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2019年07月24日

今川氏館跡 (品川区)

つわものどもが夢の跡
今川氏館跡とされる場所を訪ねました。

<現地>
shirononagori354 (3).JPG

なにここ?

事前に分かっていましたが、遺構どころか石碑も説明板もありません。更に真っ平です。ここはJR東日本の車両基地。東京総合車両センターです。画像はその入口。館は広大な敷地のなかのどこかにあったとされています。

<敷地の東側の高台より撮影>
shirononagori354 (2).JPG
まぁ電車を眺めるのは嫌いではないですが

この地は名門今川氏の12代当主・氏真が武蔵国まで落ち延び、居を構えたと伝わる場所です。

氏真の父はあの有名な今川義元。超大物ですね。しかし圧倒的有利を覆されて織田信長に討たれ、今川氏は徐々に衰退。氏真は妻が北条氏康の娘ということもあり、その実家を頼ることになりました。しかし北条氏康が亡くなり氏政が後を継ぐと、今川氏真は次に徳川家康を頼ります。プロセスの詳細は不明な点が多いのですが、品川に屋敷を構えたのはこの頃ではないかと考えられます。

その後、氏真本人はこの地を去ったようですが、次男・高久が留まり、のちに徳川幕府のもとで旗本となりました。今川を名乗っていたものの、徳川秀忠の意向により、屋敷地にちなんで品川と改めまています。この品川氏は幕府の儀式や典礼を司る役職、いわゆる高家となっており、品川高久はその祖となったわけですね。また、高久の兄である今川範以(のりもち)は幕府に仕えませんでしたが、その子である直房が旗本となり、高家今川氏の祖となっています。

高家とは格式の高く権勢のある家柄のこと。駿河に君臨した足利家の一門の今川氏は、大名としては滅びながら、こうして生き残ったわけですね。それもこれも、国を追われながら落ち延びた今川氏真あってのこと。小説やドラマの影響で、文化人ではあるが武将としてはいまいちといった印象ですが、氏真の子孫たちは、戦の無い世でしっかりとした地位を確立しました。


ということで
ここにあったらしい館跡を訪ね、何もないので勝手にいろいろと想像してみたというお話でした。訪問頂き、ありがとうございました。多少でも期待された方、申し訳ございません。

<敷地の西側>
shirononagori354 (1).JPG
今川氏真が夢の跡

■訪問
東京総合車両センター
[東京都品川区広町]2丁目


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タグ:23区
posted by Isuke at 21:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 城跡[都内]
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