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2023年09月30日
Alchemy of Actor Biochemistry nitrogen N 窒素
Alchemy of Actor Biochemistry nitrogen N 窒素
原子番号 atomic number 7の元素
元素記号 element symbol はN
原子量 Ar(E) relative atomic mass 14.007
第15族元素、第2周期元素 nonmetal
地球の大気中に安定した気体として存在、生物に欠かせないアミノ酸、アンモニアなど様々な化合物を構成。ハーバー・ボッシュ法によりアンモニアの量産が可能になって以降、
人間により工業的に産生された窒素肥料や窒素酸化物が大量に投入・排出され、
自然環境にも大きな影響を与えている。
一般に「窒素」という場合は、窒素の単体である窒素分子(N2)を指す。
窒素は窒素分子として地球の大気の約78.08 %(体積比)を占める。ほかに、
アミノ酸をはじめとする多くの生体物質中に含まれており、地球のほぼ全ての生物にとって、必須の元素。
オーロラが起きる場合、窒素は赤640-770nm、青430-490nm、紫色380-430nmの光を放出。
窒素を主体とする大気は地球のほかに、土星の衛星タイタンも保持。
タイタンの大気は地球よりも濃密であり、気圧は地球の1.5倍にも上るが、その大気の97%は窒素が占める。
窒素は生物にとっては非常に重要でアミノ酸やタンパク質、核酸塩基など、あらゆるところに含まれる。
これらの窒素化合物を分解すると生体に有害なアンモニアとなるが、
動物(特に哺乳類)は窒素を無害で水溶性の尿素として代謝。しかし
、貯蔵はできないためそのほとんどは尿として体外に排泄。そのため、
アミノ酸合成に必要な窒素は再利用ができず、持続的に摂取する必要がある。
窒素循環 nitrogen cycle
(地球上にて窒素が大気圏、岩石圏、生物圏などの各環境間でやり取りされる中で形成される大きな循環 )。
ただし、窒素分子は非常に安定した分子であるため 生物は大気中の窒素分子を利用することができず、
微生物などが窒素固定 Nitrogen fixation( 空気中に多量に存在する安定な(不活性)窒素分子を、
反応性の高い他の窒素化合物(アンモニア、硝酸塩、二酸化窒素など)に変換するプロセス )
によって作り出す窒素化合物を摂取することで体内に窒素原子を取り込む。
こうした窒素化合物はやはり微生物による脱窒の過程を経て再び大気中に放散、
窒素分子N2
常温常圧で無色無臭 安定した2原子分子の気体。
分子量28.014、融点−210 °C、沸点−195.8 °C、比重0.808(−195.8 °C)。
地球の大気中に最も多く含まれる気体、大気中の体積分率は地上でおよそ78%。
液化した窒素分子(液体窒素)は冷却剤として使用。
常圧では、窒素分子の沸点は−195.8 °C。
亜硝酸ナトリウムと塩化アンモニウムの濃溶液混合物を約70℃に熱っすると発生。
工業的には液体空気の分留による。
空気よりもわずかに軽い。
酸素よりも水にとけにくく,常温では反応しないが,高温になると多くの金属・非金属と反応。
水素とは電気放電によりアンモニアになる。
アンモニアの合成,硝酸や肥料などの窒素化合物の合成に用いられる。
常温常圧下では極めて不活性かつ、アルゴンなどの希ガスに比べ安価な気体であるため、
嫌気性条件や乾燥条件を設定する際に、用いられる。
(1964)窒素分子のコバルト錯体報告され。窒素分子を活性化して有機化合物に組み込む研究に発展。
(2004)窒素を1700 °C、110万気圧で圧縮することにより、
窒素原子が3本の腕で蜂の巣状「ポリ窒素(polynitrogen)」を作ることが判明、
(核兵器を除き)最大の威力を有する爆薬の4倍以上のエネルギーを有すると考えるが
安定した状態で取り扱うことができないため、実用化のめどは立っていない 。
雷(落雷)に付随して発光すると言われる超高層雷放電(レッドスプライト)は
窒素分子がその発光に関係している。
植物にとって窒素は、たんぱく質や葉緑素をつくり生育を促す不可欠な要素。
そのためリン酸、カリウムと並んで肥料の三要素の一つ。
特に葉を大きくする作用が強いため、窒素は葉肥と呼ばれ 不足すると葉の黄変や葉枯れを起こす。
窒素過多で葉は濃緑色になり、開花が遅れたり咲かない。
「窒素化合物」アンモニアや硝酸のような無機化合物から、
各種ニトロ化合物や複素環式化合物などの有機化合物まで、非常に多くの種類あり。
20世紀以降、大量の窒素化合物が人為的に生産・排出され、
酸性雨を含む大気汚染、水系の富栄養化、地下水の硝酸汚染源である。
微生物や触媒による窒素の回収・再利用技術研究が促進されている。
窒素酸化物 NOx ;窒素と酸素の化合物 大気汚染の原因物質の一つ、
窒素と酸素を混合して高温に加熱すると自然と生成するため、排出の抑制は難しい。
窒素のオキソ酸 (Oxoacid;
何らかの原子にヒドロキシ基 (-OH) とオキソ基 (=O) が結合しており、かつ、
そのヒドロキシ基がプロトンを供与できる化合物。ただし、
無機化学命名法に関してIUPACが(1990)勧告のオキソ酸の定義では
アクア酸 (aqua acid)、ヒドロキソ酸 (hydroxoacid)も含)む。
窒化物 nitride (窒素と窒素よりも陽性の(電気陰性度が小さい)元素から構成される化合物。
窒素の酸化数は-3 . 場合によってはアジ化物も含める。
と たのしい演劇の日々
原子番号 atomic number 7の元素
元素記号 element symbol はN
原子量 Ar(E) relative atomic mass 14.007
第15族元素、第2周期元素 nonmetal
地球の大気中に安定した気体として存在、生物に欠かせないアミノ酸、アンモニアなど様々な化合物を構成。ハーバー・ボッシュ法によりアンモニアの量産が可能になって以降、
人間により工業的に産生された窒素肥料や窒素酸化物が大量に投入・排出され、
自然環境にも大きな影響を与えている。
一般に「窒素」という場合は、窒素の単体である窒素分子(N2)を指す。
窒素は窒素分子として地球の大気の約78.08 %(体積比)を占める。ほかに、
アミノ酸をはじめとする多くの生体物質中に含まれており、地球のほぼ全ての生物にとって、必須の元素。
オーロラが起きる場合、窒素は赤640-770nm、青430-490nm、紫色380-430nmの光を放出。
窒素を主体とする大気は地球のほかに、土星の衛星タイタンも保持。
タイタンの大気は地球よりも濃密であり、気圧は地球の1.5倍にも上るが、その大気の97%は窒素が占める。
窒素は生物にとっては非常に重要でアミノ酸やタンパク質、核酸塩基など、あらゆるところに含まれる。
これらの窒素化合物を分解すると生体に有害なアンモニアとなるが、
動物(特に哺乳類)は窒素を無害で水溶性の尿素として代謝。しかし
、貯蔵はできないためそのほとんどは尿として体外に排泄。そのため、
アミノ酸合成に必要な窒素は再利用ができず、持続的に摂取する必要がある。
窒素循環 nitrogen cycle
(地球上にて窒素が大気圏、岩石圏、生物圏などの各環境間でやり取りされる中で形成される大きな循環 )。
ただし、窒素分子は非常に安定した分子であるため 生物は大気中の窒素分子を利用することができず、
微生物などが窒素固定 Nitrogen fixation( 空気中に多量に存在する安定な(不活性)窒素分子を、
反応性の高い他の窒素化合物(アンモニア、硝酸塩、二酸化窒素など)に変換するプロセス )
によって作り出す窒素化合物を摂取することで体内に窒素原子を取り込む。
こうした窒素化合物はやはり微生物による脱窒の過程を経て再び大気中に放散、
窒素分子N2
常温常圧で無色無臭 安定した2原子分子の気体。
分子量28.014、融点−210 °C、沸点−195.8 °C、比重0.808(−195.8 °C)。
地球の大気中に最も多く含まれる気体、大気中の体積分率は地上でおよそ78%。
液化した窒素分子(液体窒素)は冷却剤として使用。
常圧では、窒素分子の沸点は−195.8 °C。
亜硝酸ナトリウムと塩化アンモニウムの濃溶液混合物を約70℃に熱っすると発生。
工業的には液体空気の分留による。
空気よりもわずかに軽い。
酸素よりも水にとけにくく,常温では反応しないが,高温になると多くの金属・非金属と反応。
水素とは電気放電によりアンモニアになる。
アンモニアの合成,硝酸や肥料などの窒素化合物の合成に用いられる。
常温常圧下では極めて不活性かつ、アルゴンなどの希ガスに比べ安価な気体であるため、
嫌気性条件や乾燥条件を設定する際に、用いられる。
(1964)窒素分子のコバルト錯体報告され。窒素分子を活性化して有機化合物に組み込む研究に発展。
(2004)窒素を1700 °C、110万気圧で圧縮することにより、
窒素原子が3本の腕で蜂の巣状「ポリ窒素(polynitrogen)」を作ることが判明、
(核兵器を除き)最大の威力を有する爆薬の4倍以上のエネルギーを有すると考えるが
安定した状態で取り扱うことができないため、実用化のめどは立っていない 。
雷(落雷)に付随して発光すると言われる超高層雷放電(レッドスプライト)は
窒素分子がその発光に関係している。
植物にとって窒素は、たんぱく質や葉緑素をつくり生育を促す不可欠な要素。
そのためリン酸、カリウムと並んで肥料の三要素の一つ。
