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2015年06月06日

金剛界 供養会 尊像パーツ描き4(外周4)

供養会外周 尊像パーツ描き終了

今回の北方五天(16〜20)で供養会外周のパーツ描き終了です。
しかし・・・これは・・・心眼も極まってきた感じがします。
供養会 北方五天

各尊像の位置がわかるように図に番号をつけておきます。

EPSON004-Edit-Edit-Edit-2-Edit-Edit-2.jpg
(供養会外周北方五天 16〜20)
東南西北で時計回りで、金剛界曼荼羅は上が西

北門を守護する毘那夜迦の眷属である18を除く北方五天(16, 17, 19, 20)は地下天に属し、大地と地下世界の神々が住しています。

16)金剛面天(こんごうめんてん)

_DSC5229-Edit-Edit-Edit.jpg
このラインは折り目か縫い目に相当し絵の具の剥落が著しい。左の絵のみを参考に下絵を描くのは難しいので、ほかの会の尊像も適宜参考にするが、じっとみていると浮かび上がるものがあり主にそれを描いている。

金剛面天は別名を金剛猪頭天ともいい、猪頭人身のヴィシュヌ神の化身。ヒンドゥー教の神話では水中に没した大地を引き上げる鋤を持物とするが、仏教に取り入れられ衆生救済の象徴たる金剛鉤が持物となった。

17)炎摩天(えんまてん)

_DSC5229-Edit-Edit-2.jpg
これも大きく剥離していて分かりにくいが、顔の半分以上が見えるので印象は伝わってくる。こういった剥落、剥離によって判別しにくくなった図像を修正し、両界曼荼羅を描きたいと思ったのが本作画のきっかけの一つなので、こういうところを描くのはかえって気合が入る。

炎摩天は人類最初の死者にして死後世界の裁判官であるヤーマの音訳より。仏教に転じて一切衆生の善悪の業を裁断し、煩悩を滅する。死と時間の神。
手にする人頭杖(檀拏;だんだ)は死後の衆生を裁く正義の法の象徴。

18)調伏天(ちょうぶくてん)

_DSC5229-Edit-Edit.jpg
ここは次の19)毘那夜迦と合わせて、四方門の門衛として描かれている毘那夜迦の眷属を参考にして描けばよい。今更ながら、頭光背の色はオレンジ色とグリーンが交互にくるようになっているだけで、特に種別や役割とはリンクしていないようにおもう。

調伏天は別名を拘刀毘那夜迦ともいい象頭人身の毘那夜迦の眷属で北門の守護天。
三鈷剣にて魔と闘い仏法を守護する。

19)毘那夜迦(びなやか)

_DSC5229-Edit.jpg
毘那夜迦については佐藤任著『密教の神々』の「聖天」の章などで詳しく読んだのでなんとなく親しみが持てる。

毘那夜迦は象頭人身で大自在天(シヴァ神)と烏摩妃(パールヴァティ女神)の子とされる。障害を支配する智慧の神。
右手に蘿蔔根、左手に歓喜丸を持つ。

20)水天(すいてん)

_DSC5229-Edit-Edit-3-Edit.jpg
参考の図はほぼ何が描かれているか不明。

水天は水を支配する神。仏教では雨水が大地を潤して生命を生み出すように、衆生の渇いた心を潤し菩提心を生み出す力を持つとする。頭部に龍蛇を配し、まるでゴルゴンのよう。
手にする龍索は龍を模し一端に独鈷杵の先をつけた縄。

以上、北方五天でした。
これで供養会外周二十天のパーツ描きが終了。

次回から第二重の尊像パーツ描きです。

では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ

2015年06月05日

金剛界 供養会 尊像パーツ描き3(外周3)

外周 尊像パーツ描き3

供養会の尊像パーツ描き、外周の3回目。

外周(外金剛部)の尊像は月輪円に規定されていないので全体の形にある程度の自由度がありますが、できるだけバランスを崩さないように描きたいです。

今回は西方の五天について。
供養会 外周 西方五天

EPSON004-Edit-Edit-Edit-2-Edit-Edit-2-Edit-2.jpg
(供養会 外周 西方五天 11〜15)
順番は東南西北で時計回り。金剛界曼荼羅は上が西で、今回は西側

外周西方には八護方天のうち西南、西北、東南、北の地居天に属する四天が位置する。ただし中央の13は西門を守護する毘那夜迦の眷属。

11)羅刹天(らせつてん)

