には床板(止める板)の2倍とされているので、80mmになるところだが、自分が以前、ウエスタンレッドシダーでデッキを作ったとき、80mmのビスは折れたり、曲がったり扱いが結構大変だったし、65mmあれば、板から25mmは出るので、それでも何とかなるはず。
◆塗料
水性キシラデコール(マンションのベランダという環境を想定すると、油性は匂い的に厳しいはず。油性よりは耐久性に劣るとしても、そこは歴史あるキシラデコールを信じたい。)
※アクリルペイントのような被膜を作る塗装ではなく、浸透性の塗装にしないと、ボロボロと塗装が剥げてみっともないことになってしまう。キシラデコールは少し値段がいいけれど、ここだけは少しいいものを使いたいところ。
デッキ材がベランダの防水層を傷めないように間に挟むのに最適なのが基礎パッキン。カットも簡単、重ねて使えば高さ調整にも使えるのでまとめて購入して是非活用したいアイテム。
◆ゴムシート
ホームセンターで売っているゴムの四角いシート。厚さが3mmくらいのもの。
基礎パッキンだけでは水平を作り出せないので、微調整用に基礎パッキンと根太の間にはさむため。
〇工具
◆ノコギリ
SPF材なら最悪ノコギリだけでもなんとかなる。
今の自分には丸ノコなしでやるなんて考えられないのが正直なところだけれど、マンションのベランダという環境であれば、あの豪快ワンパクな丸ノコの音を出すのは非現実的な気もする。
ノコギリくらいなら大目に見てもらえるのではないだろうか。
それもなるべく回避するのであれば、サイズを決めてホームセンターに行って工作室でカットしてくる(またはしてもらってくる)というのもあり。うまくやれば大部分はこれで済ませて、どうしてもというところだけ現場でノコギリカットすればいい。
ただ、自分の含めプロではないので、ちょっとした採寸ミスで現場でもう一度カットするはめになったりしてしまうと、そのチョットをノコギリできるのは思いのほか大変だし、最悪なのは短くて使えなかったりする場合。
現実的なのは、色々な工夫を余儀なくされる基礎部分を作るときは現場でノコギリカット。
普通のノコ刃ではペラペラするので堅木用ノコギリを使うと作業がスムーズ。
床板は基礎が組みあがってから、ある程度単純作業になるので、寸法を測ってから、ホームセンターで床材を購入しつつ工作室でカットかな。
◆インパクトドライバー
これは誰がなんといっても必要。ドライバードリルでも代替かのうだけれど、やっぱりインパクトドライバーがパワフルで使い勝手がいい。もちろん、ベランダ程度であれば、そんなにあちこちいかないのだから、コードレスである必要はない。
と言いたいところだけれど、SPF材であれば、コードレスインパクトでもそれほどバッテリーの減りは激しくないので、使い勝手を考えてコードレスにするというのもありかもしれない。
なんせ安く、確実にということならば間違いなくリョービのコード付きインパクトドライバーを断然推奨。
◆水平器
これもマストアイテム。床板を水平にするため(の根太を水平にするため)に使用。
人間の目はよくできていて、機械並かそれ以上に水平を見極めることができると聞いたことがあるので、試してみる価値がないとは言わないけれど、まぁ、時間が無限にあるもの好き以外は用意すべき。
立派な大きなものは必要なし。ポケットに入れいて歩けるくらいがちょうどいいし、そんなに厳密な水平を求めるわけでもないから。
◆サシガネ
サシガネはデッキ材を切断するための墨線を引くのにも使うし、寸法を正確に測るための必需品。50cmくらいのものはほしいところ。
このほかに長い距離を測るためにメジャー(巻尺)が必要。
長い距離を測るのには普通はメジャーがあれば十分だけれど、寸法を測ってホームセンターでカットするような場合は、2度手間を防ぐために正確な計測が求められるので、レーザー距離計を使うのがおすすめ。
価格も数千円で、ミリ単位の正確な計測が瞬時にできてしまう。私はボッシュのものを使っているけれど、もう手放せない。
◆その他
手袋、ハケ(塗装) などなど
〇 作り方イメージ
設計(大まかなイメージ)⇒根太を並べる⇒根太を水平にする⇒床板を張る⇒完成!
