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2016年01月23日

観劇 David Tennant の「Richard  U」barbican劇場

dvd_rsc_richardii.jpg



            写真はWEBより拝借いたしました            




観劇 David Tennant の「Richard  U」barbican劇場


Shakespeare 没後400年となる記念イベントです

国王と王国 と題し 歴史劇 リチャード2 ヘンリー4(1,2)ヘンリー5 が RSCの芸術監督Gregory Doran

(2013年 市村正親 が 徳川家康 を演じた 「Anjin 」Sadler's Wells於 を演出)によりbarbican劇場にて

上演されております

チケット完売でありましたが 当日劇場窓口で手に入れることが出来ました

Shakespeare の「Richard  U」は 1956年に書かれたとなっておりますが 研究者によりますと 

シェークスピア本人によりどこまで書かれたものか論点の残る作品のようであります


実在したRichard  Uは 英国百年戦争の初期 1377年 10歳で王位継承 神により選ばれた王である

立場を押し通し また 霊威たるカリスマ性も備えていたようでありますが 政治 軍事を率いるには力が不足

32歳で王位を追われ 半年に及ぶ過酷な処遇の後餓死したとあります

エリザベス1世は自身の弱さを嘆くのに リチャード1世を引き合いに出したとも言われております


David Tennant のRichard 2は そのカリスマ性を在りのまま再現しておりました 

華奢な身体に 流れる衣装 シェークスピアの韻律を踏んだ台詞を 大変流暢に喋り

 他の俳優よりその存在感は抜きんでておりました

もちろん皆 RSCの属する才能ある俳優陣で構成されておりますが 事に年配俳優のシェークスピア芝居染みた

 大仰で硬い演技には興が失せました 

David Tennant は実に力みなく まるで演技などしていない様子なのです しかし 客席1,156の大ホール

 満席の観客をすっかり取り込んみ リズミックな台詞を滑舌よく確実に届けます 

それはまるでマントラを耳にするような心地よさです RSC独自の言語造形 是非体験してみたくなりました   





と たのしい演劇の日々 

2016年01月17日

俳優修行 There’s No Such Thing as Character/キャラクター そんなものはありません/Actors Center London 01


Cris New02.jpg



                写真はWEBより拝借いたしました




俳優修行 There’s No Such Thing as Character/キャラクター そんなものはありません
/Actors Center London 01


