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2015年05月15日
金剛界 三昧耶会 三昧耶パーツ描き11(金剛輪)
金剛輪の三昧耶形パーツ描き 尊格のグループと順番
金剛界三昧耶会の第二重まで終わって、次は金剛輪内の三昧耶形パーツを描きます。
と、その前に各尊格の配置と相互関係および順位などがわからないとなぜそこに住しているのかがわからなくなってしまいます。
ここでは金剛輪三昧耶形パーツ描きの前準備として、各尊格のグループと順番をみておきたいと思います。
金剛輪の中は井形に区切られ、十字型に五つの大きな月輪(五解脱輪)が配され、四隅に中位の月輪があります。そして、五つの大きな月輪の中がさらに井形に区切られ、十字型に五つの小さな月輪があります。
ここで金剛輪内に住する尊格は大きく四つのグループに分かれます。
@ 五仏(白番号:1〜5)
A 四波羅蜜菩薩(黄番号:6〜9)
B 十六大菩薩(水色番号:10〜25)
C 内の四供養菩薩(桃色番号:26〜29)
(カッコ内の色数字は図の番号に対応します。)
尊格の位置について
上の金剛輪内の尊格の位置と番号の関係がちょっとわかりにくいので説明します。
各尊の説明は曼荼羅パーツ描きとともに次回以降に行いますので、ここではざっくりと@〜Cの4グループとそれぞれの配置について解説します。
@ 五仏(白番号:1〜5)
まず、白番号1〜5で示される五仏は金剛界曼荼羅中もっとも重要な五智如来のことで、金剛界曼荼羅で如来はこの五尊のみとなります。
あらためて如来(にょらい)とは悟りを開いた崇高なる存在で、菩薩(ぼさつ)は悟りを開こうと努力する修行中の身です。
ここで、五仏は金剛輪内に十字に配された五つの大きな月輪それぞれのの中央に住します。
金剛界曼荼羅世界は五仏を中心にできています。その中でもっとも重要な仏が中尊 毘盧遮那如来(1)です。
そして、四方四仏は東南西北の時計周りに配されます(金剛界曼荼羅は上が西)。
A 四波羅蜜菩薩(黄番号:6〜9)
次に、黄番号6〜9の四波羅蜜菩薩は四方四仏が毘盧遮那如来を供養するために出生した菩薩で、毘盧遮那如来の四方を囲むように住しています。
そして四波羅蜜菩薩も東南西北の順に時計周りに住しています。
B 十六大菩薩(水色番号:10〜25)
次に、ここがちょっとわかりにくいのですが、水色番号だけは東南西北の時計周り順になっていません。
10, 11, 12, 13で見れば西北南東順になっており、さらに、14, 15, 16, 17を見ると北東西南順となっています。
どうしてこうなっているのでしょう?
十六大菩薩は中尊 毘盧遮那如来と四方四仏との位置関係から配置が決まります。
まず、 十六大菩薩は四方四仏それぞれの四方を囲み、四親近菩薩(ししんごんぼさつ)とも言います。
四親近菩薩には順位があり、例えば、『密教大辞典』(法蔵館)の「金剛王菩薩」(本解説では11番)の項目を見ると、「東方四親近の第二にして、阿閦佛(大日に向へるものとして)の右方向即ち北方に住す。」とあります。
ここで、10, 11, 12, 13の四親近菩薩を例にとると、
第一位(10)は中尊の近位に住す。
第二位(11)は中尊に面す四仏(2)の右に住す。
第三位(12)は中尊に面す四仏(2)の左に住す。
第四位(13)は毘盧遮那如来の遠位に住す。
となっています。
また、この曼荼羅ではわかりにくいのですが、金剛界曼荼羅の尊格は中尊毘盧遮那如来の説法を聞くために全て盧遮那如来の方を向いて住します。
以上のことから、四親近菩薩は
1)中尊毘盧遮那如来に近い方が上位
2)中尊に向かって四仏の右側が上位
という二つのルールによって位置が決まることがわかります。
C 内の四供養菩薩(桃色番号:26〜29)
最後に、桃色番号の内の四供養菩薩について
東南西北の時計周り順が基本ですが、四方位からずれる場合には八方位が基準になります。
即ち、八方位の「東→東南→南→南西→西→西北→北→北東」で東南西北が抜けた「東南→南西→西北→北東」の順に配されることになります。
当たり前か・・・
これで、尊格の配置についての解説を終わります。
それほど複雑ではないのですが、いくつかの金剛界曼荼羅の図表をみた中で、何種類かの異なる番号付けが見られたので、一応まとめておきました。
特に水色番号の十六大菩薩(四親近菩薩)はルールがわからないと東南西北の時計周りに順番を付けてしまいそうです。
というわけで、長くなってしまいましたので今日はここまで
では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