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2019年08月17日

最年少の将軍・徳川家継のなごり 旧有章院霊廟二天門

今回は日比谷通りから見える重要文化家財のご紹介です。徳川将軍家ゆかりの門です。

<旧有章院霊廟二天門>
shirononagori362 (2).JPG

■有章院霊廟■ゆうしょういんれいびょう
まず有章院ですが、これは将軍・徳川家継の院号です。家継?でピンとこない方でも、幼くして就任した将軍の話は聞いた事があるかもしれませんね。それが第7代将軍・家継です。第6代将軍・徳川家宣の四男ですが、兄弟はみな体が弱く早世し、その結果僅か4歳で将軍となりました(1713年)。新井白石などから教育を受け、将来を期待されましたが、風邪を悪化させて病の床に臥し、そのまま亡くなりました(1716年)。在位は3年でした。

<三つ葉葵>
shirononagori362 (6).JPG

家継の霊廟は、第8代将軍の徳川吉宗により1717年に建立されました。日光の東照宮を意識した豪華なものだったそうです。しかし、1945年の空襲により、当時国宝だった霊廟は大半が焼失。霊廟の表門が焼失を免れ、現在は東京プリンスホテルの敷地内に佇んでいます。国指定重要文化財です。土葬されていた家継の遺体は、増上寺内の徳川将軍墓所に移されています。15人の将軍のうち6名。家継の他に秀忠(2代)・家宣(6代)・家重(9代)・家慶(12代)・家茂(14代)がこの墓所で眠っています。

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実はこの立派な門、修繕が終わったばかりなのです。修繕前は、朱塗りや金箔が剥げ落ち、やや痛々しいが漂う門でした。保存修理工事を大成建設が請け負うことになり、それ以降は長らく工事用のベールに包まれ、中を伺うことはできませんでした。

それが先月一部が見えるように
<2019年7月撮影>
shirononagori362 (10).JPG
作業現場を囲む壁はそのままですが、覆いが外されていました。いよいよかという期待を持ちながらも、その後なかなか明るいうちに訪問することができず、ようやくその全容を確認することができました。

<2019年8月撮影>
shirononagori362 (5).JPG
二天門、 つまり左右一対の天を安置した門です。この門の場合、多聞天と広目天。

<多聞天>たもんてん
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右側が多聞天。北方を守る神です。別名の毘沙門天の方がよく知られていますかね。

<広目天>こうもくてん
shirononagori362 (8).JPG
左側は広目天。西方を守る神です。

この二神と増長天(南方を守る神)、持国天(東方を守る神)で、いわゆる四天王ですね。

かつての家継(有章院)の霊廟は、父であり6代将軍である家宣の文照院霊廟と並んでいたそうです。焼けてしまった文照院の門には、増長天と持国天の像が置かれていました。

ということで
改修工事が終わったばかりの旧有章院霊廟二天門のご紹介でした。当ブログがきっかけで、足を止めてくれる人がいたら嬉しいです。

shirononagori362 (7).JPG

■訪問:
旧有章院霊廟二天門

[東京都港区芝公園]3



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