3_DSC5229-Edit-Edit-5.jpg
剥離で細部の構造がわかりにくい。何度か書き直してそれっぽい感じになるけど、書き直しながらそれなりの着地点を探すのと、少々バランスが崩れても直感を信じて自由に描くのとどっちがいいかなあ・・・

羅刹はもと悪鬼、暴虐破壊の神。その力により煩悩を破壊し仏法を守護する西南の護法天となる。
手に火焔棍棒を持つ。

12)風天(ふうてん)

3_DSC5229-Edit-Edit-Edit-2-Edit-2.jpg
尊像のイメージはある程度わかるが手にする宝珠風幢の形が判別しにくい。

風天は風を司り、雨雲をさそい黒雲を吹き払う。その大いなる力により西北の護法天となる。
手にする宝珠風幢は風をはらみ煩悩の塵埃を吹き払い宝珠(菩提心)を顕わにする。

13)金剛衣天(こんごうえてん)

3_DSC5229-Edit-Edit-Edit-Edit-3.jpg
毘那夜迦は描いていて楽しい。元絵と比較すると臨場感というかのびやかさというかちょっと違う。書き直しのできない墨線になればもうすこし自分の色がでるとおもうのだけど、少々残念。いまはイメージ固めの段階なので精進精進。
ところで、なぜひとは怪物や怪獣に心惹かれるのだろう。


金剛衣天は弓箭毘那夜迦ともいい毘那夜迦の眷属。
弓箭を手に持ち障害と戦うとともに愛欲の本性清浄をあらわす。西門の守護天。

14)火天(かてん)

_DSC5229-Edit-Edit-2-Edit-3_2.jpgここでふと、この火天の頭光背はオレンジ色だけど、13の金剛衣天の頭光背は何色だろう?茶色?それで、十二天の頭光背を調べてみると、1=オレンジ色(オ), 2=グリーン(グ), 3=オ, 4=グ, 5=?, 6=グ, 7=オ, 8=グ, 9=オ, 10=,グ 11=グ, 12オ=, 13=?, 14=オ, 15=グ, 16=オ, 17=グ, 18=オ, 19=グ, 20=?・・・配色ルールがわからん。

手に三角火炎を持つ火天(アグニ)はバラモンの教えでは供物を天に運ぶ役割を担い天と人とを結ぶ。
仏教においては煩悩を焼き尽くしほとけの智慧を与える東南の護法天。

15)毘沙門天(びしゃもんてん)

3_DSC5229-Edit-Edit-Edit-4.jpg
主に顔が剥離してしまってよくわからないので、他の会を参考にこんな感じかなと描くほかない。

右手に宝棒、左手に塔を持つ毘沙門天は元夜叉や羅刹の王。富と財宝の守護天。
仏教では仏敵を打ち据える護法の宝棒を持物とする。北方の護法天。
毘沙門はヴァイシュラヴァナの音訳で、ヴァイシュラヴァナは多く聞く者の意で別名を多聞天という。


西方五天に八護方天のうちの西南、西北、東南、北の地居天が選ばれている理由を考えてみて、単純に残りの帝釈天(東方の護法天)、炎摩天(南方の護法天)、水天(西方の護法天)、伊舎那天(東北の護法天)がそれぞれの方角に配されているからかとも思ったが、外周東方の帝釈天(東方の護法天)はいいのだけど、炎摩天(南方の護法天)と水天(西方の護法天)はともに外周北方に位置し、また、伊舎那天(東北の護法天)は金剛界曼荼羅には登場しない。

ここは、炎摩天(南方の護法天)と水天(西方の護法天)は地下の性質を持つ地下天として分類されているために護法の方角と無関係に外周北方に位置するのと同様に、外周西方には地居の性質を持つ天が配されていると考えることにする。

まだまだ調べないと。精進精進。

というわけで以上、西方五天でした。

では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ

2015年06月04日

金剛界 供養会 尊像パーツ描き2(外周2)

外周 尊像パーツ描き2

供養会の尊像パーツ描き、外周の二回目。
小さくても尊像を描くのは楽しい。

今回は供養会 外周南方の五天(06〜10)です。
供養会 外周 南方五天

EPSON004-Edit-Edit-Edit-2-Edit-Edit-2-Edit.jpg
(供養会 外周 南方五天 06〜10)
順番は東南西北の時計回りで上が西

