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2015年02月19日
ドローイングペンという選択
ドローイングペンという選択
筆墨を使った鉄線描で下絵を描きたかったが筆墨は吐出量を調整するのが難しく、一定幅の作画は製図ペンの方が向いている。
下絵の作図で製図用品をつかっていることもあり、その流れで『ロットリング ラピッドグラフ』や『ステッドラー マルスマチック』などの製図ペンを使うことも考えた。
しかし、高価なのと長期間保存で不具合が出ることがあり、コストパフォーマンスが悪いので仕事以外で使うのはキビシイ。
製図ペンの使い捨て廉価版(製図ペンと区別するためにドローイングペンと呼ぶことにする)が使いやすい印象があったので、いくつか試用してみたところ筆墨と異なり吐出量調整のための技術など必要なく気軽にサクサク描くことができた。
何はともあれ下絵を描くことが重要なので、筆墨に慣れるまではドローイングペンで下絵を描くことにする。
ここにいくつか使用しているドローイングペンの種類とその特徴についてわかる範囲でまとめておく。
試用したドローイングペンは次の9種類
@ Too コピック マルチライナー
A Too コピック マルチライナーSP
B ステッドラー ピグメントライナー
C マービー フォードローイング
D サクラクレパス ピグマ
E 三菱鉛筆 水性サインペン PIN
F PILOT 水性ドローイングペン
G OHTO 水性ボールペン グラフィックライナー
H タチカワ ラインマーカーA.T
線幅7種類(0.03/0.05/0.1/0.3/0.5/0.8/1.0 mm)のセット
はじめに下絵に使用しているTooのトレーシングペーパーとの相性が良いとの触れ込みでToo コピック マルチライナーを選択した。
これが使い勝手がよく思い通りの線が引けたので安価なドローイングペンでいいのではないかと思い始める。
下絵描画につかう線の太さがわからなかったので比較的種類の多いA-2セットを選んだ。
描いているうちに0.03/0.05/0.1/0.3あたりを多用することがわかってきた。
残念ながらペン先がデリケートで、筆圧が高いとペン先が引っ込んだりつぶれたりしてしまう。描き心地は抜群。
パーツ交換のできるアルミボディのユーロモデル
10種類(0.03/0.05/0.1/0.2/0.25/0.3/0.35/0.5/0.7 mm/BS)のセット
Too コピック マルチライナーのヨーロッパ仕様の豪華版。アルミボディで堅牢。インクカートリッジとスペアニブ(ペン先)をそれぞれ別々に交換可能。
描き心地はToo コピック マルチライナーと微妙に異なり少し硬めな印象。先端加工が少々違うように感じられる。
ただし、握る部分の形状や軸素材は通常のコピック マルチライナーの方が自分には向いているように感じる。アルミはちょっと滑る。
線幅は9種類(0.05/0.1/0.2/0.3/0.4/0.5/0.6/0.7/0.8 mm)あるが0.05/0.1/0.2のみを使用している。
Too コピック マルチライナーはペン先が弱く、強く押すとペン先が引っ込んでしまう。
ステッドラー ピグメントライナーはToo コピック マルチライナーに比べるとペン先が堅牢で押しても引っ込みにくい。ただし0.03 mmがラインナップになく、価格は比較的高め。
UCHIDAで販売しているドローイングペン
線幅5種類(0.03/0.1/0.3/0.5/0.8 mm)のセット
ステッドラー ピグメントライナー と比べペン先の堅牢性がさらに高くなり書き心地が固めの印象。逆に高めの筆圧をかけないとペン指定の線幅に即した線が引けない。
弱い筆圧では掠れるか線幅が狭くなる。0.03 mmが設定されている。
ただし、軸の直径が太く一部のペン差し込み式のコンパスにセットできない。
余談だがキャップの締まり方が他と比べたいへんソフト。
線幅は9種類(0.05/0.1/0.2/0.3/0.4/0.5/0.8/1.0/2.0/3.0 mm)あるが0.05/0.1/0.3のみを使用している。
線幅9種類のそれぞれに黒/赤/青/緑の4色があり、0.1 mmにはさらにオレンジ/茶色/ローズ/紫の4色が加わる。
ドローイングペンの多色使用をしたい時に便利かな。ペン先は比較的柔らかめでインクの載りもよい。