特に葉を大きくする作用が強いため、窒素は葉肥と呼ばれ 不足すると葉の黄変や葉枯れを起こす。
窒素過多で葉は濃緑色になり、開花が遅れたり咲かない。
「窒素化合物」アンモニアや硝酸のような無機化合物から、
各種ニトロ化合物や複素環式化合物などの有機化合物まで、非常に多くの種類あり。
20世紀以降、大量の窒素化合物が人為的に生産・排出され、
酸性雨を含む大気汚染、水系の富栄養化、地下水の硝酸汚染源である。
微生物や触媒による窒素の回収・再利用技術研究が促進されている。
窒素酸化物 NOx ;窒素と酸素の化合物 大気汚染の原因物質の一つ、
窒素と酸素を混合して高温に加熱すると自然と生成するため、排出の抑制は難しい。
窒素のオキソ酸 (Oxoacid;
何らかの原子にヒドロキシ基 (-OH) とオキソ基 (=O) が結合しており、かつ、
そのヒドロキシ基がプロトンを供与できる化合物。ただし、
無機化学命名法に関してIUPACが(1990)勧告のオキソ酸の定義では
アクア酸 (aqua acid)、ヒドロキソ酸 (hydroxoacid)も含)む。
窒化物 nitride (窒素と窒素よりも陽性の(電気陰性度が小さい)元素から構成される化合物。
窒素の酸化数は-3 . 場合によってはアジ化物も含める。
と たのしい演劇の日々
2023年09月28日
Alchemy of Actor Biochemistry Hydrogen 水素
Alchemy of Actor Biochemistry Hydrogen
水素 hydrogen、原子番号 atomic number 1の元素 元素記号は element symbol H。
原子量 relative atomic mass;Ar(H) 1.00794 非金属元素 nonmetal 。
中国語ではその気体としての軽さから「軽」の旁を用いて「氫」拼音: qīng
陽子1つと電子1つからなるシンプルな構造ゆえ、
原子構造論の発展において水素原子は中心的な役割を果たしてきた。
量子力学の入門として、水素原子や水素様分子をまず取り扱う教科書がほとんど。
元素およびガス状分子の中でもっとも軽く、地球上では水や有機化合物の構成要素として存在。
宇宙でもっとも豊富に存在する元素、珪素量を106とした際の比率は2.79×10の10乗
(ダークマターとダークエネルギーを除き)宇宙の質量の4分の3を占め、総量数比で全原子の90 %以上。
これらのほとんどは星間ガスや銀河間ガス、恒星、木星型惑星の構成物として存在。
「宇宙の晴れ上がり」
水素原子は宇宙が誕生してから約38万年後に初めて生成したとす。
それまでは陽子と電子がバラバラのプラズマ状態で光は宇宙空間を直進できなかった、
電子と陽子が結合することにより宇宙空間に散乱されずに進めるようになった。 宇宙における主系列星のエネルギー放射のほとんどはプラズマとなった
4個の水素原子核がヘリウムへ核融合する反応によるもの、比較的軽い星は陽子-陽子連鎖反応、
重い星はCNOサイクル過程を経てエネルギーを発生。
水素原子はいずれの核融合反応においてもこれを起こす担い手。
太陽の組成に占める水素の割合は約73 %。
地球表面の元素数では酸素・珪素に次いで3番目に多いが、
水素は質量が小さいため、質量パーセントで表すクラーク数では9番目。
地球表面の元素数ではほとんどは海水の状態で存在、
単体の水素分子状態では天然ガスの中にわずかに含まれる程度。
海水における推定存在度は1 Lあたりに108 g、地球の地殻における推定存在度は1 kgあたり1.4 g、
乾燥大気における構成比は0.55ppm。
宇宙空間に散逸する地球の大気は少ないが、それでも1秒あたり水素が3 kg、
ヘリウムが50 gずつ放出されている。
ジーンズエスケープ(大気が薄く原子や分子の速度が減速されずに宇宙へ飛び出す)や、
イオン状態の荷電粒子が地球磁場に沿って脱出。なお、
ハイドロダイナミックエスケープ(加熱された粒子がまとまって流出する)や
スパッタリング(太陽風が持ち去る)は現在の地球では起きていないが、
地球誕生直後はこの作用によって水素が大量に散逸。
固有磁場を持たない金星は、現在でもハイドロダイナミックエスケープやスパッタリングが続き、
地表には比較的重いため残った酸素や炭素が作る二酸化炭素が大気のほとんどを占め、
水がない非常に乾燥した状態。火星も軽い水素を中心に散逸し、
かろうじて氷となった水が極部分の土中に残る。
水素の同位体
天然水素は、
水素(軽水素、 protium )1H 質量数が1(原子核が陽子1つのみ)、
重水素 2H ( deuterium 略号D)質量数2(原子核が陽子1つと中性子1つ)、
三重水素 3H ( tritium 略号T);質量数が3(原子核が陽子1つと中性子2つ)の3つの同位体が知られている。
その他には非常に不安定な核種(4Hから7H)が実験室で合成されているが、天然には全く存在しない。
もっとも軽い 1H (1つの陽子と1つの電子のみ)、原子の中で中性子を持たない核種の1つ。
存在が確認されている中でほかに中性子を持たない核種はリチウム3 (Lithium-3・3Li )のみ。
それぞれの同位体は質量の差が2倍、3倍となり、性質の違いも大きい。
D2はH2よりも融点や沸点が高くなり、溶融潜熱は倍近くに、蒸気圧は10分の1近くとなる。
より重い同位体は水素4から水素7までが確認されている。
もっとも重い水素7(原子核は陽子1、中性子6)はヘリウム8を軽水素に衝突させることで合成。
質量数が4以上のものは寿命がきわめて短く、水素7では半減期が23 ys(= 2.3×10−23 s)。
水素の同位体は、それぞれの特徴を有効に活かした使い方をされる。
重水素は原子核反応での用途で、中性子の減速に使用され、
化学や生物学では同位体効果の研究、医療では診断薬の追跡に使用。
三重水素は原子炉内で生成され、水素爆弾の反応物質や核融合燃料、
放射性を利用したバイオテクノロジー分野でのトレーサーや発光塗料の励起源として使用。
[水素分子]は、
常温常圧では無色無臭の気体として存在、分子式 H2で表される単体。
分子量2.01588、融点 −259.2 °C(常圧)、沸点 −252.9 °C(常圧)、密度 0.0899 g/L、
比重 0.0695(空気を 1 として)、臨界圧力 12.80 気圧、水への溶解度 0.021 mL/mL(0 °C)。
最も軽い気体。原子間距離は 74 pm、結合エネルギーはおよそ 435 kJ/mol。
水素分子は常温では安定で、フッ素以外とは化学反応をまったく起こさない。
しかし たとえば光がある状態では塩素と激しい反応を起こす。
水素と酸素を混合したものに火をつけると起きる激しい爆発(水素爆鳴気)は、
混合比下限は4.65 %、上限は93.3 %、空気との混合では4.1 – 74.2 %、
これはアセチレンに次ぐ広い爆発限界の範囲。
ガス密度が低い水素は速い速度で拡散、燃焼時の伝播も速い。そのため、ガス漏れを起こしやすい。
原子径の小ささから、金属材料に侵入し機械的特性を低下させる(水素脆化)。
これは高温高圧環境下で顕著、封入容器の材質注意必要。
−250 °C以下で液化させると体積は 800分の1となり、さらに軽いため低温貯蔵性に優。
ガス惑星の内部など非常に高い圧力下では性質が変わり、液状の金属になる。
逆に宇宙空間など非常に圧力が低い場合、H2+やH3+、単独の水素原子などの状態も観測されている。
H2分子形状の雲は星の形成などに関係があり、新生惑星や衛星の観測に。
水素分子は、
原子核(プロトン)の核スピンの配向により、オルト(ortho)とパラ(para)の2種類の異性体が存在。
オルト水素は、互いの原子核のスピンの向きが平行、パラ水素ではスピンの向きが反平行。
この2つは、化学的性質に違いがないが、物理的性質(比熱や熱伝導率など)がかなり異なる。
これは内部エネルギーにある差によるもの、パラ水素側が低い。
統計的な重みが大きいほうをオルト。
「水素のボイル・オフ問題」常温以上では、オルト水素とパラ水素の存在比はおよそ3:1、
低温になるほどパラ水素の存在比が増し、絶対零度付近ではほぼ100パーセントパラ水素。ただし、
このオルト-パラ変換はスピン反転を伴うため、触媒を用いない場合極めて遅く、
触媒を用いずに水素を液化すると、
液化した後もオルト-パラ変換に伴い両者のエネルギー差に相当する熱が発生するため、
液化水素が気化してしまう。
オルト‐パラ変換を起こす触媒は、活性炭や鉄などの金属の一部、常磁性物質またはイオンなど。
「水素とほかの元素が化合した物質;水素化物」
水素は電気陰性度 electronegativity ;X が
2.2とアルカリ金属 alkali metals やアルカリ土類金属 alkaline earth metals よりも高く
ハロゲン halogens よりも小さい値であり、酸化剤としても還元剤としても働く。
このため非金属元素とも金属元素とも親和しやすい。
水素と酸素が化合するときには還元剤として働き、爆発的な燃焼とともに水H2Oを生じる。
ナトリウムと水素との反応では酸化剤として働き、水素化ナトリウムNaHを生じる。
水素化物の結合は、
イオン結合型 ionic bond ・
共有結合型 covalent bond 、
パラジウム水素化物などの侵入型固溶体(侵入型化合物interstitial alloy)3種類の形態。
イオン結合型の化合物の中では、水素はH−イオン Hydrogen anion, H- (ヒドリドイオン)として存在。
