アフィリエイト広告を利用しています
アクセスカウンター
ファン
カテゴリアーカイブ
タグクラウド
<< 2015年10月 >>
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
最新記事
最新コメント
金剛界 一印会 尊像入れ 下絵完成 by ブログ主=eshi: (04/20)
金剛界 一印会 尊像入れ 下絵完成 by vajsm (04/19)
金剛界 四印会について by ブログ主=eshi: (04/18)
金剛界 四印会について by vajsm (04/18)
写真ギャラリー
日別アーカイブ

広告

この広告は30日以上更新がないブログに表示されております。
新規記事の投稿を行うことで、非表示にすることが可能です。
posted by fanblog

2015年05月27日

金剛界 三昧耶会 下絵完成!

金剛界 三昧耶会 三昧耶パーツ入れ

三昧耶会 三昧耶形パーツ貼り付けからの行程説明の続きです。

三昧耶形パーツ貼り付け下絵に新しいトレペを重ねて

_DSC5417-Edit.jpg
(三昧耶形パーツ貼り付け下絵 トレペ重ね)

下絵製図を描きます。

_DSC5420-Edit.jpg
(三昧耶形パーツ貼り付け下絵 トレペ重ね下絵製図)
何が変わったんかわかりにくいな・・・

さらに文様パーツと三昧耶形パーツに修正を加えながら描いて・・・
出来上がり!

_DSC5414-Edit.jpg
(金剛界 三昧耶会 下絵 完成!)
いかにも金剛界三昧耶曼荼羅ってかんぢ

で、いつも通り下絵だけにしたのがコレ⇩

_DSC5403-Edit.jpg
(金剛界 三昧耶会 下絵)
でーきーたー

三昧耶形パーツ描きをブログにまとめているときに幾つか間違いというか見落としを発見して修正を加えることができたので、このブログを書くようにしてほんとによかったと思いました。

で、これまでだと、完成記念ギャラリーとかやってたけど、 三昧耶会は尊格の数も多いし、じみだし、三昧耶形パーツ描きのところで場所と時間をたくさんつかったので、今回は中央の解脱輪一枚だけあげて三昧耶会下絵作成を終えようと思います。

_DSC5403-Edit-Edit.jpg
(金剛界 三昧耶会 下絵 毘盧遮那如来解脱輪)

では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ

2015年05月26日

本紹介 No. 016『密教大辞典 縮刷版』

『密教大辞典 縮刷版』

いまさらですが、これを紹介しない訳にはいかないので・・・

『密教大辞典 縮刷版』(法藏館 1983)


本当は縮刷版じゃなくて六巻本の方がほしかったんだけど、置く場所がないんだよねえ。
構成および内容

A5版、2745ページ、紙質良好、白黒図版多数

重さが2.4 kg、厚みが10.5 cmくらいあって、長時間手に持って調べ物をしていると手首がやられる・・・

ページは右開き縦書き三段組。

項目はカタカナ表記の五十音順で、場合により漢字、梵字、ローマ字表記のサンスクリット語などが並記されている。

本文は少しく古びた表現方法を用ひるにて読むに難しと思へど、慣れるに従いこの方法こそ相応しと感ず。

付録にも興味深い項目がたくさん載せてある。

   <付録目次>
    密教年表
    密教経典漢訳年表
    内容索引
    梵語索引
    冠字索引
    略字略名表
    仏菩薩等形像索引
    密教印図集・索引
    密教法流系譜


この中で、仏菩薩等形像索引とあるのは仏像の形像から種類を特定することのできる索引で、尊像を腕の数で【二臂】から【十臂以上】に分け、それぞれ、「右手」、「左手」、「頭面」、「特兆」、「尊名」が載っている。

例えば、【二臂】で右手に五股杵、左手に鈴、頭面は菩薩で、特兆に座下三象とあれば、尊名は普賢延命菩薩であることがわかる仕組みになっている。逆に名前が分かっているなら項目には【形像】についての説明があり、また、代表的な尊格は項目の近くに尊像図が掲載されている。

密教印図集・索引の密教印とは様々な手の形を組み合わせた印契(ムドラー)のことで、名称とともに印契の図が載せてあり一目でわかりやすい。印契の数なんと387図におよびます。

本をよんでわからないことは大抵語句の意味を理解していないのでネットで調べるのですが、よくわからないことがあり、結局密教大辞典を手にすることにしました。

かなり重く厚い辞書なので日々持ち歩くというわけにもいかなそうで使いこなせるかどうかわからず、本屋さんで眺めては、「やっぱり大きいよなあ」と諦めていたのですが、いざ、使い初めて見ると大きさよりも内容の素晴らしさで座右の書となりました。

はじめに買ったときは嬉しくて1ページ目から尊像図を探しはじめたのですが、途中で疲れてやめてしまうほど見応え、読み応えがあります。

ただし、所有している版は「二〇〇七年十月十日 縮刷版第十刷発行」のものなのですが、文字や図像がかすれて読みにくいところがあるのがちと残念です。古い六巻本ならそんなことないんだろうか?

