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2015年04月21日
金剛界 一印会とは
金剛界 一印会ってなんだろう?
金剛界曼荼羅は九会曼荼羅ともいい九つの曼荼羅が集合した曼荼羅なので、逆に言えば九会はそれぞれ独立してみることもできるはずです。
一方で、一印会は一尊のみが描かれているので、「集会」という意味での曼荼羅という考え方からは外れているように思えます。
一尊のみが描かれている「曼荼羅」ってなんでしょう?
向下門の順番で見ると(1)成身会から(6)一印会までの流れは
(1)成身会 全て尊像形で描いた正式な金剛界曼荼羅
(2)三昧耶会 成身会の尊格を全て三昧耶形で描いた曼荼羅
(3)微細会 成身会の尊格が三鈷杵に住し法を観察する曼荼羅
(4)供養会 蓮華上の三昧耶形を持ち五仏を供養する曼荼羅
(5)四印会 上記(1)ー(4)の四会を統合簡略化した曼荼羅
(6)一印会 さらに簡略化し一尊に集約した曼荼羅
となる。
一印会には毘盧遮那如来(びるしゃなにょらい)一尊のみが描かれてて、四印会よりもさらに簡略化されている。
毘盧遮那如来は如来であるのにもかかわらず長髪偏袒右肩の菩薩系で、五智を表す五仏の宝冠を頂き、智拳印を結んでいます。
智拳印とは左手の人差し指と右手の人差し指の先端をつけてから左手の人差し指を右手で包み込む印契を言います。衆生を包み込む仏の智(金剛智)というイメージでしょうか。
毘盧遮那は梵語のヴァイローチャナの音訳で、意訳では光明遍照といいます。毘盧遮那如来が照らす光は影を作らずすべてのものを通り抜け全ての場所を明るく照らします。
ちなみに毘盧遮那=ヴァイローチャナ(Vairocana)とアスラ族の王であるヴィローチャナ(Virocana)は名前が似てますが異なる尊格です。
一印会の金剛界毘盧遮那は一尊で金剛界曼荼羅の他の全ての尊格を象徴します。
というわけで、金剛界毘盧遮那は金剛界曼荼羅そのものです。
と、ここで、金剛界毘盧遮那をその性質から全宇宙と同一体である法身摩訶毘盧遮那如来(=大日如来)とみなしたほうがいいのかもしれませんが、法身は描けないのでここでは毘盧遮那如来とします。
ここで僕が勝手に思っている三身は例えば次のようになってます。
法身 法を身体とし、全宇宙と同一体である摩訶毘盧遮那如来
報身 色界最上位の色究竟天で菩薩に法を説く毘盧遮那如来
応身 この世で悟りを開き、衆生に法を説く釈迦如来
というわけで、法を身体とする法身は色身を持たないので見ることができず、よって描けないとみなします。
では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