共有結合型は電気陰性度が高いPブロック元素と電子を共有して化合。
侵入型固溶体は一種の合金であり、水素原子は金属原子の隙間にはまり込むように存在。このため、
容易かつ可逆的に水素を吸収・放出することができ、水素吸蔵合金に利用。
高性能な水素吸蔵合金の中には、水素原子の密度が液体水素のそれに匹敵、上回るものもある。
より電気陰性度の大きい元素との化合物では水素はH+イオンとなる。
水中で水素イオンを生じる物質が狭義の酸。
水溶液中では水素イオンは、H+(hydron)ではなく、
水分子と結合してH3O+( oxonium ion ) として振る舞う。
水素は、炭素と結合することで、さまざまな有機化合物を形成。
ほとんどすべての有機化合物は構成原子に水素を含む。
分子構造の研究に非常によく利用される核磁気共鳴分光法(NMR)、1Hを用いた方法は代表的。
1Hはすべての核種の中で最も強い特異吸収を示すうえ、
水素はほとんどすべての有機化合物に含まれることもあり、NMRにおいて利用。
周囲の原子の電子から影響を受ける結果、吸収される周波数が変化する(化学シフト)ため、
原子の相対位置を推測可能。
水素のイオンには、陽イオンの水素イオン(hydron)と、
陰イオンの水素化物イオン(hydride)存在。
1H+はproton(陽子)そのものであるが、一般に水素は同位体混合物なので、
水素の陽イオンに対する呼称としてはhydronが正確( H+、D+、T+の総称)。しかし、
化学の領域において単に「proton」と呼ぶ際は水素イオンを指し示す。
水素イオンの濃度[H+]は酸性度を定量的に表す指標として用い、
mol/L単位で表した水素イオンの濃度の数値の対数に負号をつけた値を水素イオン指数(pH)で表す。
水中の[H+]濃度は1から10−14mol/L程度の広い範囲を取り、pHでは0 – 14 程度。
常温で中性の水には約10−7mol/Lの水素イオンが存在し、pHは約7。
H+であれ D+であれ、hydronは電子殻を持たないむき出しの原子核であるため、
化学的にはファンデルワールス半径を持たない正の点電荷のように振る舞う。
通常は単独で存在せず、溶媒などほかの分子の電子殻と結合したhydronium ionとして存在。
水素のイオン化エネルギーは1131 kJ/mol、
遊離状態の水素イオンの水和エネルギーは1091 kJ/molと見積もり、
これは高い電子密度に起因 水分子との高い親和力を示す。
H+(g)⟶rmH+(aq)
極性溶媒中では、水、アルコール、エーテルなどの酸素原子の電子殻と結合している場合が多いため、oxonium ionと呼ばれることも多い。
あるいは超強酸など極限状態においては単独で挙動するprotonも観測。
また、Svante August Arrhenius1859 – 1927 Swedish scientist. ) の定義ではhydronは酸の本体。
化学記号H− hydride, hydrogen anionは、
アルカリ金属、アルカリ土類金属あるいは第13族、14族元素(共有結合性が強い)などの、
電気的に陽性な元素の水素化物が電離する時に生成する水素の陰イオン。
hydrideはK殻が閉殻した電子配置を持ちヘリウムと等電子的であるために、
一定の大きさを持ったイオンとして振る舞う点でhydron(水素cation;positive ion)とは異なる。
実際、hydrideはフッ素アニオンよりもイオン半径が大きいように振る舞う。
hydrideはきわめて弱い酸でもある水素分子(pKa=35)の共役塩基で、強塩基として振る舞う。
hydrideは塩基として作用する場合と還元剤として作用する場合がある。
これを hydride reduction ヒドリド還元というが、
それは金属と還元を受ける化合物との組み合わせにより変化。
hydrideの標準酸化還元電位は−2.25Vと見積もられている。
H2(g) +2e−⟶2H−(aq)
hydrideの発生源は、NaBH4やLiAlH4(通称LAH)。
これらの化合物のBH4−やAlH4−からはH−が脱離。
この反応は有機合成時に非常に便利、炭素間二重結合に対して反マルコフニコフ付加を施したい時に有効。
「水素生体研究」
(1975)Doleらは水素ガスが動物の皮膚腫瘍を退縮する研究結果を『サイエンス』に。
(2001)肝臓に慢性の炎症を持つマウスでの高圧水素の抗炎症作用は、に報告.
水素ガスを含む吸気として、
飽和潜水用のガス水素50 %、ヘリウム49 %、酸素1 %用の混合気が用いられており、
水素に起因する毒性や安全性の問題は見られていない。
ボストン小児病院、ハーバード大学医学部も、
水素ガスの吸入による細胞障害、組織障害のような有害事象はないことが報告、
名古屋大学医学部産婦人科、香川大学医学部産婦人科も、水素の摂取による毒性や催奇性はないと報告。
ただし、水素は爆発性を有する気体であり、爆発濃度においては静電気のような微弱なエネルギーで爆発。
従って、水素ガス吸入療法においては、
爆発限界濃度以下(10 %以下)の水素ガスを発生させる水素ガス吸入機を用いることが重要、
市販の水素ガス吸入機の安全性について警鐘を鳴らす論文(2019)発表。
日本における水素の医療利用の研究は、
(2003)ヒドロキシルラジカルによる水素分子の水素引き抜き反応によって、
種々の酸化ストレスに起因する疾病を予防または改善報告。
(2005)ラットの酸化剤誘発モデルに対する水素水の抗酸化効果報告。
日本医科大学(2007)、慶應義塾大学(2012)心停止のラットでの治療モデルを確立。
(2015)慶應義塾大学先導研究センター内に水素ガス治療開発センターが開設。
心肺停止時の水素ガスの吸入は先進医療Bに認定され、研究が進められている。
(2016) 心停止の際の脳・心臓の臓器障害抑制のヒトを対象とした研究公表
、5人中4人が90日後には普通の生活に戻った。
心停止の影響によって寝たきりとなる、言葉がうまく話せなくなるといった後遺症を
抑制するための医療現場への導入が目標。
αグルコシダーゼ阻害剤である糖尿病治療薬のアカルボースを服用すると炭水化物の吸収が抑制され、
大腸の腸内細菌により水素などが発生。
アカルボースの服用が心血管事故を抑制する可能性があり、
この原因として高血糖の抑制に加えて、呼気中に水素ガスの増加が認められ、
この増加した水素の抗酸化作用で心血管事故を抑制するメカニズム想定。
水素と水素が水に溶存した水素水の研究は、臨床試験も年々増加。
水素は従来の医薬品とは異なり、病気の根源である酸化ストレスを抑制し広範囲の疾病に対する改善効果を有する 故 疾病に対する「ワイドスペクトラム分子」の可能性。
と たのしい演劇の日々
水素 hydrogen、原子番号 atomic number 1の元素 元素記号は element symbol H。
原子量 relative atomic mass;Ar(H) 1.00794 非金属元素 nonmetal 。
中国語ではその気体としての軽さから「軽」の旁を用いて「氫」拼音: qīng
陽子1つと電子1つからなるシンプルな構造ゆえ、
原子構造論の発展において水素原子は中心的な役割を果たしてきた。
量子力学の入門として、水素原子や水素様分子をまず取り扱う教科書がほとんど。
元素およびガス状分子の中でもっとも軽く、地球上では水や有機化合物の構成要素として存在。
宇宙でもっとも豊富に存在する元素、珪素量を106とした際の比率は2.79×10の10乗
(ダークマターとダークエネルギーを除き)宇宙の質量の4分の3を占め、総量数比で全原子の90 %以上。
これらのほとんどは星間ガスや銀河間ガス、恒星、木星型惑星の構成物として存在。
「宇宙の晴れ上がり」
水素原子は宇宙が誕生してから約38万年後に初めて生成したとす。
それまでは陽子と電子がバラバラのプラズマ状態で光は宇宙空間を直進できなかった、
電子と陽子が結合することにより宇宙空間に散乱されずに進めるようになった。 宇宙における主系列星のエネルギー放射のほとんどはプラズマとなった
4個の水素原子核がヘリウムへ核融合する反応によるもの、比較的軽い星は陽子-陽子連鎖反応、
重い星はCNOサイクル過程を経てエネルギーを発生。
水素原子はいずれの核融合反応においてもこれを起こす担い手。
太陽の組成に占める水素の割合は約73 %。
地球表面の元素数では酸素・珪素に次いで3番目に多いが、
水素は質量が小さいため、質量パーセントで表すクラーク数では9番目。
地球表面の元素数ではほとんどは海水の状態で存在、
単体の水素分子状態では天然ガスの中にわずかに含まれる程度。
海水における推定存在度は1 Lあたりに108 g、地球の地殻における推定存在度は1 kgあたり1.4 g、
乾燥大気における構成比は0.55ppm。
宇宙空間に散逸する地球の大気は少ないが、それでも1秒あたり水素が3 kg、
ヘリウムが50 gずつ放出されている。
ジーンズエスケープ(大気が薄く原子や分子の速度が減速されずに宇宙へ飛び出す)や、
イオン状態の荷電粒子が地球磁場に沿って脱出。なお、
ハイドロダイナミックエスケープ(加熱された粒子がまとまって流出する)や
スパッタリング(太陽風が持ち去る)は現在の地球では起きていないが、
地球誕生直後はこの作用によって水素が大量に散逸。
固有磁場を持たない金星は、現在でもハイドロダイナミックエスケープやスパッタリングが続き、
地表には比較的重いため残った酸素や炭素が作る二酸化炭素が大気のほとんどを占め、
水がない非常に乾燥した状態。火星も軽い水素を中心に散逸し、
かろうじて氷となった水が極部分の土中に残る。
