くらしの情報屋

マンガやアニメでも、不老不死を取り上げたネタはたくさんありますが、この度、科学誌『PNAS』に発表された研究結果は、そんな憧れを思い起こさせてくれるものでした。

アメリカ、イギリス、イスラエル、ニュージーランドの大学の合同チームが調査した研究結果、その内容はなんと、年をとっても老化しない人が存在するというもの！

ニュージーランドのダニーデンに住む38歳の男女954人を対象として行われたこの調査は、生物学的な年齢を12年に渡って調査したものになります。
内臓や歯の状態、DNAを検査し数値化することで生物学的年齢を調べたところ、実際の年齢より8歳も若い人が数人いたようです。さらには、調査期間中に老化が一切進行していない人が3人もいたとのことで、驚きの調査結果となっています。

被験者全員が38歳とはいえ、生物学的年齢の幅が30歳から60歳にまで及ぶことになります。これはつまり、年を追うごとに若くなっている人もいるということを意味します。

研究者たちが語るには、生物学的年齢を加速させている要因として、特に喫煙や深刻な精神的疾患が起因しているとのことですが、こういった研究成果は、がんや心臓病など、老化が原因とされるさまざまな疾患への対処に役立つと考えられています。

老化が進行しない状態とは、いったいどんなものなのか、気になるところですね。

参考:
Quantification of biological aging in young adults
http://www.pnas.org/content/early/2015/07/01/1506264112.abstract

カメレオンは体の色を環境に合わせて変化させるだけでなく、片目だけ孤立させて相互別々に動かすことができます。ステレオ（両目）からモノラル（片目）にピンポイントの精度でビジョンを素早く切り替えることができるのです。

科学者は、カメレオンの脳が、目を左右個別に動かしても、獲物に焦点を当てるために、調整をすることができると考えています。

イスラエル、ハイファ大学のハダス・ケッター・カッツ（Hadas Ketter Katz）率いるチームが、カメレオンの目の前の壁に、コンピューターから獲物の映像を映し出し誘惑することによって、カメレオンの特異な視野についての研究を行ったと、ニューサイエンティスト誌が報じています。

研究者は、カメレオンが映し出された虫の映像に目を固定し、舌を発射位置に準備するまでの様子を観察しました。カメレオンは、ターゲットを片目で捉えたまま、視界をステレオからモノラルに切り替え、もう片方の目を調整していることが分かりました。

これは、カメレオンの片目が獲物をキャッチした後、もう片方の目が何にフォーカスすべきなのか判断する働きをしていることを示しています。


2つのターゲットが反対方向に移動する映像を見せたときには、カメレオンの目は初めのうちは左右異なる方向に動いたものの、結局は同じ手順を踏んでいることも分かりました。

「この結果は、カメレオンのそのような能力を証明する初めてのデモンストレーションとなった」と研究者らは述べています。この左右の目を別々に動かす行動は、変温動物（冷血動物）と鳥類に見られ、哺乳類にはない能力なので、視神経の観点から、さらなる研究が必要であると考えられています。


参考：Chameleons use their bulbous eyes to switch from stereo to mono vision and catch prey with pinpoint precision
http://www.dailymail.co.uk/sciencetech/article-3154881/Chameleons-use-bulbous-eyes-switch-stereo-mono-vision-catch-prey-pinpoint-precision.html