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2018年03月26日

コンクリ渓谷を行く 滝野川城跡(金剛寺)

板橋から王子まで、桜が咲き誇る石神井川沿いを歩いてみました。その途中、以前当ブログでもご紹介した金剛寺に立ち寄りました。豊島一族の滝野川氏の城跡と推定されている場所です。追記の意味も込めて、投稿させてもらいます。

<コンクリ渓谷>
sirononagori213 (4).JPG
このコンクリで固められた石神井川の崖の上、つまり桜で隠れているところが金剛寺です。

前の訪問記はこちらです
豊島一族の城跡(滝野川城)

前回は真冬でした。今回は3月下旬。春の日差しを浴びながらの再訪です。


■地の利の再確認■

<石神井川の桜>
sirononagori213 (2).JPG
人がいない一瞬をとらえて撮影。見事な桜のおかげで、前回は遠く感じたのに、あっという間に滝野川城跡へ到着しまた。

<無音もみじ緑地>
sirononagori213 (3).JPG
これこれ。この緑地の地形が重要な意味を持ちます。

<滝野川城跡>
sirononagori213 (6).JPG
左が現在の石神井川の流路。右側は無音もみじ緑地。斜面を登った所に金剛寺があります。

今回の画像の方が「地の利」がはっきりします。桜や人の大きさと比較して、水面までいかに高低差があるか一目瞭然ですね。繰り返しになりますが、ここはむかしは渓谷でした。

<同じ画像を加工>
sirononagori213 (5).JPG
かつての石神井川はもっと好き勝手に蛇行していました。この付近だと赤い線がかつての流路高台の城跡がどのような場所に築かれたのか、ご理解頂けるのではないでしょうか。単に川沿いというのではなく、舌状台地の上にありました。つまり三方の大半が川に面していたということですね。更にカーブだけではなく、地形ももっと複雑だったはずです。そもそも「滝野川」とは、具体的には石神井川のことを指していました。「滝のような川」というのが名の由来、そして地名の由来と考えられています。水量も今とは比較にならないほど多かったようです。

川と高低差による地の利。かつては『天然の要害』の要件を満たす場所だっと推定できますね。というか、遺構はないので、この状況証拠と伝わる話を信じ切って眺めるしかありません。


■金剛寺■城跡のいま
さて、折角立ち寄ったので・・・あまりお寺さんに詳しくないのに恐縮です。

<下から撮影>
sirononagori213 (7).JPG
まず石神井川沿いの歩道から見上げた金剛寺(と桜)

<金剛寺の山門>
sirononagori213 (8).JPG
上に登ってみました。ここが真言宗豊山派寺院の金剛寺です。左の石碑には紅葉寺と刻まれています。周辺には桜が咲き誇っていますが、かつては紅葉の名所で、寺の別名として紅葉寺(もみじでら)とも呼ばれています。

<説明板>
sirononagori213 (9).JPG
前回と重複しますが、ここは源頼朝ゆかりの地でもあります。源頼朝の布陣伝承地。「石橋山の戦いに破れた頼朝が、鎌倉に向かう途中に布陣した場所」とのことです。豊島氏や滝野川氏に関する説明はありません。ただ、敗れた頼朝が再び挙兵し、やがて関東を平定するさいに、豊島氏が従軍していることは史実として明らかになっています。源頼朝と豊島氏、まったく無関係ということではありません。

<弘法大師像>
sirononagori213 (1).JPG
弘法大師が創建したと伝わります。

<金剛寺本堂>
sirononagori213 (10).JPG
本堂の右手が石神井川になります。つまりかつての渓谷ですね。

<弁天堂>
sirononagori213 (12).JPG

<境内にて>
sirononagori213 (11).JPG

sirononagori213 (13).JPG

一番左は毘沙門天ですね。おじゃましました。前回は地形に満足して早々に立ち去りましたが、今回はゆっくり拝見させて頂きました。

■つわものどもが夢の跡■
かつて石神井川沿いに次々と拠点を設け、栄華を誇った豊島氏一族。1477年、太田道灌との戦いに敗れ、滝野川氏は本家の豊島氏とともに滅亡しました。石神井城や練馬城と同様、この地にあったとされる城もその後まもなく廃城となりました。

-------■滝野川城■-------
別 名:豊島城
築城年:不明(15世紀後半)
築城者:滝野川氏
城 主:滝野川氏
廃 城:1477年頃
現 状:金剛寺
[東京都北区滝野川]3丁目

 
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タグ:豊島一族
posted by Isuke at 21:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 城跡[都内]
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