ベランダをウッドデッキにするというと、「デッキパネル」みたいな雰囲気があるけど、必ずしもお手軽ではないと思うんだけど?
夏は素足では歩けない無機質な灰色のFRP防水のベランダを、ウッドデッキ仕様にすると、突然、使える居住空間に変貌する。
大袈裟な言い方のようだけれど、これは本当の感想。
家を買うにせよ、借りるにせよ、同じ値段なら少しでも広いほうがいいと懸命にさがすのだから、せっかく目の前にある有効なスペースはデッドスペースにすることなく有効に使いたいもの。
そして、ベランダやテラスをウッドデッキ仕様にしたいと考えて、ネットでウッドデッキにする方法を検索すると、真っ先にデッキパネルという商品がヒットして、四角いパネルを敷き詰めるだけで良い感じなので、とてもお手軽な印象を受ける。
以前は安い耐久性の低い材料のものばかりだったけれど、最近ではウリン製などハードウッドのものも出ている。
木材を数十センチ角のパネルにしてあって、それを並べるだけでウッドデッキ感覚を味わえるというもの。
この手のデッキパネルは、取り敢えず、室内とフラットにするための高さの調整(底上げ)をしなくてもいいという場合とか、ベランダの勾配と同じ勾配がついても構わないから調整(水平にする)しないでいい、「取り敢えず灰色の防水面をウッドデッキっぽい見た目にしたい」という人にはとてもよい商品だと思う。
例えば、賃貸マンションでいつ引っ越すか分からないし、音を出したり大きな資材を持ち込むのは無理なんていう場合にも、こういうものの力を借りるのは合理的な気がする。
でも、逆に少しDIYの経験があったり、高さを室内とフラットにしたいとか、床勾配を解消して水平なウッドデッキにしたいと思う人なら、パネルではなく、このブログで紹介しているウッドデッキの作り方を流用してウッドデッキ化してみても良いのではないかと思う。
それをオススメする理由は、少し本格的にやろうとすると、パネルであることで、かえって作業効率か悪くなることがあるから。
ウッドデッキの床面となるデッキパネルが室内とフラットになるようにするためには、デッキパネルを固定するための根太という基礎を設置しなければならないけれど、その設置間隔を、パネルの寸法にピタリと合わせる必要が出てきてしまう。それも、デッキパネルのサイズか30センチ角や40センチ角だと、その細かいピッチで必要になる。
どうせ根太を設置するならば、普通のウッドデッキと同じように長い板を根太にビスで固定するほうが、根太の設置間隔が多少ずれても気にする必要がないし、根太のピッチも広く(根太の本数が少なく)て済むので簡単。
また、デッキパネルであろうと、そうでない普通のウッドデッキスタイルであろうと、床面を水平にするのならば、根太がベランダの水勾配によって傾かないように高さを調節しなければならないのは同じ。
さらに、ベランダの寸法がパネルの寸法の整数倍であればよいけれど、通常、そうではないので、端に少し隙間ができてしまって、きちんと固定していないとズレてしまったりもして、見栄えも良くなくて、なかなか満足度の高い仕上がりにはならないはず。
そして、最大の難点としてパネルは高い。ホームセンターで1枚数百円で売っているソフトウッドのものは、すぐに腐ってしまうので、安物買いの銭失いになること間違いなし。それを塗装するなんていうのもチョット…塗装というのは、その前の処理もあるし、周りも汚すし、結構大変。
手間やコストに関する価値観は人それぞれだけれど、私はどうせ根太まで組むのなら、普通のウッドデッキ仕様で作るという選択をする。
家がマンションで加工の音を小さくしたいのなら、ハードウッドでなく、ウエスタンレッドシダーを選択してもよいとは思うし、大きな資材を持ち込みにくければ、板の向きなどを工夫して、1.8m以内の木材で収まるような設計にすれば良いと思う。
マンションのベランダは共用部分で、避難ハッチ入り口に配慮しないといけないとか、その他の制約もありそうなので、そのうち、参考の設計図面を書いてみたい(と思う)。
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