花の時季をねらって山吹伝説の地を訪問しました。
■ 現地訪問 ■
<山吹の里公園>
ここは埼玉県です。「山吹の里」に関する史跡は都内(高田馬場ほか)を含め複数ありますが、私は道灌の出身地であるこの地が最も相応しいと思っています。
<越生駅>
「おごせ」と読みます。埼玉県の中央に位置する人口1万強の町で、梅林がとても有名です。
山吹の里公園は駅から徒歩圏内(10分程度)。タクシー乗り場やお土産屋さんのあるのとは逆側になります。駅を出て左手に進んでトイレを通過すると踏切が見えます。そこを渡りましょう。
※おカネに余裕のある方はそのままタクシーで!
<山吹大橋と越辺川>
この橋を渡ればまもなく到着。この川は「おっぺがわ」と読みます。なんかかわいい名前ですね。おっぺは「おごせの辺り」からきていると思われますが、アイヌ語に由来するとする説もあるそうです。
<公園入口>
茅葺き屋根の水車小屋が目印。目の前は大きな道路ですが、ここだけ日本昔話のような空間となっています。裏の低い山もいい感じです。
■ 山吹伝説 ■
<歌の石碑>
一枝のヤマブキに込められて歌ですね
七重八重 花は咲けども山吹の
実の一つだに なきぞ悲しき
※山吹の花は七重八重に咲くのに 実が一つも結ばないのは不思議です
⇒逸 話
これはまだ若い道灌が、鷹狩りに出かけた時の逸話です。
突然の雨にうたれ、農家で蓑を借りようとしたところ、出てきた娘が山吹の花を黙って差し出しました。蓑を借りたかった道灌は怒ってその場を去りますが、この話を聞いた家臣から、それが有名な歌に掛け『山間の茅葺きの家で貧しく蓑(実の)ひとつ無い』ことを奥ゆかしく答えたのだと教わります。
歌は後拾遺和歌集の兼明親王※のものでした。
(※醍醐天皇子息)
道灌は己の無学を恥じ
この日を境にして歌道に精進するようになったといいます。
<ヤマブキ>
裏山で咲き誇るヤマブキ。実がならない事から、蓑が無いの言葉とかけあわせたわけですね
あくまで逸話ですが、そのように伝わるということ自体が、太田道灌の人としての魅力だと思います。武将として有名ですが、歌人でもある太田道灌。鮮やかなヤマブキにも負けない新緑のような、清々しい話です。
<公園内>
公園内に約三千本といわれるヤマブキの花。4月中旬から5月いっぱいくらいまで花が楽しめるようです。いつ訪れても素敵な場所ですが、どうせならこの季節に訪問してみては如何でしょうか。
■訪問:山吹の里公園
[埼玉県入間郡越生町西和田]
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