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2017年07月30日

松平伊豆守と野火止用水

<野火止用水> 玉川上水の分水
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立川市(玉川上水)から始まり志木市(新河岸川)まで約25q。江戸時代の壮大な公共事業です。この水路にあうべく、埼玉県新座市を訪問しました。

■野火止用水■ のびどめようすい
老中・松平伊豆守信綱によって開削されたことから「伊豆殿堀」とも呼ばれています。信綱は「知恵伊豆」と呼ばれた知恵者。松平家の養子となり、その才覚で異例ともいえる出世を果たしました。老中ですからね。幕府の中核です。そして川越藩主。玉川上水の開削に成功後、玉川上水からの分水を許可され、乾燥した台地のため水に苦労していた自分の領内にこの水路を築きました(玉川上水7・野火止用水3の割合で分水)。水が領民の暮らしを豊かにしたことは言うまでもありません。まずは飲み水や生活用水がいきわたるようになり、後には農地の開拓にも貢献しました。


<新座駅前>
nobidomeyosui (3).jpg
水車が涼しげに回ってます。到着と同時に水路を意識せざるをえません。


<水路発見>
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草で見えにくいですが、水路を見つけました。もっと早くお目にかかれるかと思っていましたが、結構歩きました。これより駅側は暗渠化(地下に埋設)されています。つまり、見ることができません。

■暗渠となる背景■ あんきょ
ここから一気に昭和の話になります。戦後、生活様式の変化や宅地化により、生活排水が用水に流れるようになり水質が悪化。加えて東京の水不足により、玉川上水からの分水が制限されるようになり、野火止用水の水質はますます悪くなります。最後は玉川上水からの取水が停止。やがて汚れた水路には蓋がされ、地表からその姿を消しました。
臭いものには蓋・・・
まぁそうなる背景があってのことですが、そういうことですね。

■価値の見直し■
歴史的な価値を見直す機運が高まっています。先人たちの仕事を見直すことは、人の思いを見直すことのように思えます。見た目以上に美しく感じるのは、きっとそのせいでしょう。

<歴史を刻んだ水の路> みずのみち
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知恵伊豆と呼ばれた男の水路。そして領民に感謝された水路。この用水路に蓋がされることはもうないでしょう。本来あるべき姿。いいですね。


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posted by Isuke at 22:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 川跡・暗渠
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