出先では語句をネットで調べたりしていますが、わからないことがあると家に帰ってからこの辞書で調べ直しています。

密教大辞典の入った電子辞書などは無いようで、2745ページを自炊するのもどうかと思うし・・・法藏館で密教大辞典アプリとか作らないかなあ。
曼荼羅作画とのかかわり

曼荼羅を描いているなかで、様々なことを調べたり、読書をして考えたりしている。そのなかでわからないことはこの密教大辞典で調べることが多い。

旧仮名遣いや略表記のため慣れないときは読みにくく感じてましたが、なれると短い文章中に多くの情報が詰まっているので、短時間で内容が把握ができ便利です。

欲しい情報が必ず載っているものでもないので、密教大辞典だけで全てを知ることはできませんが、信頼度の高い参照先であることは確かです。

また、多様な曼荼羅や曼荼羅に描かれる尊像の白描などが多数掲載されており、図像から得られる情報もかなりのものです。

いま無人島に密教関係の本を一冊だけもっていけると言われたらこの密教大辞典を選ぶとおもいます。

そういう本です。

では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ




密教大辞典縮刷版 [ 密教学会 ]

価格:27,000円
(2015/7/12 15:46時点)
感想(0件)




密教大辞典

新品価格
¥27,000から
(2015/7/12 15:46時点)




密教大辞典

中古価格
¥22,731から
(2015/7/12 15:46時点)



posted by mandalazu at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 本紹介

2015年05月25日

金剛界 三昧耶会 三昧耶形パーツ貼り

金剛界 三昧耶会 三昧耶形パーツ貼り

長々と三昧耶会三昧耶形パーツ描きをまとめてましたが、やっと終わって下絵作製に進みます。

まずはパーツ貼り。

外周(第三重)と第二重の三昧耶形パーツが描いてあるA3トレペをコピーして切り分けます。

_DSC5180-Edit-Edit-3.jpg
(外周(第三重)と第二重の三昧耶形パーツ A3トレペ 2枚)

金剛輪(第一重)は金剛輪内の井形と月輪に合わせて位置や角度を調整します。

_DSC5373-Edit-Edit.jpg
(金剛輪(第一重)の三昧耶形パーツの位置調整)
カッチリ感があがる気がする

ここで、三昧耶会の金剛輪の四隅の小月輪には蓮華台座と火炎はみとめられるが台座には何も描かれていないようにみえる。
 
_DSC5373-Edit-Edit-Edit.jpg
(三昧耶会 東方金剛輪と三昧耶形パーツ描画)
四隅方向の小月輪を拡大
_DSC5373-Edit-Edit-Edit-Edit.jpg
(三昧耶会 金剛輪四隅方向の小月輪)

このまま蓮華台座と火炎だけを描こうとも思ったが、他の両界曼荼羅図を見ると三瓣宝珠が描かれているので同じく三瓣宝珠を入れることにした。この三瓣宝珠は金剛世界の清浄なる本性の象徴。

もともと三瓣宝珠が描かれていたけど剥落したり退色したりで見えにくなっているのか、それとも何か意図があってもとから三瓣宝珠が描かれていないのかはっきりしない。

どこかに答えがあるだろうか?

まあ、複製を作りたいわけではないので、わかる限りで調べ、見て感じたように描くので良いとおもうのだけれど、両界曼荼羅の世界を損なってしまうような描き方はしたくないと思っていていろいろ悩んだりしてる。

もっとお勉強しないとね

ちなみに解脱輪の四隅に描かれている三瓣宝珠は「梵我一如」の象徴として宇宙との合一を表している。

と、話がそれたが金剛輪の三昧耶形パーツも円切りカッターで切ったりして、それぞれのパーツを配置を間違えないように確認しながら下絵製図に貼り付けます。

_DSC5411-Edit.jpg
(三昧耶形パーツ貼り付け三昧耶会下絵)

文様パーツ入れは三昧耶形パーツ描きを長々とまとめている間にちょこちょこ描いていたのでもうできてたりして・・・

いろいろやったので今日はここまで。

では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ

2015年05月24日

金剛界 三昧耶会 三昧耶パーツ描き18(金剛輪7)

