いわゆる「しろかね」にも土塁があると聞いて訪問してきました。
<白金台の土塁>看板付
場所は港区白金台の国立自然教育園の園内。室町時代の豪族が館を構えたと伝わります。
<自然教育園>
もともと高松藩松平家の下屋敷があった場所です。現在は「国立科学博物館附属自然教育園」ということで、入園料大人310円です。
<御料地>
城址の石碑かと思って接近。違いました。皇室の御料地だったこともあるのですね。
<園内地図>
ちゃんと「館跡」が載ってます。入口から歩いてすぐですね。一般的に白金長者屋敷跡と呼ばれてますが、園内の表示も「館跡」なので、以下はそれで通します。
<土塁>
園内地図の「館跡」に辿りつく前ですが、早くも土塁と出あえました。思っていたよりは高い土塁です。
草木を紹介するのと同じように「土塁」という看板があります(園内の主役は草木です)。もともと起伏のある場所なので判断しかねるところもありますが、ここに限らず、園内の至る所に土塁らしきものを見ることができます。
<館周辺の案内図>
館を囲むように土塁が造られていたのですね。これはもう、ちょっとした城郭です。想像ですが、土塁の上に柵なども設けていたのかも知れません。
■白金長者とは■
1400年前後にこの付近を開墾した柳下上総介を指します。富豪だったようです。白金(しろがね)は、いわゆるプラチナではなく、銀(しろかね)の意味でした。銀をたくさん持っている富豪であることから「白金長者」と呼ばれるようになり、その呼び名が町名となっています。
そういえば、白金台で育った知人は、この地の館跡を「長者丸」と呼んでいました。それが一般的かどうかはわかりませんが・・・
<土塁>
この道は土塁を壊して造られたようです。つまり道から見えるのは土塁の断面です。
<高台>
遺構を通過すると坂道。館跡は高台に位置しています。画像は下から見上げた眺め。
白金・白金台といえば人気の街ですね。現地の地形をみて回りましたが、同じ町名でも随分と高低差があります。丘あり、そして低地あり。小規模な崖も存在しています。今回訪問の「白金長者屋敷」は丘の上。経緯が経緯なので、都市開発に巻き込まれず、豊かな自然とともに館(屋敷)のなごりまで残されました。とても貴重です。
<館跡と土塁>
説明板の背後も土塁です
この街を指して「プラチナ」と呼ぶのは一般的ですが、城跡好きにとっては、こんな都会に残された土塁そのものがプラチナです。来た甲斐がありました。
---■白金長者屋敷■---
(柳下上総介の館)
築 城:1400年頃
築城者:柳下上総介
館 主:柳下上総介
[ 東京都港区白金台 ]
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