南方の五天06〜10のうち08は南門を守護する金剛食天は象頭人身の毘那夜迦の眷属です。

他の四天は飛行天に属し天空高く輝く日月星宿を代表する神々。

下図左は参考とした西院本曼荼羅の図で右が今回描いた尊像パーツ。

06)日天(にってん)

2_DSC5229-Edit-Edit-2-Edit-2.jpg
右手に真っ赤な太陽を持つ。穏やかな表情。

日天は創造・自由の神で、太陽神をあらわす。日天は生命の根源であり、天かける自由の象徴。

07)月天(がってん)

2_DSC5229-Edit-Edit-Edit-3.jpg
こちらは右手に清浄なる三日月を持つ。お顔の表情がいまいち不明。

月天は星宿の王にて太陰の神。暗い夜を照らす清涼なる光明は心を静寂の境地へと導く。

08)金剛食天(こんごうじきてん)

2_DSC5229-Edit-Edit-Edit-Edit-2.jpg
右手に華鬘を持つ象頭人身の毘那夜迦の眷属。手にする華鬘の形がわからん。でもそれより金剛食天という名と手に華鬘を持つことの関係がわからない・・・

金剛食天は梵名のヴァジュラ・マーラの意訳。
金剛鬘、華鬘毘那夜迦、厳髻大将とも。
南門の守衛。

09)彗星天(すいせいてん)

2.jpg
だいぶ剥落していて表情などが読み解けない。棍棒もほぼ見えない。もう少し大きめに描いたほうがいいかな。

彗星は七曜と異なる軌道を描くことから天体の運行を乱し天変地異を引き起こす力を持つと考えられた。この力が運命を変えることのできる大いなる力とされた。
手にする棍棒は大いなる力と彗星の象徴。

10)熒惑天(けいこくてん)

2_DSC5229-Edit-Edit-2-Edit-Edit.jpg
右手に火聚を載せた姿がよく分かる。

火星は光度変化の大きさや逆行する動きから惑わす熒星とされ災いの前兆と考えられた。運命を司る力を持つとされる。
手にする火聚は火星の赤い輝きの象徴。

以上、南方五天でした。
これらの天が南方五天に選ばれた理由ってなんだろう?

では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ

2015年06月03日

本紹介 No. 018 石元泰博 写真『曼荼羅』

石元泰博 写真『曼荼羅』

石元泰博 写真 『曼荼羅』(西武美術館 1976)


はあ 表紙だけでもうため息しかでない。すばらしい

表紙に一切の文字を排したデザインは秀逸。
構成

縦 24.5 cm x 横 25.5、左開き横書き、ソフトカバー、120ページ、黒地白文字、カラー写真12ページ、白黒写真57ページ

構成は以下の通り。

  序文                   鷲尾隆輝
  時空への投華を              瀧口修造
  東寺の国宝両界曼荼羅           柳澤 孝
  【胎蔵界曼荼羅写真】
  胎蔵界曼荼羅解説               
  真言密教と曼荼羅 微細と極大のエロス   眞鍋俊照
  【金剛界曼荼羅写真】
  金剛界曼荼羅解説              
  もっとも古く、もっとも新しい曼荼羅    眞鍋俊照
  曼荼羅と私                眞鍋俊照
  背後のアニマに肉薄する眼         磯崎 新
  撮影の日々                小久保和夫
  ノンセンスな映像体験としてのマンダラ   谷川晃一
  図像の中で地球がまわっている       松岡正剛
  [座談会]曼荼羅三昧           秋山光和
                       石元泰博
                       小久保和夫
                       岩橋政寛
                
錚々たる執筆陣ですね。
内容

これは1976年に西武美術館で開催された「石元泰博 写真 曼荼羅展」の図録です。

写真展図録なので、写真がメインだと思っていたのですが、開いてみると凄い執筆陣でちょっと驚きです。

それにしてもこの表紙が・・・すごい
細部に肉薄するという意味では実物よりすごいんじゃないかとおもいます。ふつうこういうふうには見えないでしょう。写真の底知れないちからを感じます。

瀧口修造氏の論はさすがに一時代を築いた文章力です。願わくば美術評論とはかくあるべしと思われる高潔、高明な文体。1979年に75歳で亡くなられたとのことでその人柄が偲ばれます。

次に柳澤孝氏が「西院本の系譜をめぐってかなり大胆な仮説を提示」(原文引用)してますが、何箇所か根拠や論を端折っているのでどこかに完全な論文ってあるんやろか?『柳澤孝仏教絵画史論集』に載っているのかな?

