今回はかつて日光御成道の宿場だった大門宿のなごりの話です。
大門?
場所はさいたま市緑区になります
<大門宿本陣表門>ほんじんおもてもん
大門宿の本陣の表門です
■日光御成道とは■にっこうおなりみち
日光御成道とは、将軍の日光社参のために整備された街道を指します。本郷追分で中山道と分かれ、岩淵宿や川口宿を経て日光街道に合流するまでの2里30町(約48km)の道のりです。今回ご紹介の大門もその宿場の一つでした。
<日光御成道>
まぁただの道ですね。昔からある道のせいでしょうか。道幅が狭く、歩道が十分に確保されていません。7月の炎天下、川口市側からさいたま市緑区大門を目指してひたすら歩き続けました。
<東大門>
東大門一丁目まできました。何となく先が見えてきた感じです。日光御成道はこのまままっすぐですが、ここでちょっと右手に曲がってみます。
<丘の上>
台地の上であることが実感できます。御成道は低地を避けるように、台地の縁をつたって目的地につながるようになっています。
もとの道へ戻ってしばらく進むと
<国道463号>
ここで浦和と越谷を結ぶ国道463号(越谷街道)と合流します
この道がそのままかつての日光御成道です。もともとは鎌倉時代の鎌倉街道中道(なかつみち)でした。今回は将軍ご一行が通った道を意識して訪問していますが、多くの名だたる武将が北を目指した街道でもあります。
<鳥居>
進行方向右手に赤い鳥居が見えました。当然立ち寄ります。宿場だったなごりを感じるために
<大門神社>だいもんじんじゃ
かなり長い参道を進んだ先には凛とした空気が待っていました
<社殿>
お邪魔致します…
<本殿>
本殿は江戸時代中期から後期の建立とのこと。大門神社そのものの創立時期は不詳ながら、江戸時代には十二所権現社と称し、宿場町大門宿の鎮守社だったとのことです。
さて
宿場だったなごりを少し味わったところで、この日の目的地へ
<本陣表門> ほんじんおもてもん
到着です。大門宿本陣のなごり
宿場の本陣とは、大名など身分の高い人たちが宿泊するところという意味です。武士の旅は行軍であり、宿泊場所は陣営。行軍の一番偉い人がいる宿が本陣と呼ばれるのは分かる気がしますね。この茅葺の長屋門は1694年(元禄7年)に建設されたもの。会田家が本陣を勤めていたため、会田本陣とも呼ばれています。そのような大役を任されるのですから、会田家は地元の名家ということですね。母屋も昭和まで残っていたそうですが、残念ながら焼失したそうです。
<県指定史跡>
<説明板>
詳細な説明が記されています。
あれ?ここには『大門宿は江戸から三番目の宿場』と記されています。えっと私の認識では四番目なのですが(岩淵→川口→鳩ヶ谷→大門)。
ここでの解釈では、岩淵と川口は合わせて一つとみなすようです。確かに、荒川の対岸同士で月の前半後半で宿場の役目を交代していました。それで一つとみなすわけですね。
江戸末期の大門宿は、本陣と脇本陣が各軒、旅籠が6軒とのこと。将軍家は更に先の岩槻城に宿泊するため、ここ大門宿にはお供の幕臣が分宿した旨が記されています。
<説明板の地図>
将軍の最初の宿泊先が岩槻城であることから、日光街道ではなく、かつての岩槻街道が選ばれたわけですね。譜代大名が城主を務める岩槻城なら何かと安心ですね。
そして
本陣から岩槻方面へ少し進んだ左手には
<脇本陣表門> わきほんじんおもてもん
こちらは脇本陣の表門。脇本陣とはいわば本陣の予備施設です。やや簡略化された造りとなっていまするそうですが、大きさは本陣の表門と同規模です。さいたま市指定有形文化財(建造物)に指定されています。
ということで
すっかり市街地化された大門ですが、本陣表門と脇本陣表門がしっかり保存されているおかげで、宿場のなごりを感じることができました。維持して頂いていることに、ただただ感謝申し上げたい気分でした。
最後に
更に岩槻方面へ進み、大門宿を通り過ぎたあたりでお邪魔した寺院をご紹介します
<大興寺>だいこうじ
真言宗智山派の寺院。境内の詳細は省略しますが、徳川家康より三十石寺領寄進の厚遇を受けたと伝わる古刹です。諸説ありますが、大門という地名はこの寺の門に由来していると言われています。
ということで
大門宿のご紹介でした。拙ブログにお付き合い頂きありがとうございます。
■訪問:大門宿本陣表門
[埼玉県さいたま市緑区大門]
■参考及び出典
・現地説明板
・Wikipedia:2021/7/24
・さいたま市ホームページ
文化財紹介 大門宿本陣表門
https://www.city.saitama.jp/004/005/006/001/005/001/002/p000196.html
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2021年07月24日
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