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2017年03月25日

道灌vs豊島兄弟 江古田原古戦場のなごり

つわものどもが夢の跡
あの太田道灌と宿敵・豊島兄弟の激突の場を訪ねました。

■ 江古田原・沼袋の戦い ■えごたはら
江古田原・沼袋の戦いは、扇谷上杉氏重臣の太田道灌と石神井城主の豊島泰経との間で行われた合戦です。時は1477年(室町時代後期)、場所は現在の東京都中野区。道灌が武蔵の名族・豊島氏を滅ぼした戦いとして知られています。500年以上も前の合戦。今回の訪問はその古戦場です。

<石碑>
Dokannumabukuro (2).jpg
[東京都中野区松が丘]
この付近、江古田川と妙正寺川、そしてその支流が広がる湿地帯でした。今となっては何もない古戦場です。城跡めぐりといっしょで、土地の高低差とか川とか、地形を見て想像するしかありません。

<石碑のすぐ裏>
Dokannumabukuro (3).jpg
石碑の向う側は江古田川と妙正寺川の合流地点。残された緑とコンクリの川を見て、昔は雑木林やら沼地がひろがっていたのだろうと勝手に推定しながら楽しみます(正確なことは分りませんが、実際にそうだったと言われています)。


■ 豊島氏と太田道灌 ■
豊島氏は坂東八平氏の秩父氏の一族。練馬氏、板橋氏、平塚氏など多くの庶流を配し、武蔵国で大きな勢力を誇っていました。太田道灌と戦ったこの時、豊島氏の本城は石神井城(現在の石神井公園)、当主は豊島泰経。長きに渡り繁栄し続けた豊島氏ですが、この時すでにピークを過ぎていたことは否めません。

一方、道灌は勢いに乗っている真っ最中。破竹の勢いで戦乱の世となった関東を席巻し、衰えかけていた上杉家の勢力を取り戻していきます。江戸城の築城者として有名な道灌ですが、武勇伝・逸話が沢山の後世に語り継がれる英雄。その全盛期です。

<沼袋氷川神社>
Dokannumabukuro (1).jpg
[東京都中野区沼袋]
太田道灌が陣を張ったのがこの沼袋氷川神社。西武新宿線「沼袋駅」近くです。


■ 激 突 ■
まず江戸城を出た太田道灌が、豊島泰明(泰経の弟)が城主を務める練馬城に矢を撃ち込み、周辺にも放火。泰明は石神井城の兄と急ぎ連絡をとり、石神井城・練馬城双方から挙兵。太田道灌が引き返してこれを迎え撃つことになり、両郡が激突することになったのが、江古田原付近ということになります。

史実は以上ですが、豊島兄弟は挑発にのってしまい、わざわざ道灌にとって有利な場所に誘き寄せられたという見方が有力です。練馬城への攻撃は挑発に過ぎず、最初から伏兵を潜ませた平地へ豊島軍を誘い込み、一気に勝負をつけたと思われます。

------参考画像------

練馬城跡 (としまえん)
1nerima.jpg

石神井城跡 (石神井公園)
1shyaku1.jpg

太田道灌銅像 (JR日暮里駅前)
Dokan nippori (2).jpg


■ 結 果 ■
結果は道灌軍の大勝利です。豊島氏は逃げ延びますが、その後まもなく滅亡となりました。

太田道灌、この時四十代半ば。
主君に暗殺される悲劇まで、もう残り十年も無い時の大活躍です。

■訪問:江古田原古戦場
[東京都中野区松が丘]


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posted by Isuke at 20:50| Comment(2) | TrackBack(0) | 城跡[都内]
この記事へのコメント
鷲谷さん
拙ブログに来て頂きありがとうございます。江古田原・沼袋の戦いですが、現地に遺構もなく、想像力だけで勝手に楽しみました。そんな思いが共有できたら嬉しいです。練馬城も実質は遺構が無いに等しいですが、高低差や川は残り、雰囲気は楽しめます。
ブログ、拝見させて頂きます。まずはお礼まで。
Posted by Isuke at 2020年07月16日 06:19
はじめまして、鷲谷と申します!

江古田原・沼袋の戦いについての記事を書かせていただいた際に参考にさせていただきました。

都内ですが、さりげなく史跡が残っているのがたまりませんね。

練馬城はお堀が残っているんでしょうか?

わくわくしますね!

自ブログにて勝手にリンクを貼らせていただいたので、ぜひ遊びに来てください!
Posted by 鷲谷 壮介 at 2020年07月16日 01:52
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