水素の同位体
天然水素は、
水素(軽水素、 protium )1H 質量数が1(原子核が陽子1つのみ)、
重水素 2H ( deuterium 略号D)質量数2(原子核が陽子1つと中性子1つ)、
三重水素 3H ( tritium 略号T);質量数が3(原子核が陽子1つと中性子2つ)の3つの同位体が知られている。
その他には非常に不安定な核種(4Hから7H)が実験室で合成されているが、天然には全く存在しない。
もっとも軽い 1H (1つの陽子と1つの電子のみ)、原子の中で中性子を持たない核種の1つ。
存在が確認されている中でほかに中性子を持たない核種はリチウム3 (Lithium-3・3Li )のみ。
それぞれの同位体は質量の差が2倍、3倍となり、性質の違いも大きい。
D2はH2よりも融点や沸点が高くなり、溶融潜熱は倍近くに、蒸気圧は10分の1近くとなる。
より重い同位体は水素4から水素7までが確認されている。
もっとも重い水素7(原子核は陽子1、中性子6)はヘリウム8を軽水素に衝突させることで合成。
質量数が4以上のものは寿命がきわめて短く、水素7では半減期が23 ys(= 2.3×10−23 s)。
水素の同位体は、それぞれの特徴を有効に活かした使い方をされる。
重水素は原子核反応での用途で、中性子の減速に使用され、
化学や生物学では同位体効果の研究、医療では診断薬の追跡に使用。
三重水素は原子炉内で生成され、水素爆弾の反応物質や核融合燃料、
放射性を利用したバイオテクノロジー分野でのトレーサーや発光塗料の励起源として使用。
[水素分子]は、
常温常圧では無色無臭の気体として存在、分子式 H2で表される単体。
分子量2.01588、融点 −259.2 °C(常圧)、沸点 −252.9 °C(常圧)、密度 0.0899 g/L、
比重 0.0695(空気を 1 として)、臨界圧力 12.80 気圧、水への溶解度 0.021 mL/mL(0 °C)。
最も軽い気体。原子間距離は 74 pm、結合エネルギーはおよそ 435 kJ/mol。
水素分子は常温では安定で、フッ素以外とは化学反応をまったく起こさない。
しかし たとえば光がある状態では塩素と激しい反応を起こす。
水素と酸素を混合したものに火をつけると起きる激しい爆発(水素爆鳴気)は、
混合比下限は4.65 %、上限は93.3 %、空気との混合では4.1 – 74.2 %、
これはアセチレンに次ぐ広い爆発限界の範囲。
ガス密度が低い水素は速い速度で拡散、燃焼時の伝播も速い。そのため、ガス漏れを起こしやすい。
原子径の小ささから、金属材料に侵入し機械的特性を低下させる(水素脆化)。
これは高温高圧環境下で顕著、封入容器の材質注意必要。
−250 °C以下で液化させると体積は 800分の1となり、さらに軽いため低温貯蔵性に優。
ガス惑星の内部など非常に高い圧力下では性質が変わり、液状の金属になる。
逆に宇宙空間など非常に圧力が低い場合、H2+やH3+、単独の水素原子などの状態も観測されている。
H2分子形状の雲は星の形成などに関係があり、新生惑星や衛星の観測に。
水素分子は、
原子核(プロトン)の核スピンの配向により、オルト(ortho)とパラ(para)の2種類の異性体が存在。
オルト水素は、互いの原子核のスピンの向きが平行、パラ水素ではスピンの向きが反平行。
この2つは、化学的性質に違いがないが、物理的性質(比熱や熱伝導率など)がかなり異なる。
これは内部エネルギーにある差によるもの、パラ水素側が低い。
統計的な重みが大きいほうをオルト。
「水素のボイル・オフ問題」常温以上では、オルト水素とパラ水素の存在比はおよそ3:1、
低温になるほどパラ水素の存在比が増し、絶対零度付近ではほぼ100パーセントパラ水素。ただし、
このオルト-パラ変換はスピン反転を伴うため、触媒を用いない場合極めて遅く、
触媒を用いずに水素を液化すると、
液化した後もオルト-パラ変換に伴い両者のエネルギー差に相当する熱が発生するため、
液化水素が気化してしまう。
オルト‐パラ変換を起こす触媒は、活性炭や鉄などの金属の一部、常磁性物質またはイオンなど。
「水素とほかの元素が化合した物質;水素化物」
水素は電気陰性度 electronegativity ;X が
2.2とアルカリ金属 alkali metals やアルカリ土類金属 alkaline earth metals よりも高く
ハロゲン halogens よりも小さい値であり、酸化剤としても還元剤としても働く。
このため非金属元素とも金属元素とも親和しやすい。
水素と酸素が化合するときには還元剤として働き、爆発的な燃焼とともに水H2Oを生じる。
ナトリウムと水素との反応では酸化剤として働き、水素化ナトリウムNaHを生じる。
水素化物の結合は、
イオン結合型 ionic bond ・
共有結合型 covalent bond 、
パラジウム水素化物などの侵入型固溶体(侵入型化合物interstitial alloy)3種類の形態。
イオン結合型の化合物の中では、水素はH−イオン Hydrogen anion, H- (ヒドリドイオン)として存在。
共有結合型は電気陰性度が高いPブロック元素と電子を共有して化合。
侵入型固溶体は一種の合金であり、水素原子は金属原子の隙間にはまり込むように存在。このため、
容易かつ可逆的に水素を吸収・放出することができ、水素吸蔵合金に利用。
高性能な水素吸蔵合金の中には、水素原子の密度が液体水素のそれに匹敵、上回るものもある。
より電気陰性度の大きい元素との化合物では水素はH+イオンとなる。
水中で水素イオンを生じる物質が狭義の酸。
水溶液中では水素イオンは、H+(hydron)ではなく、
水分子と結合してH3O+( oxonium ion ) として振る舞う。
水素は、炭素と結合することで、さまざまな有機化合物を形成。
ほとんどすべての有機化合物は構成原子に水素を含む。
分子構造の研究に非常によく利用される核磁気共鳴分光法(NMR)、1Hを用いた方法は代表的。
1Hはすべての核種の中で最も強い特異吸収を示すうえ、
水素はほとんどすべての有機化合物に含まれることもあり、NMRにおいて利用。
周囲の原子の電子から影響を受ける結果、吸収される周波数が変化する(化学シフト)ため、
原子の相対位置を推測可能。
水素のイオンには、陽イオンの水素イオン(hydron)と、
陰イオンの水素化物イオン(hydride)存在。
1H+はproton(陽子)そのものであるが、一般に水素は同位体混合物なので、
水素の陽イオンに対する呼称としてはhydronが正確( H+、D+、T+の総称)。しかし、
化学の領域において単に「proton」と呼ぶ際は水素イオンを指し示す。
水素イオンの濃度[H+]は酸性度を定量的に表す指標として用い、
mol/L単位で表した水素イオンの濃度の数値の対数に負号をつけた値を水素イオン指数(pH)で表す。
水中の[H+]濃度は1から10−14mol/L程度の広い範囲を取り、pHでは0 – 14 程度。
常温で中性の水には約10−7mol/Lの水素イオンが存在し、pHは約7。
H+であれ D+であれ、hydronは電子殻を持たないむき出しの原子核であるため、
化学的にはファンデルワールス半径を持たない正の点電荷のように振る舞う。
通常は単独で存在せず、溶媒などほかの分子の電子殻と結合したhydronium ionとして存在。
水素のイオン化エネルギーは1131 kJ/mol、
遊離状態の水素イオンの水和エネルギーは1091 kJ/molと見積もり、
これは高い電子密度に起因 水分子との高い親和力を示す。
H+(g)⟶rmH+(aq)
極性溶媒中では、水、アルコール、エーテルなどの酸素原子の電子殻と結合している場合が多いため、oxonium ionと呼ばれることも多い。
あるいは超強酸など極限状態においては単独で挙動するprotonも観測。
また、Svante August Arrhenius1859 – 1927 Swedish scientist. ) の定義ではhydronは酸の本体。
化学記号H− hydride, hydrogen anionは、
アルカリ金属、アルカリ土類金属あるいは第13族、14族元素(共有結合性が強い)などの、
電気的に陽性な元素の水素化物が電離する時に生成する水素の陰イオン。
hydrideはK殻が閉殻した電子配置を持ちヘリウムと等電子的であるために、
一定の大きさを持ったイオンとして振る舞う点でhydron(水素cation;positive ion)とは異なる。
実際、hydrideはフッ素アニオンよりもイオン半径が大きいように振る舞う。
hydrideはきわめて弱い酸でもある水素分子(pKa=35)の共役塩基で、強塩基として振る舞う。
hydrideは塩基として作用する場合と還元剤として作用する場合がある。
これを hydride reduction ヒドリド還元というが、
それは金属と還元を受ける化合物との組み合わせにより変化。
hydrideの標準酸化還元電位は−2.25Vと見積もられている。
H2(g) +2e−⟶2H−(aq)
hydrideの発生源は、NaBH4やLiAlH4(通称LAH)。
これらの化合物のBH4−やAlH4−からはH−が脱離。
この反応は有機合成時に非常に便利、炭素間二重結合に対して反マルコフニコフ付加を施したい時に有効。
「水素生体研究」
(1975)Doleらは水素ガスが動物の皮膚腫瘍を退縮する研究結果を『サイエンス』に。
(2001)肝臓に慢性の炎症を持つマウスでの高圧水素の抗炎症作用は、に報告.