〇 作業手順
@仕上がりの床板を張る向きを決める。
・まずは一番上の床板を横方向にするか、縦方向にするのかを決める(画像参照)
・横方向(長手方向)に床板を張ると、木の枚数が少なくて済むのでよさそうに思えるが、ベランダの端のほうで、微妙な隙間ができたときに、そこを埋めるのが結構面倒くさい。木材を縦方向に切る(細くする)のはノコギリだとかなり大変なのと、すごい細いと、根太にきちんと固定するのも難しくなるし、見栄えも悪いから。ただ、数センチの微妙な隙間なら、無視してもいいし、床板を張る間隔を少し広げて吸収できるかもしれない。
・作業のしやすさを考えると縦方向に張るのがおすすめ。
A根太の配置計画と採寸
床板と90度に交差する方向に根太(床板の下で床板を支える基礎材のこと)を置くので、必要な根太の長さを測る。
根太の間隔はコチラ(リンク)で計算すると、SPFのツーバイシックス(2×6)では1000mmくらいで大丈夫そう。実際は、両端には必ず置くので、その中間距離を切りのいい間隔で分割する。
画像の縦張りの例でみると、家側一列、外側一列、中間一列の3列。3.64mを2分割して、一本の長さは1.82m。ツーバイフォー1.82mを6枚ということになる。
B基礎の材料を仕入れる
ここで基礎に使用する材料の基礎パッキン、ゴムシート、根太用SPF材をお買い上げ。
※マンションのベランダなどで、一度に大量の材料を持ち込めない場合を想定して、小分けに仕入れ。
C床面の高さを確認
・一番窓側のベランダの床面が高くなっている部分にSPF材を置いてみて、その上に床板に模したSPF材を試し置き。この時、床面の上端が窓枠の下にすりつくようにするのが一般的。
床板上端がその高さにくるためには、根太をベランダ床面からどのくらい浮かせる必要があるかを確認し、基礎パッキンを根太の下にはさんでみる。
・根太のツーバイフォーは画像のシュミレーション上では、縦長(狭い面を下にして)に置いている(縦方向に厚みをもたせることで根太のたわみが少なくなるので)けれど、横長(広い面を下にして)置いたほうが、作業は進めやすいし、一番窓よりで、縦長に置いたら高すぎる場合なども横長に置いても構わない。横長に置くことで、もし根太のたわみが大きい(床面がふわふわする)と感じたら、ベランダの床と根太の間に基礎パッキンを挟む箇所数を増やせばいいだけ。
・万一、ベランダの立ち上がりが低くて、一番窓側には基礎パッキンが入らない場合があるかもしれないが、その場合でも、木材直置きは腐りやすいので避けて、SPF材の下面になるところにゴムシートをビスでとめておく。ベランダの防水面に傷がつかないよう、ビスはしっかり木に揉みこんでおく。
・手順として、まずは一枚(本)を必要なだけ基礎パッキンなどでかさ上げして設置したら、基本的にはこの一枚を基準としてこれと水平になるようにほかの根太を置いていく。
・ほかのことは(この安い簡単ウッドデッキにおいては)それほど神経質にならなくても、さほど仕上がりに影響はないのでいいけれど、水平だけは少し真剣にやっておいたほうがいい。水平器フル活用で。なんせ、人の目、感覚は水平には敏感にできているので、「あら?傾いてない」なんてケチつけられることになってしまうので。
D床板を仕入れる
床板をはる場所を採寸して、ホームセンターやネットで床材(SPF2×4材)を仕入れる。
床材を配置する際、床板の隙間は3mm〜5mm位でお好みで設定する。実際の床板を張る作業の際は、適当な金物などを挟んで隙間を確保する。
E床板を固定
・根太をベランダに並べ終わったら、あとは床板を根太に固定していく(根太との交点一箇所毎に2本のビスを打つ)。
・床板が沿っていたり曲がっていたりする場合は、最初に両端にいっぽんずづビスを打っておいて、バールなどで真っ直ぐに強制しながら固定していく。まぁ、この辺りはどこまでこだわるかなので、面倒なら多少曲がっていて隙間が不規則になる程度は気にしなければいいと思う。
・根太は床に置いているだけなので、動きやすいので、最初に根太の両端部分だけ、床板で仮固定しておくことが必要。
・あとは順次床板を張り付けていって完成。
・ベランダの端には排水口があるはずなので、そこは塞がないように床板を切っておいたほうがいい。余裕があればフタ式にしておけばいいけれど、まぁ、そこまでやらなくてもいいのでは。
・マンションなどで、下の階へ(から)の避難ハッチがある場合には、そこを塞ぐと大変なので、根太は絶対にそこを避けておくべきだし、床板もすのこ状にして乗せておくだけにしておく必要がある。
(そもそもデッキ化してはいけないか、スノコならいいのか、などは各マンション管理規約などで確認して自己責任で)
F塗装
・最後に床板に水性キシラデコールを塗る。
・もちろん、本来は根太にも塗装したほうがいいのだけれど、そこまでやるのは面倒だし、直射日光もあたらない、地面からの湿気がくるわけでもないベランダやバルコニーの根太はそんなに厳しい環境ではないのではないかという勝手な思い込みで、作業の楽さ加減を最優先して床面だけとしてみた。すぐに腐ったら申し訳ない。
・塗装するのは難しくないし、好きならば是非とも材料をくみ上げる前に裏表なく全体に塗ったほうがよいと思う。ちなみに自分は特に塗装が嫌い。だからハードウッドが好きともいえる。