宇都宮城の移設門を訪ねました。
■錫杖寺■ しゃくじょうじ
訪問したのは717年に建立された歴史のあるお寺です。
<参道>
真言宗智山派の寺院。そして徳川将軍家と縁の深いお寺です。
<各種説明>
将軍家との縁。具大的には、この寺が将軍の日光参詣の時の休息所という役割を担っていたこと。ここ川口は、日光御成道(にっこうおなりみち)の宿場でした。『日光御成道』は一般の街道とは異なり、将軍の日光社参専用道路です。中山道の本郷追分から分かれて北へ向かい、岩淵宿(現在の東京都北区)を経て荒川を渡ると、ここ川口へ到着する道筋となっています。川口宿を出て、更に北へ北へ進むと、やがて日光街道と合流します。
<本堂>
この本堂は1975年に新築されたもの。立派です。
<弘法大師像>
境内に見どころは沢山ありますが、せっかく錫杖寺にお邪魔しているので弘法大師の修行像を。錫杖は僧が携帯する杖のことですね。基本的に右手(浄手)で持つことになっています。
弘法大師像の背後は鐘楼。墓所の撮影は遠慮しましたが、大奥最後の御年寄り「滝山」のお墓があります。
さて
このお寺の貴重な品々や深い歴史のすべては紹介できませんので、そろそろ訪問した目的の門について
■錫杖寺の山門■
<御成門>
宇都宮城から移築された門です。夕方の訪問。到着した時は開いていました。
移築は明治になってからのお話。宇都宮城は戊辰戦争に巻き込まれ、その大半が焼失しました。その戦火を潜り抜けた門という訳ですね。
<弾痕?>
これは弾痕でしょうか?
<小さな穴>
こちらにも穴がありますが、綺麗に切り抜いた痕のようにも見えますね。
<柱の傷>
強いて言えば、柱の線は刀傷ともとれます。
この寺の門には「宇都宮城の戦いの傷痕が残る」と聞き及んでいましたが、想像していたよりも綺麗な状態。見る人が見れば分かるのかもしれませんが、丁寧な修復がなされおり、痛々しさのような雰囲気は漂いません。
まぁ傷の具合がとうであれ、この門が宇都宮城の一部だったことは事実です。徳川家ゆかりの寺に、旧幕府軍と新政府軍の戦いに巻き込まれた宇都宮城の門がいまでも立派に佇んでいる。これを目の当たりにできただけで、来た甲斐がありました。感慨深い山門です。
錫杖寺は川口駅から徒歩10分程度。当ブログがきっかけで、訪れる人がいたら嬉しいです。
帰りは閉門されていました
■訪問:錫杖寺
[埼玉県川口市本町]
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-----------(追 記)-----------
<宇都宮城の櫓>
当ブログでは、宇都宮城訪問記を別途投稿しています。もしよろしかったら覗いてみて下さい。市街地化により原形は留めていませんが、かつて関東七名城の一つとされた城跡です。
■投稿:2018年09月01日
■タイトル:関東七名城 宇都宮城のなごり
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タグ:埼玉