2015年06月17日
金剛界 供養会 尊像パーツ描き12(金剛輪1)
金剛輪の尊像パーツ描き1
金剛界 供養会の金剛輪の尊像パーツ描きを始めます。
今回は@ 五仏(白番号:1〜5)です。
供養会 金剛輪 五仏
1)毘盧遮那如来
毘盧遮那如来というと条帛偏袒右肩で宝冠と装飾品を身につけた菩薩形のイメージでしたが、ここでは宝冠と装飾品を身につけ、如来の衣服である衲衣(大衣)とよばれる全身を覆う一枚布を身につけています。これは、毘盧遮那如来が「菩薩形」なのではなく、如来と菩薩の両方の性質を兼ね揃えた尊格であると理解することで、如来形と菩薩形のどちらの様相を示しても良いと理解することができます。
毘盧遮那如来は梵名のヴァイローチャナの音訳で「遍く照らす」の意。
五智如来の中心、世界の中心にあり、法界体性智(法と如来の智慧そのもの)を体現する。
両手で智拳印を結ぶ。
供養される側なので三昧耶形を載せた蓮華を持たない(如来は以下同様)。
2)阿閦如来
ここで阿閦如来は宝飾品などを身につけない衲衣の偏袒右肩。偏袒右肩は毘盧遮那如来への敬意を表している。
阿閦如来は梵名のアクショーブヤの音訳で「瞋りに心を動かさないもの」の意。
東方解脱輪中央の月輪に住し、大円鏡智(すべてをありのままに映す鏡のごとき如来の智慧)を体現する。
右手は触地印を結ぶ。触地印は釈尊が降魔成道の際に悪魔の攻撃を退けた印。開悟の象徴。触地印は悟りを開き、瞋りに心を動かさないもの(阿閦如来)となったことを象徴するか。
3)宝生如来
宝生如来の額の白毫はわかりにくいがあるはず。
宝生如来は梵名のラトナサムバヴァの意訳「財宝を生み出すもの」より。
南方解脱輪中央の月輪に住し、平等性智(すべてのものが差別なく平等であるとする如来の智慧)を体現する。
右手は施願印を結ぶ。施願印は与願印ともいい、衆生の願いに応じ、施しを与える印相。施願印は宝生如来の福徳を衆生に降り注ぐ働きを象徴するか。
4)阿弥陀如来
定印にはいくつかのタイプがあり、ここで阿弥陀如来が結ぶのは弥陀定印。細部まで判別可能な形で残っていることをありがたく思う。
阿弥陀如来は梵名のアミターユスの音訳で「永遠のいのち(光)」の意。無量寿如来、無量光如来ともいう。
西方解脱輪中央の月輪に住し、妙観察智(すべてを見通し明らかにする如来の智慧)を体現する。
両手で弥陀定印を結ぶ。弥陀定印は禅定(瞑想)の象徴。釈尊が定印を結び禅定をおこなって開悟し、永遠の命を得たとすることから阿弥陀如来の印相とするか。ただし、弥陀定印は定印の中でも阿弥陀如来に特有の禅定印。
5)不空成就如来
阿閦、宝生、不空成就如来は左手を金剛拳にしてお腹の前に置いている。ここで金剛拳は金剛の智慧の象徴。
不空成就は梵名のモーガシッディの意訳「必ず(空しくなく)成就する」より。
北方解脱輪中央の月輪に住し、成所作智(すべて正しく感じ、真実の行いをなす如来の智慧)を体現する。
右手で施無畏印を結ぶ。施無畏印は相手の畏れをなくす施無畏の功徳を示す印相。不空成就の必ず願いがかなう、必ず成就することから畏れなくとも良いことを示す施無畏印を結ぶか。
以上、供養会五智如来でした。
では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ
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