金剛輪の三昧耶形パーツ描き7

金剛界三昧耶会 金剛輪内の三昧耶形パーツ描きの最後。
今回は三昧耶会の金剛輪諸尊で最後となるC 内の四供養菩薩(桃色番号:26〜29)です。

内の四供養菩薩は四印会でもほぼ同様の三昧耶会を既に描いているけど、今回はすこし小さい。

EPSON036のコピー-Edit-6-Edit-6.jpg
(金剛界 三昧耶会 金剛輪 内の四供養菩薩(桃色番号:26〜29))

金剛界曼荼羅は上が西で、東南(26)から時計回り。
三昧耶会 金剛輪 三昧耶形パーツ

26)金剛嬉菩薩

_DSC5180-Edit-Edit-Edit.jpg
金剛杵が曲がっているだけで独特の生命観が宿るように思える。

三昧耶形(三形)は曲がった三鈷杵
嬉びに踊り曲がる三鈷杵で遊戯・愛楽の嬉びをもって供養することを表現している。

金剛嬉は梵名のヴァジュラ・ラースヤーの意訳。
毘盧遮那如来が遊戯・愛楽の嬉びをもって阿閦如来を供養するために出生した女尊。
金剛輪東南の月輪に住す。

27)金剛鬘菩薩

_DSC5180-Edit-Edit-2-Edit-2.jpg
ほとんど剥離して図像が見えないけど多分こんな感じ。

三形は宝鬘、金剛華鬘
宝鬘をもって供養することを表現している。

金剛鬘は梵名のヴァジュラ・マーラーの意訳。
毘盧遮那如来が華鬘・宝鬘をもって宝生如来を荘厳し供養するために出生した女尊。
金剛輪南西の月輪に住す。

28)金剛歌菩薩

_DSC5180-Edit-Edit.jpg
これはほぼ元の絵が残っていてわかりやすい。

三形は金剛箜篌(こんごうくご)
金剛箜篌の奏でる妙音歌詠をもって供養することを表現している。

金剛歌は梵名のヴァジュラ・ギーターの意訳。
毘盧遮那如来が歌詠・偈頌をもって阿弥陀如来を供養するために出生した女尊。
金剛輪南西の月輪に住す。

29)金剛舞菩薩

_DSC5180-Edit-Edit-2.jpg
これはもう少し柔らかく描いた方が良いか。筆墨下絵になったら望まずともより柔らかな線になると思ってソリッドなものはよりソリッドな下絵にしている。

三形は十二鈷杵
十二鈷杵の象徴する一切障害を砕破する如来の神通力をもって表される精進を供養することを表現している。

金剛舞は梵名のヴァジュラ・ヌリトヤーの意訳。
毘盧遮那如来が舞踊・技芸をもって不空成就如来を供養するために出生した女尊。
金剛輪西北の月輪に住す。

内の四供養菩薩は毘盧遮那如来が四方如来を供養するためにそれぞれ、
  阿閦如来の瞋恚の炎を滅した徳を嬉びで供養し、
  宝生如来の一切財宝の施しの徳を宝鬘で供養し、
  阿弥陀如来の極楽不死の徳を歌詠偈頌で供養し、
  不空成就如来の精進・済度の徳を舞踊で供養している。
・・・たぶん

では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ

2015年05月23日

金剛界 三昧耶会 三昧耶パーツ描き17(金剛輪6)

金剛輪の三昧耶形パーツ描き6

金剛界三昧耶会の金剛輪内の三昧耶形パーツ描きをしています。
今回はB 十六大菩薩の最後、北方羯摩部は不空成就如来の四親近菩薩(水色番号:22〜25)です。

EPSON036のコピー-Edit-6-Edit-8.jpg
(金剛界 三昧耶会 金剛輪 北方四親近菩薩(水色番号:22〜25))
各尊の位置と順番については/2015/05/15の記事を参照のこと

金剛界曼荼羅は上が西です。
北方四親近菩薩

22)金剛業菩薩

_DSC5175-Edit-Edit-Edit-2.jpg
ヴァジュラ・カルマで三形が羯磨杵とはわかりやすい。

三昧耶形(三形)は羯磨杵
羯磨杵は如来のはたらきの象徴。

金剛業は梵名のヴァジュラ・カルマの意訳。
不空成就如来の南方の月輪に住し、諸仏を供養し衆生を済度する働きを誓願する菩薩。

23)金剛護菩薩

_DSC5175-Edit-Edit-3.jpg
これは完全に人型を描いた方が良いのだろうか?一見すると金剛鈴のように見えなくもない。

三形は甲冑三鈷杵
甲冑三鈷杵は守護・救護の象徴。

金剛護は梵名のヴァジュラ・ラクシャの意訳。
不空成就如来の西方の月輪に住し、衆生を守護する働きを誓願する菩薩。

24)金剛牙菩薩

_DSC5175-Edit-Edit-Edit-Edit.jpg
二つの半三鈷杵の位置関係が不明瞭。繋がってはいないのだろうと思うのだけど・・・

三形は金剛牙(二つの半三鈷杵)
金剛牙は積極的守護・救済の象徴。

金剛牙は梵名のヴァジュラ・ヤクシャからの意訳。ヤクシャが牙をもつことから。
不空成就如来の東方の月輪に住し、あらゆる障害を食い尽くし衆生を救済する働きを誓願する菩薩。

