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2019年11月11日

千代と一豊と駿馬 清水銀行掛川支店にて

掛川城へ向かう途上、古風な建物と出会いました。

shirononagori378 c2.jpg
城下町を思わせるこの素敵な外観。良く見たら銀行でした。清水銀行掛川支店です。建物も魅力的ですが、外壁のレリーフがひときわ目をひきます。場所が場所ですから、あの武将は掛川城主にもなった山内一豊?ですよね。お隣は遠くからはよく分からず、個人的にモーゼを思い出してしまいました。そんな組み合わせあり得ませんが・・・

<外壁のレリーフ>
shirononagori378 (2).JPG
こて絵でしょうか?良くできています。モーゼに見えた人物の正体は一豊の妻・千代でした。千代と馬に跨る一豊です。ということは、この馬はただの馬ではありませんね。駿馬です。このレリーフは有名な逸話を表現したものだったわけです。

逸話とは

ある時、織田信長が配下の武将を集めての大馬揃えを行うことになりました。大馬揃えとは、まぁ簡単に言ってしまえば騎馬の優越を競いあう軍事パレードのようなものです。山内一豊は信長に仕えていましたが、あまり裕福な方ではなく、人前で披露するような馬を用意することはできそうにありません。周囲の者達も、一豊は欠席するのではないのかと噂したそうです。事情を知った妻・千代は大金を差し出し、一豊に駿馬を買うよう勧めました。一豊は、その大金が『夫の一大事に備えよ』と千代の母が嫁ぐ娘に持たせたものだと知ります。
大馬揃え当日、一豊は駿馬にまたがって現れます。周囲の驚きは当然のこと、その姿は信長の目にもとまりました。いきさつを知った信長は、「この馬を織田家中の者が買うことが出来ず、他家の者が手に入れようものなら物笑いの種になったであろう。よくぞ織田家の恥を未然に防いでくれた」と褒めたたえました。

ちょっと省略しましたが、だいたいこんなお話です。

これ以降、一豊は信長、そして秀吉に重く用いられるようになります。掛川城の城主となれたのは、秀吉の小田原征伐に加わった時の功績によるもの。のちには徳川家康に従い、やがて土佐国9万8千石を与えられます。この大出世の陰に、妻の千代あり。司馬遼太郎の小説で描かれた世界ですね。

shirononagori378 (3).jpg
内助の功、妻のへそくり、銀行預金・・・いろいろと考えさせられる光景でした。清水銀行さん、粋な演出ありがとうございました。


■訪問:清水銀行掛川支店
[静岡県掛川市中町]2-5


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タグ:静岡
posted by Isuke at 22:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 城跡[中部]
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