水素ガスを含む吸気として、
飽和潜水用のガス水素50 %、ヘリウム49 %、酸素1 %用の混合気が用いられており、
水素に起因する毒性や安全性の問題は見られていない。
ボストン小児病院、ハーバード大学医学部も、
水素ガスの吸入による細胞障害、組織障害のような有害事象はないことが報告、
名古屋大学医学部産婦人科、香川大学医学部産婦人科も、水素の摂取による毒性や催奇性はないと報告。
ただし、水素は爆発性を有する気体であり、爆発濃度においては静電気のような微弱なエネルギーで爆発。
従って、水素ガス吸入療法においては、
爆発限界濃度以下(10 %以下)の水素ガスを発生させる水素ガス吸入機を用いることが重要、
市販の水素ガス吸入機の安全性について警鐘を鳴らす論文(2019)発表。
日本における水素の医療利用の研究は、
(2003)ヒドロキシルラジカルによる水素分子の水素引き抜き反応によって、
種々の酸化ストレスに起因する疾病を予防または改善報告。
(2005)ラットの酸化剤誘発モデルに対する水素水の抗酸化効果報告。
日本医科大学(2007)、慶應義塾大学(2012)心停止のラットでの治療モデルを確立。
(2015)慶應義塾大学先導研究センター内に水素ガス治療開発センターが開設。
心肺停止時の水素ガスの吸入は先進医療Bに認定され、研究が進められている。
(2016) 心停止の際の脳・心臓の臓器障害抑制のヒトを対象とした研究公表
、5人中4人が90日後には普通の生活に戻った。
心停止の影響によって寝たきりとなる、言葉がうまく話せなくなるといった後遺症を
抑制するための医療現場への導入が目標。
αグルコシダーゼ阻害剤である糖尿病治療薬のアカルボースを服用すると炭水化物の吸収が抑制され、
大腸の腸内細菌により水素などが発生。
アカルボースの服用が心血管事故を抑制する可能性があり、
この原因として高血糖の抑制に加えて、呼気中に水素ガスの増加が認められ、
この増加した水素の抗酸化作用で心血管事故を抑制するメカニズム想定。
水素と水素が水に溶存した水素水の研究は、臨床試験も年々増加。
水素は従来の医薬品とは異なり、病気の根源である酸化ストレスを抑制し広範囲の疾病に対する改善効果を有する 故 疾病に対する「ワイドスペクトラム分子」の可能性。
と たのしい演劇の日々
2023年09月10日
Alchemy of Actor Biochemistry Carbon
炭素carbon、原子番号6の元素。元素記号はC。原子量12.01。非金属元素、第14族元素、第2周期元素
単体・化合物両方においてきわめて多様な形状をとる。
非金属の炭素には、4つの外殻電子と4つの空席がある。そのため、
価電子数4元素の中でももっとも多い4組の共有結合を持つことが可能、
この特徴から多様な分子をつくる骨格となる。
炭素がほかの元素と結びついて作る化合物の種類は約5,400万種にのぼる。
融点や昇華を起こす温度は全元素の中でもっとも高い。
常圧下で融点を持たず、三重点は10.8±0.2MPa、4,600±300K、昇華は約3,900Kで起こる。
炭素原子同士の共有結合は非常に堅牢、
それがつくる単体において、自然物としてはもっとも硬いダイヤモンドから
もっとも柔らかいグラファイトまで、幅広い形態や同素体を持つ。
炭素の単体は有機物を不完全燃焼すれば簡単に取り出せるため、有史以前から知られていた。
ダイヤモンドの存在も紀元前2500年ごろの古代中国では知られており、
古代ローマでは今日と同様に木から木炭を得ていた。
古代エジプトでも、粘土で密封したピラミッドの中から空気を抜くために木を熱する方法が用いられた。
そのため、特定の元素発見者はいない。
炭素原子の生成にはヘリウムの原子核アルファ粒子の3重衝突が必要。
これには約1億度の熱が必要となるが、
ビッグバンでは宇宙がはじめに大きく膨張してすぐに急速に冷え、炭素は生成されなかった。しかし、
その後形成された恒星内でトリプルアルファ反応(triple-alpha process;
3個のヘリウム4の原子核(アルファ粒子)が結合して炭素12の原子核に変換される核融合反応)
によるヘリウム燃焼過程でエネルギーを放出しながら炭素生成。
こうして作られた炭素は、
主系列星の内部で水素がヘリウムになるCNOサイクル((CNO cycle;
恒星内部で水素がヘリウムに変換される核融合反応過程。
太陽より質量の大きな恒星での主なエネルギー生成過程)
を媒介し、星のエネルギー放射を担う。
宇宙での存在比は水素、ヘリウム、酸素に次いで多い。
炭素は太陽や恒星、彗星のなかにも豊富に存在し、さまざまな惑星の大気にも含まれている。
まれに隕石の中から微細なダイヤモンドが見つかることがあり、
これは太陽系が原始惑星系円盤だったころ、またはそれ以前に超新星爆発時に生成されたものと考える。
地球の 地表 海洋の元素分布では炭素は重量比0.08%(チタンやマンガンを下回る)。
炭素は他の元素との結びつき方で、性質の異なる多彩な化合物を作り出し、地球環境の中に存在。
地殻中元素の存在度15番目に多い炭素の約9割が鉱物、
中でも還元された形、炭素粒・石油・石炭・天然ガス中が4分の3以上。
4分の1が炭酸塩の岩石(石灰岩、苦灰岩 (CaMg(CO3)2)、結晶質石灰岩など)。
海洋など水に溶け込んだ炭酸も多く、炭素量で36兆トン存在。
生物圏に1兆9,000億トン、大気圏の二酸化炭素8,100億トン。
埋蔵石化燃料として石炭が9,000億トン、石油は1,500億トン、天然ガスが1,050億トン、
さらにシェールガスのような採掘しにくい形態で5,400億トンの存在。
メタンハイドレートとして極地に封じられた炭素量はシベリアの永久凍土層だけでも1兆4,000億トン。
[炭素循環]
炭素は地球上で多様な状態を示す。
地殻、海洋、生物圏、大気圏を循環し、年間の移動量は約2,000億トン。
惑星上では、ある元素がほかの元素に転換することは非常に稀。
地球に含まれる全炭素量はほぼ一定。そのため、
炭素を用いる過程はどこかでそれを獲得/放出することが必要。
この経路は、二酸化炭素の形で循環する体系を形成す。
植物は生育地の環境内で、呼吸により二酸化炭素を放出、
光のエネルギーを用いて吸収した二酸化炭素から炭素を固定するカルヴィン回路を働かせ、植物組織を形成。動物は植物を食べて炭素を吸収、呼吸によって一部を排出。
海洋は二酸化炭素を溶かし込み、
枯れた植物や動物の死体は、バクテリアなどが消化し地中で石油や石炭などの形で炭素をとどめる。
それらを化石燃料として利用、燃焼により再び炭素放出。
[炭素化合物]
炭素の特性は他の元素と結びついて化合物を作ること。
これまでに天然発見 人工的化合物の数は7,000万を超えるが、その約8割は炭素化合物。
生物
炭素-炭素結合で有機物の基本骨格をつくり、すべての生物の構成材料。
人体を構成する元素の約18%が炭素。
蛋白質、脂質、炭水化物に含まれる原子の過半数が炭素。
光合成や呼吸など生命活動全般で重要な役割を担う。
地表での炭素の重量比は0.08%にすぎないため、生命は自然界にあるわずかな炭素に依り成立。
炭素-炭素結合Carbon-carbon bond)2原子の炭素間の共有結合のこと。
もっとも一般的なのは単結合で、2つの炭素原子由来のそれぞれ1つずつの電子で構成される結合。
炭素-炭素単結合はσ結合で、これは炭素原子の混成軌道間で構成される。
Exa, エタンの混成軌道はsp3混成軌道。しかし、
他の混成軌道でも単結合は現れる(exa,:sp2 to sp2)。
炭素-炭素単結合を作るとき、両方の炭素が同じ混成軌道である必要はない。
アルケン二重結合は、sp2混成軌道によって構成され、1つのp軌道は混成に関与しない。
アルキン三重結合はsp混成軌道によって構成され、2つのp軌道が混成に関与しない。
混成に関与しないp軌道はπ結合に使われる。
炭素は他の元素と比べ、それ自身が長い連鎖を形成。
炭素-炭素結合によって結びつけられた分子の種類は莫大。
炭素鎖によってできた分子は生命にとって重要、炭素化合物は有機化合物 organic compound 。
炭素-炭素結合形成反応Carbon-carbon bond forming reactions)
新しい炭素-炭素結合を形成する反応。
これらは、製薬、合成樹脂のような人工化学物質の合成において重要な反応。
原子核に6つの陽子を含む炭素原子は、3種類の同位体(isotope;
同一原子番号を持ち 中性子数(質量数 A - 原子番号 Z)が異なる核種の関係をいう。