25)金剛拳菩薩

_DSC5175-Edit-Edit-2-Edit.jpg
金剛拳は手に金剛杵を握る形。金剛薩埵に始まり金剛拳で終わる金剛行の完成を示唆するか。ところで・・・手が緑色に色つけされているような・・・

三形は二手金剛拳
二手金剛拳は両手に金剛杵をしっかりと握る形。修行成就の象徴。

金剛拳は梵名のヴァジュラ・サンディの意訳。
不空成就如来の北方の月輪に住し、衆生を修行の成就へと導く働きを誓願する菩薩。

以上、不空成就如来の四親近菩薩は、
  金剛業菩薩の位で諸仏供養、衆生済度し、
  金剛護菩薩の位で衆生守護・救護し、
  金剛牙菩薩の位で衆生へのあらゆる障害を滅し、
  金剛拳菩薩の位で衆生の修行が成就へと導く
ことを表している・・・のかな

では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ

2015年05月22日

本紹介 No. 015『両界曼荼羅の誕生』

『両界曼荼羅の誕生』

『密教の象徴世界』『図説 マンダラの基礎知識』に、両界曼荼羅にはいくつかの系統があり、それぞれに院や尊格の配置、数、構造が異なることが示されていた。

『西院本曼荼羅(伝真言院曼荼羅)』を参考に曼荼羅を描いているが、はたして両界曼荼羅がこの構造、形式でなければならない理由がわからなくなってきた。

そもそもこれほど複雑なものがいきなり現出したとは思えない。

曼荼羅が多様化・複雑化していく過程があるはずで、比較的単純なものから複雑なものへと移行していく流れを見ることで曼荼羅をより深く理解することができるのではないかと考えた。

『図説 マンダラの基礎知識』のなかにいくつかのヒントはあったが、限られた紙面のなかで曼荼羅の進化過程を十分に理解することはできなかった。

そんなことを考えていて目に入った本のタイトルがこれ

田中公明 著 『両界曼荼羅の誕生』(春秋社 2004)


期待の膨らむ良いタイトルだ。
構成

B6版、219ページ、ハードカバー、縦書き右開き、図はモノクロ

構成は4部、十二章で以下の通り。

     はじめに
     第1部 導入編
       第一章 両界曼荼羅の伝搬
       第二章 曼荼羅のあけぼの
     第2部 胎蔵曼荼羅
       第三章 三部の成立
       第四章 八大菩薩
       第五章 胎蔵五仏の成立
       第六章 現図曼荼羅の成立
     第3部 金剛界曼荼羅
       第七章 南天鉄塔の謎
       第八章 三部から五部へ
       第九章 教理命題の尊格化
       第十章 五元論の完成
     第4部 エピローグ
       第十一章 後期密教の曼荼羅
       第十二章 曼荼羅の日本的展開
     あとがき


章立てにも魅力的なタイトルが並んでいる。
内容

まず、「はじめに」に

両界曼荼羅を空海が請来した完成態から見るのではなく、仏教の故国インドに、その原形が現れてから、現在の姿になるまでのプロセスを、最新の発掘成果や文献研究に基づいて解明することを目指している。

と書いてあり、知りたいことに合致している。

本書は胎蔵曼荼羅と金剛界曼荼羅が仏教の歴史のなかでそれぞれに様々な発展過程をへて、試行錯誤の末に現在の形へとたどり着いたその道筋を示している。

そのなかで、モノクロではあるものの数多くの図版が内容の理解をヴィジュアル面で支えている。特に石仏などの写真は見たことがないものが多く貴重である。

話は、仏像不表現の時代から始まり、ガンダーラ美術から仏像崇拝、他土仏信仰、サーンチーの四仏、ギャラスプルの四仏へと進み、『華厳経』で説かれた毘盧遮那仏と『金光明経』の四方四仏を組み合わせ、それぞれに紆余曲折を経て金胎両部の中心をなす五仏が成立したことをインドに残る彫刻や経典を元に解明していく。

胎蔵曼荼羅形成の流れとしては、釈迦・梵天・帝釈天の三尊形式から釈迦・観音・金剛手の三尊形式へと進み、それぞれ、文殊三尊から仏部へ、観音三尊から蓮華部へ、また、執金剛神から金剛部へと、仏の智慧と慈悲と力を表す仏連金の三部形式へと発展する。

