<男井戸・女井戸>
おいど・めいど…?
<めいど>
…カフェ?
教養のなさそうな発想で恐縮ですが、現地で頭をよぎったのは事実。しかし、設置されている説明板により、まともな理解ができました。
<説明板>
『伝説によると、この二つの溜め井戸は、奈良時代の僧 良弁によって掘られ、「金剛水」「胎蔵水」と呼ばれたそうです。
戦国期、この場所に里見義堯が城を築くと、敵対する北条氏がいく度か来襲しますが、この井戸により籠城にも耐えることができました。
江戸時代、藩主の黒田直亨の頃から、藩士の結婚式の際に、新郎・新婦がこの水を飲み、夫婦の誓いをかわしたと言われています。』
(『』内は原文/読み方:良弁[ろうべん]・義堯[よしたか]・直亨[なおゆき])
高僧により掘られた井戸は、江戸時代には藩主により祝い事に用いられたわけですね。で、その間の戦国時代ですが、押し寄せる小田原北条軍に対し、籠城で凌ぐ里見軍はこの井戸にいく度となく救われたわけですね。
戦国時代の城の主流は山城です。平時はともかく、戦ともなれば山に籠ることとなります。高低差を利用した防御施設を攻め上がるのは、そう簡単なことではありません。攻め手も長期戦を選択することは多かったことでしょう。必然的に、守る側も籠城戦となります。そうなると、食糧の問題もありますが、最も必要不可欠なものは飲める水です。
久留里城は標高の高いところに井戸があるおかげで、この条件を満たしていました。逆に、古くから井戸があったからこそ、この山に本丸を配置したというのは考え過ぎですかね。
城兵の命をつないだ井戸なのかもしれません
■訪問:男井戸 女井戸
(久留里城本丸直下)
[千葉県君津市久留里]字内山
■参考及び出典
現地説明板
お城巡りランキング
タグ:千葉