放射能を持つ放射性同位体 (radioisotope) とそうではない安定同位体 (stable isotope) の2種類に分類)、
12C(存在比98.93%)、13C(1.07%)、14C(微量)が自然界で存在、
それぞれがさまざまな学問分野で重要。
炭素は4本の共有結合ができ、結合の状態によって数種類の同素体(allotrope: allotropism);
同一元素の単体のうち、原子の配列(結晶構造)や結合様式の関係が異なる物質同士の関係をいう。
同素体は単体-互いに同じ元素-から構成されるが、化学的・物理的性質が異なる)
を形成。
と たのしい演劇の日々
単体・化合物両方においてきわめて多様な形状をとる。
非金属の炭素には、4つの外殻電子と4つの空席がある。そのため、
価電子数4元素の中でももっとも多い4組の共有結合を持つことが可能、
この特徴から多様な分子をつくる骨格となる。
炭素がほかの元素と結びついて作る化合物の種類は約5,400万種にのぼる。
融点や昇華を起こす温度は全元素の中でもっとも高い。
常圧下で融点を持たず、三重点は10.8±0.2MPa、4,600±300K、昇華は約3,900Kで起こる。
炭素原子同士の共有結合は非常に堅牢、
それがつくる単体において、自然物としてはもっとも硬いダイヤモンドから
もっとも柔らかいグラファイトまで、幅広い形態や同素体を持つ。
炭素の単体は有機物を不完全燃焼すれば簡単に取り出せるため、有史以前から知られていた。
ダイヤモンドの存在も紀元前2500年ごろの古代中国では知られており、
古代ローマでは今日と同様に木から木炭を得ていた。
古代エジプトでも、粘土で密封したピラミッドの中から空気を抜くために木を熱する方法が用いられた。
そのため、特定の元素発見者はいない。
炭素原子の生成にはヘリウムの原子核アルファ粒子の3重衝突が必要。
これには約1億度の熱が必要となるが、
ビッグバンでは宇宙がはじめに大きく膨張してすぐに急速に冷え、炭素は生成されなかった。しかし、
その後形成された恒星内でトリプルアルファ反応(triple-alpha process;
3個のヘリウム4の原子核(アルファ粒子)が結合して炭素12の原子核に変換される核融合反応)
によるヘリウム燃焼過程でエネルギーを放出しながら炭素生成。
こうして作られた炭素は、
主系列星の内部で水素がヘリウムになるCNOサイクル((CNO cycle;
恒星内部で水素がヘリウムに変換される核融合反応過程。
太陽より質量の大きな恒星での主なエネルギー生成過程)
を媒介し、星のエネルギー放射を担う。
宇宙での存在比は水素、ヘリウム、酸素に次いで多い。
炭素は太陽や恒星、彗星のなかにも豊富に存在し、さまざまな惑星の大気にも含まれている。
まれに隕石の中から微細なダイヤモンドが見つかることがあり、
これは太陽系が原始惑星系円盤だったころ、またはそれ以前に超新星爆発時に生成されたものと考える。
地球の 地表 海洋の元素分布では炭素は重量比0.08%(チタンやマンガンを下回る)。
炭素は他の元素との結びつき方で、性質の異なる多彩な化合物を作り出し、地球環境の中に存在。
地殻中元素の存在度15番目に多い炭素の約9割が鉱物、
中でも還元された形、炭素粒・石油・石炭・天然ガス中が4分の3以上。
4分の1が炭酸塩の岩石(石灰岩、苦灰岩 (CaMg(CO3)2)、結晶質石灰岩など)。
海洋など水に溶け込んだ炭酸も多く、炭素量で36兆トン存在。
生物圏に1兆9,000億トン、大気圏の二酸化炭素8,100億トン。
埋蔵石化燃料として石炭が9,000億トン、石油は1,500億トン、天然ガスが1,050億トン、
さらにシェールガスのような採掘しにくい形態で5,400億トンの存在。
メタンハイドレートとして極地に封じられた炭素量はシベリアの永久凍土層だけでも1兆4,000億トン。
[炭素循環]
炭素は地球上で多様な状態を示す。
地殻、海洋、生物圏、大気圏を循環し、年間の移動量は約2,000億トン。
惑星上では、ある元素がほかの元素に転換することは非常に稀。
地球に含まれる全炭素量はほぼ一定。そのため、
炭素を用いる過程はどこかでそれを獲得/放出することが必要。
この経路は、二酸化炭素の形で循環する体系を形成す。
植物は生育地の環境内で、呼吸により二酸化炭素を放出、
光のエネルギーを用いて吸収した二酸化炭素から炭素を固定するカルヴィン回路を働かせ、植物組織を形成。動物は植物を食べて炭素を吸収、呼吸によって一部を排出。
海洋は二酸化炭素を溶かし込み、
枯れた植物や動物の死体は、バクテリアなどが消化し地中で石油や石炭などの形で炭素をとどめる。
それらを化石燃料として利用、燃焼により再び炭素放出。
[炭素化合物]
炭素の特性は他の元素と結びついて化合物を作ること。
これまでに天然発見 人工的化合物の数は7,000万を超えるが、その約8割は炭素化合物。
生物
炭素-炭素結合で有機物の基本骨格をつくり、すべての生物の構成材料。
人体を構成する元素の約18%が炭素。
蛋白質、脂質、炭水化物に含まれる原子の過半数が炭素。
光合成や呼吸など生命活動全般で重要な役割を担う。
地表での炭素の重量比は0.08%にすぎないため、生命は自然界にあるわずかな炭素に依り成立。
炭素-炭素結合Carbon-carbon bond)2原子の炭素間の共有結合のこと。
もっとも一般的なのは単結合で、2つの炭素原子由来のそれぞれ1つずつの電子で構成される結合。
炭素-炭素単結合はσ結合で、これは炭素原子の混成軌道間で構成される。
Exa, エタンの混成軌道はsp3混成軌道。しかし、
他の混成軌道でも単結合は現れる(exa,:sp2 to sp2)。
炭素-炭素単結合を作るとき、両方の炭素が同じ混成軌道である必要はない。
アルケン二重結合は、sp2混成軌道によって構成され、1つのp軌道は混成に関与しない。
アルキン三重結合はsp混成軌道によって構成され、2つのp軌道が混成に関与しない。
混成に関与しないp軌道はπ結合に使われる。
炭素は他の元素と比べ、それ自身が長い連鎖を形成。
炭素-炭素結合によって結びつけられた分子の種類は莫大。
炭素鎖によってできた分子は生命にとって重要、炭素化合物は有機化合物 organic compound 。
炭素-炭素結合形成反応Carbon-carbon bond forming reactions)
新しい炭素-炭素結合を形成する反応。
これらは、製薬、合成樹脂のような人工化学物質の合成において重要な反応。
原子核に6つの陽子を含む炭素原子は、3種類の同位体(isotope;
同一原子番号を持ち 中性子数(質量数 A - 原子番号 Z)が異なる核種の関係をいう。
放射能を持つ放射性同位体 (radioisotope) とそうではない安定同位体 (stable isotope) の2種類に分類)、
12C(存在比98.93%)、13C(1.07%)、14C(微量)が自然界で存在、
それぞれがさまざまな学問分野で重要。
炭素は4本の共有結合ができ、結合の状態によって数種類の同素体(allotrope: allotropism);
同一元素の単体のうち、原子の配列(結晶構造)や結合様式の関係が異なる物質同士の関係をいう。
同素体は単体-互いに同じ元素-から構成されるが、化学的・物理的性質が異なる)
を形成。
と たのしい演劇の日々
2023年09月04日
Alchemy of Actor Biochemistry Oxygen
Alchemy of Actor Biochemistry Oxygen
酸素 oxygen、原子番号8の元素。元素記号はO。原子量は16.00。第16族元素、第2周期元素。
中国語圏では「酸」という字を用いず、「氧」(中国語読み:ヤン、ピンイン:yǎng、日本語読み:よう)
という字をあて、氧や氧氣(ようき)という。
性質
電気陰性度が大きいため反応性に富み、ほかのほとんどの元素と化合物(特に酸化物)を作る。
標準状態では2個の酸素原子が二重結合した無味無臭無色透明の二原子分子である酸素分子O2として存在。
物理的性質
約90 Kで液体、約54 Kで青みがかった固体となる。
ダイヤモンドアンビルセルなどで100万気圧を超えた高圧下では金属光沢を持ち、
125万気圧、0.6 Kでは超伝導金属となる。助燃性がある。
科学的性質
酸素は、フッ素に次いで2番目に電気陰性度が大きいため酸化力が強く、
ほとんどの元素と発熱反応を起こして化合物を作る。
希ガス-キセノンも、酸素と化合して三酸化キセノン(XeO3)などの化合物を作る(1962)。