一方で原初的な曼荼羅形式と考えられる請雨経曼荼羅や宝楼閣曼荼羅のような叙景曼荼羅が見られ、さらに三部曼荼羅が発展し、八大菩薩の形成と八大菩薩曼荼羅の形成から胎蔵曼荼羅へとつながり、胎蔵図像や胎蔵旧図様などの試行錯誤もあり、完全なる左右相称性を獲得した現図曼荼羅の成立へと繋がる流れが示されている。

さらに、金剛界曼荼羅は・・・っと本書の内容を簡単に説明しても、本当の意味で本書の真価を表現していることにはならないことに気づく。

両界曼荼羅の成立は仏教の歴史の中での一つの到達点なのだ

インドで誕生し、中国で一つになり、日本へ伝わった両界曼荼羅の成立が、いかに稀有な運命を辿った道筋であったかをあらためて感じずにはいられない。

歴史、国土、言語、人種、文化・・・様々な垣根を飛び越え人類の歴史の中で共同作業によりかたち作られてきた両界曼荼羅はまさに人類の宝なのだと今更ながらに感じた。

その意味で、「両界曼荼羅がこの構造、形式でなければならない理由がわからなくなってきた。」と感じた不安はまさにどうでもいいことであり、同時に、「曼荼羅をより深く理解することができるのではないか」という期待はその発芽を得たのだと思う。
曼荼羅作画とのかかわり

各尊の性格を個別に見るのではなく、歴史的流れのなかで釈尊から両界曼荼羅への流れをざっと辿ったことで、両界曼荼羅をシステムとして理解できる足がかりができたように思う。

描いているときはどうしても一つの尊格に集中し、その細部やバランスや意味にとらわれる。これは木を見ていることになる。

設計やパーツの配置は全体のかたちやバランスに気をつけて曼荼羅全体がどう見えるかに注意している。これは森を見ているのだろう。

でも、木を見ても森を見てもそれだけで自然を理解したことにはならないように、そこに生き生きとした何かが、生きている何かがなければ木を見ても森を見ても虚しいだけだ。

そうならないように描くために必要な何かのきっかけをもらったようなそんな気がしました。

では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ




両界曼荼羅の誕生

価格:2,484円
(2015/7/12 15:44時点)
感想(0件)




両界曼荼羅の誕生

中古価格
¥1,500から
(2015/7/12 15:44時点)



posted by mandalazu at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 本紹介

2015年05月21日

金剛界 三昧耶会 三昧耶パーツ描き16(金剛輪5)

金剛輪の三昧耶形パーツ描き5

金剛界三昧耶会の金剛輪内の三昧耶形パーツ描き中です。
今回はB 十六大菩薩のうちの西方法部(蓮華部)に位置する阿弥陀如来の四親近菩薩(水色番号:18〜21)です。

EPSON036のコピー-Edit-6-Edit-7.jpg
(金剛界 三昧耶会 金剛輪 西方四親近菩薩(水色番号:18〜21))
各尊の位置と順番については/2015/05/15の記事を参照のこと

金剛界曼荼羅は上が西です。
西方四親近菩薩

18)金剛法菩薩

_DSC5169-Edit-Edit-2-Edit.jpg独鈷杵に蓮華の組み合わせが美しい。

三昧耶形(三形)は蓮華独鈷杵
蓮華独鈷杵は堅固清浄なる菩提心の象徴。

金剛法は梵名のヴァジュラ・ダルマの意訳。
阿弥陀如来の東方の月輪に住し、衆生に法の清浄なるを覚らせる働きを誓願する菩薩。
観自在菩薩(観世音菩薩)と同体。

19)金剛利菩薩

_DSC5169-Edit-Edit-3.jpg
金剛剣の力強さ。

三形は金剛剣
金剛剣は堅固清浄なる菩提心の象徴。

金剛利は梵名のヴァジュラ・ティークシュナの意訳。ティークシュナは鋭利な剣の意。
阿弥陀如来の南方の月輪に住し、仏智により衆生の苦を断ち切る働きを誓願する菩薩。
文殊菩薩と同体。

20)金剛因菩薩

_DSC5169-Edit-Edit-Edit-2.jpg
なぜ縦に潰して描いているのだろう?