Cris New の演技法を順を追って再度観ております 


1. 2m程の間隔で 向かい合う椅子2脚 

2人の俳優はその椅子に座る

交互に 口をついて出た数を一つづつかぞえる

俳優の業である 『人の気を惹きたい』 欲望は捨て また 

物語が見る見る間に沸き上がる感性を休業状態にし

 まるで禅の境地にも似た静寂さで存在する/ニュートラル とCris New は云います


1-2. 更に 2脚の椅子が夫々の椅子の横に加えられ 1.同様に数を交互に数える 

で Cris New が手を叩く合図で その新たに加えられた椅子へと移動する

 禅の境地/ニュートラルで


2. 4脚の椅子が舞台中央横一列に並べられ A.B 2人の俳優は舞台左右に別れて出を待つ 

俳優は椅子に向かって歩いてき

 同時に自身の手前より椅子を重ねる 

2脚の重なった椅子を 持ち上げ互いに向き合う 

Aが椅子を床に置く

 Bは抱える2脚の椅子をその上に重ねる 

俳優は踝を返し去る


この単純なシナリオを 禅の境地/ニュートラル で行う/演じる 

いつもシナリオに沿わねばならない

俳優の培われた自然で 『創造力が発揮され あらたな物語/変化が生まれてしまう』は休業状態を維持する


2-2. 同様の動作/演技 に 誕生日の歌を加える 

左右よりの出の瞬間 同時に歌い始め 椅子に向かって歩いてくる 

椅子を重ね 互いに持ち上げ向き合った瞬間 歌を止める 

Aが椅子を置き Bが重ね 

踝を返した瞬間 また同時に歌い始め舞台を去る


シナリオ通りに行動/演じるこ とCris New は云います


3. 舞台中央奥に椅子と机 机の上には 多数のパンフレット それを取り巻き 4脚の椅子が倒れている

俳優Aが机について パンフレットを順序良く並べている

俳優Bがドアを開け入ってくる

 俳優Aに眼をやり 倒れた椅子を順に追い

 手前より1脚ずつ 起こした際に床に軽く叩きつけながら 椅子を起こす 

も一度 俳優Aを見 退場

俳優Aは 俳優Bが4脚の椅子を起こし始めると 並べたパンフレットをかき集め

 また最初から机上にきちんと並べなおす 


パンフレットを並べる俳優Aは あたかも自閉症者のそれに似て その作業に集中していますが

 その演技は客席最後尾の観客に届くように行うべきで 

第4の壁は観客席最後尾に置く とCris New は云います  

倒れた4脚の椅子を床に軽く叩きつけながら起こしておりますと 俳優の自然な反応で

 感情が沸き上がってまいりますが Cris New はそれを望みません 

禅の境地/ニュートラル で一つ一つの行動/演技 に臨むようにと云います


この後 呼吸とイメージを合わせた 瞑想/リラクゼーション を3分程入れました

椅子に座り 呼吸を 頭頂より 会陰(生殖器と肛門の間) のチャクラへと その逆をと 

 ゆっくり繰り返し流してゆきます 


更に 3. のシナリオを繰り返します


 禅の境地/ニュートラル 演技しない 反応するだけ 

 物語は観客が描くもの 俳優はシンプルに的確にシナリオを体現し観客に伝えるのみ 

と Cris New は云います







と たのしい演劇の日々









2016年01月11日

俳優修行 「There’s No Such Thing as Character/キャラクター そんなものはありません」 /Actors Center London

chris new00.jpg



                         写真はWEBより拝借いたしました




俳優修行 「There’s No Such Thing as Character/キャラクター そんなものはありません」
/Actors Center London

