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2015年03月21日
金剛界 四印会のパーツ描き(三昧耶形)
三昧耶形って?
持物などで諸尊を象徴したものを三昧耶形(さまやぎょう、さんまやぎょう)といいます。略して三形とも。
諸尊の意味(誓願)を手のかたちや持物により表現するなかで、さらに象徴化しわかりやすくするために一種のアイコンとして三昧耶形で表現しているのだと思う。
また、初期仏教では仏像を作らず釈尊を法輪や菩提樹で象徴していた。そのような歴史的流れが尊像を象徴物で表現することに影響を与えているのかもしれない。
と話が飛びすぎですが・・・
金剛界曼荼羅には三昧耶会と降三世三昧耶会という諸尊を三昧耶形のみで表現してる会(え)が二つあります。
今回描く四印会は尊像形と三昧耶形の二形式を有するハイブリッド型の会になっています。
大きな三昧耶形が描かれている会は四印会のみなので、三昧耶会と降三世三昧耶会を描く前に三昧耶形の特徴についてしっかりお勉強しておきたいとおもいます。
四印会 三昧耶形パーツ
理趣会で尊像を描いた際に香炉や矢などの持物も描きました。これらの持物が三昧耶形を描く指標となります。
やわらかい印象の尊像と異なり物体である持物は実在感を出すために硬質感やデザイン性などを表現したいところです。そこで、特に左右対称性を意識しながら三昧耶形のパーツ描きをするように心がけました。
以下の図で左から赤丸で三昧耶形の位置を示し、中央はその拡大図、右に描いた三昧耶形パーツです。
金剛輪内側の四三昧耶形は四波羅蜜菩薩を示します。
1)金剛波羅蜜菩薩
三昧耶形は五鈷金剛杵。堅固な菩提心によって悟りに至ることを誓願する。
・・・と、間違って三鈷杵描いてる・・・あとで直しとこっと
2)宝波羅蜜菩薩
三昧耶形は三弁宝珠。様々な願いを叶える宝珠により布施の徳を表し、願いが叶えられ、悟りの境地に至ることを誓願する。
3)法波羅蜜菩薩
三昧耶形は独鈷杵を茎となす未敷紅蓮華(赤いハスの花の蕾)。未敷紅蓮華で象徴される仏の智慧を誓願する。
元図では間違って箜篌を描いて、その上から独鈷杵未敷紅蓮華を描いているように見える。
箜篌は「くご」とよみ、ハープのような弦楽器。7)の金剛歌菩薩に金剛箜篌を描いている。
4)羯磨波羅蜜菩薩
三昧耶形は羯磨杵(十字三鈷杵)。羯磨(カルマン)とは業(精進)のこと。三鈷杵は三業(身口意)を象徴し、十字三鈷杵は衆生の三業と如来の三密が融合して悟りの境地に至ることを誓願する。
つづいて金剛輪外側の四三昧耶形は理趣会にも描かれていた嬉・鬘・歌・舞の四供養菩薩を表します。
5)金剛嬉菩薩
三昧耶形は曲がる三鈷杵。嬉びに踊り曲がりくねる様にて金剛嬉菩薩をあらわす。
6)金剛鬘菩薩
三昧耶形は宝鬘。金剛鬘菩薩の持物である宝鬘にて金剛鬘菩薩をあらわす。
7)金剛歌菩薩
三昧耶形は金剛箜篌。金剛歌菩薩の持物である金剛箜篌にて金剛歌菩薩をあらわす。
8)金剛舞菩薩
三昧耶形は十二鈷杵。十二鈷杵はあらゆる障害を砕破する如来の神通力を象徴し金剛舞菩薩をあらわす。
以上、四印会の三昧耶形パーツ描きでした。
さあ、次は四印会の月輪尊像を描く予定ですが・・・
次回は本紹介になるかも・・・
では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