分布
宇宙では水素、ヘリウムに次いで3番目に多くの質量を占め、
ケイ素量を106乗としたときの比率は2.38×107乗。
地球地殻においては最大を占める元素(質量の46.60 %、体積の93.77 %)、
石英の成分であるSiO2が地殻の大部分を構成。
気体の酸素分子は大気の体積の20.95 %、質量で23 %。
地球外でも酸素は多く存在。
おもな存在形態である氷は地球のほか、惑星、彗星、小惑星などにも見られる。
火星においては、大気組成の95 %を二酸化炭素が占める、
二酸化炭素(ドライアイス)やごく少量の水が氷として両極の氷床(氷冠)に存在。
星が生まれる元となる分子雲では、一酸化炭素が分子の中で2番目に存在量の多い分子。
酸素の起源は恒星核におけるヘリウムの核融合であり、酸素のスペクトルが検出される恒星も存在。
酸素分子dioxygen ;O2
物理的性質
常温常圧では無色無臭で助燃性をもつ気体として存在。
分子量32.00、沸点−183 °C(90 K)、融点−218.9 °C(54.3 K)。
水100 gに溶解する量は0 °Cで6.945 mg、25 °Cで3.931 mg、50 °Cで2.657 mg。
液体酸素は淡青色を示し、比重は1.14。
基底状態の三重項状態では不対電子を持つため常磁性体。
また活性酸素の一種で反磁性である励起状態の一重項酸素も存在。
構造
標準状態において一般の酸素は、
2つの酸素原子が縮退した三重項の電子配置で化学結合した分子構造(三重項酸素分子)を持つ
無色無臭の気体。
この結合次数は2で、一般に二重結合または1個の2電子結合と2個の3電子結合と表記。
三重項酸素分子とは電子の全スピン量子数が1となる状態で、
具体的には2つの不対電子が酸素分子に2つあるπ*(パイスター)反結合性軌道(アスタリスク (*) でラベル)を
ひとつずつ占め、しかも同じ向きのスピンを取っている。
このとき、酸素分子のエネルギーは基底状態にある。
また、酸素分子の二重結合は反結合軌道にも電子が存在するため、
結合軌道のみで電子を充足させる三重結合の窒素よりも安定さは下がり、
また、2つの電子が対を作らずビラジカルとして存在するため、
結果として酸素分子は窒素分子よりも少ないエネルギーでほかの物質と反応しやすい。
通常の三重項酸素分子は常磁性を持つ。
これは、不対電子のスピン磁気モーメント(スピンの向きが同じ電子がπ*反結合性軌道に入る)と
ふたつの酸素分子間に働く交換相互作用による。
液体酸素は磁石に吸いつけられ、実験では磁極間で自重を支えるに充分強い橋を作る。
これに対し、外部から高エネルギーが加わり不対電子のひとつがスピンを逆方向へ変え、
全スピン量子数が0となった酸素を一重項酸素といい、有機化合物との反応性が高い。
自然界で一重項酸素は、光合成の過程で水から作られたり、
対流圏で短波長の光によってオゾンの分解から発生したり、
または免疫システムの中で活性酸素の原料として用いられる。
その他
熱力学的に反応性が高く不安定な分子ではあるが、地球上では初期には光合成を行う嫌気性菌により、
のちの時代には植物の光合成によって年間約1011トン供給され続けているため多量に存在。
酸素呼吸を行う生物によって消費される。
実際、生命が発生する以前の原始大気では酸素分子はほとんど存在せず、
二酸化炭素などほかの原子と結合した状態であった。
現在の大気中の酸素分子はそのほぼすべてが光合成由来だと考える。
逆に、ほかの天体の大気中に遊離酸素の存在が確認されれば、生命の存在する間接的証拠となる。
酸素は、呼吸をする生物によっては必須であるが、同時に有害でもある。
呼吸の過程や光反応などで生じる活性酸素Reactive Oxygen Species, ROSは、
DNAなどの生体構成分子を酸化して変性。
純酸素の長時間吸引は生体にとって有害。
未熟児網膜症の原因、60 %以上の高濃度酸素を12時間以上吸引すると、
肺の充血などがみられ、最悪の場合、失明や死亡する。
25 °Cで標準気圧下では、淡水は1 L中に酸素を6.04 mL含んでいるが、
海水では1 Lあたり4.95 mLしか含んでいない。
5 °Cでの溶解度は、淡水では9.0 mL/L、海水では 7.2 mL/Lまで増加。
液体酸素は液体空気を分留して得られ、強い酸化剤。
液体空気を放置すると、沸点の低い窒素が先に蒸発するため、酸素分子が濃縮される。
1 Lの液化酸素が気化すると約800 Lの酸素ガスになる。
酸素は紫外線や無声放電などによってオゾン O3へと変換。また、
酸素分子のイオンとしてスーパーオキシドアニオン O2-とジオキシゲニル O2+あり。
生物学的役割
光合成と呼吸
自然界において遊離酸素は、光合成によって水が光分解されることで生じ
、海洋中の緑藻類やシアノバクテリアが地球大気中の酸素70 %を、残りは陸上の植物が作り出す。
簡易な光合成の反応式;6CO2+6H2O+photon->C6H12O6+6O2
二酸化炭素+水+日光 → グルコース+酸素
光分解による酸素発生は葉緑体のチラコイド膜中で起こる。
光をエネルギーとするこの作用は多くの段階を経て、
ATP を光リン酸化(photophosphorylation)させるプロトンの濃度勾配を起こす。
この際、水を酸化することで酸素ガスが発生し、大気中に放出。
酸素ガスは好気性生物が呼吸を行い、
ミトコンドリアで酸化的リン酸化反応を経てATPを発生させるために使われる。
酸素呼吸の反応は本質的に光合成の逆。
C6H12O6+6O2 -> 6CO2+6H2O+2880kjmol-1
脊椎動物では酸素ガスは肺の膜を通して血液中に拡散し赤血球中のヘモグロビンと結びつき、
その色を紫がかった赤から明るい赤へ変える。
1 Lの血液が溶かせる酸素ガスは200 mL。
超酸化物イオンや過酸化水素などの活性酸素は、
酸素呼吸を行う生体にとって非常に危険な副産物であり、
ミトコンドリアを取り込んだ真核生物は、
進化の過程でデオキシリボ核酸を酸素から保護するために核膜を獲得。その一方で、
高等生物は免疫系で細菌を破壊するために過酸化物を用いる。
成人が消費する酸素は、1分あたり約250 mL、これは約0.36 gに相当。
ここから計算すると、人類全体が1年間に消費する量は13億トンに相当。
なお、酸素を利用しない呼吸の形態を嫌気呼吸と云い。
最初の地球に酸素が存在しなかったことから、これが最初の呼吸のあり方と考える。
これは好気呼吸の経路にも、解糖系という形態で残る。
酸素を全く使わずに生活する微生物も存すが、酸素の存在下では死滅(嫌気性生物)。
初期の微生物にとっても、酸素は有毒物質であった。
化合物
酸素は電気陰性度が高く、ほとんどあらゆる元素と化学結合。
多くの有機化合物は構成元素として酸素を含み、無機化合物の酸素化合物は酸化物として多方面で利用。
同素体
地球上でのおもな同素体は酸素分子O2で、その結合長は121 pm、結合エネルギーは498 kJ/mol。
酸素分子は生物の複雑な細胞呼吸に使われている。
三酸素(O3)はオゾン 非常に反応性の大きい単体の気体、吸入すると肺組織を破壊。
オゾンは高層大気において、
酸素分子が紫外線によって分裂した酸素原子と別の酸素分子が結合することによって生成。
オゾンは紫外領域を強く吸収するため、
高層大気にあるオゾン層は地球を放射線から保護するシールドとして機能。
地表近くでもオゾンは生成しているが、これは自動車の排気ガスなどとして生成されている大気汚染物質。
同位体
酸素には安定同位体として16O、17O、18Oの3種類が知られるが、
天然存在比は16Oが99.7 %以上を占めている。また、放射性同位体も作られている。
かつては酸素を16として原子量を定義していたが、
物理学では16Oの原子量を16としたのに対して、
化学においては安定核種の平均原子量を16と置く定義の差があったことから、
酸素の同位体の存在が判明して以降混乱が起こり、1961年に炭素12を基準とするように置き換えられた。
と たのしい演劇の日々
酸素 oxygen、原子番号8の元素。元素記号はO。原子量は16.00。第16族元素、第2周期元素。
中国語圏では「酸」という字を用いず、「氧」(中国語読み:ヤン、ピンイン:yǎng、日本語読み:よう)
という字をあて、氧や氧氣(ようき)という。
性質
電気陰性度が大きいため反応性に富み、ほかのほとんどの元素と化合物(特に酸化物)を作る。
標準状態では2個の酸素原子が二重結合した無味無臭無色透明の二原子分子である酸素分子O2として存在。