講師は Chris New  2006年 RADAを卒業後 舞台映画TVと順調にキャリアを積み上げ

労働階級の出ながら(階級国家英国ならではの肩書です) 英国の将来を背負って立つ俳優として

大いに脚光を浴びます が ゲイである事を隠しながらの成功に心を痛めるのです 

しかし2011年 同性間のパートナーシップ登録をし 現在では 俳優 演出 脚本も手掛けます 

Actors Center Londonでは 彼の数々の演技経験より得た 彼独自の演技観を 

俳優たちと分かち合っております 



クラス案内によりますと

キーワードは 協同 創造力 即興 手順 自信 真実

演技に対する驚くべき全く新しい観点とその方法論を学ぶ 

演技について語られる神話と神秘主義を切り開き 俳優個々が頼ることのできる

 はっきりした簡潔なプログラムを達成する 


演技とは何か? という最も単純な原則の理解より始め 俳優個々の方法論を生み出すことに取り組む

毎回のクラスは 常連のための予習を含んだプログラム と 新参者のための予習なしで可能なプログラム 

との混成で成っており そして それらはどれも 

俳優が侵しがちな 性格のマスクを身に纏う という演じ方に代わって

 事実は全て 俳優自身その者なのであり そのことをプログラムの体験を重ねながら 確かなものとし 

更に技術を繰り返すことで 演技法として確立する 


その為に編出されたプログラムの手順を守り 過程を経むことで

演技が働く理由 つまり 観客が物語を創り出す をはっきりと理解し  俳優は 自信をもって

 明瞭な声と精神/魂で台詞を喋る事を学ぶ

オーディション 映画撮影 舞台において 仕事に対する自信とゆとりが育まれる



さて年明け初日のクラスでは まず 演技とは 自身をさらすことだ と言いまして 

単純なシナリオを繰り返します 俳優の自然で 舞台上で動く度に物語が勝手に生まれてくるのですが

 それを止め 始終ニュートラル を維持するのです 頭は空っぽ を試みます

Chris はいつも観客視点におります 観客はお金をだして物語の世界に浸るひと時を得る

その観客の為に 演技とは 脚本をシンプルに明確に 展開するのみ 

演技は記号 とも読み取れます 

次回はChris がRSCで仕事をした際に習った 台詞を喋る仕組みについて 体験するのだそうです 

記号としての台詞を観客に向かってどう伝えるというのでしょう?