Too コピック マルチライナーに似た印象だが0.03 mmがラインナップされていない。
またペンの中でインクがカタカタと動くのが気になる。
特別なことはしていないつもりだが他のものに比べインク漏れする個体が多いように思う。
線幅は3種類(PIN-101 = 0.28 mm /PIN-102 = 0.33 mm/PIN-103 = 0.38 mm)
線幅と商品名の関係がわかりにくい。最も安価にどこででも手に入る水性サインペン PIN。
サイズが0.28〜0.38 mmと狭い範囲に集中していて線幅も軸先の当て方によって大きく変わる。
書き味は少し引っかかるような感じで好みが分かれるところ。ニブは固めで筆圧が高めでもつぶれにくい。
0.2 mm以下の線幅ラインナップが出れば使用頻度が上がること間違いなし。だって安いもん。
線幅は6種類(0.05/0.1/0.2/0.3/0.5/0.8 mm)あり、0.1/0.3/のみ使用している。
書き味は大変にスムーズでペン先も堅牢で安定。価格も比較的安価。
ただし持った時の印象がToo コピック マルチライナーに比べ固め。またはグリップ部の形状によると思われるがペン先の取り回しがToo コピック マルチライナーに比べ不安定。
どうしても最初に慣れたToo コピック マルチライナーとの比較となり不公平感は否めない。
デザイン変更の過渡期に購入したらしく使用中の0.1と0.3でデザインが異なる。0.03 mmはラインナップにない。
ここまではToo コピック マルチライナーと同じプラスチックニブの水性顔料ドローイングペンのまとめ。
ここからはペン先形状の異なるドローイングペン二種類。
線幅は6種類(0.05/0.1/0.2/0.3/0.5/1.0 mm)あり、0.05/0.1/のみ使用している。
名前の通り水性ボールペン型のドローイングペン。
ボールポイントなので上記のプラスチックニブ系と比べるとペン先の圧力耐性が格段に高い。
直液式水性顔料インクで『PILOT V CORN C』と似たような書き味だが『PILOT V CORN C』よりにじみにくい。
通常の水性ボールペンと比べても線引きの安定性が高くほとんど筆圧をかけなくとも掠れるようなことはない。
ただしボールポイントペンの性質上凹凸の少ない滑りやすい紙面ではペン先が逃げやすく線が流れやすい。
線幅は3種類(0.1/0.2/0.3)、0.1/のみ使用している。
「万年筆でもフェルトペンでもない!画期的なラインマーカーA.Tの誕生!」だそうです。
タチカワは日本の数少ないペン先メーカーでラインマーカーA.Tは丸ペンのような万年筆のようなペン先のドローイングペン。
ソリッドな書き心地でドローイングペンのように一定幅の線描きができる。
インクの交換もカートリッジ式万年筆と同形式で安心。
ただし、ペン先の向きは一定にする必要があり使い心地は万年筆に近い。慣れれば面白い使い方ができそう。
どれが一番いいかな?
他にもいくつかドローイングペンを試用したが話が煩雑になるのでこのあたりで終える。
一見同じドローイングペンといっても性質や書き心地などが結構異なる。
いろいろ試用したが、結局、描く対象や大きさによってペンの種類を変えて使っているのでどれが一番いいとは一概に言えない。
その日の気分で変えることもあるし、目的の線や太さが描きやすいドローイングペンを探すために次々と手に取り試しながら描き進むことが多い。
今更ながらこんなにいろいろ調べるなら『ロットリング ラピッドグラフ』や『ステッドラー マルスマチック』に限定したほうがテストに時間を使わずに済んだのではないかと思いながらも、『ロットリング ラピッドグラフ』や『ステッドラー マルスマチック』はテストしたドローイングペンの10倍近い価格なので、調子が悪かったらすぐ新しい物に取り替えられる廉価なドローイングペンの方が精神安定上いいと思うことにする。
準備の話ばっかりで全然先に進まんなあ
よせばいいのに長々と試用記録を書いて時間を潰している
ま、こういう記録も後で役にたつかもしれないし・・・ってないな
では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ
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タグ:下絵道具