三形は八輻輪
八輻輪は釈尊が説法に立ち上がる初転法輪の象徴。

金剛因は梵名のヴァジュラ・ヘートゥの意訳。
阿弥陀如来の北方の月輪に住し、堅固な菩提心を因とし法輪を転ずる働きを誓願する菩薩。
弥勒菩薩と同体。

21)金剛語菩薩

_DSC5169-Edit-Edit-Edit.jpg
始めは赤い石碑だと思っていた。まさか舌だとは・・・

三形は如来舌、金剛舌
如来舌は釈尊の説法の象徴。

金剛語は梵名のヴァジュラ・ヴァーシャの意訳。
阿弥陀如来の西方の月輪に住し、真言により衆生の正法を示す働きを誓願する菩薩。

以上、阿弥陀如来の四親近菩薩は、
  金剛法菩薩の位で衆生に法の清浄なるを覚らせ、
  金剛利菩薩の位で智慧で衆生の苦を断ち切り、
  金剛因菩薩の位で衆生への説法へと立ち上がり、
  金剛語菩薩の位で説法により衆生に正法を示す
ことを表している・・・のだとおもう。

さすがは西方浄土、阿弥陀如来に観音、文珠、弥勒に釈尊の説法と日本では馴染み深い尊格が目白押しです。

では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ

2015年05月20日

金剛界 三昧耶会 三昧耶パーツ描き15(金剛輪4)

金剛輪の三昧耶形パーツ描き4

金剛界三昧耶会の金剛輪内の三昧耶形パーツ描き中。
今回はB 十六大菩薩のうちの南方宝部に位置する宝生如来の四親近菩薩(水色番号:14〜17)です。

EPSON036のコピー-Edit-6-Edit-3.jpg
(金剛界 三昧耶会 金剛輪 南方四親近菩薩(水色番号:14〜17))
各尊の位置と順番については/2015/05/15の記事を参照のこと

金剛界曼荼羅は上が西です。
南方四親近菩薩

14)金剛宝菩薩

_DSC5175-Edit-Edit-2.jpg
参考の絵が結構剥離しているけど、火炎三瓣宝珠で大丈夫だと思う。

三昧耶形(三形)は火炎宝珠
火炎三瓣宝珠は宝生如来の持物であり、無限の財宝の象徴。

金剛宝は梵名のヴァジュラ・ラトナの意訳。
宝生如来の北方の月輪に住し、一切の衆生にあらゆる功徳を施与する働きを誓願する菩薩。

15)金剛光菩薩

_DSC5175-Edit-Edit-Edit.jpg
丸を描くだけなので楽。色は赤かな。剥離が激しい。少ない色数で様々な印象をシンプルに表現する力量を感じる。元の絵にも中心線がうっすらと見えるのは気のせいかな?

三形は日輪
日輪は宝生如来の三瓣宝珠の無限の輝きを象徴する。

金剛光は梵名のヴァジュラ・テージャの意訳。
宝生如来の東方の月輪に住し、一切世界を照らし衆生の迷妄の闇を破ることを誓願する菩薩。

16)金剛幢菩薩

_DSC5175-Edit.jpg
参考にした絵の旗頭は三瓣宝珠ではなく如意宝珠だな。三瓣宝珠で描いてしまったけど、間違いではないと思う。
これもそうだけど、参考にした絵の中心部だけが擦れたように剥離しているのをみると何か指示棒のようなもので指し示しながら曼荼羅の解説や説法をするのに用いたりしたのだろうか?そう考えると特定の図像の中心部などに傷のように絵の具の剥離が見られることがある理由が納得できるのだけれど。


三形は如意幢幡(旗頭に三瓣宝珠を載せた旗)
如意幢幡は宝生如来の一切与願を象徴する。

金剛幢は梵名のヴァジュラ・ケートゥの意訳。
宝生如来の西方の月輪に住し、一切世界の衆生のあらゆる願いを円満せしめることを誓願する菩薩。

17)金剛笑菩薩

_DSC5175-Edit-Edit.jpg
元の絵は口がほとんど見えない。心眼レベルだと思う。どのような口を描くべきかわからずなんとなくで描いたが、あたらめてみると歯の印象が強いので、歯の境界をもう少しソフトにするべきだな。ちょっと怖い。

三形は笑杵
笑杵は三鈷杵と微笑みの口のこと。衆生救済成就の嬉びを象徴する。

金剛笑は梵名のヴァジュラ・ハーサの意訳。
宝生如来の南方の月輪に住し、よく衆生済度したことを嬉び微笑む菩薩。

以上、宝生如来の四親近菩薩は、
  金剛宝菩薩の位で衆生に厚く施与し、
  金剛光菩薩の位で衆生の迷妄の闇を破り、
  金剛幢菩薩の位で衆生のあらゆる願いを円満せしめ、
  金剛笑菩薩の位でよく衆生済度したことを嬉び微笑む
流れを表している・・・ような気がする

では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ

2015年05月19日

金剛界 三昧耶会 三昧耶パーツ描き14(金剛輪3)