眼の肥えた観客が育てる演劇です



と たのしい演劇の日々

2016年01月02日

人智学演劇本Dawn Langman 「The Art of Speech14」

新年明けましておめでとうございます
皆様方にとりましてより良い年でありますよう
心よりお祈り申し上げます





dialect01.jpg


             写真はWEBより拝借いたしました



人智学演劇本Dawn Langman 「The Art of Speech14」

a word about accents/訛り


読み進めながら 気になる箇所の意訳を試みております 今回は「訛り」 についてです


ある特定の集団に共通する 独特な 発語 撥音 リズム 抑揚のパターン 

による発声 を訛り と呼ぶ

訛りのユニークさは 「The Art of Speech」の仕方で理解する機会を与えてくれる

Michael Chekhov のPsycho-physical perspective /心体法による観察によれば 

人類は世界を経験することで訛りを生んだのであろう

例えば 言葉 world/世界 と発声するときの 身体と口蓋が受ける刺激を全身に浸透させ 

それぞれの訛りによって生じる 独特な体験を観察するならば


英語/Queen's English
  巻き舌「r」はあまりに際立っている故に 頭部が身体から別れた感じを受ける

  それにより 世界の分離を感じ取る 


アイルランド訛り
  巻き舌「r」は 唇全部を意識し 柔らかく発声され それ故 暖かく抒情的で夢心地にする 


スコットランド訛り
  巻き舌「r」は 舌先を活発にし 口蓋を激しく叩く 意識は覚醒し 世界 北部の厳しい気候と対峙する


米語
  巻き舌「r」は 口蓋に留まり 喉の奥へと引き戻される それはとても心地よく 世界は私と共に在り

  何でも欲しいものは共に在ると感じる


豪英語
  子音をはっきり発声するために努力がいる 「r」は完全に消え去り 自身も共に消え去る感じを覚える

  まるで子音は二重母音のなかに溶け込むようだ その乾燥した気候条件を受け 喉に渇きを覚える

 地味を良しとする文化である 何故無駄な努力は喉を乾かせるのか 母音は平らに投げ出され 広げられる

  少ない呼吸を用いて Galah/モモイロインコ の鳴き声そのものだ




Dawnに習い私見を試みてみました

日本語英語
world//wɜːld/ カタカナのワールド に引きずられる故 wは無理に細かく唇を窄め

 「r」は完全に消え去るが LとD が粒立ちしかも母音が残る 世界の不完全さの印象を受ける



と たのしい演劇の日々 

2015年12月27日

人智学演劇本Dawn Langman 「The Art of Speech13」

meter rhythm00.jpg




                 写真はWEBより拝借いたしました
               

人智学演劇本Dawn Langman 「The Art of Speech13」


英語を学び始め 最初に戸惑ったのは 日本語とは違う音節の在り様でした

日本語は仮名一文字が一拍 長音 促音 撥音を含む仮名も含め ですから しかも 

英語のアルファベット構成を日本語のローマ字表記と混同してしまう為に 尚更解りづらくしております

なので 英語単語の音節を知るうえで 国際音声記号は欠かせません


例えば 

日本語 スペクトル 5拍 

ローマ字 su.pe.ku.to.ru  5拍

英語 spectra/ˈspɛk.trə/  spectrum/ˈspɛk.trəm/ の複数形 は2拍 です

韻律を踏んで英語の台詞を身体に入れる際の最小単位 拍 に強弱長短のリズムを持たせ 詩脚 

を訓練することは 日本人が英語発声を学ぶ際 大変助けとなります



The role of the syllable/音節の役割

各母音は 子音を付帯し 或いは独立で 音節を構成する

音は結合し音節を構成 それは ゆとり/安心の感覚を与え 

口蓋に耳に心地よく 流れとなって発声される


音節を意識し発声するとは

1 母音は 付帯する子音に掴まれ 拍を成し 

2 母音は子音に魂を吹き込む

を 体験することである

音節は音である それは 時間 空間を含む 情報を伝える記号 の霊的体験である

この 一コマの音節より始まり 単語 文節 物語へと 導かれる 









と たのしい演劇の日々 

2015年12月20日

人智学演劇本Dawn Langman「The Art of Speech」12

breath00.jpg




               写真はWEBより拝借いたしました              



人智学演劇本Dawn Langman「The Art of Speech」12


今回は 演技にとって 呼吸を知ることが いかに重要な課題であるのかをみております

バレーダンサー藤野 暢央(ふじの のぶお)さんのエッセイ(Chacott)にも 良く踊る為に 

コントロールされた呼吸の大切さを書いておられます



Breath as life/命の呼吸


呼吸 研究室では 化学物質の構成を分析する ところで 古代の英知は 呼吸とはヨガである と教えた

息は 命の躍動/エランビタール である 神聖な物 生体に不可欠な機能であり 正しく訓練することで

 日常よりも高い意識レベルへと導くことができる

皮膚は 思考を操作し 宇宙と分離した存在である人類 と認識させる が呼吸の度に

 人類と宇宙との関与を再度自覚することができる

旧約聖書によれば 神は土に息を注ぎ人類を生み出した とある

発声/会話 の折に 呼吸の神秘な作用 呼吸とは言葉に命を注ぎ込む のだと 

太古の知恵を思い起こしてみてはどうだろう

ある場面の雰囲気とは 特定の空気に覆われた状態である 

その大気は ある特定の魂が宿ると考えられないだろうか

呼吸するとは 命の躍動であるばかりか 宇宙の魂との交流でもある

呼吸により 宇宙の魂へ 個々の魂を吹き込み 変換する そして 霊的発声/会話を通して さらに 

宇宙の魂へ 呼吸の波を送り戻す 

宇宙の魂は それを受け 愛により温められるか 憎悪により凍てつくか する

我々の呼吸は 宇宙の魂に働きかける それにより 人類は宇宙の魂の影響を受ける 


- 練習 -

好みの草花を手に取り その名を呼びかける 

呼吸と 草花の名 発音 を注意深く観察する

嫌いな物 想像物 を使い 音/身体/雰囲気 の違いを 注意深く観察する




 