物理的性質
約90 Kで液体、約54 Kで青みがかった固体となる。
ダイヤモンドアンビルセルなどで100万気圧を超えた高圧下では金属光沢を持ち、
125万気圧、0.6 Kでは超伝導金属となる。助燃性がある。
科学的性質
酸素は、フッ素に次いで2番目に電気陰性度が大きいため酸化力が強く、
ほとんどの元素と発熱反応を起こして化合物を作る。
希ガス-キセノンも、酸素と化合して三酸化キセノン(XeO3)などの化合物を作る(1962)。
分布
宇宙では水素、ヘリウムに次いで3番目に多くの質量を占め、
ケイ素量を106乗としたときの比率は2.38×107乗。
地球地殻においては最大を占める元素(質量の46.60 %、体積の93.77 %)、
石英の成分であるSiO2が地殻の大部分を構成。
気体の酸素分子は大気の体積の20.95 %、質量で23 %。
地球外でも酸素は多く存在。
おもな存在形態である氷は地球のほか、惑星、彗星、小惑星などにも見られる。
火星においては、大気組成の95 %を二酸化炭素が占める、
二酸化炭素(ドライアイス)やごく少量の水が氷として両極の氷床(氷冠)に存在。
星が生まれる元となる分子雲では、一酸化炭素が分子の中で2番目に存在量の多い分子。
酸素の起源は恒星核におけるヘリウムの核融合であり、酸素のスペクトルが検出される恒星も存在。
酸素分子dioxygen ;O2
物理的性質
常温常圧では無色無臭で助燃性をもつ気体として存在。
分子量32.00、沸点−183 °C(90 K)、融点−218.9 °C(54.3 K)。
水100 gに溶解する量は0 °Cで6.945 mg、25 °Cで3.931 mg、50 °Cで2.657 mg。
液体酸素は淡青色を示し、比重は1.14。
基底状態の三重項状態では不対電子を持つため常磁性体。
また活性酸素の一種で反磁性である励起状態の一重項酸素も存在。
構造
標準状態において一般の酸素は、
2つの酸素原子が縮退した三重項の電子配置で化学結合した分子構造(三重項酸素分子)を持つ
無色無臭の気体。
この結合次数は2で、一般に二重結合または1個の2電子結合と2個の3電子結合と表記。
三重項酸素分子とは電子の全スピン量子数が1となる状態で、
具体的には2つの不対電子が酸素分子に2つあるπ*(パイスター)反結合性軌道(アスタリスク (*) でラベル)を
ひとつずつ占め、しかも同じ向きのスピンを取っている。
このとき、酸素分子のエネルギーは基底状態にある。
また、酸素分子の二重結合は反結合軌道にも電子が存在するため、
結合軌道のみで電子を充足させる三重結合の窒素よりも安定さは下がり、
また、2つの電子が対を作らずビラジカルとして存在するため、
結果として酸素分子は窒素分子よりも少ないエネルギーでほかの物質と反応しやすい。
通常の三重項酸素分子は常磁性を持つ。
これは、不対電子のスピン磁気モーメント(スピンの向きが同じ電子がπ*反結合性軌道に入る)と
ふたつの酸素分子間に働く交換相互作用による。
液体酸素は磁石に吸いつけられ、実験では磁極間で自重を支えるに充分強い橋を作る。
これに対し、外部から高エネルギーが加わり不対電子のひとつがスピンを逆方向へ変え、
全スピン量子数が0となった酸素を一重項酸素といい、有機化合物との反応性が高い。
自然界で一重項酸素は、光合成の過程で水から作られたり、
対流圏で短波長の光によってオゾンの分解から発生したり、
または免疫システムの中で活性酸素の原料として用いられる。
その他
熱力学的に反応性が高く不安定な分子ではあるが、地球上では初期には光合成を行う嫌気性菌により、
のちの時代には植物の光合成によって年間約1011トン供給され続けているため多量に存在。
酸素呼吸を行う生物によって消費される。
実際、生命が発生する以前の原始大気では酸素分子はほとんど存在せず、
二酸化炭素などほかの原子と結合した状態であった。
現在の大気中の酸素分子はそのほぼすべてが光合成由来だと考える。
逆に、ほかの天体の大気中に遊離酸素の存在が確認されれば、生命の存在する間接的証拠となる。
酸素は、呼吸をする生物によっては必須であるが、同時に有害でもある。
呼吸の過程や光反応などで生じる活性酸素Reactive Oxygen Species, ROSは、
DNAなどの生体構成分子を酸化して変性。
純酸素の長時間吸引は生体にとって有害。
未熟児網膜症の原因、60 %以上の高濃度酸素を12時間以上吸引すると、
肺の充血などがみられ、最悪の場合、失明や死亡する。
25 °Cで標準気圧下では、淡水は1 L中に酸素を6.04 mL含んでいるが、
海水では1 Lあたり4.95 mLしか含んでいない。
5 °Cでの溶解度は、淡水では9.0 mL/L、海水では 7.2 mL/Lまで増加。
液体酸素は液体空気を分留して得られ、強い酸化剤。
液体空気を放置すると、沸点の低い窒素が先に蒸発するため、酸素分子が濃縮される。
1 Lの液化酸素が気化すると約800 Lの酸素ガスになる。
酸素は紫外線や無声放電などによってオゾン O3へと変換。また、
酸素分子のイオンとしてスーパーオキシドアニオン O2-とジオキシゲニル O2+あり。
生物学的役割
光合成と呼吸
自然界において遊離酸素は、光合成によって水が光分解されることで生じ
、海洋中の緑藻類やシアノバクテリアが地球大気中の酸素70 %を、残りは陸上の植物が作り出す。
簡易な光合成の反応式;6CO2+6H2O+photon->C6H12O6+6O2
二酸化炭素+水+日光 → グルコース+酸素
光分解による酸素発生は葉緑体のチラコイド膜中で起こる。
光をエネルギーとするこの作用は多くの段階を経て、
ATP を光リン酸化(photophosphorylation)させるプロトンの濃度勾配を起こす。
この際、水を酸化することで酸素ガスが発生し、大気中に放出。
酸素ガスは好気性生物が呼吸を行い、
ミトコンドリアで酸化的リン酸化反応を経てATPを発生させるために使われる。
酸素呼吸の反応は本質的に光合成の逆。
C6H12O6+6O2 -> 6CO2+6H2O+2880kjmol-1
脊椎動物では酸素ガスは肺の膜を通して血液中に拡散し赤血球中のヘモグロビンと結びつき、
その色を紫がかった赤から明るい赤へ変える。
1 Lの血液が溶かせる酸素ガスは200 mL。
超酸化物イオンや過酸化水素などの活性酸素は、
酸素呼吸を行う生体にとって非常に危険な副産物であり、
ミトコンドリアを取り込んだ真核生物は、
進化の過程でデオキシリボ核酸を酸素から保護するために核膜を獲得。その一方で、
高等生物は免疫系で細菌を破壊するために過酸化物を用いる。
成人が消費する酸素は、1分あたり約250 mL、これは約0.36 gに相当。
ここから計算すると、人類全体が1年間に消費する量は13億トンに相当。
なお、酸素を利用しない呼吸の形態を嫌気呼吸と云い。
最初の地球に酸素が存在しなかったことから、これが最初の呼吸のあり方と考える。
これは好気呼吸の経路にも、解糖系という形態で残る。
酸素を全く使わずに生活する微生物も存すが、酸素の存在下では死滅(嫌気性生物)。
初期の微生物にとっても、酸素は有毒物質であった。
化合物
酸素は電気陰性度が高く、ほとんどあらゆる元素と化学結合。
多くの有機化合物は構成元素として酸素を含み、無機化合物の酸素化合物は酸化物として多方面で利用。
同素体
地球上でのおもな同素体は酸素分子O2で、その結合長は121 pm、結合エネルギーは498 kJ/mol。
酸素分子は生物の複雑な細胞呼吸に使われている。
三酸素(O3)はオゾン 非常に反応性の大きい単体の気体、吸入すると肺組織を破壊。
オゾンは高層大気において、
酸素分子が紫外線によって分裂した酸素原子と別の酸素分子が結合することによって生成。
オゾンは紫外領域を強く吸収するため、
高層大気にあるオゾン層は地球を放射線から保護するシールドとして機能。
地表近くでもオゾンは生成しているが、これは自動車の排気ガスなどとして生成されている大気汚染物質。
同位体
酸素には安定同位体として16O、17O、18Oの3種類が知られるが、
天然存在比は16Oが99.7 %以上を占めている。また、放射性同位体も作られている。
かつては酸素を16として原子量を定義していたが、
物理学では16Oの原子量を16としたのに対して、
化学においては安定核種の平均原子量を16と置く定義の差があったことから、
酸素の同位体の存在が判明して以降混乱が起こり、1961年に炭素12を基準とするように置き換えられた。
と たのしい演劇の日々