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2017年02月19日

筑西市の三館 (下館・中館・上館)

筑西市の三つの館跡。最後に上館を目指して北上します。

その前に、もう一度中館(伊佐城跡)付近の五行川

<五行川>
river1655.jpg
東の彼方には筑波山。ここ筑西市の名の由来ですね。

下館・中館・上館は全てこの川の西岸に位置します。川の別名は勤行川(ごんぎょうがわ)。伊達藩が伊佐城を調査した時の記録では勤行川と記されているそうです。

さて
ちょっと歩き疲れたので電車を利用することにしました。

<真岡鐵道>
mokatetsudo 1.jpg
下館駅(茨城県)と茂木駅(栃木県)を結ぶ第三セクターの鉄道。土日祝日にはSLが1日1往復運行します。私は普通の電車にて移動です。

<ひぐち駅>
mokatetsudo 2.jpg
無人駅です。次の城の住所だと、ここが最寄駅と勘違いしそうになりますが、最寄りはこの次です。

<久下田駅>
mokatetsudo3.JPG
到着しました。改札がありますが、今はここも無人駅ですので車内で清算します。

<久下田>
mokatetsudo4.jpg
久下田(くげた)というのは栃木県の地名になります。この駅はちょうど県境にあり、西(駅舎正面)は栃木県、東側は線路を越えてすぐに茨城県になります。

形としては「茨城にある久下田城」を目指すことになります。ちょっと紛らわしいですね。ただまぁ、東京ディズニーランドを目指して千葉県に行く人はたくさんいますので、あまりヘンなことではありませんね?

駅からはひたすら歩きます。

<水路になった堀>
mokatetsudokarakamidate 2.jpg
歩き出して間もなく、それらしい雰囲気です。そもそも、先ほどの駅を出てすぐの堀状の地形も、城のなごりではないかと思いたくなる鋭角なものでした。

再び気持ちが高揚してきます。

三つの館のうち上館にあたるこの地には、のちに下館城の北方を守る支城が築かれました。その城は広範囲に及んでいたらしく、もしかしたら、もうとっくに城内に足を踏み入れているのかもしれません。

<本丸>
mokatetsudokarakamidate 3.jpg
こんな所を歩いていいのかな?などと思って進んでいくと、突然目の前にゴールが。ここが主郭の入口になります。周囲には堀がはっきりと残されています。真冬の訪問ですが、草が凄いことに…

こういう「放っとかれた城跡」は基本的に好きです。

つわものどもが夢の跡
それを感じることができるから

ただ中をのぞいて一瞬躊躇。「荒城」という言葉を久しぶりに思い出しました。

(次の記事へつづきます)

[茨城県筑西市樋口]
※久下田駅から徒歩10分強
(あまり寄り道しない場合)


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posted by Isuke at 09:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 城跡[関東]

2017年02月18日

伊佐城のなごり

藤原秀郷が将門討伐のために築いた三つの館。下館の次は中館を訪ねました。

と、簡単に書いてしまいますが、実は道に迷って大きく遠回り。このあと上館まで行くことを思うと、ややへこんでました。

遠くに土塁らしきものを発見。希望が見えたかに思われましたが…
nakadate (1).jpg
古墳でした。筑西市内には沢山の古墳があります。その一つでね。

地図によれば、この古墳は目指す寺の北側に位置します。南からてくてく歩いてきたのですから、どうやら行き過ぎたようですね。良く見れば「寺うしろ古墳」と書いてあります。

寺のすぐ後ろにあるから寺うしろ古墳
まぁ目指す寺が近い証拠だろう

すぐ後ろなんて根拠はありませんが、いいように解釈し、また歩き始めました。

そして
目的地に到着。今度こそ間違いありません。

<中館観音寺>
nakadatekoguchi
手前の橋ですが、下は道になっています。曲輪と曲輪を隔てる堀切りのなごりでしょうか?この延命橋が昔の虎口(曲輪の入口)と同じ位置なのかどうかまでは解りません。