と たのしい演劇の日々 

2015年12月16日

人智学演劇本Dawn Langman「The Art of Speech」11

ouroborus00.jpg




               写真はWEBより拝借いたしました            



人智学演劇本Dawn Langman「The Art of Speech」11



the act of creation/創造する力


ここで Dawn は Dr Alduino Mazzone/豪シュタイナー学校発展に力を注ぐ教育家 により提唱された

the International Cosmic Alphaber(ICA) を基礎とした 言語造形の為の文節 を紹介しております 

 豪英語の音を基礎とした文節であるため 日本語訳は省きます




合理的に云えば 子音は発声の際 瞬間的であるため 音声器官は 発声するや息を止める  

発声の後 息は解放される それらは 有声か無声である

一方母音は 発声の際 音声器官は何ら障害無く息を放し母音となる


シュタイナーによると 人類のあらゆる活動を体現する言語/発声 は音全体を成し それは宇宙を形作る

さらにシュタイナーは これら創造する力は 大宇宙に充満し それは 人類の体内宇宙にも同様充満している

 それは ヨハネ福音の冒頭で明らかだ と云う


一般的に馴染みの多い 英語の母音子音を取り上げ

 大宇宙 人類の内に宿る小宇宙 の創造活動を味わってみる

世界/宇宙を 物質的にとらえると それは 表面だけを捉える作業となる

しかし 胸のチャクラを開き 宇宙を ある存在として 受け止めるなら それは無限の可能性を秘める




Dawn はシェークスピア「真夏の世の夢」第5幕冒頭 シーシアスの台詞に 

ひとつ進化を遂げた人間の意識状態を読み取り 言語造形を学ぶ者の 意識/思考の在り様について

 説明を加えている

つまり 詩人の強い想像力には 魔力が宿るのだ


そして この創造的言語造形体験締めくくりには 発語AUM が紹介されており

それは 始まりであり終わりでもある ウロボロス/自身の尾を食らうドラゴン/蛇 によって象徴される





と たのしい演劇の日々 

2015年12月14日

人智学演劇本Dawn Langman「The Art of Speech」10


speech10.jpg



                   
                写真はWEBより拝借いたしました


Dawn Langman「The Art of Speech」10


途切れがちですが Peter Bridgmont 「Liberation of the Actor」 同様 

シュタイナー演劇論を実際に俳優訓練へと展開した Dawn Langman 演劇本2冊目「The Art of Speech」より

 気になる箇所の意訳を試みております 今回は

The marriage of vowel and consonant/母音と子音の結合


日本語は母音子音結合の言語です 

ところで 英語/独語 には独立した子音が存在します なので 発語の際 日本人は 

注意深く舌/息の使いに気をつけねばなりません いとも簡単に母音は子音語尾に被ってしまいますから 

しかしながら 日本人の英語が 母音特性を多く含むかと云いますとそうではなく 

単一シラブルによる日本語の性質のため リズムが単一で抑揚にかけ むしろ淡泊 機械的な言葉として

 英人の耳には入るようです   



例外なく 母音と子音の兼備なしに言葉は語れない 

それは言葉がもつ外面性と内面性を示す

 内面性/魂無しの言葉は 冷たい技巧のみとなる

同様に 強い情動を演ずるには 組織的に形成された訓練が欠かせない

母音に含まれる内面性は 子音の活発な力を浸透し形となる

或いは 子音が示す明快性と力強さは 母音により 暖かさと内面性/魂が加えられる

この母音と子音の結合を成し遂げるには 並外れた 発話行為に対する認識が必要だ

その為に 発声する時はいつも 自我/I AM  存在によらねばならない

それを成すには 意識は日常レベルより 覚醒している必要がある そして 発声/発語している 今 

その瞬間を生きる 身体状態を形成する ことに喜びを持って 心して臨むことが肝心だ




と たのしい演劇の日々 

2015年12月10日

演技

camera-shots00.png




                    写真はWEBより拝借いたしました



演技


大学映像課学生たちの卒業制作を手伝っております

若い創造力より刺激の恩恵を受けますので 例えそれは煩雑であっても 大変面白いものです

しかも今回彼らは 現在西欧と中東の間で大きな政治問題となっておる 移民をテーマに上げ 更に