金剛輪の三昧耶形パーツ描き3

金剛界三昧耶会の金剛輪内の三昧耶形パーツ描きをしています。
今回はB 十六大菩薩のうちの東方金剛部に位置する阿閦如来の四親近菩薩(水色番号:10〜13)です。

EPSON036のコピー-Edit-6-Edit-2.jpg
(金剛界 三昧耶会 金剛輪 東方四親近菩薩(水色番号:10〜13))
各尊の位置と順番については/2015/05/15の記事を参照のこと

金剛界曼荼羅は上が西です。
東方四親近菩薩

10)金剛薩捶

_DSC5169-Edit-Edit-Edit-Edit.jpg
これは・・・三鈷杵にしか見えないけど、金剛薩埵の持物は五鈷杵と五鈷鈴だから五鈷杵と思う。『西院本曼荼羅』全体にいえることだけど、三鈷所と五鈷杵の明確な区別ってつけていないように思う。ここではそのまま三鈷杵に描いているけど・・・五鈷杵かな。

三昧耶形(三形)は五鈷杵
五鈷杵は本有菩提心をあらわす。

金剛薩捶(こんごうさった)は梵名のヴァジュラ・サットヴァの訳。
金剛(ヴァジュラ)が意訳で、薩捶(サットヴァ)が音訳。薩捶は衆生の意で金剛薩捶は衆生の代表。
阿閦如来の西方の月輪に住し、衆生の本有菩提心の象徴。毘盧遮那如来の教えを衆生に伝える菩薩。

11)金剛王菩薩

_DSC5169-Edit-Edit-Edit-Edit-Edit.jpg
これもそうだけど、参考の絵で三形が蓮華座の向こう側にあるように見えるのは絵の具の剥離の仕方の違いによるものだと解釈している。

三形は双立金剛鉤
双立金剛鉤は如来と衆生の二つを行に引き寄せる象徴。

金剛王は梵名のヴァジュラ・ラージャの意訳。
阿閦如来の北方の月輪に住し、衆生をを引き寄せ仏道になびかせる働きを誓願する菩薩。

12)金剛愛菩薩

_DSC5169-Edit-Edit-2-Edit-Edit.jpg
三鈷杵の刃をもっと細くするべきか。

三形は双立三鈷杵
双立三鈷杵は愛のごとき菩提心の象徴。

金剛愛は梵名のヴァジュラ・ラーガの意訳。
阿閦如来の南方の月輪に住し、衆生に菩提心への愛着をもたせる働きを誓願する菩薩。
愛染明王と同体。

13)金剛喜菩薩

_DSC5169-Edit-Edit-4.jpg
指先はつけなくても良かったみたい。実は調べるまでこの手の形は何かを象徴する印(契)の一つだと思っていた。ちなみに弾指と指パッチンは全然違う。

三形は二手を並べ相弾指(たんじ)する形
二手を並べ相弾指する形は如来へ入り口に至る挨拶の象徴。
弾指は古代インドから訪問の合図に相当する挨拶の意味を持つ。

金剛喜は梵名のヴァジュラ・サードゥの意訳。サードゥは「よきかな」の意。
阿閦如来の東方の月輪に住し、衆生衆生の迷妄を除去し歓喜せしめる働きを誓願する菩薩。

以上、阿閦如来の四親近菩薩は、
  金剛薩埵の位で衆生に菩提心を発せしめ、
  金剛王菩薩の位で衆生を引き寄せ、
  金剛愛菩薩の位で衆生に菩提心への愛着をもたせ、
  金剛喜菩薩の位で衆生を歓喜せしめる
流れを示している。

参考にした絵と雰囲気が変わってしまっているが、さて、どうしよう。
全く同じ絵が描けるわけでもないので、いまさらな気もするし、コピーを作るのが目的でもないし・・・
とりあえず下絵が最後まで行ってから考えようっと。所詮下絵だし。

では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ

2015年05月18日

本紹介 No. 014『図説 マンダラの基礎知識』

『図説 マンダラの基礎知識』

以前紹介した『マンダラ事典』はマンダラを中心に興味深い様々なテーマを密度高くまとめていて、疲れたときなど手にとって読み返すのにちょうど良い本です。

しかし、白黒の図版しか載せていないので、もうすこし色鮮やかな解説書があると楽しいなということで探していて、面白そうな本があったので読んでみました。

越智 淳仁 著 『図説 マンダラの基礎知識』(大法輪閣 2005)


表紙に『西院本曼荼羅』胎蔵界中台八葉院が使われています。
構成

A5版、238ページ、図版はオールカラー(素晴らしい!)