胎蔵界曼荼羅と金剛界曼荼羅の解説は・・・なにかの文章をぶつ切りにしているようだけど、いろいろ破綻していて何が何だかもうわからない。向上門と向下門の解説と図が逆だったり、同じことを何度も書いていたり、観法の解説もなんかあれだし、金剛牙菩薩が抜けていたり・・・古書で買ったから訂正紙があったかどうかわからないけど、こういうところで情報の信頼性に不安がでます。写真は最高なのに解説がこれではやりきれない。

眞鍋俊照氏の「もっとも古く、もっとも新しい曼荼羅」は白黒写真の番号に対応して、胎蔵界曼荼羅外金剛部院の非想天から順に絵解きをしています。むかしがたり冒険譚風の絵解きでそれぞれの尊像に豊かな感性が宿る。

建築家の磯崎新氏の石元泰博評はそれはもういちいち納得するばかりで、さすがは現代を代表する建築家のひとり、洞察力も表現力も並大抵ではない。

座談会では美術史家の秋山光和氏が石元氏が伝真言院両界曼荼羅を撮影できたのは「希有な現代の幸いだ」とおっしゃっておりますが、誠にその通りだと思います。これほどの奇跡があるだろうか、それに肖れることに大きな幸せを感じます。

最後に全体を見渡してみてはまさに玉石混淆の趣で、感心しきりのものもあれば、矛盾や論理の破綻に辟易するものもあり読むのに難儀しました。

しかし、写真は超一流で、どの一枚をとっても全くもって隙がない。ただし・・・誠に残念なことは、ほとんどの写真が白黒であったことで、これは残念至極にほかならない。
曼荼羅作画とのかかわり

石元泰博氏の写真がなければ西院本曼荼羅に興味を持たなかったかもしれない。あらためてその凄さに驚嘆するばかりです。

座談会での石元泰博氏の言葉のひとつひとつがなにか新しい発見へと導いてくれそうな気がします。

では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ





posted by mandalazu at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 本紹介

2015年06月02日

金剛界 供養会 尊像パーツ描き1(外周1)

供養会 尊像パーツ描き1

さて、今回から金剛界 供養会の尊像パーツを描き始めますが、供養会も外周から順に描いていこうと思います。

供養会の外周にも三昧耶会と同じく二十天が描かれています。今回も何回かに分けて紹介していく予定です。

供養会外周二十天の位置と順番を次の図に示しておきます。

EPSON004-Edit-Edit-Edit-2-Edit-Edit.jpg
(供養会外周二十天 01〜20)
順番は東南西北の時計回りで、上が西

供養会 東方五天

今回は東方五天(01〜05)の紹介をします。

EPSON004-Edit-Edit-Edit-2-Edit-Edit-3.jpg
(供養会外周東方五天 01〜05)

東方の五天01〜05のうち中央03は東門守護の毘那夜迦の眷属ですが、残り四天はヴェーダやヒンドゥー教の主要神がまとめられた上界天の神々です。

下図左は参考にした西院本曼荼羅の図で右が描いた尊像パーツです。

01)那羅延天(ならえんてん)

_DSC5229-Edit-Edit-4.jpg
ちょっと見、細部というか一番大事なお顔がほとんどわからない・・・でも、じ〜っと見てると見えてくるような気がスル。八輻輪の持ち方が面白い。

那羅延天は梵名のナーラーヤナの音訳。ナーラーヤナはヒンドゥー教のビィシュヌ神の化身。クリシュナとも。手に古代インド武器の八輻輪を持つ。八輻輪は8本スポークの輪宝に通じる。

02)鳩摩羅天(くまらてん)

_DSC5229-Edit-Edit-Edit-Edit.jpg
これも何が何だかわからないけど、じっと見つめて残った墨線をつなげていくと見えてくる

鳩摩羅天は梵語のクマーラの音訳。クマーラはヒンドゥー教の神シヴァの子である軍神スカンダ(韋駄天)の別名。手に三鈷鈴を持つ。

03)金剛摧天(こんごうざいてん)

