今回は高家旗本の陣屋のなごりです。
<畠山陣屋>はたけやまじんや
江戸時代に畠山基玄(もとはる)の陣屋が置かれた場所です。
畠山氏は中世以来の名門家です。低迷期もありましたが、江戸時代に畠山政信が300石の旗本となり、家督を継いだ長男基玄は、幕府の儀式などを司る高家旗本となりました(1679年)。基玄は将軍の使者として京や日光山に赴くなどして活躍し、下野国(栃木県)内で五千石の知行を得るに至りました。
<石碑>
足利氏の支流である名門家が、豊臣に逆らい低迷したのち、徳川に徴用された証ですね。
基玄は特に徳川綱吉からの信任が厚く、側用人(そばようにん)にも抜擢されています。これはもう石高うんぬんの問題ではなく、かなり重要なお役目です。平たく言えば、将軍の側近です。
<岡田代官屋敷>
畠山陣屋のお隣の建物
まず畠山基玄をご紹介しましたが、代官職を地元の岡田氏が代行したことから岡田代官所とも呼ばれるそうです。岡田氏は武士から帰農した旧家。地元の名家ですね。畠山陣屋跡は岡田氏の敷地内にあります。私の訪問時には閉館中でしたが、岡田記念館として公開されています。
<旧日光例幣使街道>
陣屋跡の手前の道は旧日光例幣使街道(れいへいしかいどう)。これは京都の朝廷から派遣された使者が、日光へ向かう時に通る道ということです。将軍の使者として京や日光へ足を運ぶこともあった畠山基玄。拠点がこの地にあることは、何かと都合が良かったのかもしれませんね。
ということで
時代を感じさせる栃木市の街並みの中に、名門家の陣屋跡もあることを共有できれば幸いです。
<蔵の街>
■訪問:畠山陣屋
[栃木県栃木市嘉右衛門町]
■参考
・Wikipedia:2021/7/23
・現地説明板
(岡田嘉右衛門家由緒書)
お城巡りランキング
2021年07月23日
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