 彼らは 民族移動の歴史 神話 宗教を研究し 個人の人生に力を及ぼすオカルト存在について思考中です

引き合わせられたような印象を受け 英国の学生たちは 大層だらしなく呆れますが 

それでも彼らの撮影に向かう真摯な姿を頼もしく 見守っております


ところで 撮影中 台詞を喋る相手に向かいながらも 俳優は「次の台詞は何だったか?」

 と不意に言葉が脳裏をかすめ 慌てて 相方へ注意を向け直したのでした 


夫々のシーンは短い細切れの撮影により成り立っております

 また各々こまどり撮影の目的ははっきりしておりますから 俳優はその目的に焦点を当て演じます

時にほんの1分以下のシーンであったり 前後逆の順でシーンの撮影はされるのですが  

前のシーンで起こっておる出来事により発生した雰囲気や気分を其の儘引き続き俳優は演じます 

カメラは俳優をすっかり見抜きますので 生きたシーンを創造するために 

俳優はカメラの前で起こっている物語/出来事に集中し この瞬間 胸のチャクラは開いております 

真に状況/相方に 反応を返すのです

勿論 撮影シーンの目的 物語の成り行きを知っているわけですが

 まるで今正に そこで展開している体験として 反応し演じます

その為 相方の台詞に集中する が俳優術なのですが 

それですから 次の台詞について思いが及ぶなどといった状態でカメラの前に居る ことに

 「何をやっておる」と思わず俳優は自身をたしなめ 相方に集中したのでした

学生の作品であるからと 気を抜きはしません が もしかしたら 慣れによるゆとりが 

カメラを前にし役を演じながらも 流れを追う 俳優のダブル存在は同時進行的に存在するのですから 

それが 言葉となって脳裏に現れたのでしょうか 俳優のダブル存在について

Michael Cheknov は公演中 観客席にその姿/彼のダブル を確認した と書いておりました 





と たのしい演劇の日々

2015年12月06日

演技訓練 歌


liturgical drama00.jpg





                      写真はWEBより拝借いたしました            




演技訓練 歌


俳優は 基本技能として 歌い 踊る ことができます 

演劇学校の学科にも当然 歌唱 ダンスは含まれております

ですから ミュージカルを仕事としておりませんでも 歌唱舞踊を日々のトレーニング課題に含むのです

英国俳優組合 西南地域 月1回の会合も 合唱練習を組み込んでおります

もちろん英語で歌いますので 英語を母国語としない俳優には 発音の助け 

また歌詞の書かれた文化時代背景を学ぶことにもなります


ここ数年 プロテスタント系作曲家によります ミサ曲 Kirye/キリエ, Gloria/グローリア, Sanctus/サンクトゥス,

Agnus De/アグナスディ に取り組んでおります 英語でなくラテン語です

教会でのミサに出席するのではなく もっぱらコンサート用途として歌っております


英語を学習するならば ラテン語を学ぶが良かろうと 昔よく耳にいたしました

西欧言語語源の多くがラテン語にあるようですから 英語を学ぶ西欧人は 微妙な違いはあっても

元の意味は同じである故 英語発音はできなくても意味は理解できる と言います


せっかく英語言語の源と取り組むのですから あえて意味を調べずに その単語の音を味わって歌っております

その音が生まれた起源へのタイムスリップを試みている とでも言いましょうか 

何百回と歌い練習を重ねておりますと 音/歌は身体に染渡り 丹田を振るわせ 

音の魂が丹田より その声となって顕わになることがございます 

その瞬間 音/歌 を橋掛かりにし 魂は時空を超える ような体感を覚えます

そしてそれは 勿論 神を称える歓喜/ミサ曲 であると 確信いたします


また 演劇の歴史によりますと このミサ曲の合唱から宗教劇/神秘劇へと展開してゆくのです


シュタイナーは人間の中心は 胸のチャクラにあると言いますが 

パフォーマーの中心は体験により丹田にあると思うのです

俳優は胸のチャクラを開きます この胸のチャクラが開かれた状態でありますと 

戯曲に描かれる物語を役を 嘘でなく 真に在るものとして 演じることが出来ます 

なので 俳優にとって不可欠です

更に 演じますには 演じる という強い意志のエネルギーが絶対不可欠です 

それは 丹田を中心にしてオーラとなり俳優の身体より発します チャクラでいいますと 腹の下当たりです 

パフォーマンスの瞬間には そこが中心であろうと思います




と たのしい演劇の日々
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