_DSC5229-Edit-Edit-3.jpg
これは見たまま描けばよい。傘をさしてる象はちょっと可愛い。

金剛摧天は梵名のヴァジュラ・チンナの意訳。ヴァジュラは金剛でチンナは摧砕の意。
金剛摧天は象頭人身の毘那夜迦の眷属で、傘蓋毘那夜迦ともいい傘蓋を翳す。毘那夜迦はシヴァ神とパールヴァティ妃の子で、智慧と福徳を授け、障害を除去する神。金剛摧天は煩悩を破壊し、慈悲の傘蓋により衆生を覆護する。
東門の守衛。

04)梵天(ぼんてん)

_DSC5229-Edit-Edit-2-Edit.jpg
手に持っているはずの紅蓮華がほとんど見えないけど、多分こんな感じ。

梵天は梵名のブラフマンから。ヴェーダでは宇宙創造の最高神。
ヒンドゥー教では創造神ヴィシュヌの臍から生じた蓮華に梵天が座し、この世界を創造したとされる。
釈尊の成道にあっては帝釈天とともに説法を懇願した護法善天。
手にもつ紅蓮華は蓮華蔵世界の象徴。

05)帝釈天(たいしゃくてん)

_DSC5229-Edit-Edit-Edit-2.jpg
梵天は偏袒右肩で片肌脱いだ菩薩形であるのに対し同じ護法善天の帝釈天は橙色の上着を身につけている。偏袒右肩は王に対する礼儀を由来とするので、王たる帝釈天はそれを行わないのか、それとも武神として上衣を身につけているのか。ちなみに袖口を絞ったデザインは衣服の中に砂が入らないようにするため。

帝釈天は梵名のシャクラから。帝は武王の意。
帝釈天は梵天と並ぶ仏教の護法善天。ヒンドゥー教の神インドラのこと。雷を操る雷霆神で手に古代インド武器の独鈷杵を持つ。

以上、東方五天でした。

では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ

2015年06月01日

金剛界 供養会下絵作製行程

金剛界 供養会下絵作製行程

これまで新しく会の下絵を描き始めるときには
        (1)設計図
        (2)製図
        (3)パーツ描き
        (4)パーツ入れ
        (5)下絵作画
と進めてきました。

しかし、中下段六会はほぼ同じ(1)設計図と(2)製図を用い、また、文様パーツも三昧耶会で描いたものを共通に使用できるので供養会で新たに描くのは尊像パーツのみとなります。

EPSON004-Edit-Edit.jpg
(金剛界 供養会)

そこで、金剛界 供養会下絵作製では前シリーズの三昧耶会の製図を用いて作画します。

_DSC5216-Edit.jpg
(供養会 製図)

これに描いた尊像パーツを貼り付けて下絵の下絵を作ります。

というわけで、やることは次の(3)(4)(5)のみになります。
        (3)パーツ描き
        (4)パーツ入れ
        (5)下絵作画

らくちん

では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ

2015年05月31日

金剛界 供養会について

供養会

続いて供養会を描きます。

EPSON004-Edit-Edit.jpg
(金剛界 供養会)

供養会では各尊が持つ蓮華上に三昧耶形を描きます。

でも蓮華上三昧耶形はとても小さく、また、形がほとんど見えません。
        
EPSON004-Edit-Edit-Edit.jpg
(金剛界 供養会と蓮華上三昧耶形)

そこで三昧耶会で描いた三昧耶形の絵が役立ちます。三昧耶会の三昧耶形を参考に供養会を描きます。

それに、供養会の菩薩像は全て両手で蓮華の茎を持っているために、ほとんど同じ姿勢と手の形をしているので、描くのが比較的楽かなという理由もあり六会の二つ目に供養会を選びました。
供養会について

では、供養会とは?

供養というと、ご先祖様や亡くなった方に食べ物や飲み物、お花などをおえし、うといった意味で「供養」と使っているように思います。いわゆる追善供養を供養と言っています。

また仏教では、六波羅蜜とも関係する六種供養(水・お花・焼香・飲食・燈明・塗香)や『法華経』に説かれる十種供養(華・香・瓔珞・抹香・塗香・焼香・絵蓋・幢幡・衣服・伎楽)などが有名でしょうか。

しかし、供養会でいうところの供養は金剛界での相互供養であり、特に十六大菩薩の十六種供養に主眼が置かれているように思います。

相互供養とは四如来が十六大菩薩をもって毘盧遮那如来を供養し四波羅蜜菩薩を出生します。それに応え毘盧遮那如来は四如来を供養するために内四供養菩薩を出生し、またそれに応えて四如来がさらに毘盧遮那如来を供養するために外四供養菩薩を出生し、またまたそれに応えて毘盧遮那如来が四摂菩薩を出生する。
このようにして金剛界が形作られることを表しています。

