<調圧水槽>
地下神殿とも称される空間です
■地下の水路■
<庄和排水機場>
訪問したのは春日部市にあるこちらの施設です。冒頭の画像は、延長約6.3kmにも及ぶ地下放水路の一部に過ぎません。といってもかなり重要な場所で、地下水路を流れてきた水を調圧水槽から巨大ポンプ・排水樋管を通して江戸川に排水します。それらすべてを、この施設内で集中管理しています。
<施設グラウンド>
「地下神殿」はこのグラウンドの下になります
<説明板>
素人の私でも大まかには分かる説明が記されています。少しだけご紹介します。
<地形>
説明板の地形に関するところを拡大させて頂きました。ピンク色の綾瀬川から元荒川・大落古利根川、そして中川と江戸川までが周囲と比較して明らかに低くなっていますね。この低地は、昔の利根川の本流が流れていたところです。江戸時代より前の利根川は、東京湾へ注ぐ川でした。長年かけて形成されたこの低地は雨水が集まりやすく、洪水を防ぐための対策として地下排水路が造られました。
<説明板拡大>
こちらは説明板の地下排水路に関する部分です。ご覧の通り、特定の川ではなく、低地に位置している各河川の水を地下に取り込んで、地底50メートルのトンネルから江戸川に流す仕組みになっています。一番右側の第1立坑、そして調圧水槽等が今回訪問の庄和排水機場の施設となります。
<シールド工法>
延長約6.3km、内径約10mの地下放水路はシールドマシンによって掘削されました。東京湾アクアラインなどと同じシールド工法による建設ということですね。
<江戸川>
集められた水は比較的余力のある江戸川へ
<第1立坑>
奥に見えている円柱状の空間が立坑です。
<巨大な柱>
左下に小さく映っているのが人です。いかに巨大か伝わると思います。柱がやや変色しているのは、実際にこの空間に水が入った時の痕跡です。濁った水があの高さに達するまで入ってきたということですね。
私は、この施設はあくまで「万が一」に備えたもので、滅多に稼働することはないものと思っていました。しかし、なんと年に8回程度は稼働するそうです。それによって、低地の河川の洪水が抑制されているわけですね。勉強になりました。
<地下神殿>
荘厳の治水施設です。
■訪問:庄和排水機場
(首都圏外郭放水路)
[埼玉県春日部市上金崎]
※訪問には予約が必要です
■参考及び出典
・現地説明板
(江戸川河川事務所)
・Wikipedia:2023/7/01
・江戸川河川事務所ホームページ
(首都圏外郭放水路とは)
https://www.ktr.mlit.go.jp/edogawa/edogawa00402.html
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