構成は以下の通り。

  はじめに
   第一章  両部マンダラの名品
   第二章  マンダラ成立の思想的背景
   第三章  密教とマンダラ
   第四章  マンダラの儀礼
   第五章  砂マンダラの描き方
   第六章  密教瞑想とマンダラ
   第七章  インドの四大密教寺院とマンダラ
   第八章  アジア各地のマンダラ
   第九章  マンダラの表現方法
   第十章  大悲胎蔵生マンダラとは
   第十一章 大悲胎蔵生マンダラの構成(1)
   第十二章 大悲胎蔵生マンダラの構成(2)
   第十三章 金剛界マンダラとは
   第十四章 中国・法門寺の金剛界マンダラ(1)
   第十五章 中国・法門寺の金剛界マンダラ(2)
   付篇   マンダラの研究の手引き
  あとがき


これが基礎知識なのか・・・結構幅広いな。
中を開くまで『現代用語の基礎知識』みたいな辞書っぽいものを想像していたのだけど違った。

前回読んだ『密教の神々』みたいな論究も良いのですが、絵が好きなのでやっぱりフルカラーの図版がたくさん乗っている本書のような構成はワクワクしますね。
内容

すばらしい!!!

まず、特筆すべきは「付篇 マンダラの研究の手引き」で、これが素晴らしい!こういうのをはじめに読むべきだなと思えるマンダラ研究の指針です。

もちろん研究者ごとに研究のための方針は異なるのでしょうが、あるところまで辿り着かないと見えない景色がありますので、そこからあらためて見渡したときに「この道筋をたどれば間違いが少ないのでは」という指針が表明されていると大変助かります。

さて、内容については自由なようでいて大変にシステマティックです。そして、本書が「基礎知識」を銘打っていることからほとんどの専門用語にルビがふってあり読みやすい。

それで、本書の眼目を先に挙げておくと、実は帯に書いてあります
・・・これが赤地に金文字でひじょーに読みづらいっw 

ここには次のように書いてあります。

最新の研究とカラー図版を駆使して、マンダラを立体的に解明!

その通りです。

さらに、

宇宙仏・法身大日如来の<こころ><ことば><からだ>の働きを示す、壮大・華麗なマンダラ世界。
本書は、その思想・儀礼・瞑想からイコノグラフィー(図像学)までを、ヴィジュアルに徹底解説する。
図版600余点。

この辺はわかりやすく噛み砕いて表現されていますがまさにそのような本です。

偏りがないとは言いませんが、まさに教科書とするにふさわしい表現力・構成力です。まあ、ちょっとした間違いはあるにはあるのですがすぐに気がつくレベルです。

ここで、内容について注目した点をいちいちあげてもいいのですが、まさに教科書。全部大事。構成のところにあげた章題の通りで各地様々な内容が幅広く、知識も多く、切れ味鋭い表現で次々と解説がなされていきます。

図版が多いのでページ数の割にすぐに読み終わるのですが、内容が濃いのでずっしりときます。

一方で、大悲胎蔵生マンダラも金剛界マンダラも各尊の説明をするところでは多くを割愛しています。そこが中心の目的ではないので仕方のないところです。

「マンダラの基礎知識」となってますが、決してマンダラのことを漫然と著しているわけではありません。

胎蔵法、金剛界法両方の灌頂儀式やチベット砂マンダラの描き方の詳しい解説、インドの四大密教寺院やボロブドゥール遺跡(インドネシア)、ペンコルチューデ寺(チベット)などをマンダラとの関係の中で捉える解説など、『西院本曼荼羅』に閉じこもっている僕にとっても目からウロコでワクワクします。

特に、中国・法門寺 真身舎利塔の崩落から地下宮殿の発掘、そして、金剛界マンダラ宝函の発見などまるで夢物語のようです。

もう少し早めにこの本に出会っておくべきだったと後悔しました。 
曼荼羅作画とのかかわり

本書は全体としてマンダラの理解を数段アップさせてくれたと思います。

また、大悲胎蔵生マンダラと金剛界マンダラの各尊の解説は曼荼羅作画のうえで大変有益な意味をあたえてくれると思います。

一方で、さらなる研鑽のためには「付篇 マンダラの研究の手引き」に紹介されている書籍等にも当たらなければ!という気持ちも強くなり、ますます作画の時間が少なくなりそうで心配です。

では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ




図説・マンダラの基礎知識 [ 越智淳仁 ]

価格:3,672円
(2015/7/12 15:41時点)
感想(0件)




図説・マンダラの基礎知識―密教宇宙の構造と儀礼

中古価格
¥6,888から
(2015/7/12 15:41時点)





posted by mandalazu at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 本紹介
検索
QRコード
プロフィール
画書屋
×

この広告は30日以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。