ここで、四如来が十六大菩薩をもって毘盧遮那如来を供養することを十六種供養と言います。

六種供養や十種供養では布施や清浄、荘厳などが供養となりますが、十六種供養では菩提心・灌頂・法・羯磨の四種供養を説いています。四種供養の詳しい話は尊像パーツ描きの時に触れますが、簡単には四如来を菩提心・灌頂・法・羯磨の四種に分け、さらにそれぞれ四つの供養を十六大菩薩が執り行うことになります。

十六大菩薩が三昧耶形を蓮華上に載せているのはこれを毘盧遮那如来に捧げ、お供えをするという意味であり、十六大菩薩の捧げる三昧耶形がそれぞれ十六種供養に対応します。

それを供養会は説いているのだと思います。

また、以前、四印会の説明のところで四種曼荼羅についてまとめましたが(2015/04/02の記事参照)、供養会は羯磨曼荼羅に対応します。

これは供養という行為・事業を羯磨と見なすためで、供養会は事業会または羯磨会ともよばれます。

最後にちょっと話がちがうかもしれませんが・・・僕が供養といって最初に思い浮かぶのは晩年のゴータマブッダに献身的にお世話をしたアーナンダの優しさだったりします。

では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ

2015年05月30日

本紹介 No. 017『弘法大師と密教美術』

『弘法大師と密教美術』

『弘法大師と密教美術』(朝日新聞社 1983)


両界曼荼羅に限らず、密教美術全般に目を通す必要を感じ本書を手に取りました。
構成

縦 24 cm x 横 25 cm、全301ページ、原色図版48ページ、単色図版190ページ

構成は以下の通り。

  あいさつ
  弘法大師と密教美術        佐和隆研
  大師の書             中田勇次郎
  密教美術の源流          山本智教
  両界曼荼羅の相承         濱田 隆
  日本における密教諸尊の受容    中野玄三
  原色図版
  単色図版・解説
  弘法大師略年譜
  真言宗十八本山略史
  用語解説
  出品目録
  英文出品目録
  英文概説(要約)
  英文あいさつ

内容

本書は1984年の弘法大師入定千百五十年の大法要に先立ち、大師所縁の密教美術の粋を一堂に集めた展覧会が1983-1984年に全国六会場で開催された際の図録です。

メインは原色図版単色図版・解説に示される274におよぶ密教宝物の数々ですが、興味深い寄稿もいくつかよせられています。

佐和隆研師の弘法大師と密教美術には弘法大師の生涯と密教美術の歴史が述べられております。これが絶筆とのこと。合掌

大師のの書では弘法大師と書との関わりを中心に解説がなされております。不勉強で知らなかったのですが、大師が蘭亭序の拓本や欧陽詢の真蹟を請来していたことに、当然と言われればそれまでですが、やはり驚きを隠せません。

密教美術の源流ではインド、ジャワ、中国の密教美術およびその歴史についてそれぞれ代表的かつ興味深い例を紹介しており、両界曼荼羅の相承では金胎の両部大経および両曼荼羅の成立と異説、異本について諸本の系譜の概要を述べております。また、日本における密教諸尊の受容では密教像の特色について五点上げ(@曼荼羅的表現、A尊数の飛躍的増加、B官能的表現、C鳥獣座、D明王像の出現)密教諸尊の受容について解説をしています。

原色図版では次に続く単色図版・解説の中から選んだいくつかの宝物の図像の一部や絵巻の別場面、拡大図などをカラーで載せています。

つづく弘法大師略年譜真言宗十八本山略史は資料として簡潔にまとめられており閲覧しやすく、用語解説もわかりやすい。また、出品目録は274の宝物を絵画、彫刻、工芸、書跡の四群に分類して一覧にしています。

密教芸術のすべてがここにあるわけではありませんが、特に弘法大師に関わる真言密教の宝物が多数掲載されており、貴重な資料集となっています。

惜しむらくは、単色図版・解説のページもすべてカラーであったならと思わずにはいられません。
曼荼羅作画とのかかわり

絵をみて絵を描いていると、そこにそれ以上の広がりを見出すことは難しい。

写実といい写生というものの、諸尊にしろ諸物にしろ感得されたものにて本来実在しない。(全てを空とするなら言わずもがなになってしまうが・・・)

