今回は東京の大手町
駅チカで楽しめる和田倉門跡をご紹介します。
<和田倉橋より撮影>
江戸城三十六見附の一つです。木製の橋?復元なので、基本は鉄筋コンクリート製。でもなるべく木の橋を模して造られました。濠や石垣とあいまっていい感じです。
■ 名の由来 ■
この門の付近に「和田倉」と呼ばれる蔵があった。これが名の由来です。和田さんの蔵?ではなく、海のことを指す「わた」です。海がワタ?はい。そうらしいです。そういえば、ハングル語では海をパダといいますが、もともと似た発音だったのですかね。まぁ言語的なことはこのへんで。要するに、かつてはワタ、つまり海がこの付近まで入り込んでいたことから、海と蔵で「ワタクラ」と呼ばれるようになった。そういうことですね。はっきりしませんが、この地に蔵があったのはそうとう古い話で、家康が江戸に入った時には既に和田倉という村落があったとも言われています(これには諸説ありで、徳川時代の物資の集積地として「倉」の名がついたとも言われています)。
まぁともかく、実在した「蔵」に由来。「蔵の御門」とも呼ばれていたようです。
■訪 問■
訪問というより「ちょっと立ち寄った」という感じでしたが、見応えのある構造に足が止まりました。
<桝形>ますがた
ここは東北の諸大名が工事を担当(1620年改築)。この時に枡形となったようです。今は石垣だけですが、枡形特有のの門も関東大震災(1923年)までは残されていたそうです。残念ですね。このうち渡櫓門は大破のため廃棄されましたが、高麗門の方は解体されてしばらく保存されました。そして、後の大戦で半蔵門が焼失するとそちらに移築。つまり、今の半蔵門はもともとはここ「和田倉門」のものということですね。
<隅石>すみいし
さすが江戸時代の城は立派。石垣のレベルが高い。
<石垣の裏側>
門を通りぬけて内側から撮影。ここいいですね。立ち入りはできませんが、すぐ傍で見ることができます。近くに喫煙所もあるし(私はスモーカーです)。
<割栗石>わりぐりいし
石垣の内側(奥)に小さな石が沢山見えてます。石を積み重ねる時、積み石と盛り土の間に同時に詰め込みます。これは石積みの基本です。表の大きな石を安定させると同時に、内部の雨水などを抜けやすくする効果があります。水を溜め込むと、塁は劣化します。
<石垣の暗渠?>
水を逃がす隙間ですかね?ちょっと内側の構造までは分りません。
<和田倉門の奥>
和田倉門の枡形をL字形に通って抜けると、向こうに江戸城の姿が。桔梗門がある付近ですね。今日はそこまでは行きません。
<和田倉噴水公園>
手前は公園として整備されています。江戸時代、ここには会津藩松平家の上屋敷があったそうです。
<土塁と虹>
土塁を背景に虹が!
<街のオアシス>
和田倉門付近を振り返る
<周辺の石垣>
場所によって石の積み方が異なりますね・・・
たとえば隅石より左(濠側)と右・・・違います。じっくり見ていると、石垣だけでも興味が尽きないです。
皇居をゆっくり見るのもいいですね。ただ、しっかりと見ようとすると結構時間が掛かります。私が今回撮影したのは地下鉄大手町駅から徒歩圏内。特に都営三田線の大手町駅だと出口を出てすぐです(D3出口なら徒歩1分)。
都内で仕事をしている人は、通りかかったらちょっと思い出し、眺めてくれると嬉しいですね。城は遠い存在ではありません。本人が意識していないだけで、かつての城跡でお仕事をされている方、結構多いはずですよ。
<和田倉橋・和田倉門>
ということで
簡単に行ける都内の「城のなごり」でした。
最後までお読み頂きありがとうございます。
■訪問:江戸城和田倉門跡
[東京都千代田区皇居外苑]3]
お城巡りランキング
2018年02月01日
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