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2023年10月14日

総構えの堀にも利用された用水路(金沢市)鞍月用水

城下町金沢には、天然の川から引き込んだ用水が、網目のように張りめぐらされています。用水は防火や消雪、排水など、ひとの暮らしを支える重要な役割を果たしてきましたが、一部の区間では、金沢城総構えの堀の役割も担っていました

<鞍月用水>くらづきようすい
kuratuki-yousui-plate.JPG
画像は市内を流れる鞍月用水です。築造された時期ははっきりしませんが、市内最古といわれる大野庄用水とともに、江戸時代の初期には完成していたと考えられています。諸説ありますが、二代藩主・前田利長が、城下の防備を目的に高山右近に命じて造らせたとも伝わります(1599年)。
用水は多目的に利用されましたが、その始まりは、防衛ということになりますね。

<下九曜橋>しもくようばし
kuratuki-yousui-Kanazawa-City.JPG
kuratsuki-yousui.JPG
鞍月用水に架かる下九曜橋付近で撮影しました。ちなみに、近くに設置されている説明によれば、下九曜橋の名は、加賀八家の長家の家紋に由来するようです。ここからすぐ近くの玉川公園には、かつて長家の屋敷があり、家臣たちの屋敷もこの付近だったようです。

<説明板>
kuratsuki-yousui-Guide-plate.JPG
用水と下九曜橋界隈について、いろいろと説明が記されています。右下の地図が興味深いので、ちょっと拡大させて頂きます。

<延宝年間の金沢>えんぽう
kuratsuki-yousui-Guide-plate-Map.JPG
1680年頃の地図です。鞍月用水と並行して、大野圧用水も記されています。

説明文によれば、鞍月用水は『犀川から水を取り入れ金沢の中心部を通りぬけて昔の鞍月村(現在の南神保町あたり)へ流れています』とのこと。村の名が用水の名の由来ということですね。そして『江戸時代は、水田をうるおす農業用だけでなく、金沢城や城下町を守る役目もありました』と記されています。つまり、外敵を想定した堀という役割を担ったということですね。

鞍月用水の総延長は約15qにも及びます。そのうち、金沢城の西側から南側にかけての区間が、総構えの堀として機能していました(西外惣構堀と呼ばれています)。私が足を止めた下九曜橋付近は、この区間からちょっとだけ外れているようですが、都市化にともなってところどころ暗渠化(地下への埋設)がすすむなかで、かつての総構えの堀と同じ流れの水面を眺めることができたことに、ある種の感動がありました。

Kuratsukiyousui.JPG
いまでは争いごととは無縁のせせらぎ

むかしはもう少し幅広だったのかもしれませんね

■訪問:鞍月用水
(下九曜橋付近)
[石川県金沢市芳斉]1丁目


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■出典及び参考
・現地説明板
「鞍月用水と下九曜橋界隈の案内」
・金沢市HP
「歴史都市金沢のまちづくり」
>用水・惣構> 鞍月用水

https://www4.city.kanazawa.lg.jp/soshikikarasagasu/rekishitoshisuishinka/gyomuannai/1/1/18471.html
タグ:石川
posted by Isuke at 21:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 川跡・暗渠
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