描くことでなにかがあらたに存在しようとする過程の手助けをするわけであるから、そこになにか存在感や実在感のようなものを得てほしい。そのために出来得るだけ多くの事物に目を通したい。

その意味で密教美術の粋が一堂に会している本書は美術展覧会の図録の枠を超え一級の資料としてみることができる。

密教が日本の文化の背骨や地下水に例えられることがあるが、はたしてここに会された密教美術に日本文化の心髄は到達し得たのであろうか。

では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ




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2015年05月29日

ここまでの目次1:2015-02-07〜2015-05-28

ときには目次を

このブログを2月からはじめて5月も末となりそれなりの記事数となった。

前記事を気にしながら新しい内容を書くわけだが、見たい記事を探すだけでちょっと手間を感じるようになっってきた。

このブログのリファレンス力を高めるために目次なぞ物すことにしようと思い立ったのでそうする。

ちなみに本紹介は別にまとめるつもりなのでここでは曼荼羅作画だけまとまりのよいところまで目次をつくることにする。
目次1:2015-02-07〜2015-05-28

はじめに
 2015-02-07 曼荼羅を描いてみようと思い立つ
 2015-02-09 どうやって描こうか
 2015-02-11 さて描き始めてみると

下絵道具
 2015-02-13 下絵製図のためのお道具たち
 2015-02-15 鉛筆とシャープペンと消しゴムと
 2015-02-17 ドローイングペンまでの道のり
 2015-02-19 ドローイングペンという選択

金剛界 理趣会 下絵
 2015-02-21 金剛界 理趣会下絵製図
 2015-02-23 パーツ描きとは
 2015-02-25 金剛界 理趣会パーツ描き
 2015-02-27 金剛界 理趣会パーツ描き つづき・・・
 2015-03-01 金剛界 理趣会のパーツ描き さらにつづき・・・
 2015-03-05 金剛界 理趣会パーツ入れ1(文様)
 2015-03-07 金剛界 理趣会パーツ入れ2(尊像)
 2015-03-10 金剛界 理趣会下絵完成!
 2015-03-12 いまさらですが、金剛界 理趣会って?

金剛界 四印会 下絵
 2015-03-14 大円用コンパス選び
 2015-03-17 金剛界 四印会下絵 設計図
 2015-03-19 金剛界 四印会下絵 製図(大円描画)
 2015-03-21 金剛界 四印会のパーツ描き(三昧耶形)
 2015-03-24 金剛界 四印会のパーツ描き(尊像)
 2015-03-26 金剛界 四印会文様パーツ描きとパーツ貼り
 2015-03-28 金剛界 四印会下外周模様描き
 2015-03-31 金剛界 四印会パーツ入れ1(三昧耶形)
 2015-04-02 金剛界 四印会について
 2015-04-04 金剛界 四印会パーツ入れ2(尊像)下絵完成

金剛界 一印会 下絵
 2015-04-07 金剛界 一印会下絵 設計図
 2015-04-09 金剛界 一印会下絵 製図
 2015-04-11 金剛界 一印会 蓮華文様、華瓶パーツ描き
 2015-04-14 金剛界 一印会 尊像パーツ描き
 2015-04-16 金剛界 一印会下絵文様パーツ入れ1(外周)
 2015-04-18 金剛界 一印会下絵文様パーツ入れ2(蓮華、華瓶)
 2015-04-21 金剛界 一印会とは
 2015-04-23 金剛界 一印会 尊像入れ 下絵完成

