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2017年10月01日

赤見城のなごり(佐野市)唐沢山城の支城跡

つわものどもが夢の跡
佐野氏の居城・唐沢山城の支城を訪ねました。

<赤見城の土跡>あかみじょう
akakmijo SN136 (2).jpg
堀と土塁が良好な状態で残されています。左手が本丸跡です。

<水堀>
akakmijo SN136 (1).jpg
土塁の上から撮影した堀。本丸の敷地面積に対して相当深く感じます。このまま現役の堀として機能するレベルではないでしょうか。攻め手の武器にもよりますが、、、。

この遺構は中世のものですね。そもそもこの地に城ができたのは、いつごろだったのでしょうか?


■ 赤見城の築城 ■鎌倉以前
平安時代後期、藤姓足利氏の足利俊綱がこの地に城を築いたのが始まりだそうです。足利氏?あの足利尊氏の足利氏?ではなく、こちらは藤原秀郷の後裔の足利氏。いわゆる清和源氏の流れと混同を避ける為『藤姓足利氏』とも呼ばれます。このブログでも藤姓足利氏と表記します。
その「藤姓足利氏」4代当主・俊綱、つまり今回訪問の赤見城築城者は、源義広(みなもと のよしひろ:志田義広)が源頼朝に反旗を翻した際、これにつづくべく挙兵しましたが、家臣に裏切られ命を落とし、この時に城も落とされたと伝わります。これが1181年話。まだ平安時代ですね。

( ※ちょっと余談になりますが )
裏切った家臣は桐生六郎といいます。主君である足利俊綱を斬ってその首を持参し、褒美として御家人となることを源頼朝に求めました。しかし頼朝は、家臣に桐生六郎を斬らせました。主人を殺す所存は不当。信じられないということですね。


■ 唐沢山城の支城 ■
1190年に戸賀崎義宗が城を再興させて城主となり、その後は長らく戸賀崎氏の居城として機能していました。だいぶたって戦国期、佐野氏に攻められた戸賀崎氏子孫の赤見氏が常陸へ去ると、この城は唐沢山城の支城という位置付けになります。佐野氏支配下で、足利方面をけん制する役割を担いました。その佐野氏が改易された時に廃城。古い城ですが、ここで幕引きとなりました。

かなり長い歴史を強引にまとめるとこんな感じです。前半はブログを書くにあたって調べました。私が訪問時に意識していたのは後半だけ。極めてシンプルに「唐沢山城の支城」として城のなごりを味わいました。「多少遺構があるらしい」という程度の情報で訪問したため、現地でやや興奮。マイナーな城ですが、中世の城跡が好きな人にはたまらない遺構と出会える場所です。

■ 城跡のいま ■
<堅い守りの保育園>
akakmijo SN136 (5).jpg
素晴らしい遺構の赤見城跡ですが、本丸跡は現在保育園。「赤見城保育園」です。土塁に守られた贅沢な環境。ちょっとガードが過剰ですかね。

<土塁に穴>抜け穴
akakmijo SN136 (6).jpg
これはいいですね。折角の遺構ですが、この保育園、南側の入口以外は三方を土塁に囲まれてます。こうして穴でも開けないと、万が一の時に逃げ場がありません。あとまぁ風通しもあるのでしょうか。幼児ならちょっとかがめば通れます。まぁ大人も通れなくはないですが、土塁を登る方が速そうですね。とにかく、土塁ごと壊す手もあったはず。穴だけで済ましてくれてるのが嬉しいです。

<二重土塁>
akakmijo SN136 (8).jpg
ちょっと「虎口」のような感じで映ってしまいましたが、二重土塁です。こういう遺構は嬉しいですね。良好な状態で残っています。正直、もっと有名でも良い城跡です。

<石碑と土塁>
akakmijo SN136 (3).jpg
佐野市指定文化財です。石碑に縄張り図がありました。それによれば赤見城そのものはもっと広く、現在残っているのはかつての本丸周辺のみ。連郭式の平城だったようなので、もっと広範囲に土塁や堀が設けられていたのでしょう。それらの痕跡を探すことなく城を後にしましたが、ここ本丸跡だけでも見応えはありました。

天気にも恵まれ、気持ちの良い城跡めぐりとなりました。

--------■ 赤見城 ■--------
別 名:町屋城
築城者:足利俊綱
    (藤姓足利氏)
築城年:1178年(治承2)
城 主:足利俊綱
    戸賀崎氏 佐野氏
廃 城:1614年(慶長19)
[ 栃木県佐野市赤見 ]


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posted by Isuke at 21:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 城跡[関東]
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