「中館」は鎌倉時代に更に補強工事がなされ、伊佐氏の居城となりました。事前の調べでは、境内とその周辺がその城跡になっているはずです。まぁ厳密な境界線は分りませんが、私としてはここから先、中館観音寺の境内を城跡だと思って楽しむことにしました。

<観音堂>
nakadate (3).jpg
ここは城の南側の曲輪跡ですね。

脇に参道を見つけました(画像の左手)。そちらへ進んで行くと…

土塁に仕切られた小径が現れました。それらしい気配を感じると早足になります。
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この土塁、当時のものだと信じたいですね。ただ、確証はありません。ここは先程の曲輪と、向かっている先との谷間となっています。堀の底なのでしょうか?

<観音寺山門>
nakadate (2).jpg
立派な門が現れました。

門をくぐると

nakadate (5).jpg
この地形、人の手による区間、そして高低差。この付近が城の本丸です。ここからはもうゆっくり歩きました。「城のなごり」を感じながら。

nakadate (6).jpg
遠回りして時間をロスしましたが「来てよかった」と思えました。

最後に
この伊佐城ですが、江戸時代になって仙台伊達藩が先祖の遺跡として調査をした記録があります。伊達氏は伊佐氏を祖とする一族。五代目伊佐朝宗が、源頼朝の奥州征伐に従って活躍し、福島県の伊達郡を与えられ、伊達氏を名乗りました。つまり、ここ中館の地は、伊達氏発祥の地と言えます。

伊佐城の名は南北朝時代の記録が最古のもになります。南朝方の伊佐氏は、ここを拠点に北朝方と戦いますが、城は同時代に廃城。五百年以上も前のお話になりますね。

つわものどもが夢の跡
次は上館を目指します。

[場所:茨城県筑西市中館]


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posted by Isuke at 18:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 城跡[関東]

下館城のなごり

茨城県にかつてあった下館市。現在は筑西市となっています。

城跡好きとしては、この下館という文字が市の名前から消えてしまったのが残念です。その呼び名は、かつて川沿いに築かれたという三つの館(北から順に上館・中館・下館)に由来します。

つわものどもが夢の跡
この日はまず下館を訪問

<下館城址碑>
shimodate1
三つの館が築かれたのは、あの藤原秀郷が平将門を討伐した時の話。諸説ありますが、とにかく千年以上も前の話になります。ここ下館の地には、その後結城氏配下の城が築かれ、家臣の水谷(みずのや)氏の居城となりました。水谷氏は名門結城氏の重臣です。下館はこのエリアの統治にとって、それくらい重要な拠点でした。

下館城の本丸跡は現在は神社になっています。

<八幡神社>
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土塁とか、何かそれらしい痕跡はないものかとうろうろしましたが……見当たりませんね。

ただ、この道・・・
shimodate3
左手が先ほどの本丸です。堀のなごりかも知れませんね。ちょっ行ってみましょう。

道を下れば、そこはもう川。城跡から見て東側です。
shimodate4
小貝川の支流・五行川です。ちなみに、中館も上館もこの川沿いに築かれました。

<下館城の構造>
shimodate6
川沿いに本丸・二の丸・三の丸が並んでいます。連郭式。こうやって曲輪を直線上に並べる縄張りをそういいます。下館城が廃城となるのは明治時代になってからです。この縄張り図は、城として完成形となっていた江戸時代のものですね。

もう一度道を下って本丸付近を見上げてみました。
shimodate5
下館城は平地に築かれた「平城」に分類されますが、微高地にあったようです。城の遺構と呼べるものはありませんが、地形は嘘をつきません。姿を消してなお残るこの気配。これを「城のなごり」と信じきって感じる。廃城巡りの楽しみです。

さて、三つの館を全てまわるつもりなので、ここはこのくらいにします。

つわものどもが夢の跡
次は中館の伊佐城跡を目指します。

[場所:茨城県筑西市甲]

※真岡鐵道の下館二高前駅から徒歩圏内です。男で10分くらいでしょうか。近くに小学校があり、下館城二の丸跡と考えられています。


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posted by Isuke at 17:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 城跡[関東]
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