金剛界 三昧耶会 下絵
 2015-04-25 金剛界 三昧耶会下絵 設計図
 2015-04-28 金剛界 三昧耶会下絵 製図
 2015-04-30 金剛界 三昧耶会下絵 文様パーツ描き
 2015-05-01 金剛界 三昧耶会 三昧耶パーツ描き1(外周1)
 2015-05-03 金剛界 三昧耶会 三昧耶パーツ描き2(外周2)
 2015-05-04 金剛界 三昧耶会 三昧耶パーツ描き3(外周3)
 2015-05-05 金剛界 三昧耶会 三昧耶パーツ描き4(外周4)
 2015-05-07 金剛界 三昧耶会 三昧耶パーツ描き5(第二重1)
 2015-05-08 金剛界 三昧耶会 三昧耶パーツ描き6(第二重2)
 2015-05-09 金剛界 三昧耶会 三昧耶パーツ描き7(第二重3)
 2015-05-11 金剛界 三昧耶会 三昧耶パーツ描き8(第二重4)
 2015-05-12 金剛界 三昧耶会 三昧耶パーツ描き9(第二重5)
 2015-05-13 金剛界 三昧耶会 三昧耶パーツ描き10(第二重6)
 2015-05-15 金剛界 三昧耶会 三昧耶パーツ描き11(金剛輪)
 2015-05-16 金剛界 三昧耶会 三昧耶パーツ描き12(金剛輪1)
 2015-05-17 金剛界 三昧耶会 三昧耶パーツ描き13(金剛輪2)
 2015-05-19 金剛界 三昧耶会 三昧耶パーツ描き14(金剛輪3)
 2015-05-20 金剛界 三昧耶会 三昧耶パーツ描き15(金剛輪4)
 2015-05-21 金剛界 三昧耶会 三昧耶パーツ描き16(金剛輪5)
 2015-05-23 金剛界 三昧耶会 三昧耶パーツ描き17(金剛輪6)
 2015-05-24 金剛界 三昧耶会 三昧耶パーツ描き18(金剛輪7)
 2015-05-25 金剛界 三昧耶会 三昧耶形パーツ貼り
 2015-05-27 金剛界 三昧耶会 下絵完成!
 2015-05-28 金剛界 三昧耶会って?

以上

では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ

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2015年05月28日

金剛界 三昧耶会って?

三昧耶会とは?

また最後になっちゃったけど三昧耶会ってなんだろう?ってことを考えてみる。

EPSON036のコピー.jpg
(金剛界 三昧耶会)

三昧耶は梵語のsamayaの音訳で、時あるいは平等・本誓・除障・驚覚と意訳される。

  平等とは如来の三密と衆生の三業が本来平等であること、
  本誓とは如来が一切衆生を救い尽くすとした誓願のこと、
  除障とは如来の方便で衆生の煩悩障礙を除くこと、
  驚覚とは無明にある衆生を覚醒させることを意味するとされる。

また以上をまとめて、本来衆生は如来と平等であり、如来が衆生救済の誓願をたて、煩悩障礙を除くことによって、無明から覚醒することができる。と続けて解釈することもできる。

さて、金剛界曼荼羅においては三昧耶は主に誓願の意味に使われているように思う。

すなわち、如来は何を誓願し如来となったのか、あるいは、菩薩は何を誓願し修行を行い如来となるのか、というときの誓願を三昧耶といい、それを持物や器物、印契などで象徴した図像を三昧耶形(三形)という。
また同様の考え方を二十天にも広げて解釈し三昧耶形を現している。

各尊格はそれぞれの誓願(三昧耶)に特質があり、また、尊格相互の関係や仏智の現れ方にも誓願が重要な役割を担っている。

で、あらためて三昧耶形とは?と考えてみると・・・アイコンだな

ここで三昧耶会の場所を確認します。

EPSON002-Edit-Edit-4.jpg
(金剛界曼荼羅の会と向下門)
番号と青矢印は向下門の順番。三昧耶会は(2)

三昧耶会は金剛界曼荼羅で最も重要な成身会の次に位置している。

様々な考えがある中で、御尊像で描かれる微細会や供養会よりも持物など主に物で描かれる三昧耶会が先に来ているということは何かしら重要なメッセージが込められていると思うわけであるが・・・それが三昧耶(誓願)であり、三昧耶形(アイコン)だろうと思う。

成身会は金剛界曼荼羅そのものといってよく、これだけで金剛界を十分に表現している。

しかし、成身会では多数の尊像がほぼ同様の大きさで描かれ、その違いも尊像中に小さく描かれた持物や手の形(印契)で理解するほかなく、また尊格相互の関係性も予備知識がなければ理解することは難しい。

そこで、成身会に描かれている尊像をその特徴(持物や印契など)でアイコン化し、見ただけで誓願や相互作用を理解しやすくしたのが三昧耶形であり三昧耶会であるのだろうと思う。

そもそも金剛界曼荼羅は絵として鑑賞するためにあるのではなく、金剛界世界を深く理解するために存在するのであるから、成身会と同じかそれ以上に三昧耶会の表現する内容が重要であるともいえる。

そう考えるとモノを描いただけの三昧耶会が御尊像を描いている他の会よりも先に表現されている理由もわかり、ありがたみが増すような気がします。

では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ

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