痕跡を見つけて「そこに本来あったもの」を想像する。
これは廃城巡りの楽しみでもあります。
数年前、あるきっかけで「暗渠」という世界と出会ってしまいました。
それが城跡巡りと共通点が多かったことから、いまだにその世界に留まっています。
「暗渠」
普通なら見慣れないこの字では「あんきょ」と読みます。
いろんな定義がありますが「地下に埋設された川」という意味に受け取って下さい。
まぁ「もうなくなっちゃった川」とか「人の都合で本来の姿でなくなった川」といった感じになります。
とある林の中
土塁の跡ですね。開発されずに放っとかれたから残ったのでしょう。城だった痕跡です。
とある街の中
橋の欄干の跡ですね。工事の都合で残ったのでしょう。 川だった痕跡です。
どちらも「そこに本来あったもの」
そのなごりと言えるのではないでしょうか。
<川の無い橋>
意識するかどうかは別にして、皆さんも街でこんな橋を見かけているのではないでしょうか?橋はあるのに川はない。良く考えたらヘンな光景ですよね。
<暗渠の道>
川の姿はありません。ただ正確に言うと、このコンクリの下にあります。そう、地下へ埋設されました。
川の名は谷端川(やばたがわ)。豊島区・北区・文京区を流れていた川です。今も残る橋はそのなごりです。
田舎で育ったので、あるがままの川を沢山見てきました。その感覚でこういった暗渠を見ると、なにやら相当窮屈に感じてなりません。まぁ開発の都合で止むを得ないことですが、誰もその「存在にすら気づかない」ということが、廃城となって歴史に埋もれてしまった城跡と情緒的に重なってしまいます。
本来あった姿
それはきっと、それそのものが最も輝いている姿
そんな思いで、川だった痕跡を街中で見つけると、ふと足を止めてしまいます。
■お勧め本■
静かなブームになりつつある『暗渠』に関する本のご紹介です。当ブログでは下記をお勧め致します。
暗渠マニアック ! (柏書房)
著者:吉村生/山英男
※広告掲載期限切れのため書名のみ
2017年04月23日
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