■石の積み方を基準とした分類■
<@乱積み>らんづみ
不均一なままの石を積み上げます。
<A布積み>ぬのづみ
ほぼ同じサイズの石を横方向に揃えて並べます。
たったこれだけ。聞き慣れないだけで、解りやすい分類ですね。実際にはもっと多くの分類がありますが、研究家の方は別として、大きな分類としてこの2種類で充分かと思います(私は)。
■応用■
このまま終わるとあっけないので、ちょっと応用編を。
(その前に前回の復習)
●石の加工の具合による分類
@野面積み(のづらづみ):自然の石のまま積む。A打込み接ぎ(うちこみはぎ):石の角や面を平たくして隙間を減らして積む。B切込み接ぎ:石を四角に整形して密着させて積む。以上です。
もうちょっと丁寧な説明はこちらを
→『城用語 野面積み』
■複合技で細分化してみよう■
[基準]積み方
@乱積みA布積み
[基準]石の加工具合
@野面積みA打込み接ぎB切込み接ぎ
【問題】
ではこの2種類の基準を両方使って石垣を分類したら何種類に分類できるでしょうか?
【計算式】 2×3
【正 解】 6種類
【解 説】
自然の石は大きさがまちまちです。それを普通に積んでいけばまぁ石の加工具合は「野面積み」で積み方は「乱積み」。野面乱積となります。四文字熟語のようですが、そのまま「のづら らんづみ」と読んで下さい。。
自然な石が工業製品のように同規格なはずはありませんが、まぁほぼ似た大きさを横に向かって揃えて並べていけば「野面積み」でありながら「布積」となるので野面布積(のづら ぬのづみ)ということになります。まぁこんな感じです。
【補足】布積み
タテもヨコもほぼ同規格の自然の石は希なので、高さをなるべく統一して横方向に積んでいくのが「布積」と思って良いです。レゴのようにキッチリ仕上がるはずないので、多少の歪みは容認し、あと明らかに調整のために使っている小石などは一旦無視して眺めた方が分類そのものはしやすいです。ただまぁこれは分類する時のコツに過ぎないので、せっかくなら、如何に石の不規則を調整しながら石を積んでいるか、そっちを見て欲しいですね。予定通りの石などほとんどない。それを扱う人間業の凄さ、ここに深みがあります。
ということで、石垣は「積み方」で2種類、「石の加工具合」で3種類の分け方があり、両方を使うと6種類に分類できるというお話でした。城跡で石垣を見かけたとき、ちょっと思い出してくれれば嬉しいです。
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